モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

雨に煙る新緑の「牛ノ寝通り」

2006-05-29 | アウトドア・ネイチャーフォト
大菩薩嶺の近く、石丸峠から東にのびる長い尾根。それが牛ノ寝通りです。その牛ノ寝通りへ、わざわざ雨の日を選んで登ってきました。
その訳は、近所の「ニワコヤ」というギャラリーで「ご近所コレクション」という展覧会に出品する写真を撮影するためです。次男は「マクロのきらめき」というテーマで写真を出展するのですが、その撮影のためにわざわざ雨の日を選んで登ることになりました。

何度も通っている牛ノ寝通り。雨中の山行も何度かしています。普通は松姫峠から登るのですが、今回のコースは登山道のない鶴寝山北尾根を登るというもの。私は去年の7月18日に、長男とこの尾根を下っているのですが、次男は初めてです。途中薮こぎもあるちょっと厳しいコース。見通しの悪い霧雨だと猪や熊との遭遇も心配です。経験者向きのバリエーションルートで、地形図とコンパスは必携です。

小菅温泉の上の林道の広い場所に駐車して登り始めます。尾根への取り付きでコースを間違えましたが大事に至らず。雨中の静かな山行は素晴らしいものでした。雨でなければ決して見ることのできない風景や時間があるのです。思ったとおり今回は山中で誰にも出合いませんでした。次男が熊&猪よけに「ホーッ!」と甲高い声を出すと、森の小鳥たちが縄張りを荒らされたと思ってか呼応して鳴き出すのが愉快でした。

帰りは、これも初めて下る山沢の道。地元の人には知られていた道ですが、急峻で一昨年の台風では崩落して通行止めになったこともあります。今の時期は春と夏の花の端境期で、山には花が少ないのですが、山葵田の谷では、雨に濡れながら純白のウツギが見事に咲き誇っていました。

写真は、葉の水滴に森が映っているカットが撮れたと大喜び。早速プリントして今週末から始まる展覧会に備えました。詳しいフォトレポは、モリモリキッズ鶴寝山北尾根-鶴寝山-大マテイ山-山沢のフォトルポをご笑覧ください。

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行ってきました「三鷹天命反転住宅」

2006-05-22 | アウトドア・ネイチャーフォト
建築家志望の次男も見たいと言うので、日曜の午後自転車で息子ふたりと行ってきました。国立東京天文台横の遊歩道から「三鷹天命反転住宅」へと向かいました。長男は「出山横穴墓群」を見ていないので、帰りに骸骨のレプリカが横たわる古墳時代の墓を見学。とってもいい見学コースだと思いました。

「三鷹天命反転住宅」の印象はそれほど強いものではありませんでした。通りがかる人を観察しましたが、たいていチラッと見るぐらい。全く見ない人も多かったですね。なんていうか馴染んでしまっているんですね。街に。ちなみにこちらは分譲マンションです。価格はこの辺りの相場の2倍ぐらいだとか。
次男の印象も「すっかり馴染んじゃってるね」でした。周りにはもっとケバイ建物や看板がありますからね。幼稚園だと思っている人もいるようです。隣のモルタルの家とも馴染んでいます。窓にかけられたスダレが妙に浮いてました。暑いのでコンビニでガリガリくんを買ってきてなめながらの見学でした。
というわけで、写真も建物の格好いいアップではなく、街の中でどう見えるかを撮ってみました。

デザイン的には、なんだか80年代のポストモダンだし、住宅なもんでアートとして見るとインパクトが足りないし。建築としてはガウディなんかと比べてしまうと、なんかちんまいんですね。エコノミーとエコロジーなんてことを彼は対談の中で言ってますが、う〜ん、山登りでもしたらいいんじゃないでしょうか。畑仕事とかね。住みたいかと言われたら、絶対住みたくないが応えですね。
磯崎新に、なぜアーティストの特権を捨ててしまって建築家になってしまったのかみたいなことを言われていましね。16年ぐらい前に連れと展覧会と中澤新一との対談を聴きに行ったことがあります。物語の終焉みたいな話で面白かったのですが、こういう方向へ行くとは以外でした。作品について詳しくはHP「荒川修作+マドリン・ギンズ」で。

割とすぐに飽きてしまったので、次に「野川公園自然観察園」へと向かいました。たくさんの小さな子供達が野川で水遊びをしていました。
写真は、左からヤセウツボ、シラン。そしてギュウカクソウです。牛額草は、土方歳三が多摩にいた頃に売り歩いた石田散薬の原料となった植物です。葉の形からしておそらくタデ科でしょう。
他には、ムサシノキスゲ、フタリシズカ、ウマノアシガタ、サイハイラン、コバノタツナミ、エゴノキなどが咲いていました。
帰りに野川を走っていたら、対岸の遊歩道を自転車で来た母娘が突然絶叫! 何事かと思ったらヘビをひいてしまったとか。川遊びをしていた少年達がわらわらと上がってきましたが、ヘビはそのまま草むらに逃走。私達は「出山横穴墓群」を見学して帰りました。

いつものようにフォトルポをモリモリキッズにアップしました。ご笑覧ください。
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手作りアンチョビー

2006-05-18 | 男の料理・グルメ
3月の初旬に塩蔵したアンチョビーを、瓶詰めにしました。約1キロ、90匹分を仕込んだのですが、頭や内臓、中骨を取るのでできあがりは800グラムぐらいでしょうか。写真の瓶にふたつ半ぐらいできました。これを冷蔵庫で1年ねかせれば「自家製アンチョビー」のできあがりです。1年間、気長に待ちます。雑菌が入る恐れがあるので途中で開けるのは禁物です。中の状態が分かるように写真のような瓶詰めにするのがいいでしょう。

市販のアンチョビーは高価ですが、手間が大変なのと熟成期間が長いからでしょうか。わが家のは市販のものより若干塩分が薄めです。
新キャベツと合わせてパスタに、定番のピザに、スクランブルエッグに。オッソブッコにも入れます。クリームチーズと練り合わせてアンチョビーペーストも作れます。それを骨付きの鶏もも肉にぬって焼くと絶品。一度野菜と煮ておくといいです。ブラジルの叔母に教わった新ジャガとアンチョビーのサラダは、初夏のわが家の定番料理。それにしても、夏山に向けてせっかくダイエットしてるのにと言われそうな旨そうな料理の数々…。

ともかく、やはり時間の作り出す味っていうのは格別だと思います。熟成の醸し出す旨味ですね。塩漬けっていうのは干物や薫製とともに最も古い保存食の作り方のひとつです。塩漬けには、塩や香辛料を直接塗り込む乾塩法と、漬け込み液(ピックル液・ソミュール液)に浸す湿塩法(ピックル法・ソミュール法)があります。
塩分の取りすぎには注意が必要ですが、塩漬けして熟成した旨さを忘れたくはないですね。塩抜きしたり食べ過ぎに注意すればいいわけですから。豚肉の塩漬けも簡単にできて美味しいですよ。お試しください。レシピはMORI MORI RECIPEで。
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泣くな松井、南アフリカがある!

2006-05-16 | サッカー
松井って手首折れたNYの松井ではないですよ。あれは自損事故ですからね。後半戦は復活します。
なにってフランス1部リーグでベスト11にも選ばれ、月間MVPにも選ばれた松井が落ちたのですから。
久保の落選ばかりが話題になっていますが、あのコンディションでは彼は仕方がないでしょう。じゃあなんで骨折で全然試合に出ていない柳沢が代表なの?と思われる方もおられるでしょう。彼は怪我人なのでダメなら入れ替えが可能なのです。とはいえFW、MF、DFと鹿島および元鹿島の選手を入れたところがジーコ。ファミリー優先のブラジル人らしいところです。

しかし、中盤は2.5列目が得意な選手ばかりになってしまいましたね。汗かきがいない。しかも2列目に松井をはずしたことでジョーカーがいなくなってしまった。玉田と松井を天秤にかけたのでしょうが、ここはレッズ戦でも0-4のていたらく、スコットランド戦でもすばらしいパフォーマンスを見せた小野と対照的に、見せ場の無かった小笠原に替えて松井を入れるべきだったのでは? アテネ世代からひとりも選ばれなかったというのは、代表の育成に失敗したということでもあるのです。世代の空白は、南アフリカ大会に重大な影響をもたらすかもしれません。

チームでもボランチをやっている長男に言わせると「彼はいつもボールを取られる位置と形が悪い。しかも取られたボールを最後まで追わないから後ろにとっては非常にやりにくい選手だ」とのこと。まあ局面でいいラストパスを出す才能はあるのだけれど、1対1に弱いのとプレスがかかるとすぐに下がってしまうのが問題。いずれにしても3-5-2の時は彼のポジションはないわけで。4-4-2のときは、小野か中田ヒデがポジションを埋めてしまうでしょう。するとジョーカーか?それは無理でしょうとなるわけです。しかし、選ばれたからには死にものぐるいでやってほしい。

ところで、私は以前から点の取れないFWよりも、今の日本代表はディフェンスが一番危ういと言い続けてきました。それがまったく修正されていないんですね。3バックはともかく4バックのときの宮本は、専門家や加茂元代表監督も指摘しているとおり危ない。狙われます。実際アジアレベルでもストッパーの中澤がサイドに引き出されて中の宮本がマークしきれずに失点というシーンを何度見せられたことか。そして、一時の勢いとキレがなくなった川口。キーパーが育ちませんでしたねえ。

というとマイナス要因ばかりですが、要はファミリーになって日本が得意とする俊敏なサッカーが展開できるかという一点に尽きるわけです。これができたら1次リーグは突破できるでしょう。あとはラッキーボーイの出現です。イタリア大会のスキラッチしかり、フランス大会のオーウェンしかり、アジア予選では大黒でした。W杯本番ではだれか? 巻か大黒か玉田か。中村俊輔には当然のように活躍してもらわなければなりません。おそらく中田ヒデは、日韓大会以上に汗かきに徹することになるでしょう。

さてW杯初戦まで1ヵ月を切りました。またあの熱い日々がやってきます。
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奈良倉山・新緑浴フォトルポアップ!

2006-05-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
 モリモリキッズの5月1日、奈良倉山-旧佐野峠道のフォトルポをアップしました。ミツバツツジ、マルバスミレ、シロバナナガバノスミレサイシン、マメザクラ、キブシ、タチツボスミレなど花が満載です。
 また、三頭山、ヒカゲツツジとイワウチワで人気の坪山の大パノラマ写真も。ご笑覧ください。
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なんじゃもんじゃ満開の深大寺

2006-05-06 | アウトドア・ネイチャーフォト
 「なんじゃもんじゃ」が満開らしいということで、家族で深大寺まで散歩。いつも通り野川の川原を深大寺目指して歩きました。

満開の菜の花はもう咲き終わりの趣。下草が大きく伸びて草原のようになってきました。深大寺は、観光地なので大賑わい。蕎麦屋はどこも満員御礼。蕎麦を食べたかったのですが、次男のサッカーの練習の後なので昼食を済ませてきたばかりです。でも蕎麦は別腹なんだけどなあと、ブツブツつぶやきながら境内へ。

なんじゃもんじゃもよく知られてきたようで、たくさんのカメラマンがいました。長男に高い枝をちょっとつまんで、マクロ撮影をしてもらいました。すると叔母さんが、あたしも撮らせてもらっていいですかと言うので、どうぞどうぞと。彼女は携帯で花のアップを撮影していました。

さて、その「なんじゃもんじゃ」ですが、本当の名前は「ヒトツバタゴ」といいモクセイ科の樹木です。「なんじゃ」「物じゃ」が転訛したそうですが、白くてきれいな花を咲かせる珍しい木ということなのでしょう。明治神宮外苑にもあります。

自然の山では、同じモクセイ科のアオダモが同様のきれいな白い花を咲かせます。神奈川の仏果山頂上や牛ノ寝通りなどで見られます。モリモリキッズの奈良倉山-旧佐野峠道のフォトルポの2ページ目の真ん中頃に掲載されています。花のアップはこちらです。標高1000m位の開花は5月中旬過ぎになります。

帰りは、国分寺崖線に沿って歩き、武者小路実篤記念館を抜けてきましたが、2mもある大きなシマヘビが、家のドアをよじ登ろうともがいていました。
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山菜の王様・コシアブラ

2006-05-03 | アウトドア・ネイチャーフォト
 この季節の山歩きの楽しみの一つは、道すがらにある山菜です。山菜採りだけが目的で山へ行くことはないのですが、せっかくの自然の恵みを放っておく手はありません。

 今回は、山菜の王様といわれるコシアブラがたくさん採れました。タラノメよりもアクが強く味が濃いのが特徴です。しかし、タラノメは、日向の目に付きやすい所にあって特徴的な形をしているのでだれでも見つけられますが、コシアブラは、半日影が好きで見かけも他の木にまぎれてしまうので、ちゃんと知っていないと見つけるのは難しいかもしれません。
 早速天ぷらにしていただきましたが、山菜のもつ天然の旨さと力強さに圧倒されつつ堪能し尽くしました。

右上の写真の左がコシアブラ、右はご存じワラビです。写真左下から右へ、コシアブラ、ゼンマイ、ユキザサ、フジザクラ(マメザクラ)です。他にはタラノメ、ハリギリなどが少しずつ採れました。
 ゼンマイは、後処理が大変手間がかかるので採りませんでした。

 コシアブラは、最近注目され始めた山菜で、信州では食べていませんでした。針葉樹林の林下に群生してしまうので、どんどん採って欲しいと言われたとか。放っておくと15〜20mぐらいになります。紅葉は、黄色く透き通った油紙のようで、とても美しいものです。

 それから枝打ちされた檜の葉を拾ってきました。お風呂に入れるとお湯が柔らかくなり香りもよくて最高です。あれば松の葉も入れると鎮静作用があって安らぎますよ。
詳しくはモリモリキッズでアップするつもりです。お待ちください。
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新緑浴 in 奈良倉山

2006-05-02 | アウトドア・ネイチャーフォト
山梨県大月市と上野原市の境にある秀麗富岳12景の奈良倉山へ行ってきました。朝5時起き。
そんなわけで登りはじめは6時45分です。登山口の長作の集落は、まだ眠っていました。
このルートは、地元の人も今ではめったに登らないという幻のコースで、明瞭な登山道も途中で無くなるため極少数の低山マニア向けなのです。

最初にこのコースを長男と下ったときは、道を間違えてしまいました。その後リベンジ登山で下から登って正しいルートを発見しました。今回は、そのルートから奈良倉山に登り、松姫伝説のある佐野峠経由で古道の旧佐野峠道を下ったわけです。

山は芽吹きの季節。カタクリは終わっていましたが、トウゴクミツバツツジ、フジザクラ(マメザクラ)、ヤマザクラは満開でした。そしてナガバノスミレサイシンもたくさん咲いていました。

左上の写真、左の山が奈良倉山(1349m)で、今回は右にのびる長い尾根を2時間半かけて登りました。そしてこの写真を撮影している場所までグルッと歩いてきて、これから2時間ほどかけてあの麓まで戻るわけです。
なんとこの山の上で30度! 暑くてぶったまげました。

右上は、イワウチワとヒカゲツツジで最近大人気の坪山と佐野山の中間の七保分岐十字路での休憩シーンです。息子のノミを取ってやっている母猿です。他にはだれも来ないんです。聞こえるのはウグイスのさえずり、アオバズクの恋歌のみ。

左下、山菜の王様といわれるコシアブラ。まあ普通の人には区別はつかないと思います。みな同じように見えますからね。脇道というかヤブ山の中でたくさん採れました。帰って早速天ぷらで一杯。極上の味、こんな贅沢はありません。

その右はトウゴクミツバツツジ。さらに右はタチツボスミレです。残念ながら富士山は見えませんでしたが、大菩薩嶺は大雄々しくそびえていました。

例のごとくフォトレポをモリモリキッズアップしました。どうぞご笑覧ください
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