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親の期待

2016-08-19 20:20:37 | 日記
 オリンピックの感動が届く。インタビューを聞いて涙することがある。吉田沙保里が銀メダルだった。「金メダル」期待への重圧は想像以上だったのだろう。試合後家族への第一声は「お父さん、ごめんなさい。お父さんに怒られる」だった。しかし、お母さんのインタビュへの答えが素晴らしかった。「霊長類最強と言われても娘は人間です。いつかは敗れる時がくるのです」と。

 多くの選手が親兄弟の期待を背負っての出場なのだろう。「親の期待」は、どの家族にもある、子供にとっての大きなトラウマだと思う。私自身も最近までそれを背負って生きていた。そうとは気がつかなかったが。母は、ほとんど私をほめることがなかった。だから、ほめられたくて頑張ってきたのだろう。母との確執もそんなことがよじれねじれたもののように思える。

 母は認知症が進み、1日行っていた小規模多機能住宅のこともわからない。家に戻ると、家にいる自分はわかっても前の記憶がないことが大きな不安となるらしい。その不安から病気になる。母に毎日朝・夜電話するようになった。私とのつながりが、母の唯一の存在確認なのだろう。不思議と母は私が目の手術をしたことは覚えている。ただの「母」と「娘」だけの関係になった。母の私への期待は何もない。母にとって大事なことは、私が元気でいることだけだ。生まれてきたときも、きっとそう思ってくれたのだろう。私は、ほとんどの「期待」から解放され、のんきな女になった。

 
コメント
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