夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

秀麗な冬の富士山、旅先で偶然にめぐり逢えた美景を思い馳せて・・。

2012-12-12 17:38:46 | 旅のあれこれ
私は東京郊外の調布市に住む年金生活の68歳の身であるが、
朝の9時過ぎから、風もない冬晴れの中、庭の手入れをした。
樹木の剪定をしたり、切り落とした枝葉を整理したり、たわわな落ち葉を掃き清めたりした。
こうした間、私は玄関の前の石畳に簡易椅子を持ちこんで、
ほぼ30分ごとに5分休憩し、煎茶を飲みながら、煙草を喫ったりしていた。

家内は年末に向けて台所の整理を徹底的にしたりして忙しいが、
ときおり私の状況を見たりして、私に温かい煎茶を淹れたりし、
私は8度前後の穏やかな陽射しを受けたりした。

こうした時、私は昨夜、本で冬季の富士山の美景を見たりした為か、
秀麗な冬の富士山を旅先で偶然に観た情景を思い馳せたりした・・。

誰しも旅先で偶然に富士山を見たりすると、富士山だわ、と心ときめいたりされる、と思われる。
そして特に冬季の富士山は、多くの方に圧倒的に魅了される、と私は思ったりしている。


私も数は少ないが、旅先で偶然にめぐり逢えた美景を秘めている。
40年近く前、私はサラリーマンであり、たまたま会社の部単位の社員旅行で、
2月の中旬に伊豆地方を訪れた。
マイクロバスを少し豪華にした応接セットのソファー、椅子などが配置されているミニバスで、
観光地を周遊し、大仁にある観光ホテルに宿泊した翌朝、
北上し沼津をめざしていた時、前方に大きく冬富士が観えた時、お互いに歓声を上げたりした。

定年後も私たち夫婦は、独り住まいの家内の母の要望で、三人で長崎の街を訪れる旅の始め、
羽田空港から飛び立った航空機が、まもなくして富士山を眼下に観え、
初めて観る冬の富士山・・綺麗だわねぇ、と家内の母がためいきを重ねて言ったりし、
私たち夫婦も大いに同意して、冬富士を褒め合ったりした。

そして過ぎし2008(平成20)年2月中旬に於いて、
やはり家内の母を誘い、私たち夫婦は箱根の姥子温泉の観光ホテルに7泊8日で滞在し、
周辺を遊覧したことであった。

家内たちの行楽地めぐりと齢を重ねても日本男児のひとりの私は思案は違うので、
私は勝手に周遊した。

この中のひとつに作家・夏目漱石が湯治したと知られ、
現在は日帰りの施設として名高い『秀明館』に立ち寄り湯を訪れようとした。

私は独りでゆっくりと『秀明館』で個室休憩しながら、湯に数回は入った後、
姥子から湖尻園地までの遊歩道を下る予定でホテルを出た。

桃源台まで歩いた後、ロープウェイで姥子駅に向かって乗車したが、
下方の周辺は雪が残っている。

姥子駅で下車後、駅員さんに『秀明館』の場所を尋ねたところ、
冬季は休館、と知り、やむえず大涌谷駅まで行き、
大涌谷から姥子を通り、そして湖尻園地までの遊歩道に変更した。

大涌谷駅は観光客で賑わっていた・・。
この周囲からは冬富士が一望できるので、数多くの方達が記念撮影をしていた。
          
私は駐車場を除雪されている50代の男性に、姥子までの自然歩道の入り口を訊ねた。

『旦那・・雪・・結構・・残っているよ・・
まっすぐに下りれば・・姥子に着くけれど・・だけど・・あんた・・もの好きだねぇ・・』
と私に言った。

私は冬季の防寒フィールド・ジャケット、ゴアテックス入りの堅牢なウォーキング・シューズの容姿を眺めた後、
『気を付けて・・下れば・・』
と言った。

歩き始めると、確かに雪は30センチ前後あり、
歩道の中央には登山靴か冬季専用の長靴の跡がわずかに残っている。
          
ブナやミズナラの冬木立の樹木林の中を下ったが、
積雪で狭められた歩道は冬の登山路のようである。

私は所々で立ち止まり、首からぶら下げたデジカメで、冬富士の光景を10数枚撮ったりした。
             
誰もいない路を下った・・。
          
                     
              
30数分下った後、突然に一般自動車道に出た。
自動車道と下方の湖尻園地までの遊歩道は、わずか50m前後平行するのであるが、
自動車道の除雪で遊歩道が埋もれていた。

やむえず私は、一般道を下りはじめた時、左側に突然に『秀明館』が観えた。
              

門から玄関庭の途中にロープで路は遮られ、
中央に冬季の2月まで休業とさせて頂きます、と明示していた。

この後は私は、一般道を少し下った後はペンション、会社の保養施設が多い小道を下り、
芦ノ湖を遠方に見下ろしながら、ゆっくりと下った。

湖尻の食事処で昼食用として、山芋蕎麦を頂きながら、
まぼろしの『秀明館』か、と少しため息をついたりした。


後日、私は独りで湖尻から元箱根まで遊覧船で往復と、元箱根の周辺を散策しょうと出かけた。
遊覧船の座席から快晴で雲ひとつなく冬富士も明確に観られ、
大阪から来られたご婦人のグループが携帯電話で盛んに撮影されていた。

元箱根の『成川美術館』からの冬富士の景観は一絵のようである。
                     
そして『成川美術館』を辞した後、恩賜公園に向って歩いた。
             
                            、

この後、恩賜公園の高台にある記念館で、抹茶を頂きながら、冬富士を眺めたりした。
                        
    冬富士を 眺め愛(め)でれば 静謐(せいひつ)に
このような俳句にも素養がない私でも、駄作を詠んだりしてしまった。

こうしたささやかな冬富士を私の心の片隅に、今でも秘めている。

☆下記のマーク(バナー)、ポチッと押して下されば、幸いです♪
にほんブログ村 シニア日記ブログ 60歳代へにほんブログ村
散文 ブログランキングへ


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ときには無学な私でも、夢幻... | トップ | 生まれて初めて『期日前投票... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

旅のあれこれ」カテゴリの最新記事