峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

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奇跡の準優勝

2011年11月30日 | 町内会長

今週は、土曜日に行う「公民館連絡協議会」の研修会まで会議や行事等が入っていない。一息入れ、たまっている書類の整理をしたり、さし迫っているいくつかの事柄の準備をしたりして過ごしている。

暖かな日和が続いている。今日も冷房をきかせて車を走らせた。とはいえ明日から師走に入る。
年賀状に何を書こうか思案していて町民運動会で私の暮らす町内会が準優勝したことを思い出した。

先月の「大綱引き大会」「町内会対抗ソフトボール大会」と町内会対抗のスポーツ競技で我らが西町町内会は芳しい成績を上げられなかったことを先に記したが、実は9月末の日曜日に行われた「町民運動会」において我らが町内会は総合成績で準優勝という快挙を達成している。
「快挙」とは大げさなと思われるかもしれないが、これが大げさでもなんでもなく奇跡といってもいいくらいの出来事だったのだ。

佐々町には32の町内会がある。その中で最も世帯数が多いのが神田町内会の440世帯、また最も人口が多いのが里町内会の1,257人だ。それを筆頭に世帯数200を超える町内会が9つ、人口500人を超える町内会が10を数える(平成2341日現在)。

我らが西町町内会の世帯数は115世帯で人口が309人、世帯数でいけば町内で上から15番目、人口からいけば17番目となる。また高齢化率も高い。そんなどちらかといえば小さな町内会が2年に1度の町民大運動会で並み居る大所帯の町内会を蹴散らし準優勝したのである。痛快この上なく、まさに快挙といえるほどの出来事だった。

ただし、最後の最後まで町内会の誰しもがまさか優勝を狙えるところにいるとは思ってもいなかった。それというもの、年代別リレーで辛うじて組別3位と予選を通過したものの、決勝レースで最下位の9着と敗れていたからだ。
誰も責められない。予選で走った小学生男子の4年生の男の子と10代女性の2人が決勝レースを都合で走れなくなった。やむを得ず、決勝は小学生男子が1年生、10代女性の枠には小学3年生の女の子を入れて臨んだ。みんな精一杯の力を発揮した。

決勝の町内会対抗年代別リレー競技の興奮冷めやらぬ中、私は閉会式に臨むため本部席に駆けつけた。恒例で成績発表は町内会長連絡協議会の副会長の担当となっている。
本部席に着くと何やら関係者の様子がおかしい。運営に当たっている町職員から10位までの順位と得点が記されている成績表を手渡されて驚いた。なんと順位を示す項目「2」のところに「西町」とあるではないか。まったく予想だにしていなかった出来事に一瞬、我が目を疑った。関係者のみなさんの様子がおかしい理由が分かった。町長に「リレーで頑張れば優勝やったとに」と繰り返し残念がっていただいた。

 

始め、どうしてそんなことになったのか分からなかったのだが、周囲の皆さんに教えていただいてようやく理解できた。年代別リレーは予選のみが採点対象となっていて、得点が同点の場合、年代別町内会対抗リレー決勝の順位の上位を勝ちとするよう明文化してあるのだ。
結果、我らが町内会の得点は、優勝した千本町内会と同点、最後の年代別リレー競技で我ら西町町内会が9位、千本町内会は7位だった。それが優勝と準優勝を分けた。
年代別リレーの選手を集めるのに四苦八苦している私たちにとって順位についての細かいルールなど、これまで全く関係のない話だった。当然、この時点で我が町内会でそのことを知っているのは私1人だけだった。

 

間もなく閉会式が始まった。私は興奮を抑え、おもむろに成績の発表を始めた。

「第3位、佐々南町内会!」整列した選手団、応援席からどよめきと拍手が起こる。それはそうだろう。次は我らが町内会だ。「準優勝、西町町内会!!」知らず、一段と声に力が入った。会場が歓喜の声と拍手の渦に巻き込まれる、と思いきや、ひっそりと静まりかえっているではないか。

 

後の慰労懇親会の席でその理由が分かった。
私が、連合会副会長の権限で勝手に成績を書き換えたと思ったという者がいれば、冗談を言ってると思ったという者もいた。誰一人として私たちの町内会の準優勝を信じていなかったのだ。それほど、奇跡的な出来事だった。

 

「町内会の勢いの表れですね」
しばらくは、町内会長の集まりの席でこの話題になるとそう言っては笑いを誘わせていただいた。

 

一人ひとりの力はたとえ小さく弱くても、力を合わせれば強大なものをも倒すことができる。私たちは、また貴重な経験を積むことができた。

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