「虞妃」 (Yui Fei) 再訪。
ディナータイムの訪問を予定。
以前、ランチに利用したときから、ずっと夜にと願いつつ、機会を逸していた自分。
その間に当店は「ミシュランガイド東京 2017」で ビブグルマンを獲得しています。
平日ランチメニューしかいただいていないけれど、香辛料使いが鮮烈で感じ入りましたから
受賞には納得。早くお邪魔したいなあ。
HPによると、コース料理は、6,000円、10,000円と紹介されていましたが、当方の懐事情で
5,000円という予算を告げてのおまかせコース予約。
なお、入店後グランドメニューを見ると、月替わりのおすすめコース(計7品)が
税込7,000円(2名様より)で紹介されていました。
今回、柔軟に対応してくれたシェフに感謝です。
リザーブされていたのは、ライブ感の伝わる広いオープンキッチンのカウンター席。
テーブルクロス:なし
卓上調味料:なし
その他:メニュー
着座後:タオルおしぼり
各人への菜譜の用意はなく、具体的なコース内容がわからないおまかせミステリーな組み立て。
シェフより苦手食材等の確認を受けたのちにスタートです。
なお、料理は一部を除き、すべて各自分での提供で、取り分けは銘々の作業。
サーブ時にフロアスタッフさんから口頭説明を受ける形で進められます。
以前の昼は、シェフとフロアサービスの男性の2人体制でしたが、この日フロアを担当するのは
女性が2名。細やかな目配りを心掛け、客卓へのサービスを忘れません。
ドリンクは生ビール@700×3からはじめ、次はボトル紹興酒の中から最もリーズナブルな
紅楼夢@3,000をチョイス。飲み方は常温で。
話梅がついてきましたが、個人的にこの独特な甘みが苦手なため使用は避けました。
前菜盛合せ
味の方向性を違えた前菜たちは食感を大切に提供。
①皮蛋の生姜ソースがけ・・・白身はふるふるのゼリーのような食感で黄身はねっとり。
白髪ネギをトッピングしています。
②花咲クラゲの甘酢漬け・・・大ぶりカットのクラゲは力強いコリコリ食感。
甘酢の加減も絶妙で飲ませる美味さです。
③ツブ貝の老酒漬け・・・香りのよい老酒漬けは味もしっかり。
ツブ貝のシコシコとした歯触りに肝がコクが深め、申し分のない味わい。
④大山地鶏の虞妃特製よだれ鶏
生姜ソースはきりっとしてさっぱり。皮蛋とは抜群の相性で味に品の良さを感じます。
カシューナッツ、松の実、などが浮かぶソースは、味の重ね着が巧みで、黒酢に豆鼓、
花椒も効いて、ほんのり甘酸っぱくフルーティー。
また、スライスした鶏肉は“低温調理”をイメージさせるようにしっとりと柔らか。
まるで、ジューシーなハムのよう。
(※記録をつけるにあたり、HPを見て知ったのですが、
やはり鶏肉は『65~70度の低温でスチームしてしっとりと仕上げた』ものだそう)。
シェフのセンスの良さが光るよだれ鶏にメロメロ。心射抜かれました。
蟹卵入りフカヒレスープ
フカヒレよりも蟹卵が主役のスープ。
ですが、ベースとなるスープが真面目でよくダシが出ているし、香り豊かに味は濃厚。
例えは難しいのですが、ビスクっぽいものを思い描いてもらえると近いかなあ。
また、舌触りに野菜の裏ごし的なものを感じましたよ。
これ、凡庸な顔をしていながらめっちゃ美味い!
とろっとしたコクと、味にはたとえようのない深みがあり、生姜も効いているので身体が
ほかほか温まり、胃袋に染み入るようなしっくりとした旨さなのです。
(レンタロー) 1度飲み始めたら、手が休まらねえ。
シェフのおもてなしの心を感じるあったかスープは味の魔力が凄えんだ。
次の料理(点心)に先んじて調味料が卓にセット(黒酢、酢、醤油、辣油)。
個人的な要望ですが、赤酢があるといいのになあ。
点心
ランチでも実食済みの点心たち。お久しぶりです!
①小籠包 ②海老焼売 ③蟹肉焼売
針生姜は別小皿でサーブ。残念、皮が破れて美味しいスープが放出(涙)。
焼売は蟹肉焼売のほうが肉を細かく挽いてある様子。
あちこち食べ歩き、私はお肉感たっぷりのパワフルなものに惹かれるため、
勝手ながら当方では焼売基準が確立。
その結果、美味さに手応えは感じるものの、やはり大人しくまとまった点心という印象。
もっとやんちゃな焼売が好きだ。(主観です)。
イトヨリダイの発酵トウガラシ高菜ソースがけ
「トウガラシは辛いので、避けてお召し上がりください」とのサジェスチョン。
女子受けも期待できる見目良いビジュアル。
さっと揚げたイトヨリダイにシメジ、そして、フレッシュ感がありミニトマトのような風貌の
赤い野菜を齧ったら……激烈に辛っ! やられたー。
キュートななりして、こいつ油断のならぬトウガラシです(汗)。
発酵系のコクと辛味のバランスが絶妙な高菜ソースは、なみなみとかけられ、淡泊な味わいの
ふっくらイトヨリダイに超絶にマッチ。このソースがさらっとしているので、スープ感覚でいただけ、
最後までとことん楽しめる美味しい一皿として仕上がっています。
(寝太郎) うんまい!しっかり辛いんだけど、軽やかな口当たり。
味にたおやかさを感じるよ。シェフのお魚使い、見事だね。もっと追求してみたくなるよ。
大山地鶏から揚げ びっくり唐辛子炒め(2名分)
むせるような辛い空気とともに卓にサーブされたのは、唐辛子に覆われた唐揚げの炒め物。
どっさりの唐辛子の中からお宝探しのように小さなカリカリ唐揚げを掬い上げる食べる
辣子鶏とは異なり、大山地鶏の旨みを生かした大ぶりカット。これが当店スタイルなのだ。
衣は心地よいほどにカリッさくで、肉はぷりっとしてしっとり。噛むほどにジューシーで
麻辣の風味にクミンが活躍し、エスニックな顔もあわせもつ、欲張りなご馳走から揚げであります。
(ノブロー) 辣子鶏、うんと美味しくしちゃいました!みたいな豊かな味わいだよ。
美味しい料理に酒も進み、2006年塔牌(福)フータオ壺入り@2,300を追加注文。
〆の麺飯は、担担麺or麻婆豆腐からの選択できるとのこと。
麻婆豆腐は未食だけれど、当店の担担麺が忘れられない。私好みの味わいだったもの。
ということで、寝太郎さんにもぜひにと薦めてしまいました。(違えることも可能)。
コース料理の〆なので量は控えめです。
(ノブロー) おー!ナイスルッキング!こいが管理人が噂していた担担麺だべかっ。
担担麺
私の記憶ではもっと赤の強いオレンジ色だったんだけれど、少し対面時の様相が違う。
手切りのゴロゴロ感が伝わる肉は牛挽き肉もしくは牛豚合挽き肉かな。
肉に焦げ目がつくまで香ばしく炒め、しっかり火を通しているから、香り、食感、コクが豊かで
味に力強さがあります。
中細ストレート麺はやわらか。
スープはさらっとして重たさがなく、すっきりと酸味が効いて、私好みなのですが、
やはり前回と違う気がする。
炸醤肉のワイルドさが際立ち、スープとのバランスにずれが生じたのかしら?
またこの日は塩がきつかったのも印象を変えた要因ですが、個性を放つ担担麺です。
(寝太郎) 僕ははじめて食べたけれど、美味いよ!
肉をしっかり焼きつけているから脂の旨さが入って、味に厚みがあり、ふりきった感があるね。
シェフの熱気が伝わる味だ。すっげーワイルドだ。
デザート
杏仁豆腐。香り良く滑らかな舌触りでコクも十分。ブレない美味さで安心のクオリティです。
低予算でコースを組んでもらったのに、デザートまでいただけて嬉しい。ありがとうございます。
お会計は、テーブルチェックでお願いし、1人当たり9,000円(千円未満四捨五入)。大満足。
シェフの独創的センスにより昇華するお料理を目当てに、また夜にお邪魔しようと思います。
当店も私が代々木上原でお勧めしたい一軒であります。
虞妃 (Yui Fei)
東京都渋谷区上原1-17-14 1F
TEL 03-6407-0217
営業時間/月・火・木~日 17:00~23:00(L.O.22:00)
土・日 12:00~14:30(L.O.14:00)17:00~23:00 (L.O.22:00)
定休日 水曜日 -店舗情報「食べログ」より-