モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

アリス= 紗良・オット。これを観て好きになれなかったら、あなたは病院へ行ったほうが良い。心がすさみがちな今こそ彼女のピアノを(妻女山里山通信)

2022-04-29 | BABYMETAL・LOVEBITES・ジャズ・宮本佳林・クラシック
 私には好きなピアニストが4人います。アリス= 紗良・オット、マルタ・アルゲリッチ、フジコ・ヘミング、そして昔恋人だった英国王立音楽院を出てスクリャービンの名手となったNORIKO KAWAI。彼女のことは、村上春樹さんのジャズ喫茶のことを綴った「国分寺・国立70sグラフィティ」でもロンドン滞在記で記事にしています。左のブックマークから。もちろん、男性のピアニストでもいますが、今回は女性でまとめてみました。

●アリス= 紗良・オット ”ラ・カンパネッラ”

 素晴らしさにため息しか出ない。熟練とか熟成とかいったら失礼になりますね。なんでしょう、すごく上手いとかすごく速いとかなら他にもいます。でも彼女の音色は、心の奥底の琴線まで震わすのです。救われます。

●Liszt - La Campanella — Alice Sara Ott

 確か彼女が19歳の時の演奏。ピアニストのジャンヌ・ダルクといわれた頃。数え切れないほど聴きました。

●Alice Sara Ott - Liszt Totentanz (Full Live)

 リストは本当に彼女に合う。楽しそうに演奏し、観衆も心から楽しんでいるのが分かる。日本でもこんな風にならないかな。仙川に住んでいたとき桐朋学園の学生が街で演奏してくれたことがあった。戦争やコロナに負けずそうあって欲しい。日本のマスコミは、本物を取り上げない。その不幸に抗議すべきです。アンコール曲が、私のYouTubeのBGMでも使っている大好きなエリック・サティの曲なので鳥肌が立ちました。
■私の動画は、アンダーラインのある右をクリックしてください。アカウントが二つあります。saijouzan(アップロード動画と人気の動画)MORIYUKI HAYASHI (こちらが最新動画)

●リスト:愛の夢(Liszt "Libestraume") アリス=紗良・オット Alice Sara ott

 永遠に愛の夢を見続けたい。

●Alice Sara Ott - Hungarian Rhapsody No.2

 心が躍る。

●Ravel "Pavane pour une infante défunte" by Alice Sara Ott

 ラヴェルが大好きですが、中でもこの「亡き王女のためのパヴァーヌ」。村上春樹さんを記したブログの国立の記事でも書いています。

●Tchaikovsky - Piano Concerto 1. A.S. Ott/Orchestra of the National Philharmonic of Ukraine

 ロシアのチャイコフスキーの名作。叙情的で流麗、メランコリックな旋律と和声、華やかで効果的なオーケストレーションと評される名曲中の名曲。ドストエフスキーやチェーホフ、ソ連の作家ボリス・パステルナークの小説を映画化した『ドクトル・ジバゴ』は大好きだ。プーチンが大嫌いなロシア革命前後を描いた壮大な映画。ロシアの不幸が終焉します様に。ウクライナはもちろん、世界が平和になります様に。欧米の軍需産業複合体が消滅します様に。

●Alice Sara Ott and Others (Playing and Practicing)

 彼女の人となりがよく分かる動画です。ものすごいのだけど、けっこう笑えます。生生卵生卵とか生麦生米生卵とか、すごい練習法。笑った笑った。こんなの観たら絶対好きになれないわけがない。でも、いつも楽しそううでほっこりする。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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Rina Sawayama Queen + Paul Rodgers in Ukraine 今までにない日本の超ハイレベルのガールズグループXG (妻女山里山通信)

2022-04-27 | BABYMETAL・LOVEBITES・ジャズ・宮本佳林・クラシック
 最近話題のミュージック・ムービー。英国で大ブレイクのRina Sawayama。Queen + Paul Rodgers: Live In Ukraine 2008. は必見。

●Rina Sawayama, Elton John - Chosen Family (Performance Lyric Video)

 エルトン・ジョンと共演も凄いけれど、英国では既にブレイク。日本でも世界でもいずれ。新しい時代を象徴する存在になるかも。

■Rina Sawayama on Hyada x Physical Education Studio ☆ Music // NHK E

 新潟生まれですが、両親の仕事で4歳で渡英。その後の彼女の軌跡。

●Rina Sawayama - Cherry (Official Video)

 パンセクシャルの彼女の想い。

●Rina Sawayama - Comme Des Garçons (Like the Boys)


●Rina Sawayama - XS (Official Video)


●Rina Sawayama - LUCID (Extended Reality Video)


●Rina Sawayama - Where U Are (Official Video)


★Queen + Paul Rodgers: Live In Ukraine 2008. YouTube Special. Raising funds for Ukraine Relief.

 これは観て欲しい。1時間17分からのフレディ。1時間37分のボヘミアン・ラプソディは、懐かしすぎる。熱狂し踊る観衆。クイーンよウクライナよ永遠に。平和であれ。ラストのウィー・アー・ザ・チャンピオンは、涙なしでは観られない。

●XG - Tippy Toes (Official Music Video)

 今までにない日本の超ハイレベルのガールズグループ。観なきゃ損するよ。

●XG - Tippy Toes MV | Behind The Scenes

 私も30代は、アイドル雑誌のデザインや撮影のディレクションもしていたので、華やかなアイドル世界の裏ではもの凄い練習と上昇志向がないとやっていけないことも知っています。相談にものりました。女子大生の起業家と女子高生を原宿の事務所に集めて大企業に売り込む企画を作るシンクタンクを作ったこともありました。XGの彼女たち、最年少は12歳からここまで5年も鍛錬を重ねてデビューできたのです。でも、楽しそうなのがいい。好きこそものの上手なれ。一度しか無いのに、嫌いなことをやる人生なんてまっぴらです。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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藪山を3時間歩いてコシアブラハンティング。北アルプス展望台。妻女山のマルバアオダモ・八重桜・ウワミズザクラ(妻女山里山通信)

2022-04-25 | アウトドア・ネイチャーフォト
 妻女山陣場平の貝母もしぼみ始めたので、某里山へコシアブラハンティングに行きました。獣道しかない様な藪山を3時間歩きました。

 ヤマザクラやカスミザクラが咲く藪山に突入です。シジュウカラがツピー、ツピーと鳴いています。

 何か道がある様に見えますが、作業道ではなく獣道です。これも途中で消えてしまいます。

 コシアブラ。ハリギリはこんな風に葉が開いたら苦くてとても食べられませんが、コシアブラやタラの芽は大丈夫です。こういうのは炊き込みご飯より天ぷらに向いています。

 中央に2本、コシアブラがあるのが分かるでしょうか。他の樹木も芽吹いているので、きちんと見分けられないと採れません。有毒のものもあるので、確かな同定は必須です。コシアブラは、幹の直径が4,5センチでも樹高が5m以上あります。特別な道具が必要なんですが、私はキブシの枝で作ったオリジナルの道具を使います。

 あら、自分の位置を見失いました。とりあえずどの方向へ行くと小道に出られるのか分かっているので、位置確認のために下りました。やれやれ。

 足元に咲いていたスミレ(菫)。手前の葉が非常に特徴がありますが、他を見ると丸かったりします。う〜ん、同定できません。

 ヤマモミジでしょうか。逆光に映えて美しい。

 コハウチワカエデの花。この山域には十数種類のカエデが自生します。

 ツタウルシ(蔦漆)。絶対に触ってはいけないウルシです。ツタと似ているので要注意。里山には普通にあるので気をつけないといけません。ツタウルシは、ウルシオールとラッコールという最強のかぶれ成分を含んでいます。抗ヒスタミン成分を含むステロイド外用薬を患部に塗ることです。酷いときは病院へ。さて帰ります。

 いつもの様にお昼は、茶臼山に寄って北アルプス展望所で。信州の里山の原風景の向こうに北アルプスの絶景。仁科三山の左から爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳。この里山に、私が知っているだけで三つの山城があります。

 右に目をやると白馬三山。ひだりから白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳。右手前に拙書でも紹介の虫倉山。ここまでが松代藩の領地でした。七二会から小川村まで、中腹を集落をつないで道路が通じています。ドライブもいいですが、サイクリングも最適です。遠く美ヶ原も見えます。

 善光寺平展望所。北陸新幹線の高架橋が見えます。その向こうにホワイトリング。山上は爽風もあって快適ですが、麓は27度の暑さ。眼下は、お見合い風呂で有名な中尾山温泉。昼食を済ませて妻女山に向かいます。帰りに若い女性がひとり茶臼山へ登っていきました。この季節の里山歩きは最高です。

 妻女山招魂社へ向かう途中でマルバアオダモが咲いていました。

 招魂社の桜は葉桜ですが、八重桜が満開になりました。桜の塩漬けを作りましょう。

 招魂社の鳥居近くに咲くウワミズザクラ。きりたんぽの様な花穂が微風に揺れて美しい。知らないととても桜には見えませんが。

 こんな風にアップにすると、桜と分かります。ヒオドシチョウが吸蜜していました。妻女山陣場平の貝母は、気温27度の暑さで全てしぼんでしまいました。これから一月以上かけて糸巻き形の実が成長していきます。GWには、イカリソウ、ミヤマナルコユリ、ホタルカズラ、シロヤブケマン、ヤマツツジが咲きます。

 ウドと私の手作りベーコンのフジッリのパスタ。半分はそのままで、半分食べたら明太子を混ぜて味変。この時期は、コゴミ、野沢菜の菜花、タラの芽、ハリギリ、ウド、ノビル、ニラ、フキと出てくるので、野菜はほとんど買いません。ただ、ワラビ、ゼンマイ、フキ、ミョウガなどには発癌物質が含まれているので、必ずアク抜きを。そして、ウド、タラの芽、コシアブラ、ノビルなどの山菜は、火の通りが速いので、茹ですぎ揚げすぎには注意しないといけません。

 コシアブラは、山菜の女王などともいわれますが、一番クセの強い部類だと思います。そのため好き嫌いがはっきりします。一般的には、左の天ぷらが最もポピュラー。ヒマラヤ岩塩で。右は、コシアブラのペペロンチーノ、明太子トッピング。右はウドのバルサミコソースドレッシングで。プラス、オリジナルレシピを二つリンクしておきます。
コシアブラの味噌ハンバーグ:コクのある旨味と独特の風味が後引です。
コシアブラの炊き込みご飯:最後に生のコシアブラを刻んで混ぜ込むのがポイント。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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妻女山陣場平の貝母は下からしぼみ始め。でもまだ見頃。シロヤブケマンが満開。クサボケも。クヌギの虫こぶ(妻女山里山通信)

2022-04-23 | アウトドア・ネイチャーフォト
 陣場平の貝母(編笠百合)は、下からしぼみ始めましたが、まだまだ見頃です。連日たくさんの方が訪れてくれました。鞍骨山への途中で寄る方も多いのです。県外からも私のブログを見て何人か訪れてくれました。午後は、お昼から2時頃まで突風が吹くので、お昼までがベストです。風は午後3時になると止みます。

 訪れた方が口々に、誰かがいたずらでペンキを塗ったかと思ったと言われるこの風景。クマノミズキの樹液が空気に触れるとこんな色に変色します。元は透明なんですが。ほぼ無味無臭で、無毒なのでなめられます。少し酸味を感じます。楓の樹液酵母でパンを焼いたりビールを醸造したりも行われています。

 カスミザクラ。花柄に細かな毛があるのですが、肉眼では見えないほど。マクロレンズで撮影しないと確認できません。強風が吹くとカスミザクラとヤマザクラの花吹雪が。美しい光景ですが、諸行無常も感じる光景です。

 木漏れ日のスポットライトを浴びた貝母。この日は、サンコウチョウの鳴き声も聞こえました。

 俯いて咲く慎ましやかさと、内に秘めた網目模様。刃先がクルッと丸まった様が可愛いと。4月の茶花で人気があります。

 貝母のあちこちでシロヤブケマンもたくさん咲き始めました。氷河期の生き残りといわれるウスバシロチョウの食草です。成虫は、5月半ばから舞い始めます。

 あちこちでミツバアケビやゴヨウアケビの花が咲き始めました。これはゴヨウアケビ。実はミツバアケビが大きく食用にします。

 林道脇などの日当たりの良いところにクサボケ(地梨)の花がたくさん咲いています。

 週末、23日(土)の風景。たった一日ですが、下の方がずいぶんとしぼみ始めました。それでも充分に見頃です。桜のように一気に散ることはありません。丸太のベンチに腰掛けておにぎりを食べたり、ボーッとすることをおすすめします。東風(こち)も気持ちいい。ここではマスクは不要です。

 たまに聞かれますが、ここは誰の土地なんですかと。江戸時代は個人の畑や山というものはないのです。年貢も村に課され、村には組というものがあり、分担して耕作し年貢を納めたのです。我が家の山は1ヘクタール弱ですが、組の持ち物だったものを明治になって買ったものなのです。分かりますか。実は、江戸時代というのは緩やかな社会主義経済だったのです。明治以降の政権はこれを絶対に教科書に載せません。名主だった我が家には、名寄帳が残りお金や物品の貸し借り、年貢のことなどが書かれた帳面が残っています。これに関して、きちんと説明する歴史研究家がいないことに、またマスコミが取り上げないことに、私は非常に違和感を覚えます。
 この陣場平もいくつかの個人の所有地です。そこで私は当時集落の仏恩講(ぶっとんこう)の世話役をしていた父に、集落の重鎮が集まった折にここの整備の許可を得てもらったのです。口約束ですが、法律的には契約に相当します。里山保全というのは、非常に難しいのです。法務局に行けば区割り地図は得られます。しかし、平面図でそれを立体的な山にどうあてはめるのか。しかも、当時の測量技術ですから、5mぐらいずれているのは普通です。我が家の山は、名主をやっていて買った祖先が詳しい図面を作ってくれて、亡き父が鉄の杭を打っていてくれたので分かりますが、たいていの家は分からないでしょう。絶えたりここに住んでいない家もあります。地元でさえ自分の山がどこにあるのかも知らない人がほとんどです。そして、養蚕も林業も衰退し、里山に無関心が続きました。しかし、近年里山歩きをする人が増えました。リタイアした人だけでなく若い人も。ハイキングだけでなく、歴史探索、トレラン、マウンテンバイク、アウトドア、探鳥や昆虫や山野草の撮影など。工芸につるを採取に来たりと里山を愛する人は様々な形で広がっています。妻女山里山デザイン・プロジェクトは、そんな里山を愛する人達と共に、里山を活性化しようと活動を続けているのです。

 林下の貝母は、まだまだ充分に見頃です。オオヤマザクラ(紅山桜)の濃いピンクもいいアクセントです。

 クヌギの幼木に、ナラメリンゴフシ(楢芽林檎五倍子)虫こぶ。葉の上にいる小さな甲虫は、コメツキムシの一種。オオカバイロコメツキに似ています。
 楢芽林檎五倍子(ならめりんごふし)というナラリンゴタマバチによって作られた虫コブ(虫えい・ゴール)です。ナラメリンゴタマバチ(雌)が交尾後、コナラの根に楢根玉五倍子(ナラネタマフシ)を作ります。そこから冬に羽化した雌が単性生殖でコナラの冬芽に産卵し、それがこのような五倍子(フシ)を形成するのです。形成されたフシは卵の揺りかごであり幼虫になっては餌となります。コナラの冬芽をこんな風に変形させてしまうのですから恐るべしかなナラリンゴタマバチ。タマバチのタマとは、このリンゴ状のフシのことです。
 虫コブは古くから利用されてきました。マタタビはマタタビミミタマバエの作る虫コブができて初めて価値あるマタタビ酒になります。また、ヌルデ(白膠木)の若芽や若葉などにヌルデシロアブラムシが寄生してできる虫こぶ(ヌルデミミフシ)は、お歯黒、染め物、薬、インク、占いなどに使われてきました。特に染料は、空五倍子色という伝統色で、古代より(正倉院にあり)珍重されてきました。
 
 虫コブは、物理的刺激や植物の生長を促進する物質(植物ホルモンやアミノ酸など)により形成されますが、現在は人工的に虫コブを作る研究もされています。しかもフシはなにも虫だけによってつくられるのではなく、ダニ類、線虫類、細菌、菌類によっても作られます。ですから虫コブや虫えいよりは、英語のGALL(ゴール)といった方が適切かもしれません。もっとも、植物寄生菌類の多くは果樹や野菜に多大な被害をもたらすものばかりですが。現在、日本では1400種以上のゴールが見つかっています。実に奥が深い世界です。

 妻女山展望台から北の眺望。赤坂橋の向こうに、武田信玄が本陣としたと伝わる八幡原(はちまんぱら)の森が見えます。なぜ風景が霞んでいるかというと。黄砂もあるのですが、午後の突風で長芋畑の砂塵が舞い上がっているからです。この時期の風物詩です。

 今年はコゴミが大量に採れました。妻女山山系のコゴミは開いて終わっていますが、これは我が家の裏庭に昔父が植えたものです。コゴミは炒めると固くなるので1分湯がいて最後に合わせます。ニンニクとアンチョビーを炒めてパスタを入れて茹で汁を入れて乳化させ、ピリッとするエキストラヴァージンオリーブオイルをかけて。最後に明太子をトッピングします。激旨です。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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妻女山陣場平の貝母は週末まで。カタクリ、キブシも残花。クサボケやヤマツツジが開花。信州の春は超特急で過ぎて行く(妻女山里山通信)

2022-04-21 | アウトドア・ネイチャーフォト
 陣場平の貝母(編笠百合)は、全て満開になりました。今週末まではなんとか見頃が続くと思います。厳冬の春は、急激に暖かくなり超特急で過ぎ去るのが常ですが、それにしても今春は速い。体がついて行けません。来週は菜種梅雨になりそうです。朧月夜が見られるでしょうか。貝母の開花期はできるだけ現場で作業をしながら案内をしたいと思っています。だいたい10時から12時ぐらいまでです。見かけたら声をかけてください。

 天城山林道のカタクリが気になっていました。保全作業がけっこう大変で先送りしていたのですが、咲き終わってしまうかなと危惧しつつ群生地へ。やはりほぼ咲き終わっていました。なんとか撮影に耐えられるものを見つけて。花びらの体温が25度になるとひっくり返ります。

 カタクリも200種以上あるといわれるアリ散布植物です。誘引物質のエアライオソームでアリを引き寄せ、アリは糖分を餌にして種を捨てます。それが種まきになります。

 林道天城山(てしろやま)線からの風景。千曲川対岸の篠ノ井の町並みと、一番奥に戸隠連峰の西岳が見えます。手前に見える尾根は、斎場山から土口将軍塚古墳や薬師山の尾根。

 林道沿いに咲くキブシ(木五倍子)の花。キブシ科キブシ属。雌雄異株の落葉低木で、別名はキフジ。江戸時代には、タンニンを含む果実がおはぐろ用の五倍子(ふし)の代用として使われました。

 メギ(目木)メギ科メギ属。枝や葉の付け根に鋭い棘があります。枝や根を煎じた汁は黄色で、煎じ液で洗眼すると目の病気に効くということから目木となりました。漢方では、小蘗(しょうばく)といいます。秋に赤い実がなります。樹高は、1~3m。

 クサボケ(草木瓜)バラ科。別名は、ジナシ(地梨)。草ではなく、高さ50センチぐらいの低木ですが、鮮やかな朱色の花を咲かせるので意外と目立ちます。また、低木ににつかわしくない梅のような大きな実は薬用酒になり、貧血や疲労回復、不眠症に。煮だし汁は入浴剤になるそうです。

 陣場平の貝母は、半日陰の林床のものも満開になりました。昨年と違って、受粉するセイヨウミツバチやハナアブが少ないのが気になります。

 見上げると、カスミザクラやヤマザクラが満開です。ウグイスが鳴いていました。繁殖期のホイホイホイがつかない月日星と鳴くサンコウチョウも。

 妻女山山系に多いサンショウ(山椒)も若葉が出てきました。

 何組かの女性たちが若葉を摘んでいました。山椒味噌に。私はもう少し大きくなってから摘みます。

 逆光に透けるリョウブ。若葉は、リョウブ飯といって食べられますが、美味しいウコギ飯と比べると非常食ですね。

 リョウブ(令法)リョウブ科 リョウブ属。初夏から夏にかけて白い小花を穂状(10〜20cm)に咲かせます。樹皮ははがれやすく独特の模様をしているので分かりやすい。太さ10センチ以下のリョウブは、しばしばニホンジカやニホンカモシカの角研ぎに利用されます。リョウブは、深く根をはる直根がありません。そのため根が浅く倒れやすい。そのかわりでしょうか、根元に不定芽が準備されていて、急速に発芽し再生します。防火帯などの刈払い地に二次林ができやすいのはそのためです。鏡台山の防火帯に群生地があります。

 あちこちでヤマツツジも咲き始めました。まだつぼみののものがほとんどですが、来週末には満開になるでしょう。

 ヤマブキ(山吹)バラ科。「七重八重花は咲けども山吹の実の(蓑)ひとつだになきぞ哀しき」兼明親王(後拾遺和歌集) 実のと雨具の箕をかけています。太田道灌の逸話で知られる花。 古今亭志ん生『道灌』は一聴の価値あり。花を乾燥させて煎じたものは、慢性のせきに効くそうです。

 妻女山のソメイヨシノは葉桜ですが、標高の高い皆神山は満開です。手前の象山の桜は散りました。根子岳、四阿山にはまだ積雪が。GWも冬山の装備が必要です。

 妻女山展望台の少し下から見上げる陣場平と斎場山分岐の長坂峠。手前のヤマザクラの向こう側は、欅の春紅葉です。この時期は、樹種により葉の色が異なるので最も美しい春の景色。やがて皆濃い緑になり、遠目では見分けがつかなくなります。

 野沢菜の菜の花越しに見る斎場山。畑の桃の花が満開です。

 春の山菜。左から原木栽培椎茸。ウド、タラの芽、コゴミ。右は左からウド、タラの芽、スギヨのビタミン竹輪にコゴミを刺した天ぷら。原木椎茸も天ぷらに。ヒマラヤ岩塩でいただきます。週末は、10時頃から2時頃まで保全作業や案内をしています。お気軽に声をかけてください。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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妻女山陣場平の貝母、カスミザクラ、オオヤマザクラが満開。シロヤブケマン、ヒナスミレ、ヤマブキ。春の恵みの山菜料理(妻女山里山通信)

2022-04-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
 陣場平の貝母(ばいも)は、日陰のものもほぼ満開になりました。今週末まで充分見頃が続くと思います。暖かくなる日なので、鞍骨山へも何組か向かった様です。陣場平へも4組ほど訪れてくれました。実際はもっと多かったかも知れません。

 今年はなごり雪で潰されなかったので草丈が高く、非常に見栄えがします。ここ数年、周囲の球根を中央に移植しているので、ずいぶんと増えましたねと言われます。

 貝母は下から咲きますが、一番上のつぼみもほとんど開いたので満開と言っていいでしょう。奥に見える濃いピンクの花は、オオヤマザクラ。

 ほぼ満開のオオヤマザクラ(大山桜)。ベニヤマザクラ(紅山桜)ともいいます。

 俯いて咲く貝母の上に咲くカスミザクラ(霞桜)とヤマザクラ(山桜)。

 これはカスミザクラ。別名をケヤマザクラ(毛山桜)といい、花柄に短い毛が生えています。ヤマザクラは、葉柄や花柄が赤みを帯びています。

 一番上の写真の中央にあるクマノミズキは、大量の樹液を出しています。出た樹液は変色してオレンジ色に。出会った方々に無毒なのでなめてもいいですよと。クヌギの樹液は出ると白く結晶して甘いのですが、これはほとんど無味無臭で、若干酸味を感じます。新しい巣の場所を探すオオスズメバチの女王蜂がなめていました。

 その樹下に大量に出たオオズキンカブリタケ。

 シロヤブケマン(白藪華鬘)。ケシ科キケマン属。全部白いのは、ユキヤブケマンといいます。氷河期の生き残りといわれるウスバシロチョウの幼虫の食草で、成虫は5月半ば過ぎに出現します。

 ハナヤスリも成長してきました。右に胞子嚢が見えます。陣場平のあちこちに群生地があります。

 ヒナスミレ(雛菫)。妻女山山系では希少種です。

ヒナスミレ(雛菫)。他にタチツボスミレ(立坪菫)、アオイスミレ(葵菫)が咲いています。

 長坂峠から見る斎場山。左手にオオムラサキの食草のエノキ(榎)があるのですが、ノイバラが成長すると絡みついて枯らしてしまうので、いずれノイバラを伐採する予定です。大きくなると林道も塞いでしまいます。

 手前にヤマザクラ、その向こうにカスミザクラが咲いています。

 ミヤマナルコユリ。アマドコロの様に茎が角張っていないし、小ぶりなのでミヤマナルコユリかなと。

 ヤマブキもあちこちで咲き始めました。「七重八重 花は咲けども 山吹の 実の(箕)ひとつだに なきぞ悲しき」兼明親王(かねあきらしんのう)。太田道灌の逸話で有名です。

 春の恵み。左はコゴミの天ぷらとスギヨのビタミン竹輪のアオサ海苔の天ぷら。野沢菜のとう立ち菜花飯。菜花は、炊きあがってから生を刻んで塩と混ぜ込んで蒸らします。右は、コゴミの味噌和えとタラの芽の味噌和え。山菜は軽く塩ゆで。合わせ味噌は、手作り信州麹味噌、キビ糖、本味醂、蜂蜜、花鰹、栽培した煎り胡麻をお湯で溶いて練ります。この合わせ味噌は色々に使えて便利です。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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松代夢空間主催の「妻女山 花と歴史のハイキング2022」。斎場山や堂平大塚古墳、貝母満開の陣場平を案内しました。楽しんでいただけた様です(妻女山里山通信)

2022-04-17 | アウトドア・ネイチャーフォト
 松代夢空間主催の「妻女山 花と歴史のハイキング2022」のインタープリターをして、参加者の皆さんを案内しました。今回は信濃毎日新聞社の記者の方が同行取材をしてくれました(翌日の朝刊に掲載)。寒の戻りの前日と違い、晴天で徐々に気温も上がり、快適なハイキングができました。

 まず最初に案内したのは斎場山(旧妻女山)です。古代科野のクニの古墳で円墳です。川中島の戦いで最初に上杉謙信が本陣としたと伝わることや、古代科野のクニの話をしました。

 斎場山の山頂は円墳なので丸く平らです。上杉謙信は、ここに盾を敷き陣幕を張って鼓を奏でたと伝わるところです。そんな想像にふけるのもいいでしょう。

 次に行ったのは、御陵願平にある巨大なイノシシのヌタ場(泥浴び場)です。最初は落葉松の倒木の根っこの深さと大きさしかなかったのですが、水脈があることを知って、イノシシが鼻で土木工事をしてここまで広げたのです。冬の猟期に追われたイノシシが、氷を割ってここで火照った体を冷やすこともあります。

 朴の木の若葉。朴葉味噌にしたり、信州では朴葉味噌で信州牛を焼いたりもします。

 長坂峠、東風超えを過ぎてクヌギの樹液バーで説明。このあたりはほぼ平で、地名を御天上といいます。小さな女の子も、すごく疲れたみたいですが頑張って歩いてくれました。いい山ガールになってくれるといいな。

 陣場平の分岐を右へ下って堂平大塚古墳へ。友人で妻女山里山デザイン・プロジェクト(妻女山SDP)の活動を手伝ってくれた故人のKさんの話や、彼が掘り出した勅命と書かれた不思議な石碑を案内しました。GWには、彼が植えたたくさんのツツジが満開になります。

 妻女山里山デザイン・プロジェクトで保全活動をしている陣場平の貝母の群生地へ。その歴史や万葉集の歌や保全活動の歴史などを紹介しました。そして貝母を発見するきっかけとなった菱形基線測点の紹介も。ここでは時間をとって自由に撮影などをしてもらいました。ここに来て、この風景や小鳥の声を聞きながらボーッとしていると、色々なストレスも忘れます。

 葉の先がクルッと丸まっていますが、これを互いに絡み合わせて、この時期に発生する爆弾低気圧の強風から身を守っています。そう進化したのでしょう。触ると分かりますが、貝母の茎は非常に柔らかく柔軟です。強風には皆でつながって揺れながらいなすのです。古名は母栗、現在の和名を編笠百合といいますが、それはこの写真を見ると分かると思います。

 「時々の 花は咲けども 何すれぞ 母とふ花の 咲き出来ずけむ」丈部(はせつかべ・はせべ)真麻呂(万葉集) 「季節ごとに花は咲くのに、どうして母という花は今咲かないのだろうか(咲いていれば摘み取って共に行くのに)」。
 天平勝宝七年二月に、交替して筑紫に遣わされる諸国の防人たちの歌の中の一首です。これが貝母のことであるという説があります。貝母は球根の形から、母栗(ははくり)という古名があったそうです。丈部真麻呂は、遠江国山名郡(現在の静岡県袋井市)で徴兵され九州に派遣され国境警備にあたった兵士・防人(さきもり)でした。二月は現在の三月としてもまだ貝母が咲く前です。
 防人というのは、663年に朝鮮半島の百済救済のために出兵した倭軍が白村江の戦いにて唐・新羅の連合軍に大敗したことを契機に、唐が攻めてくるのではないかとの憂慮から九州沿岸の防衛のため設置されました。668年に唐により高句麗が滅びたことで危機感を強めたこともあったでしょう。防人は、21歳から60歳までの健康な男子が徴兵されました。任期は三年で、延長もされたそうです。食料・武器は自弁で帰郷は一人で帰るため、途中で野垂れ死ぬ者も少なくなかったとか。人民には重い負担になったようです。

 左に見える小高い膨らみは、高句麗からの帰化人の積石塚古墳です。今までは灌木の藪の中でしたが、今回藪を切り開いて看板を立てました。古墳と高句麗の説明も。

 クサボケの花も咲きだしました。実は地梨といって酒に漬けると、滋養強壮のリキュールになります。

 陣場平の下の入口に咲くズミ。昔はリンゴの台木として使われました。シジュウカラの鳴き声が聞こえます。コゲラのドラミングも聞こえます。GWになるとサンコウチョウの月日星ホイホイホイという鳴き声も聞こえるでしょう。

 これは前日にコースの下見に来たときに、陣場平に現れたニホンカモシカの子供です。まだ小さく角も短いので、昨年の7月に生まれた個体でしょう。他には、ヤマドリ、キツネ、タヌキ、ホンドテン、ホンドリス、月の輪熊などを目撃したことがあります。月の輪熊に関しては、拙書で「猫にマタタビ、月の輪熊に石油」という、それ何?というようなエッセイを載せています。今はヒオドシチョウ、ルリタテハ、テングチョウ、ミヤマセセリ、春型のキアゲハが見られます。やがて各種のゼフィルス(シジミチョウ)やウスバシロチョウが舞います。夏にはオオムラサキも。このブログの各月のアーカイブを見ると、どんな動物や昆虫、野草やキノコ、粘菌などが出るか分かります。

 今回皆さんにお話したのは、拙書でもそうですが、里山は人が何百年もかかって保全活動をしてきて今があり未来があるということです。そこには深い歴史があり、豊かな生態系があるということです。その大切さを皆さんにも広く知ってほしいということなのです。お金にならないからと里山をないがしろにして荒廃すると、麓に住んでいる我々の暮らしも崩壊するということを知っていただきたいのです。そして、四季折々の里山を楽しんで欲しいということです。ハイキングだけでなく、トレランやマウンテンバイク、バードウォッチング。写真撮影だけでなく絵を描きに来る人もいます。つる植物などで工芸をする方もいます。それぞれの楽しみを見つけて里山に親しんで欲しいのです。

 今回のハイキングで、自己紹介も色々したのですが、みなさんが驚いたのは、仕事でグルメ関係をして土井善晴さんやジュディ・オングさん、平野レミさんと仕事をしたことではなく、若い頃にアイドル雑誌のデザインをしたり、撮影のディレクションをしていて、アイドルが大好きなんですと言った時です。受けました。BABYMETALやハロプロのモーニング娘やJuice=Juiceがすきとか。このブログでも左のカテゴリーでリンクしています。モーニング娘の羽賀朱音ちゃんは松代中学の後輩ですしね。そうそう、村上春樹さんの国分寺のジャズ喫茶のアルバイトのフォトエッセイは世界中からアクセスがあるのですが、それは話す機会がありませんでした。それもブックマークの「国分寺・国立70sグラフィティ」でどうぞ。アマゾン一人旅もリンクがあります。ホームページは、CAPINOです。これもブログのブックマークから行けます。お問い合わせはメッセージからどうぞ。



 コゴミがたくさん採れました。野沢菜のとう立ちの菜花も。コゴミはおひたしと天ぷらが一般的ですが、旬のホタルイカとアンチョビーパスタにしました。激旨です。野沢菜の菜花は、甘くて少し苦味があり、これも和洋中華エスニック、なんにでも合います。アサリとボンゴレビアンコもおすすめ。いずれも春の滋味です。

 信濃毎日新聞の記事です。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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日本の里山で唯一無二の貝母の大群生地。妻女山陣場平の貝母は一気に咲き出しました。見頃です!積石塚古墳も(妻女山里山通信)

2022-04-12 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が27度の妻女山。貝母(編笠百合)も一気に咲き始めました。同時にノイバラやハルジオンなども旺盛に出てきます。それらを除去しなければなりません。里山は何百年にも渡って里人が手を入れて保全されてきたものです。自然に任せておけばいいというのは、里山に関しては当てはまりません。放っておいても自然林や原生林には戻らないのです。GWにはメンバーを集めて保全作業をします。
 貝母の見頃は、17日(日)と20日(水)から24日(日)まで。それ以降は散り始めると思います。

 貝母三兄弟。三姉妹かな。和名の編笠百合と分かるように撮影するには、下からあおらないといけません。私はバリアングル液晶のファインダーなのでできますが。そうでないデジカメの時は、当てずっぽうで撮影して確認することです。スマホで撮影する方が多いのですが、その時は自撮りモードで画面を見ながら撮影すると良いですとアドバイスしています。

 雌しべの根本には、やがて実となる膨らみがあります。ハナアブがたくさん訪れていました。

 上の入り口から入った群生地の景色。中央の大きなクマノミズキは、樹液をポタポタと流して濡れています。この木の周りには、たくさんのオオズキンカブリタケが発生しているので、入らないでくださいと言っています。

 上の丸太のベンチから右を見ると林床の貝母の群生が。こちらは半日陰なのでまだつぼみですが、午後には開いてきました。樹木の芽吹きも始まりました。

 ベンチの真反対からのカット。小さな実生がギッシリ生えています。この広い台地を陣場平というのは、第四次川中島の戦いで上杉謙信が陣城を建てたと伝わるからです。「甲陽軍鑑」の編者といわれる小幡景憲が、この陣場平に七棟の陣小屋がある絵を描いており、東北大学の狩野文庫に収蔵されています。当ブログでは、許可を得て掲載した記事を載せています。
冬枯れの陣場平へ。謙信の陣城跡で貴重な貝母の群生地。栽培椎茸で中華の角煮炊き込みご飯。妻女山展望台。金属探知機(妻女山里山通信):小幡景憲彩色の川中島合戦絵図を掲載しています。

 左を見ると、小高い段差があるのですが、その奥まで貝母が増えています。種が飛ぶ頃に吹く東風(こち)で増えたものです。

 クマノミズキの周囲に生えたオオズキンカブリタケ。非常にもろく壊れやすいキノコです。食菌ですが、ロケット燃料の成分を含むので、調理中に気持ちが悪くなる人がいるそうです。バターやクリームと合います。

 積石塚古墳脇の貝母も開花しました。高句麗人の積石塚古墳という看板を立てました。お会いした方には説明しています。篠ノ井の地名の元になったというと驚かれます。

 巨樹の根本に咲く貝母。北の端なので、種が飛ぶ時に強い南風が吹いていたのでしょう。

 葉の先がクルッと丸まっていますが、これを互いに絡み合わせて、この時期に発生する爆弾低気圧の強風から身を守っています。そう進化したのでしょう。触ると分かりますが、貝母の茎は非常に柔らかく柔軟です。強風には皆でつながって揺れながらいなすのです。

 こんな風に下から煽って撮影することをおすすめします。吸蜜に来たセイヨウミツバチやハナアブを撮影できるかも知れません。

 「時々の 花は咲けども 何すれぞ 母とふ花の 咲き出来ずけむ」丈部(はせつかべ・はせべ)真麻呂(万葉集) 「季節ごとに花は咲くのに、どうして母という花は今咲かないのだろうか(咲いていれば摘み取って共に行くのに)」。
 天平勝宝七年二月に、交替して筑紫に遣わされる諸国の防人たちの歌の中の一首です。これが貝母のことであるという説があります。貝母は球根の形から、母栗(ははくり)という古名があったそうです。丈部真麻呂は、遠江国山名郡(現在の静岡県袋井市)で徴兵され九州に派遣され国境警備にあたった兵士・防人(さきもり)でした。二月は現在の三月としてもまだ貝母が咲く前です。
 防人というのは、663年に朝鮮半島の百済救済のために出兵した倭軍が白村江の戦いにて唐・新羅の連合軍に大敗したことを契機に、唐が攻めてくるのではないかとの憂慮から九州沿岸の防衛のため設置されました。668年に唐により高句麗が滅びたことで危機感を強めたこともあったでしょう。防人は、21歳から60歳までの健康な男子が徴兵されました。任期は三年で、延長もされたそうです。食料・武器は自弁で帰郷は一人で帰るため、途中で野垂れ死ぬ者も少なくなかったとか。人民には重い負担になったようです。

 貝母を発見したのは、実はこの菱形基線測点を探していて偶然発見した副産物なのです。四箇所でワンセット。全国に26セットあるのですが、地理史の重要な文化遺産なのです。遠く千曲川の青い色が見えます。

 帰りにヤマエンゴサクの群生地を見に行きました。まだまだこれからですね。週末の雨でまた新たに咲くでしょう。

 妻女山招魂社の駐車場の桜は満開です。杏は散り始めました。桃の花も開花しました。17日の長野マラソンでは、選手は満開の桃の花と菜の花を見ながら走ることになるでしょう。まあ、見る余裕があるかは知りませんが。信州の春は猛スピードで過ぎていきます。

 妻女山里山デザイン・プロジェクトの作業で余ったニシンのアヒージョと、畑の野沢菜のとう立ちと妻女山のコゴミのパスタ。春の滋味を堪能しました。

 妻女山で採ってきたコゴミのおひたしと、野沢菜の菜花と鯖の水煮缶詰の臭豆腐とラー油の中華炒め。臭豆腐は、台湾料理大好きという人でも、あれは無理という相当に臭いもの。くさややシュールストレミング、発酵筍に匹敵する臭さです。しかし、これを調味料として使うと一変します。新橋のガード下に(今は移転)「あろいなたべた」というタイ料理の店があり、そこの発酵筍のカレーが臭いけれど絶品だったのです。店の50m先からも匂うほどでした。家族でこれにはまり、横浜中華街のさっちゃんちで、この瓶詰めを買い求め妻に作ってもらいました。今回、久々に食べたくなりネットで買いました。そして作ったこの料理。次はカレーを作ろうと思います。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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杏と桜が同時に満開のあんずの里。樹齢300年を超えると伝わる杏の大木。諏訪立川流の天才・立川和四郎富昌の子持ち龍(妻女山里山通信)

2022-04-10 | アウトドア・ネイチャーフォト
 午前中に慌ただしく千曲市森のあんずの里へ。薄曇りでしたが、けっこう花見客が訪れていました。私は例年通り、花見客がほとんどいない古刹巡りを中心に歩きました。10時半で撮影は終了。クヌギの枝を取りに陣場平へ向かいました。

 昨年と同じく杏の花と桜が同時に満開になりました。黄色いレンギョウや白いユキヤナギもあちこちで咲いています。ホッとする風景です。

 観龍寺の山門とレンギョウが咲く石段。

 観龍寺の桜。昨年までは茅葺きでしたが、銅板に葺き替えられました。母方の祖先の絵師の絵が奉納されています。ここから大峯山への登山ルートは拙書で紹介しています。

 毎年必ず撮影する在来種の古木。今年も元気に咲いてくれました。

 あんずの小道。樹下にはホトケノザやオオイヌノフグリ、水仙などが咲いています。ヒヨドリがうるさいほど群れていました。

 杏畑の最上部まで満開です。

 樹齢300年を超えると伝わる杏の大木。森のアンズは、天和年間(1681~1683年)元禄時代、伊予宇和島藩主伊達宗利侯の息女豊姫が、松代藩主真田幸道侯に興し入れの際、故郷の春を忘れじとして国許よりアンズの苗木を取り寄せ、松代東条地区に植え付けたのが始まりとされるのですが、それ以前にも少しはあった可能性はあります。安永年間(1772~1780年)松代藩は、森村・倉科村・生萱村・石川村などへ苗木を配布し、栽培を奨励しました。

 杏の花の奥に満開の桜。遠くに茶臼山が見えます。その向こうは、陣場平山などの峰。

 禅透院の鐘楼と在来種の杏の花。右奥はやはり満開のサンシュユ(山茱萸)。

 サンシュユの花のアップ。

 禅透院の本堂と枝垂れ桜。

 次いで母方の祖母が眠る興正寺へ。満開の枝垂れ桜。

 山門越しに見る枝垂れ桜。鶯のさえずりが聞こえます。

 山門にある「子持龍」は、諏訪立川流の天才・立川和四郎富昌の作。富昌は八幡の武水別神社の再建中でした。そこで、森出身の弟子・宮尾八百重を案内役に住職、世話人、名主らが建築現場に赴き建築を依頼。引き受けた富昌は三月頃から、父富棟が寛政二年(1789)に建築した善光寺大勧進の表御門形式を参考に絵図面を制作。四月には八百重の家に投宿し近くの薬師山に登って酒宴を催し、満開の杏花を愛でたといわれています。夜は篝火の下で鼓を鳴らし謡曲の「鞍馬天狗」を吟じ、見事な龍を描き上げ、村人や近郷近在の話題をさらい、村では日本一の宮大工が来たと喜んだそうです。興正寺は、浄土宗西京大谷知恩院の末派で、創立年は不詳。

 興正寺の上から見るあんずの里。私が屋代高校の頃に教室から見た景色は、藁葺き屋根が多く杏の花も在来種が多かったため、ピンク色というよりも、やや黄ばんだコーラルピンクの色でした。

 帰路に立ち寄る岡地。西に山があって日暮れが早いので半日村と呼ばれます。花見客も訪れない穴場です。前日設置した標識の添え木の撤去とクヌギの枝を持ち帰るために、大急ぎで妻女山の陣場平へ向かいました。貝母を観に来た二人の方と邂逅しました。もう見頃と言っていいでしょう。

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妻女山里山デザイン・プロジェクトは椎茸の駒打ち作業。桜はいつしか満開に(妻女山里山通信)

2022-04-10 | 男の料理・グルメ
 今回の妻女山里山デザイン・プロジェクトは椎茸のホダ木に種駒を打ち込む作業をしました。妻女山の桜はあまりの暑さにいつしか満開になっていました。数日前までストーブが必須だったのに、今日は半袖でも暑いくらい。信州の春は短く、あっという間に初夏になります。梅と杏と桜が同時に咲いています。桃も開花したそうで、次の週末には満開でしょう。レンギョウやユキヤナギ、木蓮も満開です。

 長坂峠の斎場山と陣場平の分岐に標識を立ててほしいという希望が多かったので、N氏に作ってもらい立てました。これでこの分岐で迷う人はいなくなるでしょう。

 次いで陣場平の積石塚古墳にも標識を立てました。

 本題の椎茸のホダ木を運び下ろします。

 軽トラ二台に積んで下ろしました。太いので相当重く、けっこう大変です。

 駒打ち用のビットで穴を開けて行きます。今回は1000駒を打ち込みました。

 打ち込んだホダ木を馬に立て掛けます。

 A氏が家から果樹の消毒用のタンクに水を100リットル入れて持ってきたので、ホダ木に散布します。

 その間に、息子に桐の倒木の処理をしてもらいました。枯れて水分が抜けているので、太くても片手で持てるほど軽いのです。邪魔なハリエンジュの木も伐採してもらいました。

 妻女山には、桜を見に来た人や、鞍骨山までのハイカーの車がたくさん。鞍骨山から、女性のグループが下りてきたので、貝母の話などをしました。以前案内したことのある人達で、貝母も見てきたそうです。他にも顔見知りが数人来ていました。15日以降に見頃になるでしょう。お近くの方はぜひおいで下さい。来週末からできるだけ現場で案内をしたいと思います。

 12時半頃に作業は終了。お待ちかねの昼餉(ひるげ)です。まずノンアルコールビールで乾杯。ウクライナの話や、今後の作業の話など。最高気温が28度になった様ですが、山は快適です。最初に貝母を発見してひとりで整備をはじめて三年目に亡くなった堂平大塚古墳の持ち主のKさんが手伝うよと、現メンバーも参加してくれて10年。彼らの力がなければ、ここまでの成果はあげられませんでした。感謝とともにこれからも頼むよと。そして息子には、後は頼んだよと。

 私が作ってきたニシンのアヒージョ。美味いと好評でした。今回はオスで白子入り。ニシンは、エルブ・ド・プロバンスとマジックソルトで下味をつけ白ワインと白胡椒をふりかけてマリネしておきます。

 メインディッシュのパエリア。私が調理担当。海老、蛸、帆立貝、鶏肉、パプリカ、タマネギ、ニンニク。米は自家製米でアルデンテに仕上げました。これは大成功。激旨でした。この鍋は、我が家に昔からある南部鉄の焙烙(ほうろく)鍋で、祖母や母がこれで大豆を炒ったり、おやきを焼いたりしたものです。
 次はGW頃に、ノイバラの除去や帰化植物の抜き取り作業などをします。その後に稲の筋蒔き作業もあります。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
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ピーカンの土曜日。北アルプスの絶景。開花し始めた妻女山の貝母。北信州にさくら咲く(妻女山里山通信)

2022-04-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
 土曜日は最高気温が24度。日曜日は25度か26度で夏日となる予報です。朝晩はまだ石油ファンヒーターを点けているんですけど。これが信州の春です。体が付いていきません。

 午前中は、雲ひとつ無いピーカンで妻女山展望台からの北アルプスもクッキリ。午後になると霞むので、なるべく早く行って撮影しました。北アルプス仁科三山の鹿島槍ヶ岳。右の深い谷には、長野県で初めて認定された氷河があります。またかくね里といって、古くは平家の落人が隠れ住んだ里ともいわれています。右下に民家が見えますが、この茶臼山がある西山地区は、東京の白金にある絶品スウィーツのお店があって県外からも客が押し寄せたり、隠れ家的なカフェやパン屋があったり、映画の舞台になったゲストハウスがあったり、世界的なミュージシャンが住んでいたりと、なかなか魅力ある里山なのです。

 北の白馬三山の左が白馬鑓ヶ岳、右に杓子岳。この名称は白馬岳と共に、明治になって帝国陸軍陸地測量部が地図を作るにあたり地元につけさせたものです。それ以前は、西岳とか岳山とかいって正式な名称はありませんでした。手前は茶臼山の尾根で信里小学校と農協があります。その向こうには信里の集落や山布施などの集落があります。

 白馬岳。村人が申請した山名は、代掻きの雪形から代馬岳でしたが、できあがった地図には白馬岳と記載されていました。村人たちは長い間その事実を知らなかったそうです。なので、読みは「しろうまだけ」なのですが、白馬村は「はくばむら」です。出典:「北アルプス 白馬ものがたり」石沢 清著
 手前は、地滑りで崩壊してしまった茶臼山の南峰です。手前の斜面には、茶臼山自然植物園や、レッサーパンダで有名な茶臼山動物園があります。

 北方の戸隠山脈と、戸隠富士と呼ばれる高妻山と左奥に乙妻山。蟻の塔渡りで有名な戸隠。標高は低いのですが、初心者が登る山ではありません。拙書で紹介の京ヶ倉もそうです。

 その右手に見える飯縄山(飯綱山)。拙書ではその歴史を詳しく記しています。飯縄権現を祀る飯縄神社。上杉謙信にも武田信玄にも尊崇された神社です。東京の高尾山の薬王院は飯縄権現を祀っています。標高1917mなので、低いなと覚えるのですが、伝説と夏のお花畑が魅力的な長野市民の愛する山です。

 妻女山陣場平の貝母は、この週末でかなり咲き始めると思います。貝母は古名を母栗といい、4月の茶花です。なのでお茶をやっている方にはお馴染みの山野草なのです。
「俯いて 咲く花ゆかし(床し・懐し・古式―催し:懐かしい) 貝母百合」「編笠の 内に秘めたる 貝母百合」「俯いて 知らぬ間に消ゆ 貝母哉」林風
 ブラジルにはサウージ・エ・サウダージという誰もが知る言葉があります。健康と懐かしさ。サウージは、昔あって今はないもの、英語でいうとI miss youに近いかも。このサウダージという言葉は、ブラジル人の心の根底にある感情ですが、日本人他世界の人々にもある感情で、それぞれ言葉があると思います。アカデミー賞受賞の「ドライブ・マイ・カー」の、「生き残った者は、死んだ者のことを考えつづける… ぼくや君はそうやって生きて行かなくてはいけない」「生きていくほかないの」というセリフを思い出します。祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 無常とは常ならず。時間が過ぎていくのではない、我々が過ぎ去っていくのだという言葉を思い出します。カムカムエブリバディは親子三代の物語でしたが、全く内容は違いますが、私はノーベル文学賞受賞のガブリエル・ガルシア・マルケスの「百年の孤独」を思い出しました。最初の者は新天地でそれぞれに名前をつけなければならなかったのです。そして、最後の者はアリに引かれたで終わります。読破するのに三ヶ月を要したどえらい小説でした。読後、今後もう小説は読まなくていいと思ったほどです。

 陣場平中央部の日当たりの良いところの貝母。開きそうなつぼみがあちこちに散見されます。

 一見枯れ葉に見える株間も小さな実生がたくさん出ています。これが全部成長したらもっと凄い光景になるでしょう。これだけの貝母の大きな群生地は、日本でここだけです。暖かさでクマバチやハナアブが飛び始めました。たくさん受粉してくれるといいのですが。

 積石塚古墳近くの貝母もずいぶんと成長しました。今年はこの古墳の東側の斜面に球根をたくさん移植したいと考えています。

 陣場平のある場所で、オオズキンカブリタケ(大頭巾被り茸)。アミガサタケの仲間ですが、アミガサタケのように傘と軸が一体となって繋がっておらず、軸に傘が乗っかった状態です。食菌ですが、水溶性の微毒があるので、一度茹でこぼしてから調理します。ロケット燃料と同じ成分が含まれるとかで、気を付けないと調理中に具合が悪くなる人もいるそうです。醤油には合わず、バターやクリームに合うので、クリーム煮、リゾット、パスタなどに向いています。

 貝母の株の中央のつぼみが食べられています。ニホンカモシカです。他の野生動物や鳥は食べません。薬草ですが毒草でもあるのでたくさんは食べません。デトックスになるのでしょうか。

 陣場平の上の入り口。妻女山駐車場から長坂峠を経て左の林道を登るとここに着きます。鉄の看板のところから小道を奥に歩くとすぐに貝母の群生地。林道からは見えないので、初めて見た方は歓声をあげます。

 下山して温泉へ向かいます。桜も一日でかなり開きました。森のあんずが満開なので行きたいのですが。温泉から見たら山麓の上の方まで満開でした。明日であんず祭りは終了ですが、来週中頃までは充分に見頃だと思います。13、14日に傘マークがついていますが、たぶん花散らしの雨となるでしょう。松代城の桜は次の週末が満開で見頃だと思います。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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妻女山の貝母(バイモ)が開花。カンスゲとタチツボスミレに桜も開花 2022の春(妻女山里山通信)

2022-04-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が16度。高気圧の東の縁を回って北風が吹いたので花冷えの一日でした。週末は気温が上がるので開花は土曜日かなと思いましたが、なんと開花しました。

 開花したのは、上の入り口から入って左側にある西向きの緩斜面。毎年ここの貝母が真っ先に芽生え開花します。下から見上げると和名の編笠百合の意味が分かると思います。古名は母栗といい、万葉集にも一首歌われています。また、満開の頃に紹介します。

 10時頃に観た時は、一輪だけ咲いていたのですが、昼頃には次々と咲きだしました。

 基本は、花びらが6枚、雄しべが6本に雌しべが中央に1本ですが、探すと花びらが8枚、雄しべが8本なんていう花も見つかるかも知れません。

 貝母の花は、下の方から咲き始めます。

 陣場平中央の貝母も週末には咲き始めるでしょう。

 太いクヌギの林床にも貝母の群生地があります。種がこぼれる頃の東風(こち)で西へ飛ばされて増えたものです。

 林内の貝母は、日陰になる時間もあるので、中央部より開花が遅れます。その分長い間花を愛でることができます。満開の見頃は、その後の気温もありますが、15日から25日頃と思われます。

 女性二人が来訪したので、ヤマエンゴサクの群生地を紹介しました。まだ咲いていない株も多いので、これからしばらく楽しめると思います。

 シダ植物のイノデ(猪の手)の新芽。ゼンマイではありません。不食。シダ類は、ワラビ(蕨)、ゼンマイ(薇)などが食べられますが、いずれも発癌物質を含むので、充分なアク抜きが必要です。

 カンスゲ(寒菅)カヤツリグサ科スゲ属。妻女山では、林道ののり面や日当たりの良い尾根筋で見られます。

 妻女山展望台の下にタチツボスミレ(立坪菫)が咲いていました。葉はハート型ですが、長葉も見られます。

 茎には毛が生えています。もっとも普通に見られるスミレです。妻女山では、探せば斑入り(赤)のスミレも見られます。スミレ属も、アリ散布植物です。ケマン属、オドリコソウ属、カタクリ属など200種におよびます。アリ散布植物とは、種子散布をアリに依存する植物で、種子表面にエライオソーム(elaiosome)とよばれる誘因物質をもち、アリは表面の糖分を舐め取り、残りを捨てることで種まきになるのです。

 妻女山公園のソメイヨシノが咲き始めました。森のあんずは週末には満開になるでしょう。貝母とソメイヨシノは、いつも同じ頃に咲き始めます。

 妻女山展望台からの眺め。赤坂橋の奥に武田信玄が本陣とした八幡原(はちまんぱら)が見えます。その左向こうに拙書で紹介の上杉謙信の髻山(もとどりやま)。カタクリとセリバオウレン、シロバナオドリコソウの群生地があります。ずっと右に雪が残る高社山。拙書でも載せていますが、GW頃は様々な花が咲き乱れます。手前の千曲川の堤防では菜の花(セイヨウアブラナ)が咲き始めました。4月17日は長野マラソンですが、桃の花が咲いているでしょう。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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妻女山のヤマエンゴサクが開花。ヒオドシチョウ舞う陣場平の貝母は今週末開花か。八重紅梅が満開(妻女山里山通信)

2022-04-06 | アウトドア・ネイチャーフォト
 春の遅い信州にもようやく本格的な春が訪れてきました。最高気温も21度。週末には夏日になる予報も。つぼみの貝母も週末には開花するでしょう。里では梅が満開。あんずも三分咲き。今週末から見頃でしょう。週末には桜(ソメイヨシノ)も開く予報。信州の春は猛スピードで駆け抜けて初夏になるので、開花情報のチェックは欠かせません。

 妻女山の陣馬平には貝母以外にヤマエンゴサクの群生地もあります。今回調べてみてかなり広いことが分かりました。ヤマエンゴサク(山延胡索)は、ケシ科キケマン属の多年草で、別名は、ヤブエンゴサク、ササバエンゴサク。

 小さな花なので群生していても遠くからは見えません。明るい林床に群生地があります。場所は説明しにくいので書きませんが、現地で出会った方にはお話しています。

 地中にある小さな茎は「延胡索(えんごさく)」という漢方薬になり、痛みやけいれんを和らげる効能があります。

 日当たりの良い林道や陣場平のあちこちで越冬明けのヒオドシチョウが舞っています。なぜか翅を開いてくれませんでした。開くと鮮やかな緋縅(ひおどし)のオレンジ色が見られます。

 バサッバサッと大きな羽ばたく音が。見上げるとノスリが落葉松の枝に止まりました。残念ながら付けていたのは望遠ではなくマクロレンズ。これが精一杯。しばらくして飛び立って行きました。

 上の入り口から入って右を見ると林内の貝母が広がっています。昨年は春が早く開花も早かったのですが、例年にないほどたくさんのセイヨウミツバチが受粉に訪れてくれて種がたくさんこぼれました。そのため、大きな株の間にたくさん実生が出ています。数年後に成長して一斉に開花したら、もの凄い景色になるでしょう。楽しみです。

 南東の方向から上の入り口方面の眺め。やはり株間に小さな実生がたくさん見えます。

 南西の小高い丘からのカット。株間にシロヤブケマンの若葉がたくさん芽生えています。ウスバシロチョウの食草です。氷河期の生き残りといわれる透き通った白い翅のウスバシロチョウは、5月中旬ごろから舞い始めます。

(左)ミヤマウグイスカグラ(深山鶯神楽)の花。スイカズラ科スイカズラ属。実や茎に毛が生えています。夏になる赤い実は甘く、子供の頃のおやつでした。(右)クロモジ(黒文字)。クスノキ科クロモジ属の落葉低木。香りが良いので、箸や高級爪楊枝に使われます。リラックス効果のある香油も精製され商品化されています。お風呂に入れてもいいそうです。

(左)ニワトコ(庭床・接骨木)レンプクソウ科ニワトコ属の落葉低木。若芽は山菜。接骨木という不思議な名前は、枝や幹を煎じて水あめ状になったものを、骨折の治療の際の湿布剤に用いたためといわれます。ニワトコの杖は「宿命の杖」といい、魔法の杖といわれ、『ハリー・ポッターと死の秘宝』に登場します。ニワトコの杖を持つと、魔法が使えるようになるかも。(右)ヨモギ(蓬)キク科の多年草。別名は餅草、モグサ、艾。草餅や草だんごはお馴染みですが、制癌作用があることが分かり注目されています。私は天ぷらが大好きです。

 妻女山の上杉謙信槍尻ノ泉の上にある八重の梅が満開です。もちろん個人のものです。

「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」ということわざは、剪定法のことですが、対人でも対物でも、その個性に適した対処をするのが良いということです。果樹は適正な剪定をしないと、いい実は成りませんから。

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XG Awich あいみょん BAND-MAID BEYOOOOONDS Queen + Paul Rodgers in Ukraine(妻女山里山通信)

2022-04-05 | BABYMETAL・LOVEBITES・ジャズ・宮本佳林・クラシック
 最近話題のミュージック・ムービー。Queen + Paul Rodgers: Live In Ukraine 2008. は必見。


■XG - Tippy Toes (Official Music Video)

 3月18日デビューのXG。まさか日本でこんなハイレベルなガールズグループが出てくるとは。しかも、J-POPでもK-POPでもない、HIP HOPとR&B要素の詰まった、全編英語歌詞の驚愕のファーストシングル。再生回数800万超え。

■XG - Tippy Toes (Dance Practice Fix ver. )

 ダンスレベルも半端ない。えげつないくらい上手い。世界でブレイク。
 分かったことを少し。エイベックスの超厳しいオーディションを勝ち抜いて選ばれた7人が、2017年から歌、ダンス、英語の厳しいレッスンをして結成された世界戦略のガールズ・ユニット。最年少12歳とかの彼女たちが、このレベルまで達するのにどれほどの血反吐を吐くほどの練習をしてきたか。才能はもちろんだが、愛ある指導と好きでなければここまではたどり着けない。おそらく今後とんでもない事態になると思われます。個々の彼女たちも魅力たっぷり。

■Awich - Queendom (Prod. Chaki Zulu)

 沖縄。泣くだけでは問題は解決しない。凄みのある引き込まれるラップ。

■あいみょん - 双葉【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

 ブナやミズナラの巨樹も始まりはみな双葉。若者が次の日本を世界を作る。

■BAND-MAID / Thrill (スリル) (Official Music Video)

 ヘビーメタルは男のものだけじゃない。BABYMETALだけじゃない。

■BEYOOOOONDS『英雄~笑って!ショパン先輩~』Promotion Edit

 ショパンて意外に悲惨な人生だったからね。キャッチーな曲。コメントにガチクラシックファンがいるの笑えるけれど。分かる。この英雄ポロネーズを弾いている彼女。アイドルがピアノを弾けるではなく、プロ級のクラシックピアニストがアイドルをやっているという奇跡。

■Queen + Paul Rodgers: Live In Ukraine 2008. YouTube Special. Raising funds for Ukraine Relief.

 1時間17分からのフレディ。1時間37分のボヘミアン・ラプソディは、懐かしすぎる。熱狂し踊る観衆。クイーンよウクライナよ永遠に。平和であれ。ラストのウィー・アー・ザ・チャンピオンは、涙なしでは観られない。正しい戦争など絶対にない。自分の家族が友人が、内臓えぐられ頭が吹っ飛ぶ様が想像できるなら、核を持つべきだとか軍備強化とかいえるわけがない。そう言う政治家は、絶対安全地帯にいると思っている敗戦トラウマを抱えた狂人である。


『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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魚眼レンズで見る陣場平の貝母。つぼみが垂れ始めて開花の兆し。梅とダンコウバイの林道倉科坂線(妻女山里山通信)

2022-04-01 | アウトドア・ネイチャーフォト
 週末は北アルプスもくっきり見えるピーカンの空。最高気温は12度と低いのですが、寒風がほぼないので日差しを浴びていれば寒くはありません。晴天で、鞍骨城へ向かう人もけっこういました。森のあんずも開花したそうです。日月は崩れそうですが、その後は気温も上昇して、春は一気に進むでしょう。里山ハイキング・トレッキング・トレラン・マウンテンバイクに最適のシーズン到来です。梅、あんず、ソメイヨシノ、山桜、カスミザクラ、オオヤマザクラ、レンギョウ、ユキヤナギ、桃、コブシ、タムシバ、リンゴと咲き乱れていきます。拙書では、それぞれの里山に咲く樹木の花や山野草を紹介しています。

 陣場平の広さを表現するために今回は魚眼レンズを持ってきました。それでも全体は写しきれませんが。林道から看板のある上の入り口から小道を50mほど歩くとここに出ます。向こうが東方で松代方面。中央奥のクマノミズキの大木の左側は、ヨシとノイバラを除去して貝母の球根を植えてきたところです。

 右へカメラを振ると、林内の貝母の群生地。貝母は、GWごろに結実し、6月下旬から7月上旬にかけてさく果が種を飛ばします。その時に東風(こち)が吹くことが多いので、種は主に西に飛び、林内に群生地を作ったのです。ここは半日陰なので開花が遅いため、長く花を愛でることができます。落枝や立ち枯れが多いので、保全活動をします。

 最初の撮影位置と反対側、東南からのカット。貝母の中心的な群生地になります。この左と右と後ろにも群生地があります。一見枯れ葉の部分にも、種がこぼれて生えた実生がたくさん出ています。球根は翌年に開花しますが、種で増えたものは開花するまでに4,5年かかるのではないかと思います。

 午前中、貝母は朝日の昇る東を向いています。そして午後になると太陽を追いかけて西を向きます。里山の保全活動や貝母の保全作業というのは、こうしたいとか、こうすべきとかではなく、自然の力を借りて自然と対話しながら進めていく方がストレスなく上手くいくような気がします。自然を完全に管理するというのは、欧米的な思想でしょう。東洋人、特に日本人は、自然との対話とか共生を古代から考えやってきたと思います。自然災害に度々見舞われたという経験が根底にあるのかも知れません。縄文の生き方は、弥生人や高句麗の帰化人が入ってきても継承されてきたのでしょう。自分対自然と考えない。自分も自然の一部と考える。しかし、戦後は欧米の思想にかぶれた政策がはびこりました。その大きなしっぺ返しを受けたのが福一の大事故だったのではないでしょうか。もう一度、自然や宇宙との共生を考える時期に来ていると思います。

 貝母のつぼみは最初上を向いていますが、次第に下を向くようになります。これが開花の兆しです。おそらく次の週末には開花するでしょう。今年の開花は10日頃。見頃は、15〜25日頃になると思います。今回は、ノイバラとヤマガシュウ、ヤマフジの除去をしました。それと強風での落枝を片付けました。

 ヤママユガ(山繭蛾)の繭。テンサン(天蚕)ともいいます。成虫の翅開長は12〜15センチと大きな蛾です。幼虫はブナ科のナラ、クヌギ、コナラ、クリ、カシ、カシワ、ミズナラなどの葉を食べます。成虫は、8〜9月頃に羽化します。この繭にも蛹が入っています。この繭からは、天蚕糸が600〜700mとれます。長野県ではこれを飼育して織物を作っています。

 林道倉科坂線を歩いてみました。鳥が運んできて根付いたのでしょう。梅が咲いていました。

 咲き誇るダンコウバイ(檀香梅)。コゲラのドラミングとシジュウカラの鳴き声が聞こえます。

 ダンコウバイの向こうに松代の東にそびえる奇妙山のシルエットが見えます。拙書でも載せていますが、本来は帰命山であり、本名を仏師岳・仏師ケ岳という修験の山です。山頂は古い山城です。

 林道から眼下に松代PA。上りでは産直の新鮮な野菜が買えます。上りと下りは階段でつながっていて、手前の403号線からも入ってレストランなどを利用できます。信越トレイルの手前は飯山。向こうは新潟です。信越トレイルは、極一部しか歩いていませんが、ブナの森はおすすめです。信越トレイルは斑尾山から始まりますが、下って沼の原湿原を通ります。ここは何回も訪れているおすすめの場所。アメリカのジョージア州から来訪のトレイルを縦走中のハーフの女子大生と邂逅したのもここで、ブログにも何度かアップしています。おすすめの湿原です。

 鴨と木曽のすんき漬けの蕎麦。すんき漬けは京都のすぐき漬けと似ています。どちらも乳酸発酵を利用する漬物ですが、すぐき漬けは塩を用い発酵過程で温め、すんき漬けは無塩で寒くないと作れません。すんき漬けは無塩なので蕎麦などに合います。右は手前が山蕗とスギヨのビタミン竹輪のかき揚げ。向こうが黒大豆の自家製納豆のかき揚げ。どちらも春の素朴な一品です。4月に入ると信州は、山菜の季節を迎えます。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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