73.閉鎖病棟/帚木 蓬生
■ストーリ
九州地方のとある精神病棟。患者たちは、それぞれに退院できない
理由を抱えながらも、互いに助け合い、日々の瑣末な出来事に希望を
見出しながら、明るく暮らそうとしていた。しかし、皆で回復を
あたたかく見守ってきた通院患者の女学生に起きたある事件が、
やがては殺人に発展してしまう。殺人を犯した者、それを知っていた者、
彼らが守ろうとしたものは何だったのか。
■感想 ☆☆☆*
現役の精神科医が、精神科の病院を舞台に書いた群像ドラマ。
精神科の病棟で暮らす患者たちの日常を、患者目線で淡々と描いている。
「精神科」に対する偏見や、偏見を出発点とした家族間の
いざこざを丁寧に描いていて、胸に迫る。
けれど、ラストの温かさ、爽やかさは見事で、
読み終えて主人公たちの今後を「心配」や「不穏」とは無縁で
想像することができた。
ただ、ミステリや物語としては、あまり捻りはなく
物語の流れが中盤でつかめてしまう。
その点だけがちょっぴり残念だった。
■ストーリ
九州地方のとある精神病棟。患者たちは、それぞれに退院できない
理由を抱えながらも、互いに助け合い、日々の瑣末な出来事に希望を
見出しながら、明るく暮らそうとしていた。しかし、皆で回復を
あたたかく見守ってきた通院患者の女学生に起きたある事件が、
やがては殺人に発展してしまう。殺人を犯した者、それを知っていた者、
彼らが守ろうとしたものは何だったのか。
■感想 ☆☆☆*
現役の精神科医が、精神科の病院を舞台に書いた群像ドラマ。
精神科の病棟で暮らす患者たちの日常を、患者目線で淡々と描いている。
「精神科」に対する偏見や、偏見を出発点とした家族間の
いざこざを丁寧に描いていて、胸に迫る。
けれど、ラストの温かさ、爽やかさは見事で、
読み終えて主人公たちの今後を「心配」や「不穏」とは無縁で
想像することができた。
ただ、ミステリや物語としては、あまり捻りはなく
物語の流れが中盤でつかめてしまう。
その点だけがちょっぴり残念だった。