モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

御岳山の春をアップ!

2006-03-28 | アウトドア・ネイチャーフォト
21日に家族で登ったサルギ尾根-御岳山のフォトルポをアップしました。花はわずかでしたが、面白い写真が撮れました。

写真に写っているものが何か分かりますか。コケは同定が難しくてちょっとパスですが、フォトレポをご覧いただければ答えが分かります。これ以外には、可憐な3種類のスミレを見つけることができました。

フォトレポは、モリモリキッズの最新レポート、サルギ尾根-御岳山を見てください。
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偉大なイワシハンバーグ

2006-03-27 | 男の料理・グルメ
講座で母親が遅くなるので、男三人で夕飯を作ることになりました。まあ普通ならマグロの刺身でも買ってきてというところかもしれませんが、そこはわが家、巨大イワシハンバーグを作ろうということになりました。ちょうど新鮮なヒコイワシ(カタクチイワシ)が出まわる季節ですからね。

散歩ついでに店に寄ると無い。季節だというのに次の店に行っても無い。こりゃあメニュー変更かと三軒目に行ったらありました。2パック。全部買い占めて帰宅。ついでに「よいこのびいる」なる子供用のビール?も買いました。

ヒコイワシのハンバーグ(薩摩揚げ)は、頭も内臓も丸ごと使います。ですから目が澄んだとびきり新鮮なものをえらびます。次男がフープロで時間をかけてペーストにしてくれました。酒をちょっと入れるといいです。指でつまんで骨が細かな粒になっていればOKです。見てくれはヘドロの様ですが、これが極上の一品になるんです。

いつもはヒジキを入れるのですが、いいものが無かったので、代わりに生の岩のりを入れました。まあそのへんは臨機応変に。ゴボウとニンジンは、笹がきにしてからみじん切りして少な目の油で炒めておきます。長ネギもみじん切り、干し椎茸はもどして汁毎入れます。木綿豆腐は重しをして水気を切っておきます。

ボウルに全部入れて、長芋を摺りおろします。摺りゴマをたっぷり入れて、卵を入れて、味噌を入れて、ショウガをたっぷり摺りおろします。これをよく混ぜます。フライパンに5ミリぐらい油を入れ両面をこんがり揚げ焼きします。

増量には麩を入れてもいいし、ゆでた青大豆やおろしたレンコン、両面を海苔で挟んでも美味しい。冷めても旨いです。酒のつまみにも最適。味噌でなくブイヨンキューブで味付けして、チーズを入れてオリーブ油で焼けば洋風にもなるという優れもの。

カルシウムがたっぷりとれるので子供や老人にも最適です。頭から尻尾まで全部入っているから完全食です。青魚はちょっとなんていう子供もガンガン食べます。ぜひお試しください。

男の料理 MORI MORI RECIPE「ヒコイワシの薩摩揚げ」のレシピを参考にしてくだください。

写真、左上は芥子菜のサムジャン炒め。右上はあらかじめ母親が作って置いてくれたおからの煮ものです。
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おさな子に会いに御岳山へ

2006-03-23 | アウトドア・ネイチャーフォト
御岳山へ友人の家族に会いに行きました。といってもわが家のことですから、青梅線に乗ってケーブルカーで山頂へなんて行き方はしません。
現在の参道は北面の御岳駅ですが、江戸時代は南面の養沢が表参道でした。今でもその時代の石段や石垣が残っていて古道の趣を感じさせてくれます。
しかし、わが家が登ったのは、その古道でもないんです。御岳山から西にキューピー山とも呼ばれる大岳山がありますが、その途中に南に延びるサルギ尾根(高岩尾根)というのがあります。登山道はありません。もちろん標識も。昔からの木こり道が途中まであるだけです。

麓の養沢神社の裏から登るのですが、四つんばいになって登るような急登が何カ所かあり、岩場も適度にあって楽しいコースです。
養沢神社は、日本武尊が東征の折りにこの地で養生したことに由来する神社ですが、旅の神、客人神である「アラハバキ」を奉る神社でもあります。「アラハバキ」については民俗学者の柳田国男氏をはじめ多くの学者が研究をしたためています。興味のある方は、「アラハバキ」で検索してみてください。古代オリエントまで遡るダイナミックな日本の古代史に遭遇するはずです。また、神社には、昭和に寄進された新しい物ではありますが、狛犬ではなく龍の石像がある理由もそこにあると思われます。

今回は、まだ早春とあって花はまだわずかでしたが、四月になるとイワウチワやトウゴクミツバツツジ、シュンラン、スミレなどが咲いて、それはきれいです。なにより登山地図にも載っていないので、誰にも会わずに静かな山歩きができるのが魅力です。
それでもモリモリキッズで何度か紹介したせいかどうかは分からないのですが、以前よりずいぶんと踏み後がハッキリとしてきました。

特に気になったのは、コースを示す目印のために樹木に巻かれた赤いビニールテープの多さです。巻いた人は、他のハイカーが迷わないようにと親切のつもりなのでしょうが、美観を損ねるばかりか樹木にとっても悪影響を及ぼします。10センチ幅にも巻かれたテープの下はカビてしまいます。場合によっては腐朽菌やカビが、その木を枯らしてしまうこともあります。
踏み後はかなりハッキリしていますし、この尾根は枝尾根がないので、二万五千分の一の地形図を持っていれば迷うことはないはずです。テープの誘導が無ければ登れないような人は、そもそもこの尾根を登る資格は無いと思います。山はハイカーのためだけにあるのではないと認識して欲しいですね。
マーキングは分岐や迷いそうなところに最低限に、環境にダメージを与えないように。まだ林業関係者も使っているバイオ分解テープの方がいいと思います。ヤブ山歩きが好きな方には、そういう環境や美観への配慮もお願いしたいところです。

さて山頂では、友人家族と久しぶりに会うことができました。そして以前はいなかった新しい家族がいました。二歳四ヶ月になる女の子です。妻が手作りの小さなトートバックに手作りの桜クッキーとエプロンと私が選んだ絵本とを詰めてプレゼントしました。そのどれもとても喜んでもらえました。
山頂駅の食堂のテレビではちょうど日本-キューバ戦の真っ最中でした。時々戦況を確認に行きながら日溜まりでおしゃべりに興じ、楽しい時間を過ごすことが出来ました。

フォトルポは、後日モリモリキッズでアップします。お楽しみに。
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オイルサーディンを作るべし

2006-03-15 | 男の料理・グルメ
アンチョビーの仕込みが済んだので、次とくればオイルサーディンですね。こっちの方が簡単です。店に並んでいた4パックを全て買ってきました。400円約800グラムです。64匹ありました。ちなみにサーディンとは、地中海のサルデーニャ島からきています。たくさんイワシが捕れるのでしょう。サルデーニャ島といえば、ボッタルガ(からすみ)ですね。ボッタルガのパスタは最高。

前回は5パックでした。「ここのところシコイワシをごっそり買っていく客がいる。猫のエサにでもするのかニャア」と店の人は言っているかもしれません。シコイワシ、ヒコイワシ、背黒イワシなどの名称で売られているカタクチイワシを使います。

塩水に漬けたりする方法もあるのですが、一番簡単な方法を書きます。
頭とワタを取って洗い、軽く塩をまぶします。写真のようにフライパンにきれいに並べます。二段重ねになっても構いません。塩水に漬ける場合は、5~10パーセントの塩水に1時間ぐらい。
フレッシュローズマリー2本(ローリエ2枚でもOK)、タカノツメ3本、粒の白コショウ少々、つぶしたニンニク4片をのせます。オリーブ油とサラダ油を1:1でかぶるくらいまで入れて20分ねかせます。

最初は中火で、泡立ってきたら弱火にして、両側を開けてアルミホイルをかぶせ、小さく泡立つ状態で40分位加熱します。骨まで食べられる状態になったらできあがりです。上品に作りたい人は中骨を取ってください。レモンスライスをのせると爽やかに、辛いのが好みならばカイエンペッパーをふるといいです。煮る前に白ワインやブランデーでマリネすると風味がよくなります。中骨を取った場合は、15分ぐらい極弱火で煮ればできあがりです。

中骨があるときは弱火、中骨を取ったら極弱火がポイント。オリーブ油で煮るのです。揚げてはいけません。

そのまま冷ましてタッパーか瓶詰めに。温めてレモンをしぼれば、ビールのいいつまみになります。スクランブルエッグに入れてサンドウィッチに、カキ菜や菜花と一緒にパスタにすれば、ほろ苦い春のパスタができます。お試しあれ。
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粘菌スペクタクル

2006-03-13 | シネマ・テレビ
変形菌(粘菌)なるものをご存じでしょうか。
変形菌(粘菌)とは、動物と植物の中間の性質をもつ単細胞生物で、分類上1つの門を形成します。現在はプロチスタ界に分類されていますが、色々議論はあるようです。

別に深山に行かなければ見られないものでもないんです。乾燥した冬場を除けば、その辺の雑木林や公園でもも見られます。ただし、たいてい本当に小さいので真剣に探さないと見つかりません。

葉緑素をもたず、バクテリアなどの固体の食物をとり入れて消化し、アメーバ運動をするところは動物的ですが、胞子嚢をつくり、胞子で繁殖するところは植物的です。菌類に似ていますが、菌類とは異なりセルロースからなる細胞壁を作ります。 世界に約400種、日本に約250種知られています。

野菜に変形菌病を引き起こしたり、慢性中耳炎や創傷感染、膀胱炎などの原因になることがあるとかで、現在は人間にとって有益であるとはいえないようですが、今後の研究いかんでは大発見があるかもしれません。

変形菌は普通食用にはならないのですが、1992年に中国陜西省で25.5kgもある巨大な変形体が発見され、「生ではバラのような香りがし、焼けば肉のような歯ざわり」という発言が記録されているそうですが真偽のほどは不明です。 明の時代に書かれた医書『本草綱目』に、「太歳(タイスイ)」という土中から採取される肉塊のような生物が記載されており、これが変形体の塊ではないかと考えられているそうですが、これも不明。

その変形菌の短編映画「真性粘菌の生活史」を神田小川町のneoneo座へ長男と見に行ってきました。監督は樋口源一郎氏。惜しくも先月、百歳を目前にして亡くなられました。ご冥福をお祈りいたします。上映会は19日までやっています。興味を持たれた方はぜひ。

変形体の運動はとても神秘的で、引き込まれました。生前の湯布院映画祭でのトークも上映されましたが、「わからない」問題を追求するって、日本じゃ全然金が出ません、という氏の言葉には、実は現在はバブル期以上にお金がだぶついているというのにと、本当に情けない思いがしました。いらない空港や高速道路にお金をつぎ込むなら、文化にお金を使えと言いたいですね。

しかし、「見つかったときの面白さってのは、金のことなんか考えられないほど面白い!」という言葉にも大いに頷いたものです。

写真は、私が去年撮影した変形菌4種です。なかなかきれいでしょう。もっと見たい方は、MORI MORI KIDS Nature Photograph Galleryの変形菌をクリックしてください。











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春、アンチョビーを作るべし

2006-03-10 | 男の料理・グルメ
例年より1~2週間遅れでしょうか、やっとヒコイワシ(カタクチイワシ・背黒鰯)が出まわり始めました。去年の春仕込んで一年寝かせたアンチョビーがあまりに美味しいので、今年は大量に作ろうと計画していました。ところが、この冬の寒さのせいか、なかなか店頭に並ばなくてやきもきしていたのです。嬉しい限り。

アンチョビー作りといっても、なかなかレシピは出ていませんよね。そこで手探りの制作となったのですが、これが上手くいったので味を占めたというわけです。工業的に大量生産するには、また別のやりかたがあるのかもしれませんが、家庭で簡単にできる方法を考案しました。

必要なのは、手間と一年待つ辛抱だけです。今回は、1パック100円、200グラムのヒコイワシを5パック購入しました。全部で90匹ほどです。まず、頭とワタを取ります。これが面倒です。ヒコイワシの頭が90個流しに積み上げられたのを見てひっくり返るようじゃ、この料理は無理です。
頭とワタを取った重さが850グラム。これをよく洗います。ザルに上げて水を切った後、塩漬けします。内側にもよく塩をすり込んでください。

そして、ローズマリー、タカノツメ、ローリエ、塩で漬けます。冷蔵庫で2ヵ月。写真は一日おいたものですが、すでに塩水が浮き上がっています。これは「ひしお」として料理に使います。

GWの頃に塩抜きしてオイル漬けをするわけですが、そのレシピは「男の料理 MORI MORI RECIPE」の手作りアンチョビーを参照してください。

わが家のは、市販のものよりやや塩分が薄めです。ホントに旨いです。パスタにピザにトーストにスクランブルエッグに。オッソブッコやソースにも使えるんです。なによりアンチョビーって高いですからね。それが1キロあるんですから使い放題。今注目の発酵食品ですしね。時間と手間が作り出す旨さは格別です。ぜひ作ってみてください。
次はオイルサーディンもやります。
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満足できるかな

2006-03-08 | 50's60's70's グラフィティ
森山直太朗の『君は五番目の季節』が久々にいい曲だなあと聴いていたら遠藤賢司を思いだしました。
私小説的フォークなんていわれた遠藤賢司(エンケン)ですが、癒しの中になかなかしぶとく激しいものがあります。
『東京ワッショイ』がもっとも人気ありそうですが、私としては、やはり『満足できるかな』を挙げたいところです。

なにしろ完成度の高いアルバムです。高田渡の『ごあいさつ』に匹敵すると思います。サロペットのジーンズの裾にチロリアンテープを巻いて吉祥寺のサンロードあたりをギター持ってウロウロしていたのはあなたですか私ですか。男性が美容院へ行くのが当たり前だった時代ですが、拾ってきた猫のようなきったない長髪も多かったですね。

『満足できるかな』に始まり『カレーライス』『寝図美よこれが太平洋だ』などなど。当時「はっぴいえんど」の細野晴臣、鈴木茂が参加しています。あっ一部ですが松本隆も。
エンケンワールドが詰まっています。授業を抜け出して、FENを聴きながら湘南まで太平洋を見に、米軍ハウスに住んでいた友達の中古のブルーバードを飛ばしたものでした。

そこで巷で問題のPSE法。これを車に当てはめたらクラシックカーは売れなくなってしまいます。森山直太朗 のCDは聴けても、遠藤賢司のLPを昔のマランツやマッキントッシュ、サンスイ、ラックス、トリオ、デンオンの古いアンプを買って聴くなんてことが不可能になってしまうのです。ダイナミックレンジの狭いインチキCDなるものでは、あの音は出せないんです。断じて出せません。

あの法律を作った経済産業省の官僚共は、ジャズ喫茶の片隅でJBLから流れるビル・エヴァンスのピアノに酔いしれたことも、クラシック喫茶でカラヤン率いるベルリンフィルの至極の演奏に身を震わせたこともないやからに違いありません。発泡酒の税金値上げも許せないのですが、これは次元の全く違う問題です。文化の危機なんです。こんなあこと絶対に許しちゃあいけませんよってなもんだニャアー。
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ミツマタは一万円札・コウゾは五千円札

2006-03-06 | アウトドア・ネイチャーフォト
だからというわけではないのですが、ミツマタが好きです。
野川公園自然観察園へ、またまたサイクリングです。気温は前回と同じ12度でしたが、風が暖かい。
国立天文台脇の遊歩道からの眺めは春霞でもうひとつでしたが、やっとゆるゆると気持ちが良いと言える季節の到来です。野川では水彩画をしたためているご婦人も見られました。

今回は、次男のサッカーの練習後に行ったので昼食済み。蕎麦の名店「地球屋」の賑わいを横目に、自然観察園へ向かいました。ミツマタは満開かと思ったのですが、咲き始め。そう一足飛びには春にはならないということですね。
それでも前回は咲いていなかったサンシュユなども咲き始めました。ちなみにサンシュユ酒は、かの韓国では滋養強壮効果があるとずいぶんと持て囃されているのだそうです。

帰りは、次男が団子が食べたいというので深大寺へ。私は蕎麦の「玉乃屋」へ寄りたかったのですが…。「一休庵」の蕎麦団子は、ゴマダレが好みです。吉例の「だるま市」は前日で終わっていましたが、ちょうど紅梅白梅の季節とあって、それはもう大賑わいでした。この時期深大寺の周りの道路は大渋滞。車で来たら酷い目に遭いますよ。

さて、団子を食べたら裏道を抜けて野草園へ。途中紅梅白梅が満開。猫柳もふくふくでした。さすがにカタクリはまだ影も形もありませんでしたが。

最後に激安の八百屋へ。ここで次男はお腹がすいたと30円の磯辺餅をペロリ。暖かくなって彼の食欲にもターボがかかってきたようです。
暖かくなったのはいいのですが、花粉が大量飛散したようで、夜は具合が悪くなりました。今年は少ないというのに油断したのがまずかったようです。
フォトレポは、いつものようにMORI MORI KIDSをご覧ください。
野川公園自然観察園その3です。
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「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース

2006-03-02 | アマゾン
クロード・レヴィ=ストロースといえば、構造主義の原典となった「悲しき熱帯」が有名ですが、本書は、その著者が二台のライカで撮った1930年代のブラジル、アマゾンの写真集です。美しいモノクロ写真と共に彼のスケッチも入っています。

白亜の高層ビルの建築が始まったサンパウロと、対照的に300年余りの白人による侵略の中で、追いやられ、殺され、略樽されて未開人へ転落したある部族。しかし、同時に見られるジャングルで暮らす先住民たちの逞しさと美しい笑顔。

アメリカ大陸発見と欧米人は言いますが、先住民は「俺たちがどう猛なお前達を発見したのだ」と言うかもしれません。そして忘れてはいけない、おぞましい民族大虐殺(ジェノサイド)。文明の不幸な衝突は古くて新しい問題。ヨーロッパ中心主義が破壊したものは限りなく大きい。それは、同時に日本にも置き換えて見ることができるものでもあるのです。近代化による世界的な画一化とそれに対する過激な抵抗。

それでも無邪気な笑顔を見せる少女、裸で戯れる子供達の姿には、心が和みます。しかし、同化政策や入植者、金堀人たちとの軋轢で、この光景の多くが失われた過去のものであることも事実なのです。
真に美しいものは忘却の彼方にある、のかもしれません。

「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース
川田順造訳 みすず書房
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