峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

since 2005

理想の自分って

2006年12月02日 | 暮らし
シンガーソングライター・スガシカオさん作詞・作曲の『Progress』という歌をご存知でしょうか。「progress」を辞書で引くと前進、進歩、解決への動きとあります。
NHKテレビ『プロフェッショナル 仕事の流儀』の主題曲として番組の始めと終わりに、ちょっとハスキーで乾いた感じのスガシカオさんの歌声が流れてきます。

 ぼくらは位置について 横一列でスタートをきった
 つまずいている あいつのことを見て
 本当はシメシメと思っていた
 誰かを許せたり 大切な人を守れたり
 いまだ何一つ サマになっていやしない
 相変わらず あの日のダメな ぼく

 ずっと探していた 理想の自分って
 もうちょっとカッコよかったけれど
 ぼくが歩いてきた 日々と道のりを
 ほんとは“ジブン”っていうらしい

 世界中にあふれているため息と
 君とぼくの甘酸っぱい挫折に捧ぐ…
 “あと一歩だけ、前に 進もう”

女房どの、有紀さん、くるみさんとこの『Progress』の歌詞について語り合っているうちに、小学校の卒業文集によくある「将来の夢」とか「10年後の私」といった問いかけに対する答えについて話が及びました。
文集には「プロ野球選手になりたい」「Jリーガーになりたい」「医者になりたい」「弁護士になりたい」などと具体的な職業が挙がっていました。そんな中「社長になりたい」「宝くじに当たりたい」「大金持ちになりたい」などもあったねと笑い合いましたが、そう無邪気に笑い飛ばせる話ではないように思います。

子供たちに将来の職業をイメージさせることは重要でしょう。お金の大切さを教えることも必要です。
しかし、私たち大人は、あまりにも偏【かたよ】ったメッセージを送り続けてきたのではないでしょうか。そのことが「つまずいている あいつのことを見て 本当はシメシメと思っていた」ような私たちを多く育ててしまってきているように思われます。

私たちは、今こそ「誰かを許せたり 大切な人を守れたり」することを「将来の夢」とか「10年後の自分」として語れる子供たちを育て始める必要があると考えます。

最近「自分探し」という言葉を度々【たびたび】耳にします。四国八十八か所の霊場を巡り歩き、自分の生き方を見つめ直す人たちの姿がテレビで時々紹介されます。
瀬戸内寂聴【せとうちじゃくちょう】さんの青空法話には迷える女性が大勢駆けつけるそうです。
オウム真理教にのめり込んでいった若者たちも「いまだ何一つ サマになっていやしない相変わらず あの日のダメな ぼく」から抜け出したかったのではないでしょうか。
「精神の」「霊的な」という意味のスピリチュアルという言葉が流行語のように使われています。美和明宏さん・江原啓之さん・細木数子さんらが引っ張りだこのようです。
多くの大人が迷子になっています。自分がどう生きるべきか、私たちは途方に暮れているのです。

胸を張って、これが“ジブン”だよと言えるよう“あと一歩だけ、前に進もう”

スガシカオさんが大晦日【おおみそか】の紅白歌合戦に出場します。大晦日に『Progress』を聴きたいな。
コメント
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