1.隠し剣秋風抄/藤沢周平 ☆☆☆
2.隠し剣孤影抄/藤沢周平 ☆☆☆
3.花のあと/藤沢周平 ☆☆
4.蝉しぐれ/藤沢周平 ☆☆☆
→昨年末から藤沢周平さんにはまりました。
時代に、剣の力に、そして武士社会の家制度や人間関係に翻弄される主人公たちのほろ苦い人生に胸を痛めながら年末年始を過ごしました。幸せってなんだろう、と思わずにはいられないほろ苦い結末が多くて少し参ってます。次はザ・エンタメ!という感じのスカッと爽快、単純明快な作品に触れたいなー。
5.夜の光/坂木司 ☆☆☆
→藤沢先生のほろ苦い世界観に浸りすぎた反動で、優しい柔らかい世界を求め、坂木さんにたどり着きました。さくさく読みやすい。そして、登場人物たちがみな優しい。坂木さんの作品を読んでいると、自分の猛々しさを素直に反省したくなります。
6.先生と僕/坂木司 ☆*
7.切れない糸/坂木司 ☆☆
→クリーニング屋さんのお話。業界モノは、異業種交流会に参加しているような面白さが満載で大好きです。私は何の気なしに(まったく深く考えることなく)今の仕事を選んだけれど、仕事が違うと生き方もまるで異なって来るんだなぁ、ということを他業種のお話を伺っているとしみじみ思うのです。
8.三匹のおっさん ふたたび/有川浩 ☆☆*
→大好きな「三匹のおっさん」の続編。1冊目は単純明快な勧善懲悪ものですっきりする話ばかりでしたが、2冊目は今の世の中を反映しているからなのか「すっきり気持ち良い終わり方」のお話が少なかったような気がします。ちょっぴり消化不良。
9.田村はまだか/朝倉かすみ ☆☆☆☆
→一度読んだにも関わらず、そして、「あぁ。好きだな、この話。」と心を温められた記憶があるにも関わらず、話の詳細をこれっぽっちも思い出せなかったため、再読。やっぱり好きでした。何度読んでも好きな作品は好き。毎日を丁寧に地道に生きるっていうことは簡単なようで難しくて、難しいくせに軽んじられがちで、でも、それでも地道に生きれる人、大切なことや大切な人を大切にし続けられる人は強いんだな、と思いました。
地道に丁寧に、大切なものを見失わずに生きた田村も愛しいけれど、小学校卒業から(おそらく)20数年が経過しているのに、クラス会の二次会で「田村はまだか?」と田村を待ち続ける40代のかつてのちびっこたちもたいがい愛しいな、と思いました。
10.煙とサクランボ/松尾由美 ☆☆☆
→バーの片隅で生きる幽霊のお話。思っていたよりもかなりビターな雰囲気で、ドラマ化したら、面白そうだな、と思いました。主人公の幽霊は柴田恭平さいいか、もしくは水谷豊さん。ヒロインは、倉科カナちゃんかな。ちっこいかわいらしい感じがぴったりだと思うんだけどな。そして、幽霊に動じることなくすんなり受け入れちゃう(でも、かなりヒネクレモノの)バーのマスターは、ぜひ金子ノブアキさんにお願いしたいです。・・・見たいなー。
11.霧島、部活やめるってよ/朝井リョウ ☆☆☆*
→映画化までされたかつての話題作にようやく図書館で出会えたので喜び勇んで借りてきました。面白かった!そして、今を生きる若者たちがあまりにも窮屈な世界で生きているので、もの悲しい気持ちになったお話でもありました。特に1月前半、藤沢先生のお話を読んでいたので、余計に質の異なる息苦しさを感じたのかもしれません。藤沢先生が描く作品世界の時代と比較すると、私たちは格段に自由に生きられるようになったのに。みんなが目に見えない檻や空気感と言う得体のしれないものと戦って生きている。大変な時代になったなぁ、としみじみ考えさせられました。
---- 2月の読書 ---------------
12.風が強く吹いている/三浦しをん ☆☆☆*
13.王妃の館(上)(下)/浅田次郎 (読書中)