モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

窓の雪

2005-12-31 | アウトドア・ネイチャーフォト

白銀の世界というと美しいイメージ。遠くの雪山は本当に美しい。
しかし、ときに雪は強大な自然の暴力となって襲いかかる。

人の気持ちも同じだ。同じ思いが、人を救うこともあれば、時として思わぬうちに暴力に変貌したりもする。

窓の雪も山の雪も同じ雪だが、人にもたらすものは全く違うものになる。
雪の坂道を滑っていく息子。見送る二つの影。もう届かないね。
彼にはまだ伝えなければならないことがある。

そして大人には、彼らに豊かな希望に満ちた森を残す義務がある。
やがて雪は溶け、心が解け、森を潤す。
希望はいつも私たちの前にある。そう信じたい。
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豪華!ズワイガニのおだまき蒸し

2005-12-26 | 男の料理・グルメ
 ズワイガニが届きました。わーカニだあカニだあ!ということで半分はそのままいただきましたが、あと半分をどう食べようかということになりました。カニグラタン、カニクリームコロッケ、カニ焼売、カニワンタンと色々でたのですが、最終的に苧環蒸しを作ろうということになりました。関西の方はご存じですよね。関東ではちょっと馴染みが薄いかもしれません。

「冷たい!」「痛い!」と言いながら次男とカニ肉を取り出しました。うどんは、柄木田製粉の「オレゴン」と地粉「ゆめせいき」のブレンドで手打ち。11歳の次男がせっせとうどんを打ちました。

「苧環蒸し」は、「小田巻き蒸し」とも書きますが、うどん入りの茶碗蒸しのことで、大阪の船場あたりでよく食べられていたちょっと豪華な料理です。昔、卵は高級食材だったのですから、その卵をたくさん使う苧環蒸しが高級料理だったのもうなずけますね。巨人・大鵬・卵焼き…。なんだか遠い言葉ですね。
 保育園の頃、弁当のご飯の上に一面に甘い卵焼きを敷いてもらうのがお気に入りでした。

 丼の底で渦を巻くうどんの様子が、紡いだ麻糸を玉のように巻いた苧環(おだまき)に似ていることから「おだまき蒸し」の名がついたと言われています。ちなみに花にもオダマキというものがありますが、それも同じ理由で命名されたものだそうです。山梨の奈良倉山で私が撮ったキバナノヤマオダマキの写真があるのでご覧になってください。

 コツは、うどんを柔らかめに茹でること。コシがありすぎると卵となじみません。うどんや卵と合わせるだし汁は、冷ましておく必要があります。作り方は、茶碗蒸しとほぼ同じ、茶碗蒸しにうどんが入ったものと思えばいいわけです。具はお好みで。
 今回はカニがあるので、他に具は小松菜と長ネギのみです。本当に豪華で美味しい苧環蒸しでした。お試しください。
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追悼 高田渡さん

2005-12-24 | 50's60's70's グラフィティ
私は、アイスクリームが大好きで、昔は冷凍庫に必ずエスキモーの2リットルのバニラアイスのケースが入っていました。

それを小脇に抱え、大きなスプーンで食べるのですが、ほじった穴にマイヤーズラムをドボドボと流し込み、食らうわけです。甘党と辛党が同居しているわけです。サッカーやらテレビやら、はたまたジャズなんぞを聴きながらひたすら食べる訳です。飽きるまで。カウチポテトならぬカウチアイスでした。

そんなことしてたら、幸せ太りで10キロも太ってしまいました。
そういう訳で今は禁止です…。

で、なんで高田渡さんかって。氏のファーストアルバム「ごあいさつ」の6曲目が「アイスクリーム」なんです。
忘れもしません。2003年5月1日のことでした。吉祥寺に家族で買い物に行ったときのことです。知る人ぞ知る焼き鳥の「伊勢屋」の前で、真っ昼間から赤い顔をして上機嫌にお酒を飲んでいるおじさんがいました。
誰あろう、それが高田渡さんでした。

すでにアルバムを聴いて、聴かされて?育った息子達は、大ファン。サインもらっといでと言ったはいいが、色紙なんぞの持ち合わせはない。そこでむすこ達は、失礼ながらもスーパーの紙袋にサインくださいと話しかけた。彼はもできあがっていて、すごく嬉しそうに「よくおじさんのこと知ってるね。おじさんのサインは高いよ」なんていいながらも、紙袋に気軽にサインしてくれました。

息子が「アイスクリームの歌が好きです」と言うと、本当に嬉しそうでした。その彼も今年帰らぬ人となりました。合掌。

思えば70年代は、安直なコマーシャリズムにのらない、アンダーグラウンドやマイナー、サブカルのいい曲がたくさんありました。三寺と呼ばれた、高円寺、吉祥寺、国分寺には、長髪にロペのピタピタの花柄シャツ、裾にチロリアンテープの付いたベルボトムのジーンズをはいた若者が地べたに座ってフォークを歌っていました。女の子は真ん中分けのストレートのロングヘアー、パンツが見えるくらいのミニスカートをはいていました。ぼくはコースターブレーキのついた自転車に乗って、どこまでも行ったものでした。
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おしぼりうどん

2005-12-23 | 男の料理・グルメ
というわけで知る人ぞ知る「おしぼりうどん」です。
北信州でも、松代、篠ノ井、千曲市、坂城と非常に限られた地域でしか食べられていない冬の郷土食なのです。
 韓国の品種だと本には書いてあります。ねずみというのは、信州の真田十万国、上田の北の坂城町に、実際にそういう地名があるのです。ネズミの形に似ているからでもあります。

写真、左がおしぼりうどんに使うダイコン2種。他のサイトやお店では、左の辛味ダイコン(中之条大根・ねずみ大根)しか使いません。
左の辛味ダイコンは大きいなと思われるでしょうが、これは伝統野菜の地大根です。地大根は、本来辛味がるものなのです。しかも辛味だけでなくかなり甘みもあります。これを「あまもっくら」と表現します。

右が珍しい青ダイコン。別名中国ダイコン(江都青長)は、甘みの大変強いおろし(生食)専門のダイコンです。原産地は中国だそうです。

この2種類のダイコンのブレンドの具合は好みによります。子供は中国ダイコンのみ、私はほとんど辛味ダイコン。妻はその中間という配合です。辛味ダイコンに長ネギを入れたつゆは、むせるほど辛いのです。流通量は多くありませんが、冬の北信州では普通に売られているダイコンです。

で、右がわが家の製麺機です。すごいでしょう。こんなものがあるなんて。これは、埼玉県戸田市の(株)小野機械製造所の製麺機です。長野の吉沢金物店(026-243-1489)で買いました。売り出し時で、タイプにより違いますが20000~30000円します。もちろん手打ちでもいいのですが、わが家はうどんを常食としているので必要なのです。

それと重要なのは小麦粉なんですが、通常は、オレゴン(柄木田製粉)か、ホームラン(日穀製粉)を使用しています。ちょっと贅沢にというときは、柄木田製粉の地粉「ゆめせいき」を使います。この粉は美味しいです。

それと幻の小麦粉といわれる「伊賀筑後オレゴン」、通称イガチク。信州の善光寺平から上田にいたる間の千曲川の沿岸で、大正時代から戦後まで作られた人気の小麦でした。 大正時代から作られて、日本で一番美味しいうどん粉といわれていました。戦前東京のうどん屋さんで一番喜ばれたのが、この伊賀筑後オレゴン種でした。現在は市販されていません。わが家も去年一度いただいて食したのみ。まさに幻です。

坂城町や千曲市、長野市南部の篠ノ井や松代にはおしぼりうどんが食べられる店があります。ぜひ召し上がってみてください。うどんへの概念が一変すると思います。
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