夕方、仕事のない日は散歩に出ることが多い。夕暮れ時は、爽やかで心地よい。家に戻る頃、街に灯がともり始める。調度、神社の前を通ると、提灯や灯ろうに灯がともっている。その赤い光があたたかくて好きだ。この頃、不便でも、古くても木造の家に住みたいと思う。歳をとればマンションの生活の方がはるかに便利だが、木造の平屋の小さな家で、小さな庭に草木を植えて、犬を飼えたらと思う。障子の陰影や電球の光を恋しく思う。ぼんやりとした薄暗い中にある、静かな暮らしが欲しいと思う。おそらく幼い日への郷愁であろうが、あと何年出来るか分からないとしても、1度そんな暮らしをしてみたいと思う。
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