モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

いまだ色鮮やかな里山の冬景(妻女山里山通信)

2010-12-26 | アウトドア・ネイチャーフォト
 買い物帰りに妻女山へ。昨夜から粉雪が舞い始めて早朝は一面真っ白だったのですが、地温がまだ高いせいかあっという間に溶けてしまいました。展望台から見る周囲の山もそれほどの積雪量ではなかったようで真っ白ではありません。望遠で撮影して拡大してみると、奇妙山の赤松もまだ雪をかぶっていません。聖夜は真っ白でしたが、ホワイトクリスマスにはなり損なったようです。

 わが家の山へ入ってみると、雪が溶けて落ち葉はかなり湿っています。一見、枯葉色に染まっているように見える森ですが、よく見るとあちこちに緑や赤や黄色が見られます。カラコギカエデの赤、有毒で鳥も食べないためいつまでも残るヒヨドリジョウゴの赤い実、ケヤキについた地衣類の黄色はロウソクゴケかツブダイダイゴケか。ロウソクゴケは欧州ではローソクを黄色く染めるのに使われたとか。葉状でも粒状でもまだないので同定不可でした。倒木に生えた苔の緑。露のついた芝草の緑。蕗の緑の葉もまだあります。

針葉樹林の中を低空飛行するのは、青いルリビタキ。ヒッヒッヒッと鳴いたり、ルリビタキだよー!(聞きなし)と鳴いたりします。こんな寒い冬に蝶はどうしているのだろうとは思いませんか。蝶には、卵で越冬するもの、幼虫でするもの、蛹(さなぎ)で、成虫でといます。成虫で越冬する代表的な蝶はタテハチョウ科のアカタテハ、キタテハ、ルリタテハ、ヒオドシチョウなどでしょう。オムラサキは幼虫で越冬します。エノキの落ち葉の下を丁寧に探すと見つかるかもしれませんが、撮影したらちゃんと戻しておきましょう。越冬する時は、体内にあるグリコーゲンをグリセリンとソルビトールに変えて乾燥から身を守り、エネルギーとするのです。

 妻女山山系では、この季節猪や山鳥の狩猟が行われます。トレッキングや自然観察、史跡巡りで入山される時は、注意してください。妻女山松代招魂社の駐車場にハンターがいたら、必ず入山する旨とコースを伝えて、無線で仲間に通報してもらってください。猪猟は谷から猟犬と人で追い上げて上から撃ちます。また、山鳥は主に谷筋で散弾銃で撃ちます。狩猟が行われる場所はほぼ決まっているのですが、谷筋は危険なので入らないようにすることと、衣服は派手なものを着る事です。また、人間がいることを伝えるために、ホイッスルを持参してください。山だけでなく、千曲川の河川敷でも鴨猟が行われているので釣り人も要注意です。
 
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メリークリスマス・Merry X'mas・Feliz Natal・God jul・Bon Nadal・聖誕節快樂

2010-12-24 | BABYMETAL・LOVEBITES・ジャズ・宮本佳林・クラシック
 北信濃は朝からクリスマス寒波の雪で、積もりそうです。
ジャズボーカルで聴くクリスマス・ソング。



John Lennon - So This is Christmas.mpg
戦のない世界を。


MERRY CHRISTMAS MR BEAN (1 of 3)
このシリーズ3までありますが、大爆笑まちがいなしです。それにしても巨大な七面鳥。

トナカイの子供に見えなくもない妻女山のニホンカモシカも、今日はおとなしくしているのでしょうか。

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冬毛をまとうニホンカモシカ(妻女山里山通信)

2010-12-22 | アウトドア・ネイチャーフォト
 所用の帰りに妻女山に寄ってみました。時間は午後3時頃、ちょうどわが家の山にニホンカモシカが姿を現す時間です。車を走らせて上杉謙信槍尻之泉から坂を上り妻女山松代招魂社へと向かっていくと、右上の斜面に彼(ニホンカモシカは雄雌とも角があるので彼女かも)がいました。車には慣れているのか、こちらを見もせずに草を食んでいます。

 路肩に車を止めて降りるとドアを閉める音でこちらを振り向きました。適当に声をかけ手を降りながら近づきます。母親に縄張りをゆずってもらった子供です。すっかり冬毛に代わって白っぽくフワフワとしています。近づくと角に異変があることに気づきました。左の(向かって右)角が欠けているのです。なにがあったのでしょう。猪と戦ったか、追われて木の枝にぶつかったか、なにかがあったことには間違いありません。ただこれで、個体識別は容易になりました。

 手を振りながら近づくと、限界距離を超えたのでしょうか、薮と逃げました。ところがそちらは行き止まり。ゆっくりとそちら側に回ると、今度は反対側へ戻りました。 しばらくすると灌木の中をわが家の山の方へ走り始めましたが、どうにも走り方がぎこちなく、ちょっとどんくさいニホンカモシカです。彼の塒(ねぐら)は、わが家の山の西側の谷にある針葉樹林の中で、反芻もそこで行うようです。朝方にまずわが家の山の急斜面で脱糞をして、その後縄張りの巡回へと向かいます。

 午後になると妻女山奥の落葉松林の広場で母親と一緒にいるところをよく見かけます。そのまま二頭でわが家の山まで下ってくることもあります。そして午後3時頃になると招魂社裏手の斜面に草を食みに来ます。その後は、また反芻の場所に行って座って時間をかけて反芻します。反芻する場所はたいてい決まっていて、その場所はいつも座るので楕円形に窪んでいます。

 糞場は3カ所ほどありますが、こんもりたまると少し移動します。糞場に来る前に我慢できなくなることもあるようで、途中でしてしまった箇所もいくつか見られます。糞場には、キララタケやササクレヒトヨタケなどのキノコが生えます。ササクレヒトヨタケは、残飯やゴミ捨て場などによく生えるキノコですが、味は柔らかいマッシュルームという感じで美味しいキノコです。しかし、一夜で黒く変色してしまうので、食べ時に出会うのはなかなか難しいかもしれません。なによりゴミ捨て場に生えるようなきのこなので食欲がわかないかもしれませんが。

 今年は暖冬で多雨なので、まだ山には青々とした草が残っていますが、年が明けるとそれも無くなります。春の芽吹きまで厳しい環境となるわけです。そんな時はなにが餌かというと、柔らかな樹皮などを剥いで食べるのです。冬芽を食べることもあるようです。春が待ちどうしいのは人もニホンカモシカも同じかもしれません。冬はその厳しい環境のせいか、限界距離も長くなるような気がします。この冬は多雪になると予報が出ていますが、座る所がなく深い雪の中で立ったまま反芻するニホンカモシカ(アオの寒立)を目にする事が多くなるかもしれません。
 
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冬の梢のイヤリング・ウスタビガの繭(妻女山里山通信)

2010-12-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
 寒くなりました。朝焼けの白馬槍ヶ岳と、朝日が登ろうとする保基谷岳を撮影に行きましたが、地面は凍っていました。昼には買い物帰りに妻女山に立ち寄り、斎場越の旧道を使って陣場平へ登りました。気温はまだ零度近く。あられが降るような落葉松の落葉も終わり、森は見通しがよく静まり返っています。これだけ冷えるとニホンカモシカや他の動物たちも活発に出歩く事はないでしょう。途中、いつもの場所にタヌキの大きな溜糞がありました。直径30センチ、高さ10センチぐらいの大きなものです。タヌキは縄張りを持たず、この溜糞の場所が公衆便所であり情報交換の場所なのです。

 陣場平への山道を登って行くと、一面茶色と灰色の森の景色の中に、ひときわ鮮やかな薄緑色の物体が梢にぶらさがっているのが見えました。この季節必ず目にするウスタビガの繭(まゆ)です。主は晩秋に巣立っているので空家ですが、外側に黒い卵が産みつけられているので、メスのものでしょうか。ウスタビガは薄手火蛾、または薄足袋蛾と書き、ヤママユガ科で、同じ仲間にはヤママユガ(山繭蛾)、クスサン(楠蚕)などがいます。

 ヤママユガやクスサンは繭から天蚕と呼ばれる糸をとるためにカイコのように飼育されてもいます。天然のシルクは緑の宝石と呼ばれたいへん高価なものです。手火は提灯のことで、小枝にぶらさがる繭は確かに提灯のようです。上部はがま口が閉じたような形で下部には水抜きの小さな穴が空いています。また、繭は別名を山叺(やまかます)とも呼ばれます。藁筵(わらむしろ)を二つ折りにして作ったかますに似ているからです。

 幼虫は、カシワ、クリ、クヌギ、コナラ、エノキ、 ケヤキ、サクラ、カエデなど、いろいろな樹木の葉を食べますが、いらうとキーキーと鳴くそうです。成虫は翅開張がメスが11cm、オスは9cmぐらい。成虫には口吻がなく羽化した後はなにも食べません。蛾の仲間にはこういうものが少なくありません。繭についた卵は、このまま冬を越し、4月頃に羽化して6月中旬頃に繭を作り、10、11月頃に羽化して成虫になります。

 夏場は薄緑色が保護色となり、森に溶込んでしまうのでそのつもりで探さない限り見えません。それが晩秋を過ぎるとすべてが茶色と灰色の森で宝石の様に輝きだすのです。もうその時は空で、時には新しい住人がいたりもしますが。自然は実にうまくできているものだと思います。冬枯れの山道を歩くとよく足下にクスサンの繭も落ちています。それは美しい編み目模様で透かし俵と呼ばれます。いずれも妻女山山系では、よく目にするものです。なにもなさそうに見える冬の里山にも、よく見ると面白いものがあるのです。

 今日は昼の合間に大きくなっているはずの椎茸を採りにいきました。帰りがけにうちの山の近くでニホンカモシカが草を食べていました。じっと観察していると、向こうも気づきました。角が5センチぐらいなのでまだ子供です。夏に上の林道で私の車の前に立ちはだかって動かなかった子供でしょう。すっかり冬毛に生え変わって体もずいぶんと大きくなっていました。やはり母親にこの場所を譲り受けたようです。母親はこれより奥のオスがいる鞍骨城跡により近い尾根で見かける様になりました。これからの観察が楽しみです。ニホンカモシカのムービーは、下の記事でご覧ください。

 小沢征爾さんの復帰後のニューヨーク公演が無事終了しました。約80分の大作「戦争レクイエム」を終えて聴衆のスタンディングオベージョンと拍手は10分間続いたそうです。また、サイトウキネン(名称が変わるそうです)で元気な姿を見せて欲しいものです。平和であればこその鎮魂歌。合戦の舞台となった妻女山から川中島を見下ろすたびに思う事です。
 
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妻女山のニホンカモシカ【信州の里山】Japanese Serows

2010-12-15 | アウトドア・ネイチャーフォト
 昨夜の双子座流星群は、本当に素晴しいものでした。オリオン座の下に右に、斎場山の上に、土口将軍塚の上に、次々に星が流れました。北側は長野市街地で明るいのですが、南は斎場山山系で暗いのも幸いしました。なにかと慌ただしい師走ですが、ふっと浮き世を離れて星に見入るのもいいものです。

 そんな時間が持てたのも、昨夜は上記のムービーを書き出しでYoutubeにアップする作業をしていたからです。1GB近くあるムービーなので、書き出しにずいぶんと時間がかかりました。その間は時間が空くので流星の観察ができたわけです。ウェザーニューズのデータでは、東北や北海道を除いてほぼ日本全国で観察できたようです。どれほどの願いが星に届けられたのでしょうか。

 平安時代や戦国時代は、流星(meteor, shooting star)は不吉の印といわれていたようです。もとは中国の『三国志』の諸葛亮が流星を見て自らの死を予感するという伝説によるもののようです。それが江戸時代になると、幸福をもたらすものといわれるようにもなってきます。これは南蛮貿易とともにもたらされた西欧文化の影響でしょう。

【信州の里山】妻女山のニホンカモシカ 1 Japanese Serows1



 さて、昨夜Youtubeにアップしたムービーですが、スライドショーです。2002年から8年に渡って撮影したうちのなかからよりすぐって、妻女山山系の四季の自然を織り交ぜながら構成しました。真夏は薮になりニホンカモシカと遭遇する機会が減るので、どうしても春秋冬のカットが多くなりました。近年里山でも頻繁に見られる様になりましたが、これは1955年に特別天然記念物に指定されて狩猟による減少がなくなったためと思われます。

 それ以前は、狩猟の対象でたくさん狩られていたということです。肉はもちろんニホンカモシカの毛皮は水を通さず、保温性が抜群に高いので珍重されました。そのニホンカモシカも江戸時代には里山にも普通にいたはずです。急激に減少したのは、明治に入って高性能の銃が普及したためです。しかし、実は現在も特別天然記念物でありながら、長野県でも獣害対策として毎年数百頭が狩猟されていることは以外に知られていません。その肉は商品として流通し、都内のホテルなどで供されています。

 妻女山山系のニホンカモシカを通年観察していますが、子が独立した後も母子が頻繁に一緒にいたり、母が子を追い出すのではなく、子に自分の縄張りを譲り、自分は少し奥の山に移るという、通説とは異なる現象も見られました。また、妻女山のわが家の山にはニホンカモシカの糞場があり毎朝毎夕訪れますが、これも本に書いてある様に二、三カ所の糞場ではなく、もっと広範囲に何カ所もあるのを確認しています。歩きながら我慢できずにしてしまうこともあるようです。真冬に雪の中で寒立ち(アオの寒立ち)を見る事がありますが、これは座る所がないために立ったまま反芻している状態です。

 繁殖期は秋で、出産は春から初夏なんですが、秋には大きなオスが鞍骨城跡あたりからやってきて、妻女山で壮絶な追いかけっこを繰り広げます。一度などは、私の目の前を私がいるのもおかまいなしに、山の右から左へと何度も地響きを立ててオスがメスを追いかけていました。実に分かり易い求愛行動です。また、今年の猛暑の最中、妻女山の林道で春に生まれたばかりの子が道の真ん中に飛び出して動かないことがありました。両足を広げて踏ん張ってじっとこちらを凝視していました。ニホンカモシカは牛科のためか非常に好奇心が強く、妻女山の展望台付近からじっと高速道路を見ているのを目撃したこともあります。千曲川を泳いで対岸の東福寺へ渡ったのを見た人もいるそうです。

 妻女山のみならず、里山は手入れがされず荒れていますが、ニホンカモシカ以外にもタヌキ、ハクビシン、ホンドギツネ、ホンドテン、イタチ、ムササビ、シマリス、ツキノワグマなどが生息しています。ハイキングなどでは、好奇心の強いニホンカモシカ以外は、向こうがこちらを先に察知して逃げてしまうので、遭遇することは稀ですが、観察するつもりで気配を殺して歩くと出会うことが可能です。ただ、冬は猪や山鳥の狩猟が行われるので、入山の際は注意してください。

 流星よりも驚いたのがこちらの結果でした。「FIFA Club World Cup UAE 2010準決勝マゼンベ2:0インテルナシオナル」クラブカップ決勝が欧州と南米以外の組み合わせになるのは史上初です。恐るべしアフリカ。
 
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鏡台山からの北アルプス大パノラマアップ!(埴科里山通信)

2010-12-11 | アウトドア・ネイチャーフォト
 前回書いた冬枯れの鏡台山への往復登山を【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】にアップしました。冬枯れの山ですから、特に見るものはないのですが、山頂からの大パノラマは圧巻です。信州には、前回登った虫倉山の様に、北アルプスの大パノラマが堪能できる低山がたくさんあります。それを目的に登るのも一興です。

 できるだけ山座同定を入れてみましたが、少し怪しいところもあるかもしれません。特に松本方面の低山は、山脈が蛇行して重なり合っているので同定が困難です。鏡台山から、木曽山脈が見えるというのも改めて確認しました。ずいぶんと遠くまで見えるものです。富士山が見えると頂上の看板には書いてあるのですが、どこにどう見えるとは書いてないので、見た人は少ないと思います。よほど条件が整わないと見ることができません。私も夏に一度だけ見ただけです。

 それと冬芽をいくつか撮影したので載せました。冬はこれからが本番ですが、樹木はすでに来春の準備をしているのです。ウリハダカエデの冬芽には、なにかの蝶の卵のようなものもありました。ボタンヅルの綿毛が逆行に光っていました。ほぼすべてが冬枯れの茶系の風景の中で、ヤマガシュウの黄緑色の葉がやけに目立っていました。

 昨日は茶臼山も真っ白になりました。妻女山奥の天城山(てしろやま)や鞍骨城も白くなりました。妻女山の落葉松林は、北風が吹くと落葉松の葉が降ります。落葉松の葉が散る音を聴いた事があるでしょうか。 チリチリと降る音は、目を閉じるとまるで細かな霰(あられ)が降っているようです。落葉松がすっかり裸になると、妻女山にも雪が積もり始めます。
 
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冬枯れの鏡台山へ北アパノラマ鑑賞に(埴科里山通信)

2010-12-07 | アウトドア・ネイチャーフォト
 メール便で納品のために出かけたついでに鏡台山に登りました。こんなことができるのも信州ならでは。メール便を送ったコンビニから登山口の笹平までは車で20分。そこから山頂までは、55分と書いてありますが、今回は冬枯れのため撮影するものも少なく34分でした。撮影なしなら30分だったでしょう。山頂は千曲市の里山トレッキングクラブの方々が整備してくれたお陰で奇麗に刈られ、北アルプスの大パノラマが広がっていました。時間があれば、この笹平から五里ヶ峯と鏡台山、両山の往復もおすすめです。

 熊はまだ冬眠(正確には冬ごもり、熊は完全には冬眠しません)していないはずなので、一応熊鈴はつけました。去年、このコースで目の前を月の輪熊が横切って行きましたから、念のため。山頂直下の尾根に乗ると、熊が歩いたと思われるやや広い獣道が横断しています。主にニホンカモシカが通る獣道は、狭くよく見ると柔らかな地面には蹄の跡がついています。道をたどると、窪んだところには糞場や休憩の寝床が見られます。所構わず掘り返してあれば猪です。石の上にこれ見よがしに糞がしてあればテン。テンの高糞といいます。

 明日から雨のためでしょうか、空気が少し湿っています。ほぼ真西の冠着山の右向こうには、生坂村の京ヶ倉が見えました。その向こうには常念岳から大天井岳の尾根の向こうに天を突く槍ヶ岳、爺ヶ岳、猫耳の鹿島槍ヶ岳、武田菱の五龍岳。ずっと右に白馬三山と北アルプスのスカイラインが連なっています。その右手には神話の山・虫倉山。手前に武田信玄布陣の伝説が残る茶臼山が見えます。冠着山手前の五里ヶ峯から山脈を右へ辿ると、有明山の右下に古代科野国の初代大王の墓といわれる森将軍塚古墳。五里ヶ峯の右下の尾根には、山本勘助が造らせたという軍道「勘助道」があるのですが、その踏破のルポは、こちらで。坂城側の南面は、もやっていて蓼科山や八ヶ岳連峰は見えたものの、富士山は見えませんでした。富士山は、空気の澄んでいる冬に見えるとは限りません。むしろ夏の黒富士の方が、空とのコントラストがついて見え易い時もあります。頂上の看板に見えると書いてあっても、なかなか見えません。検索しても写真が出ない所を見ると、実際に見た人は少ないのではないでしょうか。こんな風に見えますルポはこちら

 頂上にはズミの木が何本かありますが、今年は実のつきかたが悪い様です。それでも小リンゴと呼ばれる朱色の鮮やかな実が青空に映えていました。逆行を浴びて銀色に光る綿毛は、センニンソウでしょうか。ボタンヅルだと茎が木質化しているのでもっと太くなります。頂上にあったハンゴンソウ、ヨツバヒヨドリ、ノアザミなどは、奇麗に刈り取られていましたが、春には変わらず一斉に芽吹くことでしょう。タチツボスミレの葉が枯葉色ばかりの山頂で、鮮やかな緑を誇っていました。 帰路はゆっくりと下りながら冬芽をいくつか撮影しました。タラノキ、リョウブ、ヌルデ、ヤマウルシなどなど。木々はすでに来春の準備を始めています。空間に浮かぶ毛むくじゃらの豆は葛。黄緑の大きな葉は、ヤマガシュウ。登山口には、ノコンギクの綿毛とシロヨメナの綿毛が。日陰の苔には、昨夜の小雪が残っていました。

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★その他の信州のトレッキングルポは、フォトドキュメントの手法で綴るトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】をご覧ください。最新作の虫倉山では、北アルプスの大パノラマを掲載しています。
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北アルプスに謎のブラックホール出現!!(迷宮地図世界)

2010-12-02 | 歴史・地理・雑学
 googleマップで北アルプスの地形図を見ていたら、とんでもないものを見つけてしまいました。武田菱の見える五龍岳の北にある白岳の東側、標高2000m付近に謎の大穴、そのブラックホールはあるのです。約400m四方の大きさでほぼ正方形。穴の底に近い標高は300mの記述が見えますが、横にスリットが入った状態で、最深部は白く光っています。西と南の縁には盛り上がった人工的な土手のようなものが見えます。ぬわんだこれは・・・・・・!? 写真ビューに切り替えてびっくり。中心は白いのです。ここに登山道があるかは知りませんが、あったらびっくりです。谷に巨大な2000m近い深さの穴があいているんですから。

 これはなんだろうと、国土地理院の地形図を見ると、なんとそこは白岳からの尾根が独立峰のように盛り上がった2216mの小ピークの下側の険しい谷でした。もちろん穴などあいていません。いったい何が原因でこのような不可思議なことになったのでしょうか。そしてなぜ話題にならないのでしょうか。なぜ修正しないのでしょうか。息子達に聞くと、レンズに水滴でもついていたんじゃない。って、そうでしょうか。地図フェチとしては気になって仕方がありません。秘密基地だったら面白いですね。
 尚、掲載の地図は、gooでは埋め込みができないため、スクリーンショットを使用しています。実際の地図はgoogleマップでご覧ください。

最近、Google Earth にペグマン現わる。3D の街を散歩しよう。などと書かれています。ストリートビューも充実してきました。信州はまだ高速道路だけですが、上信越自動車道を走りながら松代城跡を見たり、妻女山や斎場山を見たりできます。息子は友達が写っていたと言っていました。顔はぼやかしてありますが、体系やヘアスタイル、服や鞄で分かったとか。知り合いが家の前で立ち話しているのなどは、「あっ、あのおばさんだ」とすぐに分かります。窓が開いていると家の中まで見えます。

 ストリートビューは、とんでもないものが写ってしまったとか、英国では住民が撮影の車を阻止したとかありました。日本でも、メインストリートに行かず、なぜか行き止まりの道に入って行ったり(カーナビついてないの?)とか、おかしなところもあります。もっと深刻なのは、日本でストリートビューを使って窃盗の下見をしていたなんていう物騒なものまでありました。東京などを見ると分かるのですが、車が通れるならかなり細い路地まで入っています。情報は少し古いとしても、洗濯物などで家族構成が分かってしまったりもします。心当たりのある人は、一度自宅や、子供が上京しているならそのアパートやマンションなどを見てみるといいでしょう。驚くようなことがあるかもしれません。

 最後に、粘菌(変形菌)も地図を描くという話です。
粘菌の輸送ネットワークから都市構造の設計理論を構築」って、山も川も無視しているから、地形は考慮されていないですけれどもね。でもすごい! 脳もないのに・・。
Tokyo rail network designed by Physarum plasmodium


 さて明朝、NASAが「宇宙生物学上の発見」について記者会見を開くと発表しています。巷では宇宙人発見かと大騒ぎ。さて・・・。

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