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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

妻女山奥で金属探知機を手にした怪しい外国人と遭遇!(妻女山里山通信)

2012-06-25 | アウトドア・ネイチャーフォト
「妻女山・里山デザインプロジェクト」オオムラサキ保護のための除伐の次は、椎茸栽培とカブトムシのコロニー作り。椎茸の種打ちは本来春にやるものなのですが、諸般の事情によりこんな時期にやることとなりました。なにが大変て、玉切りした丸太をかついで急斜面を登る事。生木ではないとはいえコナラは硬木なので重い。応えました。曇り空で気温が低めだったので、虫の発生が少なかったのは幸いでしたが。

 昼休みは素麺と独活と長芋に、作業中に見つけた幻のシロキクラゲの天ぷらで舌鼓。話題は、里山保全の話等から、やはり原発問題、放射能汚染へ。今や決して避けては通れない最重要課題ですからね。大飯原発再稼働は、遠いとはいえない信州でも大問題。100万人デモのためならみんなで上京するかという話も、今や現実味を帯びてきました。

 午後は、カブトムシのコロニー作り。野積みのチップにカブトムシが大発生したことから、前回除伐した木をチップにしたものを回収し、プラスチックケースに入れて樹間に吊るしました。吊るしたのは、イノシシに教われない様にするため。チップは腐り始めですが、腐葉土と混ぜた方がよかったかもしれません。もう一カ所ではバスタブにチップを沢山入れて放置してあります。さてどちらがお気に召すでしょうか。

 梅雨に入って2週間ほど。里山の虫達も顔ぶれが変わり始めました。ウスバシロチョウは、姿を消し、替わってシジミチョウやイチモンジチョウ、ヒカゲチョウが見られる様になりました。広場ではテングチョウが乱舞しています。里山の夏の線香花火・シモツケは最盛期。イチヤクソウも満開です。マメホコリ等の粘菌も出始めました。

 翌日は、やり残した作業のため一人で山へ。陣場平へ葦を刈りに行くと、林の向こうから怪しげな人が出現。手には金属探知機のようなものを持って、ピーピーガーガー音を鳴らしながら歩いています。しかも外国人。怪しい!実に怪しい。ロシアのスパイか。そういえば駐車場に、怪しいジムニーが止まっていた。

 「なにしてるんですか?」と訪ねると、「宝探し」「へっ!?」。「山城とかなんか歴史的なものが埋まっていそうな所を探しているの」と。インディー・ジョーンズかい。それにしてもなぜこんな所へと聞くと、勘で何かありそうな場所だと思ったからと。そう確かにここは陣場平といって上杉謙信が川中島合戦の際に陣城を建てたといわれる所。でも近年まで畑だったからねと。
 面白いのでしばらく付いて行く事に。探しながら色々話を聞くと、これがなかなか面白い。ロシア人ではなくフランス人でしたが。

 彼が持っている金属探知機は、おもちゃではなく相当高価なもの。数字で金属の種類が分かるそう。右手で探知機を持ち、音が鳴ると左手のシャベルで掘る。土を小分けしながら音の主を選り分けて行くわけです。たいていは潰れた空き缶だったりで、がらくたがほとんど。しかし、時にお宝が出るわけです。鞍骨城跡をやった時に、珍しいものが出たというので、写真を送ってもらう約束をしました。これは楽しみです。

 斎場山と旗塚、御陵願平に案内して、昼に一度葦を集めるために別れて午後また合う事に。うちの山から昔、鉄砲の弾がたくさん出たので、調査してもらいました。すると、次々に出てきました。砲弾型の弾の形状から、これは戦国時代のものではなく、幕末から明治初期に松代藩が使用したミニエー銃(エンフィールド銃)の弾で間違いないでしょう。アメリカの南北戦争で使われた銃が大量に払い下げられ、戊辰戦争の新政府軍の主力銃器となりました。

 戊辰戦争準の訓練のために、ここ妻女山が松代藩の銃撃の訓練地だったことが推察されます。おそらく招魂社の土塁からこの山に立てた的に向けて射撃訓練をしたのでしょう。弾が出る範囲が非常に限定されていることからも、それが分かります。一銭硬貨と昔の真鍮のボタンも出ました。小判が出ないかなと期待しましたが・・・。
 粘菌が出ていたので彼に見せてあげると、旨い?と。さすが美食の国の人。しかし、旨くはない。木の味がするだけ。食べてみたことがある悪食の私です。テントウムシの幼虫や、ベニボタルや小さな甲虫は粘菌の未熟を餌にします。個人的には、粘菌を食べるなら樹液酵母の方がいいですね。

 作業を終えて、夕方彼に珈琲をごちそうになりながら、色々な話をしました。歴史の話、里山保全の話から、お互いの世界放浪の話、もちろん放射能汚染の話も。東京のような都会は嫌いなので、行くのはもっぱら信州の山や村ばかり。キャンピングカーを買ってあちこち日本中へトレジャー・ハンティングに出かけたいんだとか。そういう旅につきあってくれる放浪癖のある彼女を募集中だそうですw。本業はメカニックなので、なんでも直してしまうそうです。以前は、茶臼山の西の山布施の古民家に住んでいたとか。私とは生まれも育ちも全く違う彼ですが、妙に波長が合うので話が弾みました。

 「妻女山・里山デザインプロジェクト」次回の作業は、今回の続きと、休憩所作りですかね。梅雨の晴れ間か、夏真っ盛りか。シジミチョウやオオムラサキ、カブトムシやアオカナブン、ミヤマカミキリも出て来るでしょう。

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「民主党現政権がしていることは国民に対するクーデター」と看破した民主党離党 平智之議員の必読ブログ:平さんは、反原発でも脱原発でもなく「禁原発」を唱えています。非常に説得力のある知的で分かり易い話をされる人です。ニュータイプの政治家といえるでしょう。将来の首相候補?
 6月22日の首相官邸前デモ。45000人(主催者発表)が参加。ネット視聴者80000人越え。これを全く報道しないNHK。もはや公共放送とはいえないでしょう。偏向報道は明らかに放送法違反です。免許の剥奪が相応しいのではないでしょうか。
●放送法第四条 一 公安及び善良な風俗を害しないこと。二 政治的に公平であること。三 報道は事実をまげないですること。
 BBCは公共放送という使命から積極的にネットでニュース映像や番組を公開しています。NHKは著作権を盾に公開を拒み、アップされた動画を削除しまくっています。NHKは営利目的が第一で公共放送ではないようです。[BBC NHK 違い]で検索するとよく分かります。民放も、海外ではニュース番組には圧力を回避するためスポンサーなしで放送したりしています。日本には、真のジャーナリズムはマスコミにはないようです。
4万5千人を集めた6/22首相官邸前抗議、読者からの投稿によるレポート|大飯原発再稼働反対の声高まるなか、今まで報じなかった各メディアも報道 - 骰子の眼 - webDICE:参加者の撮影した写真。色々な視点がとてもいい。
●東京スカイツリーは、地表面0.7μSv/h。近くの土壌汚染68,600Bq/kg 4,459,000Bq/m2。絶対に子供は連れて行ってはいけない値です。東京で中性子が検出されているのは、ウラン235や猛毒のプルトニウム238・240が降下しているから。
●プルトニウムはα線、ストロンチウムはβ線、プルトニウム粒子「ホット・パーティクル」の毒性 は極めて強く、吸収されにくいのでほとんどは排出されるが微粉末1、2個が入るだけで肺ガンを起こす。4月に東京の人は1日当たり10個吸い込んだ計算。矢ヶ崎克馬教授

■ツイッターMORIMORIKIDSを左のサイドバーに表示するようにしました。主に原発情報、地震情報を呟いています。自然、歴史も。

■山登りに行く方は、「測ってガイガー!」や「奥多摩、中央アルプス、北アルプスの放射線量」などを参考にしてください。山によっては、かなり汚染されているところもあります。「測ってガイガー!」を見ると、山の計測箇所が少ない。ガイガーカウンタ持っているハイカーは、ぜひ計測を。これから花粉の季節。風で再浮遊での内部被曝は、10倍以上といいます。充分注意を!
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入梅の菅平高原で万葉集と放射能・・(妻女山里山通信)

2012-06-13 | アウトドア・ネイチャーフォト
 東に日本百名山の四阿山(2,354m)と根子岳(2,207m)、西に大松山(1,649m)に挟まれた菅平高原へ、ちょっと時期外れですが山菜狩りに出かけました。梅雨入りの発表があったばかりで、標高1500m以上は雲の中。四阿山も根子岳も見えません。冬はゲレンデになるレタス畑の麓から稜線を目指して急登を30分。雨後のため虫が大発生。クロメマトイやアブやハエに取り巻かれながら、ひと汗かいた頃にようやっと尾根筋へ。ガレ場には蛇もいるし、稜線の真田側の谷は熊の生息地なので要注意です。

 レンゲツツジは、日当りのいい麓は咲き始めでしたが、尾根筋はまだ蕾。ナルコユリやアマドコロ、ホウチャクソウ、スズランが花の時期。ナルコユリは、生薬名を黄精といって俳人の小林一茶が黄精酒を愛飲していたことで有名です。強壮作用が相当にあるようです。50代になってから妻を三人迎え、五人の子を設けていますから効果はあるのでしょう。江戸でもブームになり、吉原でも高価な黄精の砂糖菓子がもてはやされたそうです。ホウチャクソウ、スズランは毒草なので要注意。

 レンゲツツジも有毒なので野生動物も食べません。そのためか、信州の高原にはあちこちに群生地があります。しかし、ヤマツツジと間違って蜜を吸わない様に。痙攣、呼吸停止を引き起こす有毒成分が含まれています。ヤマツツジの花は赤。レンゲツツジはオレンジ系なので区別がつきます。

 北向きの傾斜地には、シダ類とヤグルマソウの群生地があります。ヤグルマソウ(矢車草)というと、初夏に紫色の花を咲かせるキク科の花を思い浮かべるかもしれませんが、あれはヤグルマギク(矢車菊、学名:Centaurea cyanus)。写真の鯉のぼりの矢車のような大きな葉が特徴のユキノシタ科のものが本来のヤグルマソウです。梅雨の最中に、小さな星がたくさん集まった小さな銀河のような白い花を咲かせます

 所々に大きな株を作るのは夏の高原に咲く白い花火、シシウド。猪よりも虫達が大好きな花です。今回は残念ながらツマトリソウは咲いていませんでした。

 天の岩戸で天宇受売命(アメノウズメノミコト)が素肌にたすきがけにしていたというヒカゲノカズラ (日陰鬘・日陰蔓、学名:Lycopodium clavatum)は、あちこちで散見されましたが、山菜採りに夢中で撮り忘れました。リンクの写真は2010年のものです
「見まく欲り 思ひしなへに かづらかげ かぐはし君を 相見つるかも」(大伴家持:万葉集)
--逢いたいと思っていたら、ちょうど折りしも、かずら飾りを着けた美しい君にお逢いすることができました--

 胞子は、石松子(せきしょうし)という淡黄色の粉。湿気を防ぐので丸薬・花粉増量剤・火薬の衣などに利用されます。

 ヨモギの葉の上に一頭のベニシジミ(紅蜆)が留まっていました。湿気が多いので翅を広げて乾燥させていたようです。ガスがまいたり、冷たい東風が吹いたかと思えば、急に陽が射して暑くなったりと目紛しい天気でした。歩き疲れて稜線から見下ろすと、レタス畑の白いマルチが光っていました。時折ラグビーやサッカーの練習の声が聞こえます。

 山上から雲を見て、昨年3月の放射性プルームの動きを想像してみました。放射性プルームは、高さ1500m位を流れて来たといわれています(富士山五合目や奥多摩などの計測から)。四阿山と根子岳がそれをブロックしてくれた訳です。その南の鳥居峠は1400m足らずですから、群馬県側から流れ込んだと思われます。真田がやや高い線量なのは、そのためです。さらに南に行くと湯の丸山から浅間山がブロックしてくれましたが、碓氷峠が1000mですから、そこから一定量が軽井沢へ流れ込んだのでしょう。軽井沢にはホットスポットがあります。山林の放射性物質は、ほとんど動かないということも分かっています。県内では最も要注意の場所です。
 今回は、群馬県境の山脈がある程度防御してくれました。しかし、次に事故が起きた時に、また同じ様に四阿山がブロックしてくれるという保証はどこにもありません。大飯原発や女川原発に事故が起きた場合、甚大な被害が出る可能性の方がずっと高いと思われます。

 地球の年齢は46億年です。約39億年前に海ができて原始生物が誕生しても、地球は太陽や雨中からの放射線や宇宙線が降り注ぎ、陸上で生物が棲める環境ではありませんでした。誤解を恐れずに言えば、太陽は最も巨大な原発であり原爆なのです。

 5.5億年前に海藻が酸素を大量に作り始め、オゾン層ができて、やっと陸上で生物が生きられる環境が整いました。
 そして、人類が誕生したのがわずか450万年前。地球の歴史を1年とすると、人類の歴史はたった8時間余り。その人類が、膨大な時間をかけてやっと生物が棲める様になった地球を、自ら放射能で汚しています。原発=原爆=核は、生物学的には、最も反動的なものなのです。
 
【信州の山】四阿山カルデラ一周 Mt.Azumaya at Yonako in Nagano
   信州の米子大瀑布から、真夏の根子岳・四阿山・浦倉山へ22.5kmカルデラ周回コース、トレッキングルポ。

菅平高原観光協会サイト

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お食事中のお嬢さんに後ろから交尾をせまるウスバシロチョウ・・(妻女山里山通信)

2012-06-05 | アウトドア・ネイチャーフォト
 ウスバシロチョウは、本当に太陽が好きで、日が昇ると盛んに飛び始めます。逆に曇り空で湿度が高い日は、頻繁に留まる様になります。翅が重くなるのでしょうか。翅を羽ばたかせる角度が狭いため、優雅に舞うというよりパタパタ舞うという感じで飛びますが、樹冠まで登るとす~っと滑空して下りてきます。その姿はとても優雅です。

 ヒメオドリコソウとミツバツチグリが終わったら、ハルジョオンが咲き始めたので、撮影に行きました。ここのところの度重なる雷雨で、森はかなり湿っていました。太陽蝶とも呼ばれるウスバシロチョウにとっては、ちょっと憂鬱な天気です。

 そのウスバシロチョウの季節もまもなく終わりを迎えます。ニホンカナヘビに襲われたのか、後翅が破れた個体も見かけます。そんな中、黒っぽい小さな個体を見つけました。主にメスに出現するという黒化個体です。また、写真のような後翅が奇形の個体も見つけました。放射能か!と思われるかもしれないが、羽化不全での奇形はよく見られます。特にウスバシロチョウは、蛹化が落ち葉の重なる地表のため障害物が多いのも理由といわれます。

 ハルジョオンで吸蜜するウスバシロチョウは、絶え間なく小刻みに頭を震わせるため、日陰だと翅にピントが合っても頭がぶれることがしばしば。それも生態を表すものとして仕方がないのですが、カメラマン泣かせです。そんなハルジョオンで一心不乱に吸蜜する一頭のメスに、背後からいきなりオスがのしかかりました。求愛行動です。

 食事中に後ろから急に交尾をせまられたので驚いたのか、食事の方が大事なのか、メスは必死に振りほどこうと暴れました。あるいは、既に交尾を終えたのかもしれません。結局オスは受け入れてもらえず飛び去ってしまいました。前回の記事で載せた写真にメスの腹部の交尾板(受胎嚢)が写っていましたが、交尾したオスは、メスがもう交尾できないように、分泌物の粘液でできた殻をメスの腹部に付けるのだそうです。言わば貞操帯。つまり、前回の写真のメスは既に交尾が済んでいるということです。

 ウスバシロチョウの写真は、どうしても翅を広げて吸蜜中のものが主流になります。これは誰でも撮れるシーンです。でも、最も美しいのは、やはり逆光で透けた翅だろうと思うのです。前回は、ヤエムグラの茎に留まったウスバシロチョウを下から撮影しましたが、今回は背後から翅をランプシェードの様に広げたシーンを狙ってみました。写真を逆さにすると、本当にシェルのランプシェードの様です。こんなデザインのランプシェードがあったらと思う様な完成度です。そして、ツイッターでアップしましたが、黒と白と透明のウスバシロチョウにはモノトーンの世界がよく似合います。翅に穴があき、縁が破れても凛としている姿は本当に美しい。

 陣場平の草むらには、ウスバシロチョウ以外にも色々な昆虫たちがいます。ハルジョオンには、小さなホソヒラタアブやマドガ。足下の葉には、これまた小さなフキバッタの若齢幼虫。10ミリしかないのに顔は一人前に怖い親爺顔。でも地面では、ニホンカナヘビが狙っています。

 梅雨に入ると、いよいよゼフィルス(シジミチョウ)のシーズンなんですが、ここ2年ほどは全くと言っていいほど発生していません。山で出合う蝶マニアの人達も変だと呟いています。3年ぶりにウスバシロチョウが大発生したので、ゼフィルスの復活も期待しているのですが・・。祈る様な気持ちで待っています。

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