最後に残るものは？

　紅葉がきれいになりました。今年は都心でもきれいです。先週末から熊本へ出かけていました。天草の島々が見えたり、雄大な阿蘇を見たりして、熊本が大好き人間になりました。もちろん熊本地震の被害を目の当たりにしてきました。

　私の祖父母は（父方）関東震災を経験し、家具から着るものからすべて失いました。幸い田舎が茨城で恵まれていたためなんとか生活を立て直せたようです。祖父母はあまりものは持たずに、日々の暮らしを大事にしました。そこへ嫁いだ母もその影響を受けたのでしょうか。認知症になった今、母は日常生活はほとんで維持できなくなりました。食事も作れませんので、多機能型介護サービスの食事を食べています。お鍋も食器もほとんど使いません。着るものも注意をしないと着たきりすずめ状態で、おしゃれだった母のかけらもありません。

　昨日実家に帰りますと、コスモスの花が活けてありました。誰かが持ってきてくれたのかと思うと、自分で近所の畑で摘んできた　と言います。母が家庭菜園をしていた畑のようです。記憶のどこかに畑の周りにコスモスが咲いていたことがあったのでしょう。父や祖父母の命日が11月のことを覚えていたのでしょうか。祖父は庭にいつも花を植えていて、祖母がそれを家中に活けていました。母の記憶の中に最後に残ったのは、そんな祖母の習慣だったのでしょうか。施設に入って老後を過ごすにしても、庭に出て花を摘んで部屋に飾れたら・・・。私にも豊かな習慣が残るようでうれしくコスモスを眺めました。

　

　

隠れトランプ支持者

　世界中にトランプ旋風が吹いているようです。一番大変なのは分断されたアメリカなのでしょう。大人の世界だけでなく、子供たちの世界にも人種差別の言葉があふれてきていると言います。経済云々よりも、子供たちの将来がとても不安です。

　今回の選挙には「隠れトランプ派」といわれる人の存在がトランプ氏の勝利の一因だといわれます。確かに、私たちにもありますね。世間の評価があまりよくないとき、それを好きだとは言えないものです。かなり昔、今のＤｅＮａ（大洋）を好きなときがありました。最下位をいつも維持していた球団を好きだとはいえませんでした。天邪鬼な私には、隠れ○○があったような気がします。大学で学んだものは、『文学部』でも演劇学。役者や脚本家志願だったなどとは、なかなか言えませんでした。

　結局、私の場合は、自分に自信がなかったからだと思います。いまなら、それがマイナーな評価なもので、「うん、年中ビリだけど、○○が好きなんですよ」と言えるかもしれない。でも、そこに人種の問題が絡んだりしたら・・・。押し寄せてくるような非難の声にどこまで耐えていけるだろうか。（トランプ氏の問題とは別に）クリスチャンということも、私はわりと平気で言えますが、そうでない人も多い。今でも、隠れキリスタンになるのでしょうか。人種や宗教の問題はそんな隠れ○○を生みやすいのでしょうし、誤解も多い気がします。

　

人生には

　木枯らしが吹いて、外気が冷たい。日が落ちると、とたんに寒くなります。夕方があわただしくなる。

　アメリカの大統領にトランプ氏がなった。想定外　という言葉はないのだろうか。アメリカという国はわかるような、わからいような？？が、今回の結果を妙に納得する面もある。

　人生にはわからないことが起こる。「どうして？」とか「まさか？」とか。そのようなことが自分の人生に起こらなければ、幸せなのだろう。でも、災い転じて福となる　こともある。ちょうど2年前の交通事故では、20分くらい記憶を失い、わが身に起こったことが理解できず、病院でも検査が終われば帰れるものと思っていた。つらいことも多かったけれど、気づきも多かった。思えば、苦しいことも多く、平坦な道ではなかったけど、穏やかな日々を手に入れることができた。この世のものだけに幸せを求めなくなった。もう、なにもおこらず静かな人生が送れるような気がする。

　

立冬

　暦の上では冬。確かに風が冷たい。それでも湘南は都内や横浜に比べて暖かい。ここを離れられないのは、この気候かも知れない。花作りがさかんなので１年中、バラが安く手に入る。部屋中をバラで飾る時間は、一番幸せを感じるときかもしれない。

　冬に向かうこの季節が好きだ。外に出るとピンと背筋が伸びる感じで、まだ寒さも厳しくなく、紅葉を一日一日と楽しむことが出来る。冬へ向かう準備を少しずつしていくような、そう、人生もそんな時期なのかもしれない。

　人生を楽しむとか幸せに包まれているという感じは、30代や40代はなかった。ただ、精一杯生きてきた。余韻のない人生だった。小春日和の日差しの中にいるようにそのあたたかさを、そのぬくもりをしみじみと感じるようになった。ゆったりと時が流れ、やがて動かない冬がくるのだろう。

　

若者たち

　暖かな日で身体がのびのびしてきそうです。心ものんびりしそうです。地域でつくるスポーツクラブというテーマの取材で千葉県の海浜幕張まで行って参りました。日曜日の幕張方面は、ディズニーランドへ行くファミリーやカップルで混んでいます。外国人旅行客も多いです。

　地域型のスポーツクラブを運営するのはＮＰＫ法人で、場所は高等学校です。主に高校の卒業生たち大学生が関わっています。ご案内くださったかたのご好意でミーティングや飲み会まで参加させていただきました。

　この高校は総合高校で、芸術や看護、スポーツなど専門的に勉強できます。そのせいか

飲み会参加の大学生は個性豊か、感性豊かでした。看護に関わる大学生は、介護の問題を真剣に語り、若々しい感性の発言に忘れていたものを思い出さされました。それだけでなく異世代間のやり取りは実に楽しく、久しぶりに頭が空になり、話すことができました。

　「若さ」の持つしなやかで素直な感性に、もやもやしていたことも飛んでいきました。いつもつまらぬことを考えすぎているのだ　もっと素直に伸びやかに生きていこう　と思いました。若さはすばらし！