山名:赤岳
山行目的:赤岳~編笠山縦走のつもりだったけど…
山行日:2011年12月29日(木)~30日(金)
天気:1日目晴れのちくも 2日目晴れ
山行者:単独です。
CT:
1日目 自宅最寄駅6:06=JR線=茅野駅=バス=美濃戸口11:00…
美濃戸山荘11:49…(南沢)…行者小屋14:00(テント泊)
2日目 行者小屋6:40…(文三郎尾根)…赤岳8:11~8:20…(文三郎尾根)…
行者小屋9:32~10:12…(南沢)…美濃戸山荘11:42~11:49…美濃戸口12:30
美濃戸口13:20=バス=茅野駅=JR線=自宅最寄り駅17:42
冬の八ヶ岳は2度目。
今回は主峰赤岳登頂と編笠山への縦走が目的。
しかし赤岳から編笠山への縦走は赤岳頂付近から実見し危険と判断。
結果、赤岳登頂のみとなり3日間の予定が2日間になった。
≪29日≫
硫黄岳天狗岳縦走と同じく美濃戸口から歩き始める。
年末だというのに雪がほとんど見当たらない。
登山届を促していた人に話を聞くと、
やはり例年より積雪が少ないとのこと。
美濃戸山荘まで林道を歩く。
影になっている所はうっすら雪があったり凍っているが、
日が当っている所はほとんど雪が無い。
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あっさり1時間足らずで美濃戸に着く。
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(美濃戸で最初の建物”やまのこ村”トンガリ屋根の左に阿弥陀岳が見えた。)
美濃戸は最奥の駐車場、関東ナンバーの車が溢れかえっている。
ゲートを越え橋を渡り暫く行くと美濃戸山荘が見えてくる。
玄関先のベンチには休憩中の登山者がちらほら。
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ここから道は北沢コースと南沢コースに別れる。
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前者は赤岳鉱泉へ、後者は行者小屋へ、
南沢コースへ足を踏み入れる。
堰堤を越えて沢伝いに登っていく。
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(南沢を歩き始めた辺りは雪がまだ少ない。)
いつしか沢音が聞こえなってくると、一面銀世界となる。
沢の水は伏流しているのかと思いきや、
完全に凍った状態で目の前に現れる場所が2カ所ほどあった。
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まるで時が止まってしまったかのような沢。
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(水が流れている場所もあった。雪の結晶?がきれい。)
しかし波打った様な氷面は今にも流れ出しそうだ。
やがて雪原が現われ、その奥には高くそびえる赤岳。
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頭にガスが掛かり始めている。
雪原からそれほど掛からず行者小屋、今日の行程はここまで。
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受付でテント場料金1000円を支払ってテント場へと向かう。
ソロから数人用のさまざまなテントがすでに十数張、
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良さそうな場所に張られている。
何とか木々に囲まれた風の影響が少なそうな場所を見つけて張る事が出来た。
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今回は雪上に設営ということで竹ペグを用意したが、
掘ってみたら5cmで地面が現われ戸惑った。
強引に埋め込んで雪をかぶせ踏んだらなんとか上手くいった。
不思議なもんだ。
ふと見上げたら赤岳、横岳、阿弥陀岳はすでにガスの中に消えていた。
今回は雪から水作りを想定してコーヒーフィルタや漏斗を用意してきたのだが、
水場からしっかり出ていたので、必要としなかった。
せっかく水作り体験できると思っていたのに、
面倒臭い手間が省けて嬉しいやらガッカリやら。
テント内に寝床を作って、持ってきた酒でチビチビやる。
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(柿ピーとウイスキーで。)
隣のテントはやけに騒がしい…もとい楽しそう、
若い活発な女性一人にオジサン二人。
一人で楽しむ山をやりたくて単独でやってきたのに、
妙にさみしい感情が湧いてくる。
しかしそれも酒が回ってくると忘れてしまう。
隣の騒がしさもなんだか、酒の肴に思えてくる。なーんて。
少しずつ暗くなってきてそのまま夕食に突入。
今晩はFD(フリーズドライ)カレーとα白飯と卵スープだ。
もはや定番!?ただ今回は荷の軽量化と凍結を防ぐためレトルトはやめてFDにした。
お腹が膨れて何もすることが無くなる、
自然と眠気がやってきてシュラフに身を埋め眠りについた。
山ではあまり深い眠りにはつけない、何度か目を覚ました。
≪30日≫
目覚まし通り4時半に起きた。
周りはイビキ以外の物音はしない、皆夢心地なのだろうか。
ガスを点け魔法瓶の中の水をコッヘルに注ぎ湯を沸かす。
テント本体内側はうっすら霜が張っている。
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テント内の気温は-10℃、冬の八ヶ岳の朝にしては暖かい方か。
スープを作り飲む。
その次に汁粉の素としゃぶしゃぶ用餅で餅入汁粉を作る。
ここで失敗、暖めた汁粉の素(レトルト)に餅を投入したのが悪かった。
なかなか柔らかくならない上にどんどん汁が無くなりコッヘル内は大惨事に。
餅は湯で柔らかくし、暖めた汁粉と別の器に…が正解だった。
勉強になりました。
食事を済ませたら、湯を作り魔法瓶に入れる。
二つ用意しているので、餅汁粉入の湯で作ったホットコーヒーと、
綺麗になったコッヘルで作った湯に別ける。
それから撤収準備に取り掛かる。
僕は朝起きてから撤収までのんびり派?夏は1時間半だが、
今回は2時間も掛かってしまった。予定より40分遅れて出発。
向かう赤岳の頭にはガスがまとわりついているが、好天へ向かう予報である。
テント場からチョイチョイで中岳へ分岐、過ぎるとどんどん急登になっていく。
一歩一歩ゆっくりと小幅で登っていく。
文三郎尾根、なかなかの急登です。
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(登ってきた文三郎尾根を振り返ってみる。)
急な長い階段を何カ所か通過していく。
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左頭上に赤岳、右手に中岳と阿弥陀岳を見ながら。
ふと立ち止まり振り返る。
行者小屋ははるか下。右手には横岳、奥に硫黄岳、天狗と続く。
周りを囲むようにそそり立つ八ヶ岳の峰々。
ふとオーケストラという言葉が浮かんだ。
再び前を向き登り始める、風が強くなってきた。
中岳分岐に出る、前がぱっと広がり、赤岳から権現岳、編笠山と続く稜線が見えた。
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赤岳登頂後に歩いて行く稜線だ。
しかし、あまりに険し過ぎる。
事前にある程度調べてきたが、
目の前の現実に今の自分の技量では先へ進めないと判断した。
悔しいが、それ程大きな落胆は無い、いや、むしろすっきりとした。
あまりにも今の自分には手が届きそうもない領域、
行けないという事がハッキリして不安やら恐怖心から解放され安心できたからだとおもう。
だけど、諦めたわけではない、いつしか同じ時期に再チャレンジしたい。
赤岳頂へは急登が続く。
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雪が少ないから岩が露出していて足を乗せるとアイゼンがガチャガチャして嫌らしい。
しかし、それ程難所というところはなくただ急登というだけ。
慎重に行けば問題ない。2カ所短い梯子を登れば頂だ。
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360度大展望、北アルプス辺りは雲が掛かっているがそれ以外はよく見える。
八ヶ岳に掛かるガスはいつの間にか完全に取れていて、峰が勢ぞろいだ。
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自分が立っている場所は八ヶ岳最高峰2899mの赤岳、
周りにはそれよりも高い山がいくつもあるが、
自分が世界の頂点に立っているような気がした。
高揚した気分のまま眺望を堪能し、
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(閉鎖中の頂上小屋。)
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(富士山もくっきり。)
満足感を十分味わった後、
近くの人と写真を撮りあっこしたあと下山した。
やはり下山はスリルがあった。
あの急登を登って来たのだ。
凄い高度感、足を滑らせたらどこまで落ちて行くのだろう?
チラと権現岳方面を見てから横岳、阿弥陀岳に目を移す。
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(下山中に見えた中岳と阿弥陀岳。)
冒険も必要だけど、もうちょっと考えてたら横岳、阿弥陀岳に登れたのになぁ~と思った。
計画してないから登るわけにもいかず、やや後ろ髪をひかれつつ行者小屋に降り立った。
日が差し込むまでまったりとしてから美濃戸口へ向かって下山を開始した。
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(赤岳から日が上る前、岩峰の影が巻き上げられた雪に映し出される。)
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(稜線上は強風によって雪が巻き上げられていた。)
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(赤岳からサンライズ。)
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(樹氷と阿弥陀岳。)
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(行者小屋のバックに横岳。)
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(行者小屋から少し下ったところにある雪原。)
美濃戸辺りの林道で振り返ると阿弥陀岳がそびえ立っている。
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登っていかないのか?と
声が聞こえたような気がした。
また来年来るさと答えた。
2011年登り納めとして素晴らしい山行だった。
また大好きな八ヶ岳に行こうと思う。
山行目的:赤岳~編笠山縦走のつもりだったけど…
山行日:2011年12月29日(木)~30日(金)
天気:1日目晴れのちくも 2日目晴れ
山行者:単独です。
CT:
1日目 自宅最寄駅6:06=JR線=茅野駅=バス=美濃戸口11:00…
美濃戸山荘11:49…(南沢)…行者小屋14:00(テント泊)
2日目 行者小屋6:40…(文三郎尾根)…赤岳8:11~8:20…(文三郎尾根)…
行者小屋9:32~10:12…(南沢)…美濃戸山荘11:42~11:49…美濃戸口12:30
美濃戸口13:20=バス=茅野駅=JR線=自宅最寄り駅17:42
冬の八ヶ岳は2度目。
今回は主峰赤岳登頂と編笠山への縦走が目的。
しかし赤岳から編笠山への縦走は赤岳頂付近から実見し危険と判断。
結果、赤岳登頂のみとなり3日間の予定が2日間になった。
≪29日≫
硫黄岳天狗岳縦走と同じく美濃戸口から歩き始める。
年末だというのに雪がほとんど見当たらない。
登山届を促していた人に話を聞くと、
やはり例年より積雪が少ないとのこと。
美濃戸山荘まで林道を歩く。
影になっている所はうっすら雪があったり凍っているが、
日が当っている所はほとんど雪が無い。
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あっさり1時間足らずで美濃戸に着く。
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(美濃戸で最初の建物”やまのこ村”トンガリ屋根の左に阿弥陀岳が見えた。)
美濃戸は最奥の駐車場、関東ナンバーの車が溢れかえっている。
ゲートを越え橋を渡り暫く行くと美濃戸山荘が見えてくる。
玄関先のベンチには休憩中の登山者がちらほら。
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ここから道は北沢コースと南沢コースに別れる。
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前者は赤岳鉱泉へ、後者は行者小屋へ、
南沢コースへ足を踏み入れる。
堰堤を越えて沢伝いに登っていく。
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(南沢を歩き始めた辺りは雪がまだ少ない。)
いつしか沢音が聞こえなってくると、一面銀世界となる。
沢の水は伏流しているのかと思いきや、
完全に凍った状態で目の前に現れる場所が2カ所ほどあった。
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まるで時が止まってしまったかのような沢。
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(水が流れている場所もあった。雪の結晶?がきれい。)
しかし波打った様な氷面は今にも流れ出しそうだ。
やがて雪原が現われ、その奥には高くそびえる赤岳。
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頭にガスが掛かり始めている。
雪原からそれほど掛からず行者小屋、今日の行程はここまで。
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受付でテント場料金1000円を支払ってテント場へと向かう。
ソロから数人用のさまざまなテントがすでに十数張、
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良さそうな場所に張られている。
何とか木々に囲まれた風の影響が少なそうな場所を見つけて張る事が出来た。
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今回は雪上に設営ということで竹ペグを用意したが、
掘ってみたら5cmで地面が現われ戸惑った。
強引に埋め込んで雪をかぶせ踏んだらなんとか上手くいった。
不思議なもんだ。
ふと見上げたら赤岳、横岳、阿弥陀岳はすでにガスの中に消えていた。
今回は雪から水作りを想定してコーヒーフィルタや漏斗を用意してきたのだが、
水場からしっかり出ていたので、必要としなかった。
せっかく水作り体験できると思っていたのに、
面倒臭い手間が省けて嬉しいやらガッカリやら。
テント内に寝床を作って、持ってきた酒でチビチビやる。
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(柿ピーとウイスキーで。)
隣のテントはやけに騒がしい…もとい楽しそう、
若い活発な女性一人にオジサン二人。
一人で楽しむ山をやりたくて単独でやってきたのに、
妙にさみしい感情が湧いてくる。
しかしそれも酒が回ってくると忘れてしまう。
隣の騒がしさもなんだか、酒の肴に思えてくる。なーんて。
少しずつ暗くなってきてそのまま夕食に突入。
今晩はFD(フリーズドライ)カレーとα白飯と卵スープだ。
もはや定番!?ただ今回は荷の軽量化と凍結を防ぐためレトルトはやめてFDにした。
お腹が膨れて何もすることが無くなる、
自然と眠気がやってきてシュラフに身を埋め眠りについた。
山ではあまり深い眠りにはつけない、何度か目を覚ました。
≪30日≫
目覚まし通り4時半に起きた。
周りはイビキ以外の物音はしない、皆夢心地なのだろうか。
ガスを点け魔法瓶の中の水をコッヘルに注ぎ湯を沸かす。
テント本体内側はうっすら霜が張っている。
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テント内の気温は-10℃、冬の八ヶ岳の朝にしては暖かい方か。
スープを作り飲む。
その次に汁粉の素としゃぶしゃぶ用餅で餅入汁粉を作る。
ここで失敗、暖めた汁粉の素(レトルト)に餅を投入したのが悪かった。
なかなか柔らかくならない上にどんどん汁が無くなりコッヘル内は大惨事に。
餅は湯で柔らかくし、暖めた汁粉と別の器に…が正解だった。
勉強になりました。
食事を済ませたら、湯を作り魔法瓶に入れる。
二つ用意しているので、餅汁粉入の湯で作ったホットコーヒーと、
綺麗になったコッヘルで作った湯に別ける。
それから撤収準備に取り掛かる。
僕は朝起きてから撤収までのんびり派?夏は1時間半だが、
今回は2時間も掛かってしまった。予定より40分遅れて出発。
向かう赤岳の頭にはガスがまとわりついているが、好天へ向かう予報である。
テント場からチョイチョイで中岳へ分岐、過ぎるとどんどん急登になっていく。
一歩一歩ゆっくりと小幅で登っていく。
文三郎尾根、なかなかの急登です。
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(登ってきた文三郎尾根を振り返ってみる。)
急な長い階段を何カ所か通過していく。
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左頭上に赤岳、右手に中岳と阿弥陀岳を見ながら。
ふと立ち止まり振り返る。
行者小屋ははるか下。右手には横岳、奥に硫黄岳、天狗と続く。
周りを囲むようにそそり立つ八ヶ岳の峰々。
ふとオーケストラという言葉が浮かんだ。
再び前を向き登り始める、風が強くなってきた。
中岳分岐に出る、前がぱっと広がり、赤岳から権現岳、編笠山と続く稜線が見えた。
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赤岳登頂後に歩いて行く稜線だ。
しかし、あまりに険し過ぎる。
事前にある程度調べてきたが、
目の前の現実に今の自分の技量では先へ進めないと判断した。
悔しいが、それ程大きな落胆は無い、いや、むしろすっきりとした。
あまりにも今の自分には手が届きそうもない領域、
行けないという事がハッキリして不安やら恐怖心から解放され安心できたからだとおもう。
だけど、諦めたわけではない、いつしか同じ時期に再チャレンジしたい。
赤岳頂へは急登が続く。
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雪が少ないから岩が露出していて足を乗せるとアイゼンがガチャガチャして嫌らしい。
しかし、それ程難所というところはなくただ急登というだけ。
慎重に行けば問題ない。2カ所短い梯子を登れば頂だ。
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360度大展望、北アルプス辺りは雲が掛かっているがそれ以外はよく見える。
八ヶ岳に掛かるガスはいつの間にか完全に取れていて、峰が勢ぞろいだ。
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自分が立っている場所は八ヶ岳最高峰2899mの赤岳、
周りにはそれよりも高い山がいくつもあるが、
自分が世界の頂点に立っているような気がした。
高揚した気分のまま眺望を堪能し、
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(閉鎖中の頂上小屋。)
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(富士山もくっきり。)
満足感を十分味わった後、
近くの人と写真を撮りあっこしたあと下山した。
やはり下山はスリルがあった。
あの急登を登って来たのだ。
凄い高度感、足を滑らせたらどこまで落ちて行くのだろう?
チラと権現岳方面を見てから横岳、阿弥陀岳に目を移す。
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(下山中に見えた中岳と阿弥陀岳。)
冒険も必要だけど、もうちょっと考えてたら横岳、阿弥陀岳に登れたのになぁ~と思った。
計画してないから登るわけにもいかず、やや後ろ髪をひかれつつ行者小屋に降り立った。
日が差し込むまでまったりとしてから美濃戸口へ向かって下山を開始した。
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(赤岳から日が上る前、岩峰の影が巻き上げられた雪に映し出される。)
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(稜線上は強風によって雪が巻き上げられていた。)
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(赤岳からサンライズ。)
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(樹氷と阿弥陀岳。)
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(行者小屋のバックに横岳。)
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(行者小屋から少し下ったところにある雪原。)
美濃戸辺りの林道で振り返ると阿弥陀岳がそびえ立っている。
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登っていかないのか?と
声が聞こえたような気がした。
また来年来るさと答えた。
2011年登り納めとして素晴らしい山行だった。
また大好きな八ヶ岳に行こうと思う。