ウクライナへのロシアの侵攻は、まさに「国際法違反行為」だ。 ウクライナの喉元を絞り上げておいて、自分に有利な停戦を勝ち取ろうとする行為など、決して許されない。 民主主義的に選ばれた他国の大統領が気に入らないからと言って、他の独立国の民衆の声を無視して(もちろん、自国の国民の合意もなく)、突然ウクライナに侵攻した行為は、「侵略そのもの!」。弁解の余地など、全くない。
ロシア国内でも、戦争反対の声が上がっているといわれ、その声がもっと大きくなることを私は期待している。だが、日本の大戦中と同じで、報道統制で国民には、ウクライナで住宅などまで攻撃され無実のウクライナの人々に犠牲がでていることや、ロシア軍が原発や発電所を占拠する暴挙が多くの国から非難の声が上がっていることなどを知らされていないようだ。
若い人達はSNSで知り得ている人もいるようだが、プーチンは法律改正で独立系や外国の報道を押さえ込み、自分に都合の良い報道だけを垂れ流し、これを信じている国民も多いようだ(ココ参照)。プーチンの支持率は、2月の調査で69%。去年の調査より4ポイント上がっているという。(因みに、2014年のウクライナ南部にあるクリミア半島侵攻時にもプーチン支持率が上がったそうだ)
そのクリミア半島併合の時、住民投票で大多数の賛成を得て併合された事実があるが、「多くのメディアが投票日当日の不正の様子を報道し、セヴァストポリでは、登録有権者数を99万も超える投票数があったことがわかっている。また、ロシア大統領直轄市民社会・人権発展評議会が後日行った報告では、実際の投票率は30-50%であり、そのうちクリミアのロシア併合に賛成したのは50-60%であったとしている。国際社会が早々に同住民投票を認めないと発表する中、ロシアは、この住民投票の結果に従って3月17日に両者はウクライナからの独立と、ロシアに併合を求める決議を採択した」そうだ(ウィキのココから)。選挙は、香港の選挙でもそうだが、選挙の実施の仕方で国民の意志をしたものにはならない。
そん中で、友人とこの問題についてやりとりした時に、「共産党一党独裁の恐怖」として、「党を批判すると突然消されてしまうような国。日本はそのような国になってはいけません」と反共意識をさらに強固に抱いたようなメッセージを送ってきたので、大変驚いた。私は、自分と同じ意見の人だけでなく異論を持つ友人と屈託なく話やメールのやりとりをするのが好きだ。人には人の意見があり、それは尊重すべきだと思うからだ。そして、このメールに私は、今回のロシアの侵略が、「共産主義」ゆえの暴挙と結論づけるのは間違いだ!と返事をした。
確かに、現在、共産国と言われるロシア、中国、北朝鮮の一党独裁体制は軍備を強化し、他国を脅かし、ひどいというのは、私も彼とまったく同意見だ。だが、民間人に犠牲者を多く出した戦争は、共産主義国だけが起こしている訳ではない。 今、ロシアを非難しているアメリカも、アフガン戦争、イラク戦争、ベトナム戦争・・・他国に米軍を派遣して、「米国への9.11テロの犯人を許さない」「約束に反して核を作っているのは放置できない」などを口実に、多くの民間人の犠牲者を出しながらも他国の領土を攻撃し続けてきた当事国でもある。そして、その米国の戦争に同盟国として、「戦争放棄を宣言した憲法」を持ちながら加担してきたのが日本だ。
さらに、日本の敗戦した最後の戦争を顧みれば、今回のロシアの侵攻の理由が、「嘘まみれのでっち上げ」であると、自国の反省抜きに簡単に非難できる立場か、知っておかないといけない。もちろん、ロシアの行為を認めることはできないが、日本だって軍事介入の理由を柳条湖事件で作り上げて、国際連盟から脱退し、太平洋戦争へとのめり込んで行ったのだ。よくあるやり方で、ロシアの今回のやり口は日本ととてもよく似ている。自国の歴史認識として記憶の継承が必要だ。日本は、その後孤立を深め、先の見えない泥沼にはまった。だから、友人のように「共産党一党独裁の恐怖」という表現で、他人事のように非難するだけでは片手落ちというものだ!!!
まして、今、日本で長期政権を維持している自民党がしていることは、どうだ! 歴史教科書から、日本の過去の戦争の説明から「侵略」の文字をとり去り、終戦記念日の談話では「戦争を知らない世代になったので、謝罪はお終いにしよう」といい、アジアとの関係を悪化させた長期政権。軍備費を増強し、米国のいうママに兵器の大人買いを続けた政権。中には、イージスアショアのような自国民を危険にさらす馬鹿な買い物までして・・・。憲法改正で自衛隊を国軍化したい、個人の自由や基本的人権を制限するような非常事態宣言などを盛り込み、「国民を守るために、戦争ができる国に日本をすること」が目指されているのだ。
そこで、問題なのは、「軍隊」という存在だ。
軍隊を動かすのが、「国民の意志」からかけ離れた「国家=独裁政権や長期政権」によって動くことが危険なのだ。友人もそうだが、まず、<軍隊というものが、「国を守るための大事な組織」>と思うことが間違いなのだ!
<軍隊は国民を守るものではなく、権力者の命令で動くもの>なのだ。
思い出してほしい、。最近では、ミャンマーのクーデターで、自国民を国軍が殺害している衝撃の映像がニュースに流れたのを。
兵士の中には民衆に銃を向けることを拒み逃亡したりする者も出たようだが、家族に被害が及ぶことを恐れて命令に従う兵士も多いと聞く。兵士は、命令に従って殺戮の訓練をする職業なのだ。「国民を守るために、自国に攻めて来る敵を倒すために殺戮の訓練をしている」と思ったら間違いだ。今後は、危険な兵士になり手はなくなり、AIに置き換えられていくとも言われるが、そうなると「恐怖はさらに倍加される」。心があるはずの人間の兵士ですら「良心や心を殺して、命令に従うことを強いられ殺戮を行う」それが、兵士なのだ。まして、命令に疑いを挟まないAIの兵士・・・絶句。
ミャンマーで起きた自国民の殺戮は、他国の話なのだろうか?ミャンマーは元は軍事政権だったのだし、日本の自衛隊や警察はそこまでしない。日本ではそんなことは起こらない?
ご存じでしょうか?戦中の話になりますが、日本軍も同じことが過去の戦争で起きていました。
「軍隊は決して民間人の命を守らない」と語るのは、故沖縄県知事・太田さんの言葉(ココから)に、耳を傾けてみましょう。
「細川護貞という近衛文麿首相の秘書官が、沖縄戦が終わっていよいよ本土決戦となったときに、大阪の軍司令官が「食料が不足してきたから女性や子供たちを殺せ」という命令を出したと書いているわけです。戦争がいかに大変なものであるかというのを本を読んで追体験していただき、平和というものを大事にしていただきたいと思います」など、語っています。上の写真をクリックすると動画で肉声で聞けます。
戦争とは何か。世界の人々は、今、国を超えた人々が連帯して、自国政府を正しい速やかな停戦にウクライナを導くために、国連の力を強化して、すべての民衆を守る組織にしていくことが大切なのだ。その力を背景に、ロシア国民のプーチン打倒への力を発揮してほしい!
情報統制が行われ、米欧のメディアも拘束を恐れ活動停止に追い込まれたようだが、このインターネットで世界が繋がっている現在の状況で、何も方法がないとは、とても考えられない。 プーチン政権が、非道な戦争で他国を侵略していることを、多くの映像と共にロシア国民に、情報発信のプロ達は、あらゆる手立てを使って伝える努力しなくてはならない。
ウクライナに平和を! 国際社会は連帯して、このロシアの侵攻を止め、停戦させる力になろう。