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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

梅は咲いたか桜はまだかいな(妻女山里山通信)

2013-03-30 | アウトドア・ネイチャーフォト
 やっと梅が咲いた遅い信州の春です。妻女山の山桜の蕾も大きくなってきました。そうなると信州の春は気ぜわしい。梅、杏、桜、桃、林檎と次々に咲き乱れます。信州の春は短いのです。あっという間に初夏になるのです。杉花粉もやっ飛ばなくなったので、Kさんのログハウスに訪れました。冬に借りたログハウスの横にある堂平大塚古墳の調査研究レポートの本を返すためと。4月14日に行う、恒例のバーベキュー・パーティーの打ち合わせのためです。

 車でも行けるのですが、妻女山の駐車場に止めて、旧山道を整備しながら登りました。整備していると、いつか出合った人がマウンテンバイクで林道を登って行きました。まず写真トップにある陣場平の編笠百合の成長具合を確かめに。成長が早いです。もう俯いている蕾もちらほら。これは開花が例年より早いかもしれません。GW前に見頃になるかもしれません。

 そこからKさんのログハウスへ行こうと林道に出ると、さっきのマウンテンバイクの人がいました。誘って一緒にKさんのログハウスへ。Kさんほか数名でジンギスカン・パーティーの最中でした。もうあらかた食べた後でしたが、おこぼれを頂戴しました。遠く眼下には千曲川の蛇行が見えます。のどかな信州の春の風景です。この辺りは、幸い2011年3月15日の放射能プルームは免れました。しかし、向かいの千曲市屋代の一重山の向こう側は、21日の雨で少し汚染されています。雨溜まりの砂塵で10000ベクレル/kgが出ました。要注意です。

 そんな話や里山整備の話、古墳やこの地の古代史の話等をして時間は過ぎて行きました。風が冷たかったので、薪ストーブで暖まりながら、14日の打ち合わせも。14日は、椎茸の種打と妻女山駐車場の片隅の木に倒れかかった赤松の撤去作業をします。種打はともかく赤松の撤去作業は、かなり危険を伴う作業です。なにせ乾いたとはいえ2トンはあるだろう赤松が5mぐらい上に引っかかっているのを撤去するのですから。周到な準備とシミュレーションが必要です。

 それが終了したら、バーベキュー・パーティーとなります。いつもの妻女山里山デザイン・プロジェクトの面々に、薬草好きなお医者さん、蝶の研究家、自転車乗り数人、お宝ハンターのフランス人、怪しい歴史研究家など、一癖も二癖もある連中が集まります。基本来る方は拒みません。通りがかりの人も誘います。だれもそんな山の中でバーベキュー・パーティーなんぞやっているとは思いませんから。偶然通りがかったら幸運と思っていただきましょう。たぶん4月14日は、妻女山の桜も満開でしょう。車で来た人は、タクシーを呼んだり、飲まない人に送ってもらいます。雨が降らないといいのですが。

★トレッキング・フォト・ルポ「妻女山から編笠百合の咲く陣場平経由で鞍骨城跡へ、花のトレッキング

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春一番で、ダンコウバイが一気に満開(妻女山里山通信)

2013-03-21 | アウトドア・ネイチャーフォト

 3月中旬まで最低気温が-5度、最高気温が3度と冷え込んでいたのに、春一番が吹いたら、一気に気温が急上昇。春雨も降ってダンコウバイが突然開花しました。ほとんど落葉して葉がない季節の鮮やかな黄色は、雨上がりの陽射しを浴びると森の宝石のようです。ダンコウバイは、檀香梅と書きますが、花の香りは梅に近いかと言われると返答に困りますが、ほのかに甘いいい香りです。 学名は、Lindera obtusiloba Blumeといい、クスノキ科クロモジ属の落葉小木の一種。別名を鬱金花(うこんばな)といいますが、これは黄色い花を鬱金に例えたもの。檀香はビャクダンの漢名で、同じように材に香りがあるためです。枝を折ると好ましい芳香がありクロモジ同様、楊枝の材料となります。秋になる赤い実の種子からは、油を採り、灯火や髪油に用いられていたそうです。
 本来、ダンコウバイは、ロウバイの一種の呼び名でしたが、明治以降本種に用いられるようになったそうです。同じ時期に咲く、アブラチャンと似ていて遠くからは全く見分けがつきませんが、ダンコウバイの花の方がボリュームがあって華やかなのと、近くで見ると花序の下に柄がないので区別がつきます。アブラチャンは柄があります。妻女山山系では、もう少し標高が高い所へ行かないとアブラチャンは見られません。
 ダンコウバイは、蘖(ひこばえ、孫生え)が旺盛に出るので、里山の整備の時には、少々厄介な樹木でもあります。放置されて株から何本も大きくなった蘖は、絡み合い広がり、森を暗くします。除伐の際には、最も多く伐採される樹木のひとつです。妻女山山系では、西面だとヤマコウバシ。北面ではヤマザクラやガマズミ辺りが除伐の対象になります。日当りのいい尾根筋では、ヤマグワやヌルデ、サンショウ、キブシ、ノイバラ、ヤマフジなど。昔は、この蘖を利用してクヌギやコナラを増やし、薪にしたのです。そのようにして面妖な姿になった人面木を「山親爺」と呼んでいました。
 陣場平では、昔薬草畑だった名残で編笠百合(貝母)の群生地があるのですが、ようやく芽吹きました。花の見頃は、ゴールデン・ウィーク辺りですが、今年は少し早いかもしれません。戦国時代の川中島合戦で、上杉謙信が七棟の陣城を建てたという陣場平ですが、今は兵どもが夢の後、清楚な編笠百合が人知れず咲き乱れる静かな森のギャップです。妻女山展望台から松代方面を見ると、低山にはほとんど残雪は見られなくなりました。根子岳と四阿山の樹木も、雪が溶けた様子が見えます。信州の春は一気にやってきて、梅、杏、桜、桃、林檎と慌ただしく咲いて駆け足で初夏になります。その様は、まるでカレイドスコープで見る幻の桃源郷の様です。★トレッキング・フォト・ルポ「妻女山から編笠百合の咲く陣場平経由で鞍骨城跡へ、花のトレッキング
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セツブンソウの花言葉は、気品・ほほえみ・光輝・人間嫌い(妻女山里山通信)

2013-03-13 | アウトドア・ネイチャーフォト
 千曲市倉科の杉山にあるセツブンソウの群生地で開花が始まったとの情報を得たので、ちょうど帰省中の次男と行ってみました。まだ、林道が冬期閉鎖中なので、1キロほどまだ凍結のある林道を登ります。三滝への道を分け、落葉して明るい雑木林の道を登って行くと、20分ぐらいで群生地に着きます。千曲市の群生地は、ここと戸倉にあり、戸倉の方交通の便がよく、面積も広いので人が多く訪れますが、こちらは人が少ない分ゆっくりと撮影できます。

 セツブンソウは、キンポウゲ科セツブンソウ属で、本州の関東地方以西に分布する、高さ10センチほどの小さな多年生草本。花の直径は約2センチ。花びらに見えるのは萼です。先が黄色く見えるのが退化して蜜腺になった花びらです。山地の落葉広葉樹林の林床に生え、石灰岩地を好む傾向があります。関東では節分の頃に咲くのでこの名がありますが、東京では暖冬には1月に咲くこともあります。信州では、3月になごり雪がよく降るので、雪中のセツブンソウも見られます。

 セツブンソウの種は、黄色い蜜と一緒にアリが巣に運んで発芽するアリ散布植物。カタクリと同じです。アリ散布植物は、セツブンソウ属やカタクリ属以外にスミレ属、イチリンソウ属、フクジュソウ属、ミスミソウ属、キケマン属、クサノオウ属、エンレイソウ属などがあり、自然界におけるアリの働きの重要さが分かります。日本には、アリが絶滅すると絶えてしまう植物が200種以上あるのです。

 昔は木山や芝刈りのために山に入り、下草や灌木を刈ったので、明るい林床にセツブンソウやカタクリがたくさん咲いたのです。セツブンソウやカタクリのように早春に咲き、2、3ヵ月でその年の生活サイクルを終え消えてしまう植物は、スプリング・エフェメラル(Spring Ephemeral、春の妖精、春のはかない命)と呼ばれます。節分草は、万葉集には詠われていませんが、平安時代の「本草和名」や「倭名類聚鈔」に「以倍仁礼(いえにれ)」という古名で登場します。

 野生か養蜂場から来たのかは分かりませんが、ニホンミツバチが何匹も来て盛んに吸蜜していました。世界的に蜂群崩壊症候群(Colony Collapse Disorder、CCD)が問題となっています。当地でもミツバチやハナアブが激減していて、よく話題になります。豆類等、花が咲いても受粉しないため実がならないのです。蜂群崩壊症候群の原因は、ネオニコチノイド系やグリホサート系の除草剤であることが分かってきました。モンサントが製造しているラウンドアップなどです。この会社は、ベトナム戦争で使った毒ガス兵器、枯れ葉剤を製造したメーカーで、ラウンドアップはまさにそれなのです。猛毒であり、絶対に使ってはならないものです。TPPに参加すると、遺伝子組み換え作物とラウンドアップがセットで強制的に使わされる様になり、日本の自然と農業は壊滅します。

 セツブンソウの花言葉は、気品・ほほえみ・光輝・人間嫌い。やはり、孤高で高貴な花という感じがします。やはり野に置けセツブンソウ。山で見るのが一番です。

 帰りに倉科の集落をぬけて千曲市の健康プラザへ。ここは小さいけれど入浴料が150円が魅力。今、東京の銭湯が450円ですからね。大変お安い。大広間も使えます。私たちは、妻女山での山仕事の後に皆でよく利用します。

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春一番が吹いた妻女山でコシアブラの移植作業と激旨鍋(妻女山里山通信)

2013-03-03 | アウトドア・ネイチャーフォト
 2月中旬を過ぎて-8度の最低気温が続くなど、厳冬の善光寺平(長野盆地)でしたが、3月に入ったとたんに春一番が吹いて春雨がかなり雪を溶かしてくれました。畑には雪がなくなり、妻女山の麓では、春掘りの長芋の収穫が始まりました。冬を越した長芋は、甘みがあって美味です。とろろ芋は、インフルエンザの予防になるという研究結果もでました。まだまだ風風邪が流行っているので、とろろ蕎麦やとろろ飯を食べましょう。

 妻女山への舗装路には、まだカーブがアイスバーンのまま。毎年3月の春休みに、もう春と思って登って自損事故を起こす車が10台近くいます。地元の人も、慣れている人以外は、雪が完全に溶けないと車では登りません。アイスバーンが見えたら引き返してください。溶け初めのアイスバーンは、スタッドレスも効きません。

 といっても、早春にやっておかないといけない山仕事があるので、「妻女山SDP」の仲間が集合しました。今回は、コシアブラの移植作業です。4WDの軽トラで、Kさんのログハウスに向かい、移植するコシアブラを掘り出します。ログハウスの横にある古墳の斜面には、福寿草が何百と咲き乱れ、西洋ミツバチが盛んに吸蜜していました。この麓に養蜂の巣があるのです。

 写真は雨の前に撮影したものなので、実際はもっと溶けていましたが、それでも日陰はアイスバーンで、気がぬけません。高さ4mほどに成長したコシアブラを掘り起こし、根切りして軽トラに積み込み、移植先へ。コシアブラは初期成長が遅く、春にしか成長しないので、植え替えは10月から2月が適期とされています。暖かくなると成長し始めるので、今が植え替えの最終時期というわけです。これぐらい大きいと移植後の活着を心配する必要もありません。

 不思議なのですが、東山といわれる妻女山山系には、ほとんどコシアブラはありません。ところが、西山といわれる茶臼山方面にはどこに行ってもたくさんあるのです。東山は、鏡台山ぐらいの標高にいくとあります。志賀高原や戸隠高原などに行くと、周り中全部コシアブラという場所もあります。冷涼な環境が好きな様です。しかし、地元の人は昔から食べないので、最近まで知りませんでした。タラの芽より癖があるので好みは別れる様です。ウコギ科で、なんと朝鮮人参の仲間です。高酸化作用の非常に高い山菜です。

 午前中で作業は終わり、昼は恒例の鍋。今回は自家製の冬野菜にムキタケ、軟骨入り鶏団子の味噌粕鍋。最後はすいとんにして。温まります。日本海のベクレていない海の幸を七輪で炙っておしゃべり。この冬の異常気象や、春からの山仕事の話、地元の話。もちろん原発やら被曝被害の話からTPPまで多岐にわたります。そんな話を聞いているのかいないのか、四十雀のさえずり。う~む、信州にもやっと春の訪れが来た様です。但し、4月に寒の戻りがあって一気に暖かくなると、梅、杏、桜、桃、林檎と、どどどどどと咲いてしまうのです。それは見事ですが、忙しない。信州の春は短いのです。

 今回は、春一番が吹いて急遽決まった作業だったため、サポーター?のみなさん全員には連絡をしませんでした。次回は、杏か桜の頃に、大々的にバーベキュー大会をやるので、ぜひおいで下さい。参加費は特にありません。自分が飲みたいもの、焼きたいもの、煮込みたいものをご持参くだされば、誰でも参加OKです。お酒飲む方は、自転車か徒歩で。昨年末の納会のときなどは、通りがかりの人も半強制的に参加となりました。だって、そんな山奥で偶然出会うなんて、何かの縁ですよね。ということで、次回はたぶん花吹雪の中で、椎茸栽培の種打ちと倒木処理を行います。

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