モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

毒キノコの饗宴:茶臼山(妻女山里山通信)

2009-07-30 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 キノコ狩りをしたいと思ったら、まず覚えなければいけないのが毒キノコ。その中でも致命的な猛毒のキノコは、必ず覚えなければいけません。その代表的な猛毒キノコが、ドクツルタケです。ドクツルタケ、シロタマゴテングタケ、タマゴテングタケ(アガリスクダケに近似)は「世界の三大猛毒菌」といわれるキノコですが、ドクツルタケは日本の山中で最も頻繁に目にする猛毒のキノコです。必ず覚えておきましょう。欧米では「死の天使」といわれるように、純白の傘とつばをもった姿は恐ろしくも薄暗い林下でひときわ目立ち、たいへん美しいものです。

 一本で充分の致死量ですが、今回は二本持ち帰りました。食べるためではなく殺虫剤として使うためです。危険なので詳細は記しませんが、その効き目は絶大です。ドクツルタケより小型で、柄にささくれがほとんどないのが、シロタマゴテングタケ。テングタケ科のキノコは、毒ないしは猛毒のものが多いので、同定できないときは採らないと決めておきましょう。タマゴタケは、美味しいキノコですが、タマゴタケモドキは猛毒。ベニテングタケのイボが雨で取れたものは、タマゴタケそっくりな時があります。柄の色を必ず確かめること。白かったらベニテングタケ。信州の一部ではこのキノコを毒抜きして食べる習慣がありますが、完全に無毒にはならないそうなので食べない方がいいでしょう。

 朱色の傘は、ドクベニタケだと思うのですが、この種は似ているキノコがたくさんあるので確実な同定は肉眼では難しいと思います。ベニタケ科のキノコは辛いものも多く食には不向きなものがたくさんあります。辛いといっても辛党好みの辛さとはちょっと違います。試しにかじってみたことがありますが、とても食べられたものではありません。チチタケ、アカモミタケ、アカハツ、ハツタケ、アイタケなど確実に同定できて美味しいものだけを採るようにしています。食菌のクロハツは、ニセクロハツによる中毒死亡事故が起きているので要注意です。

 最後は、コテングタケモドキ。ほとんど剥がれ落ちていますが、つばがあり、地中にあって見えませんがつぼがあります。試食して大丈夫だったという報告もありますが、成分分析では毒性ありということなので、毒キノコとしていいでしょう。中毒の多いきのこ

 中毒例の多いキノコは、ツキヨタケ(シイタケ、ヒラタケと間違う)、クサウラベニタケ(ホンシメジ、ウラベニホテイシメジと間違う)、カキシメジ、イッポンシメジ、ニガクリタケ、スギヒラタケでしょう。最低これぐらいは覚えておくべきですね。特にクサウラベニタケは、ベテランでも間違えることがあるキノコですから同定は特に慎重でなければなりません。絶対に自信がないという人は、キノコ狩りをしないことです。それにしても、ドクツルタケは美しい。

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。キノコ、夏の花、昆虫、樹木、蝶などを更新しました。トレッキング・フォトルポにない写真も掲載してあります。
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「黙然もあらむ 時も鳴かなむ 晩蝉の~」万葉集(妻女山里山通信)

2009-07-29 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 赤松林の森に足を踏み入れると、足元からゲッ!といって、いきなりセミが飛び出しました。それも一匹や二匹ではありません。歩くたびにあちこちから飛び出してきます。ヒグラシは、夜樹上で羽化して朝には飛び立っていくのですが、夜の雨ではねが乾ききっていないのかもしれません。或いは、激しい雨を樹上ではなく地上でやり過ごしたのかもしれません。いずれにしても、歩くたびに次々と地上からヒグラシが飛び立っていく様は不思議な光景でした。

ヒグラシは、俗にカナカナといいいますが、近くで聞くとカナカナというよりは、ケケケケケケッとかギギギギギッとか聞こえます。また遠くなるとシャンシャンシャンと鈴を鳴らすようにも聞こえます。セミは、発音筋を1秒間に何万回も動かして鳴くわけですが、腹腔のほとんどが空洞で、それだけ鳴くということがセミにとって重要だということが分かります。ちなみにセミが鳴くのはオスだけです。

 セミの中でもヒグラシは、漢字で書くと「蜩」「茅蜩」「秋蜩」「晩蝉」「日晩」「日暮」と色々あるように、その物悲しい鳴き声からか万葉の昔から日本人好みの昆虫でした。俳句では秋の季語ですが、実際はニイニイゼミなどと同じく梅雨から鳴き始めます。季節的には秋のセミではありません。しかし、カナカナカナと鳴く薄暮の森に佇んでいると、不意にとてつもない寂寥感に襲われるような気がします。

 万葉集には、セミを詠んだ句が10首、うちヒグラシを詠んだものが9首あります。このヒグラシが、現在の種としてのヒグラシかは諸説あるそうですが…。

「ひぐらしは時と鳴けども片恋に たわや女(め)我れは時わかず鳴く」[詠人不知]
(ひぐらしは決まった時間に鳴くけれど、片思いの恋に悩むか弱い私はいつも泣いてばかりです。)

「黙然(もだ)もあらむ時も鳴かなむ晩蝉(ひぐらし)の もの思(も)ふ時に鳴きつつともな」[詠人不知]
(何もない時に鳴いて欲しい。物思いに耽っているときに鳴かないで欲しい、ということですが、やかましいと言っているのか、物悲しい鳴き声は止めてくれと言っているのか。どちらでしょうね。)

 蝉時雨というのは夏の季語ですが、セミの大合唱を時雨の音に例える辺りの日本人の感性は、やはり素晴らしいものがあります。セミの鳴かない北方の人にとっては騒音にしか聞こえないそうですし、アマゾンのバイクのクラクションを鳴らしっぱなしにしたようなセミの声では、蝉時雨というより土砂降りのスコールですから、叙情的になる術もありません。

 赤松の森を下って広葉樹林を登り、杉林を下ると棚田に出ます。たくさんの昆虫たちの棲みかだった棚田のあぜの斜面が全て除草されていました。毎年のこととはいえ虫たちにとっては一大事、大騒動です。留まる花がなくなったツバメシジミがようやく見つけたシロツメクサの残花にしがみついていました。小さな溜池に続く小径のウツボグサに小さな虫を見つけました。ハサミムシの一種ですが、カメラが嫌いらしく何度追っても隠れてしまいます。

 薄暗い森のトンネルを抜けると、いつの間にか夏の太陽が出ていました。そこで発見したのが最後の写真。クズの茎にしがみついたフキバッタなんですが、なにか変ですね。そうです、既に絶命しているのです。おそらく菌類に冒されたのだろうと思います。バッタタケという冬草夏虫かもしれません。体内に寄生し、バッタをなるべく高いところへ誘(いざな)って瞬殺します。そして、やがてバッタの体外へ子実体(キノコ)を形成し、胞子を飛ばすのです。高いところへ誘うのは、できるだけ遠くへ胞子を飛ばすためです。

 バッタタケではありませんが、中華街へ行くと芋虫から生えたキノコを芋虫付きで乾燥させて束ねたものが売られています。大変高価です。古くから長寿滋養強壮の食材として宮廷料理に使われてきました。

 森を抜けて車に戻ると、生まれたばかりのカラスの赤ちゃんが梢の中から激しく餌をねだっていました。母カラスは、林道から見上げながらピョンピョン跳ねてかなり焦った様子。暫くして一目散に餌を探しに飛び去りました。ヒグラシが鳴き出したので帰路に就きました。

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トンボの背中は精密機械:茶臼山(妻女山里山通信)

2009-07-28 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 キノコ狩りの途中で見つけたアオイトトンボ。前回はなかなか留まってくれずワンカット撮影できたのみでしたが、今回は赤松の混合林の林下に3匹発見。以前から気になっていたトンボの翅(はね)の付け根のアップを撮りました。トンボの翅は4枚が複雑な動きをしてホバリングや少しなら横移動、後退もできます。筋肉が4枚の翅の基部につながっていて、それぞれを別々に動かせるからです。これを直接飛翔筋型昆虫といいます。

 蜂のように、筋肉が翅ではなく外骨格につながっていて、筋肉を交互に収縮させて、外骨格全体を変形させて飛ぶのを間接飛翔筋型昆虫といいます。外骨格の反動を使うので1秒間に1000回以上の羽ばたきができるのです。この間、樹液を吸うカナブンを撮影していたら、オオスズメバチが突然やって来て40センチ上空でホバリングしたのには参りました。慌ててしゃがんで、そのまま素早く6m後ずさり。難を逃れました。

 トンボの翅は、細いパイプ状の翅脈(しみゃく)と、透明な薄い膜でできていますが、全体重の2パーセントほどしかありません。細いパイプ状の翅脈も軽量化の要因です。背中のアップを見ると翅脈と筋肉をつなぐ球状の腱のようなものが前翅、後翅に見えます。まるで精密機械のようですが、こんなむき出しでゴミでもつまったら大変だと思うのは考えすぎでしょうか。
 
 トンボのメガネは水色メガネという歌がありますが、水色だけでなく赤、オレンジ、黄色、緑となんでもあります。いわばサングラスですね。トンボは複眼で、飛びながら小さな虫を捕獲して食べるため、動体視力が発達しています。映像はいつも魚眼レンズで見ているような感じですが、人間の可視光線だけを見ているわけではないので、実際の映像は我々は知ることができません。

 動体視力が発達しているのに捕虫網にかかってしまったりするのは、視力よりも運動能力に問題があるのかもしれません。トンボの飛行スピードはそんなに速くないですから。でも複眼て便利かなとも思います。360度近く見えるわけで、単眼の人間のようにピント合わせも露出補正も必要ありません。高速で飛びながらどこに何がいるか、全て分かるわけですから便利です。人間が複眼だったら、人間関係や文化芸術から街や機械の構造もずいぶんと変わったものになったでしょうね。見つめる、見つめられる、ということができません。私だけを見て!というのができないんですね。いつも全部見えているわけです。楽でいいですね。

 歩いているトンボというのを見た人はいないと思います。ほんの僅かの移動にもトンボは飛びます。近所ののコンビニにおにぎり買いに行くのにも車で行く誰かさんのように。トンボの脚は留まることと虫を捕まえることにしか使いません。トンボの交尾はハート形とかいいますが、オスがメスの首根っこを捕まえているんですね。メスは下からオスの胴を抱えます。本人達は、ハート形がどうのこうのとは無関係に必死で子孫を残そうとしているわけです。

 その昔トンボは不退転の勝ち虫と呼ばれ、武士の兜の前立によく使われました。他にも昆虫を使った兜は多く、蝶、百足(ムカデ)、スズメバチなどもあります。愛だけではないんですよ。以前松代の真田宝物館でトンボの前立のついた兜を見たことがあります。戦国時代の日本の人口は、800万人前後。今以上に自然も多く、昆虫もたくさんいたでしょうし、戦場では昆虫食も普通だったでしょう。どれが食べられる美味しい虫か、知っていたはずです。トンボは食べなかったでしょうが、蜂の子は強力な栄養源だったはずです。

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続々 夏キノコの饗宴(妻女山里山通信)

2009-07-27 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 雨が空から降れば、思い出は地面にしみこむとキノコが続々。雨の日はしょうがないなんて言わずに山に行くのでした。雨の山行は、実は嫌いではありません。雨の日でしか見られない風景があるからです。それに雨の日は野生動物も人が来ないと知っているせいか、結構気がゆるんでいたりします。

 昔、雨の日に息子と山の細い一本道で小尾根を回ったら、目の前に大きなヤマドリがいました。お互いそれはびっくりしたものです。小尾根を回ったら目の上に猪が五頭いたこともありました。大きなアオダイショウが、突然の登山者に、前に進むのではなく横に飛び跳ねて斜面を転げ落ちていったこともあります。蛇は、慌てると這うのではなく転げ落ちるというのを初めて見ました。

 夏休みなのに、戻り梅雨のためか、最近の子供は山の子でも外ではあまり遊ばないのか、まったく姿が見えません。こんなに豊かな自然に囲まれているというのに、もったいないことです。暗くなるまで帰ってこなかった僕たちの子供時代とは隔世の感があります。ガンダム世代が親の子供達ですからね。仕方がないのかも。

 今回の収穫は、なんといってもアカジコウの群落をみつけたことです。なんの気なしに林道脇の急斜面をよじ登り、藪を突っ切ってみると、大きなアカジコウがたくさん。ほとんどは虫が入っていてだめでしたが、小さなものはなんとかセーフ。アカジコウといえば、イグチ科のキノコの中でも美味しいと評判でありながら、アカヤマドリと同様に夏のキノコであるためと、虫が入りやすく食べ頃に出会うのが難しいため、以外と幻のキノコだったりします。40~50本はあったでしょうか。いいものだけを採りました。似ている毒キノコもあるので、同定は慎重に確実に。自信がなかったら絶対に食べないことです。

 そして、今回もアカヤマドリを見つけました。幼菌が4本と成菌が2本。さらに崖の際でアイタケを見つけました。写真のように白いハツタケに緑青(ろくしょう)色の鹿子模様がついた、なんだかお洒落なキノコです。食べられそうに見えませんが、なかなか美味しい出汁だ出ます。生活の柄も色褪せたときに、野生のキノコは少しだけ力をくれるのです。採りにさえ行けば、野生のキノコに値上げはないですからね。あんまり蒸し暑いので帰ってアイスクリームを食べました。サガミじゃないですよアカギのです。

 アイタケは、澄まし汁で卵とじに。アカヤマドリは定番のオムレツと醤油、酒、味醂で煮て瓶詰めにしましたが、カレーライスにもピッタリです。カレーライスの女も好きですが…。アカジコウは、スライス。少し醤油を垂らしてシンプルにバターソテーにしました。なかなかの一品です。

 MORI MORI KIDS Nature Photograph Galleryには載せますが、もうひとつ猛毒のドクツルタケも採取しました。もちろん食べるためではありません。害虫退治のためです。たった一本食べただけで遠い世界に行ってしまいます。掲載の写真。下の三点は毒、もしくは食べられないキノコです。野生のキノコ狩りをしたかったら、まず猛毒のキノコを確実に覚えることです。その後で美味しいキノコを。食べられるキノコと美味しいキノコは別です。無毒でも美味しくないキノコもたくさんあるのです。そして、キノコには向いている調理法というものがあります。それを知るのも大切なことです。

 それにしても、この梅雨の戻りでキノコの饗宴はいつまで続くのでしょう…。

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Rhapsody In Blue of Myxomycetes:粘菌ラプソディー(妻女山里山通信)

2009-07-26 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 粘菌のラプソディ・イン・ブルー(青い狂詩曲)。
 この時期に雨後湿度100パーセントの森に入るということは、ヤブ蚊に餌をやりに行くようなものなんですが、粘菌(変形菌)は、こんな日に大発生するのです。流れる汗を拭きながら、しつこくまとわりつくヒゲブトコバエ科のヒゲブトコバエ(別名は、クロメマトイ)をタオルで振り払いながら歩きます。この小さな虫は、その別名の通り常に目の前にまとわりつく極めて鬱陶しい虫です。

  コバエ類にはショウジョウバエ科、チョウバエ科、ニセケバエ科、クロバネキノコバエ科、ノミバエ科、ハヤトビバエ科など、日本だけでも数十種類いるので、本当にやっかいです。なんでも人の体液を求めてくるのだとか。メガネやゴーグルは必須です。虫除けネットも持っているのですが、視界が悪くなるので止まって両手がふさがる作業の時のみに使用します。

 ヤブ蚊は二酸化炭素に寄って来るので、息をしなければいいのですが、そうもいきません。ミントハッカ系の虫除けを手作りしてつけると結構効果があります。この季節は他にもアブ、ブヨ、スズメバチなど注意しなければいけない虫はたくさんいます。しかし、そんなものにめげていては夏の里山トレッキングや撮影はできません。今回も虫にたかられながらの撮影となりました。

 倒木の上にキノコを発見。撮影しようと近づくとキノコの上に何かが生えています。高さは2ミリもありません。よく見るとキノコの上から倒木上までびっしりと生えています。これは粘菌の子実体だろうと撮影準備にかかりました。撮影に入ったら虫は関係ありません。三脚代わりに鉈鎌の柄を横にしてカメラを固定。撮影後確認すると白、または象牙色の軸に、青く円い胞子嚢が乗っています。

 モジホコリの子実体の一種かなと思い、帰って調べるとシロジクモジホコリ(Physarum globuliferum)で、キノコはウラベニガサの老菌だと分かりました。いずれもシイタケのほだ木に大量発生することがあるということなので間違いないでしょう。変形体は、黄色または白色。

 それにしても、このキノコと粘菌の関係はどういうものなのでしょう。共生なのか寄生なのか。たまたまシロジクモジホコリが胞子をなるべく遠くへ飛ばせる高いところへ成長していったら、それがウラベニガサの傘の上だったということでしょうか。おそらくそうでしょう。希にキノコを食べる変形菌というのがあり、ナメコを食べるブドウフウセンホコリや、それ以外にもイタモジホコリもキノコを食べるということですが、このシロジクモジホコリについては、この写真だけではなんとも判定できません。

 それにしても、老菌の茶色と粘菌の青がいい色合いで馴染んでいます。この粘菌の自由奔放な成長と子実体形成を見て連想したのが、ジョージ・ガーシュインの『ラプソディ・イン・ブルー』でした。演奏のリンクはフリージャズの名手、山下洋輔と東京フィルハーモニー交響楽団です。粘菌てフリージャズっぽいかなと。

 もうひとつラプソディ・イン・ブルーといえば、ウディ・アレンの『マンハッタン』。アカデミー作品賞に輝いた『アニー・ホール』、イングマル・ベルイマンと小津安二郎を彷彿させるシリアスな『インテリア』に続いて、ダイアン・キートンとのコンビの最高傑作といえる作品です。ニューヨークをここまで叙情的にお洒落に感傷的に描いた作品はないでしょう。オープニング最後のサビとNEW YORKのスカイラインに打ち上がる花火のコラボレーションは、感涙ものであります。

 妻女山からニューヨーク、粘菌からラプソディ・イン・ブルートとワープのついでに、ひとつアイデアを。粘菌の原形質流動をプログラミングした「粘菌くん迷路脱出ゲーム」を作ったら受けるでしょうか。トラップは、粘菌を食べるベニボタル科の昆虫やテントウ虫の幼虫に、突然の雨粒や急激な直射日光による乾燥など。どこかアイデアを買ってくれないかな。でも秒速1ミリでは、夜が明けてしまいますね。

★ここに登場した粘菌は、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】の粘菌3にアップします。

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★妻女山の真実について、詳しくは、本当の妻女山について研究した私の特集ページ「妻女山の位置と名称について」をご覧ください。
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茶臼山の棚田は昆虫天国(妻女山里山通信)

2009-07-25 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 梅雨が明けたというのに不安定な天気が続きます。そんな晴れ間に茶臼山の棚田を覗いてみました。上杉謙信の妻女山と武田信玄の茶臼山は、奇しくも自然豊かな里山として、私のお気に入りのフィールドです。薄暗い針葉樹林を抜けると陽光眩しい棚田の縁に出ます。遠く棚田の向こうには白馬三山と神話の山虫倉山が見えます。
 
 青々とした稲が微風にそよぎ、蝉の鳴き声が谷に響きます。オニヤンマが空高く飛び、あぜ道を歩くと小さなカエル*が草むらから何匹も飛び出します。逃げ足が速くて撮影させてくれません。この谷からは現代的な構造物がいっさい見えず、モノクロ写真で撮影すると昭和30年代の風景といっても通るでしょう。絵日記つけてた夏休みの記憶が蘇るような心の原風景です。

 まず私の横をつがいで飛び去ったのはキイトトンボでした。これはそのままどこかへ飛び去り撮影できませんでした。ついで目に入ったのが細く青いトンボ。ターキッシュブルーが美しいアオイトトンボです。これがなかなか撮らせてくれません。レンズを向けるとすぐに飛び立ってしまいます。無理もないことです。レンズを10~3センチまで近づけなければならないわけですから。反っ歯胃の連続、辛抱の撮影が続きました。

 太陽は真夏のもので直射されるとジリジリと暑いのですが、うまい具合に雲が次々に通り過ぎては適度に太陽を遮ってくれます。やっと撮影させてくれたのはいいのですが、ピントがこちら側の眼にいきませんでした。残念。でもその美しいボディはちゃんと撮れていたので一安心。

 次に見つけたのはノアザミに吸蜜に訪れたマメヒラタアブ。8ミリあるかないかの小さなアブです。これも逃げはしませんがせわしなく動いてアングルが決まりません。それでもなんとか撮影。その間にも周りを飛び回るチョウたち。ヤマトシジミやコヒョウモンなどです。ヤマトシジミは、【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】の「ゼフィルスの饗宴」の3ページ目をご覧ください。

 別のノアザミでオオシロカネグモを撮影した後、棚田の縁にフキバッタを発見しました。フキバッタは、はねが退化したものがほとんどで、そのため地域等により様々に分化しているのが特徴。そのため生息地からある程度の種を絞ることができるというのですが、今回のものは緑色で頭部後に三角の黒い文様があるものと、茶色の個体と特徴があり分かりやすいのですが、なかなかいい資料がなく同定に手間取っています。

 緑の個体は、レンズを近づけすぎてピョンと棚田の水面にジャンプ。そのままバッタ泳ぎで進むと稲につかまりよじ登っていきました。茶色の方は、珍しい種でしょうか。色から最初バッタかと思いましたが、よく見るとはねが小さい。フキバッタの一種なのでしょう。同じ棚田で二種類のフキバッタが見られるとは幸運でした。同定はこれから慎重にしたいと思います。フキバッタといいますが、フキばかり食べているわけではなく、フジバカマやクズの葉も食べるようです。

 最後は、その田んぼにいた前回も紹介したマツモムシです。前回よりいいカットが撮れたので載せました。背泳ぎで青空を見ながら(実際は上から落ちてくる小さな昆虫を狙っているのですが…)なんだかゆったりと泳ぐ姿が好きなんです。見ていて飽きません。空も飛ぶのですが、さすがに空は逆さではなく反転してから飛び立ちます。

*蛙はすべて毒を持っています。アマガエルや小さな蛙でも手にのせた後は、必ず手を洗うこと。そのまま目をこすると腫れます。ヒキガエル等は決して素手で掴まないこと。アマゾン水系にはピパピパという和名コモリアオガエルがいます。スポンジ状になったメスの背中にオスが卵を埋め込み、子供は小さな蛙になってメスの背中の幕を破って生まれてきます。その思わず背中がむずがゆくなる衝撃的な映像は、ぜひYoutubeで

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。キノコ、夏の花、昆虫、樹木、蝶などを更新しました。トレッキング・フォトルポにない写真も掲載してあります。

★妻女山には、夏休みの観光客と昆虫採集の子供達が来ています。スズメバチに注意してください。黒髪、黒い服は危険です。威嚇されたら姿勢を低くしてその場を立ち去ること。絶対に手などで振り払ってはいけません。妻女山の真実について、詳しくは、本当の妻女山について研究した私の特集ページ「妻女山の位置と名称について」をご覧ください。
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アカヤマドリのプロヴァンス風オムレツ:新信州郷土料理(妻女山里山通信)

2009-07-24 | 男の料理・グルメ
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 信州の里山は、梅雨の長雨でキノコが続々。前回紹介したアカヤマドリは、見てくれこそ脳味噌みたいで食欲が湧きませんが、そのコクのある味は絶品です。オコゼなど顔の悪い魚は旨いというのと共通するものがあるのかどうかは定かではありませんが、市販の栽培キノコでは絶対に得られない濃厚かつ複雑な旨味があります。夏のキノコなので、その時期に専門に採る人もなく、地方の直売所や道の駅などに並ぶこともほとんどないため、知らない人が多いかもしれません。

 アカヤマドリは、開くと傘の直径が25センチにもなるかなり大型のキノコです。イグチ科なので調理するとぬめりが出ます。油や卵との相性がいいので洋風料理や煮込み料理にも合います。バターソテーやベーコン炒め、パスタやグラタン、シチューやカレーに。今回は、エルブ・ド・プロヴァンス(ミックスハーブ)を使ってオムレツにしました。スペイン風オムレツのように、たっぷりの量でしっかり焼いても美味です。

 新信州郷土料理として、MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)の西洋料理の野菜・卵・山菜・茸にレシピを載せました。この料理は、ヤマドリタケモドキ(セップ)やポルチーニでも美味しくできます。日本のキノコでは、タマゴタケが向いています。ハナイグチもいいのですが、少しぬめりが出過ぎるかもしれません。いずれかが手に入ったらぜひ作ってみてください。

 ★MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)には、他にも天然キノコを使った料理があります。山菜・キノコ料理、内臓料理、ブラジル料理、エスニック、中華の込み入った料理などの「男の料理レシピ集」です。特に本格的なアンチョビーの作り方を載せているのは、当サイトだけだと思います。手作りオイルサーディン、手作りベーコンもお薦めです。山菜料理も豊富です。アマゾン料理も!
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続 夏キノコの饗宴:茶臼山(妻女山里山通信)

2009-07-23 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 三連休のある日、これだけ雨が続けばキノコも出るだろうと俯いて山道を歩きました。第四次川中島合戦の時に、武田信玄が猿ケ馬場峠を越えて最初に陣を構えたのが有旅茶臼山といわれています。これは江戸時代の物語ですが、その事を裏付けるかのように崩れて今はない山頂付近には、信玄布陣の石碑と旗塚と称するものが9基並んでいます。実際は古墳時代の塚で、このことからも江戸時代の人が想像力を働かせて物語を創作したことがうかがえます。

 駐車場から旗塚に向かって緩い山道を登っていくと、工事のトラックが道を塞いでいて通り抜けできません。仕方なく左手の尾根へとよじ登りました。反対側は山布施に落ちる急峻な崖です。尾根を進むと足元にはキノコがたくさん出ています。ほとんど食べられないキノコか毒キノコでしたが、中にはオニイグチモドキもありました。更に登っていくとテングタケの老菌を発見。毒キノコですが、いい被写体なので撮影。そしてすぐ上の赤松の根元に大きな赤茶色のキノコを発見。すぐにアカヤマドリと分かりました。

 大小ふたつを採取。しかし、大きな方はかなり虫が入っていそうです。それでもその部分を取れば大丈夫かとふたつ持って歩くと工事の仮設小屋があって作業員が休憩中でした。そのなかのひとりがキノコに気付いて大きなキノコだね、といいました。アカヤマドリですと応えると、美味しいキノコだよねと。知っているようです。なんでも携帯電話のアンテナを設置しているのだとか。

 更に登って山頂近くに行くとまん丸い幼菌がふたつ並んでいました。これは虫もついておらず食べ頃です。採取して赤松林を下ると斜面一面が大きなキノコであふれています。数十本、いや百本以上あるかもしれません。それも尋常な大きさではなく、開いたものは傘の直径が20~30センチぐらいあります。銅鑼焼きのようなスポンジ状の傘は裏面が灰桃色でなんだか美味しそう。しかし、これはニガイグチモドキといって強烈に苦いキノコなのです。とても食べられたものではありません。昔、何種類かのキノコを煮た時に間違えてニガイグチが入っていて全てが苦くなってしまい捨てたことがありますが、生でちょっと舐めてもその強烈な苦さは分かります。

 それでも注意深く見ていくと、ヤマドリタケモドキがありました。フランスではセップといってお馴染みの高級キノコです。これは美味しいので採取。重量感のあるアカヤマドリのために袋はけっこう重くなりました。

 アカヤマドリですが、和風もいいのですが、洋風料理にも向いていると思います。特にバターやベーコン、卵との相性がよく、バターソテーやオムレツは定番料理です。シチューやカレーにも合います。ベーコンや生ハムと合わせてパスタも絶品です。コンソメにするとタマゴタケと同じくスープが黄金色になります。

 大きくなると25センチ以上になりますが虫が入りやすいので、食べ頃は直径10センチぐらいまでの傘が開く前の幼菌です。図鑑によっては傘が脳味噌状のヒダで覆われなんて書いてあるので、見た目で敬遠されるひとも少なくないかもしれませんが、実に美味しいキノコなんです。

★ここに登場したキノコは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】のキノコ6にアップしてあります。

★また、フォトドキュメントの手法で綴るトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】には、茶臼山トレッキングのルポがあります。
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皆既日食狂想曲と古事記の天岩戸伝説(妻女山里山通信)

2009-07-22 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 天岩戸に隠れた天照皇大神(アマテラスオオミカミ)もびっくりの皆既日食狂想曲も終わりました。ツアー会社が企画して大賑わいの悪石島は暴風雨で観測どころではなかったとか。天宇受賣命(アメノウズメノミコト)が踊らなかったせいでしょうか。北信濃では、夜半の雨から曇り空で、これは部分日食も見られないなと半ば諦めていました。

 ところが、高曇りの空から時々陽も差し始めなんだか見られそうな気がしてきました。といってもなにも見る準備をしていないので、どうすることもできません。そうこうするうちに日食が始まる時間になりました。しばらくすると、低空に黒いレースのような雲が、次々に流れ始めました。

 高曇りの雲だと太陽はぼやけてしまって日食は見られませんが、低い雲だとフィルターの役目をするのではないかと思いカメラを出して待ちました。そして午前10時55分。部分日食がかなり進んだところで調度具合のいい黒雲が通りました。肉眼でも太陽が欠けているはっきりと確認できます。早速撮影。すぐに雲ははずれて眩しい太陽が顔を出しました。確認すると掲載写真のようにフィルターもつけずにちゃんと写っていました。わずか20分ほどのツアー料金もなしの部分日食撮影会でした。

 古事記の天岩戸伝説は、日本各地にありますが、宮崎県高千穂町に天岩戸神社(本殿は聖域天岩屋戸で岩戸がある)と天岩屋に隠れられた天照大神を巖から出てもらうため、神々が集まって相談したといわれる天安河原があり、最も有名です。戸は手力男の命が投げ飛ばし、遠く信濃の戸隠に落ちたといわれています。というと戸は二枚あったのでしょうか。両開きか?

 尚、北信濃には宮崎とは別に天岩戸伝説があり、川中島合戦で上杉方の東条氏が最後まで守り、武田方の真田幸隆に攻略された尼厳山の中腹に天岩戸洞窟があり、山登りのついでに見学できます。乱暴狼藉をはたらき天照皇大神(卑弥呼説もある)を隠れさせた建速須佐之男命(スサノオノミコト)は、旧来の狩猟採集を標榜する武闘派の部族で、最後はこれを追放し復活した天照皇大神は、大陸からの進んだ循環型農耕文化を確立したと解釈するひともいるようです。タイムマシンが欲しいところです。

 それよりも、太陽が約100年ぶりの活動の極小期に入っているという太陽の黒点異常減少が気になります。また、NPO大気イオン地震を予測研究会の、この夏から秋にかけての南関東大地震の注意報も大変気になるところ。科学が進んだといわれる現代においてさえ、まだまだ分からないことの方が多いこの世界です。
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粘菌の饗宴:茶臼山(妻女山里山通信)

2009-07-21 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 梅雨は本当に明けたのでしょうか。三連休のジメジメしたある日、第四次川中島合戦で上杉謙信の重臣、直江山城守が陣取ったといわれる妻女山(戦国時代は赤坂山。本陣は斎場山)の草刈りの後、午後遅く武田信玄が最初に布陣したと江戸時代の物語にある有旅茶臼山から茶臼山に登ってみました。中腹のレッサーパンダで有名になった茶臼山動物園と恐竜公園は、小さな子供達を連れた家族で賑わっていましたが、自然公園の一番上は人っ子一人いません。

 ひとまず展望台に直行。眼下に全く人影も動く車も見えない山布施の集落が点在します。中腹に雲が水平にかかった北アルプスのパノラマを眺めながらの昼食。随分と雪が溶けて沢筋にしか見えません。GWごろはかなり白かったのに、太陽の力はすごいねと改めて思います。それでも南の鹿島槍ヶ岳よりは白馬岳の方が雪が多く、僅かな緯度の差ですが、違うものだと分かります。

 赤とんぼに混じって、大きな黒い蜻蛉が悠々と舞っています。日本最大の蜻蛉オニヤンマでしょう。近場に留まってくれないかなと昼食をとりながら見守っていましたが、体力もあるんですね。どこにも留まらずに飛び回っていました。30mぐらい離れてもハッキリと認識できますから相当に大きい。ガ、ハエ、アブ、ハチなどを食べる肉食性の昆虫ですが、逆に自分より小さいオオスズメバチやキイロスズメバチなどに捕食されることもあるようです。

 食後、茶臼山山頂へ。尾根道から山頂までは160m。杉林を緩く登ります。山頂は、古い時代に山城だったらしく北面に東西に長い掘切があります。南面は崖状で、地滑りのため昔の形は崩れていると思います。見晴らしがないのが残念ですが、木を切るのではなく神奈川の仏果山のように鉄塔の展望台を作るといいのになと思ったりします。最近トレッキングコースが整備されたのですが、そんなわけか訪れる人もまばらです。

 その山頂の椅子代わりの倒木に変形菌(粘菌)が発生していました。色が黄色いのでよく目立ちます。まだ変形し始めたところで、左右は6センチぐらい。原形質流動を起こして盛んに成長しているところです。原形質流動は秒速1ミリ以上で、これは極めて速いということです。この写真では、南から北東方向に成長していました。反対側が倒木の端になってしまうことと関係があるのかもしれません。

 原形質流動は、一進一退を繰り返し、波打つように成長します。三歩進んで二歩下がるような感じです。それが迷路を抜けられる秘密なのでしょう。所々に株のように盛り上がった節がありますが、子実体になったとき、なるべく高い位置にあるとそれだけ胞子を遠くへ飛ばせるからといわれています。子実体形成は夕方から始まり深夜に終了。明け方の太陽を待って乾燥させ、胞子を飛ばします。この黄色い粘菌は、モジホコリ科のススホコリ属キフシススホコリかなと思います。

 この粘菌には虫がいました。コマユバチの一種かと思われるものと、ハムシの一種と思われる小さな甲虫です。粘菌は小さな虫の餌になることもあるらしく、コマメホコリの未熟をテントウムシの幼虫が正に食べているのを撮影したことがあります。ベニホタルの仲間も粘菌ではよく見かけます。餌として食べている虫の研究はあまり進んでいないようですが、食餌のムービーや、糞の解析などでいずれは判明するでしょう。粘菌がどれほど栄養価があるかは知りませんが、場合によっては人類を救う食材になるかもしれません。

 そんな変形菌の餌はというと、植物の遺骸を腐らせるカビとかバクテリア、微小藻類や原生動物など。細胞膜がむき出しの状態で、どこでも口になり胃になって消化します。
 最後はよく目にするツノホコリです。外生胞子をつけます。未熟のうちは透明でとてもきれいな変形菌です。撮影の後に山頂を後にしましたが、途中キノコがたくさん出ていてまるで秋の山のようでした。

★ここに登場した変形菌は、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】の変形菌にアップします。ここに掲載した以外の変形菌の写真や昆虫が変形菌を食べていると思われる写真もあります。
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キノコの饗宴(妻女山通信)

2009-07-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 昔、「春なのにコスモスみたい」という化粧品会社のコピーがありましたが、「梅雨なのにキノコみたい」な北信濃です。年間降水量が瀬戸内と同様に日本最少の当地にしては珍しい梅雨の長雨で、初秋のキノコが9月と間違えて続々と出てきました。もっとも、梅雨は気温と降雨が秋の長雨と似ているため、同じような条件が揃うと出てくるキノコはあるのです。以前紹介した幻の天然ハナビラタケや春から秋まで出ることがあるヒラタケシイタケなどもそんなキノコです。ハタケシメジも出ました。

 今回大発生したのは、チチアワタケライラックフウセンタケ。おまけにソウメンタケの仲間のキノコ。チチアワタケは、イグチ科で傘にぬめりがあります。乳粟茸と書くように、粟色、つまり黄白色の乳液を傘の裏から分泌します。雨が降った後などは、写真のようにやや透明の液になります。食菌ですが、消化が悪く人によっては酷い下痢をするひともいるというキノコです。大丈夫な人もたくさん食べると当たります。一番消化の悪い傘を剥いて食べるようにと書いてある本もありますが、そんなことをするぐらいなら食べない方がいいですね。

 チチアワタケは、季節柄非常に虫が入りやすく、大きなものや老菌は採れません。今回も幼菌を中心に採りましたが、濃い塩水に浸けると2ミリもない黄白色のキノコ虫の小さな蛆(ウジ)がたくさん浮かんできました。もっとも天然のキノコはウジも、タンパク質だといって一緒に食べるというつもりでないと食べられるものではありません。完全に除去するのは無理です。
 調理法は、湯がいておろし和えか煮込み料理に合います。ナメコと同じように扱えばいいわけです。

 ライラックフウセンタケは、初めムレオオフウセンタケと思ったのですが、山が石灰岩質ではないし、小さすぎます。傘がライラック色のフウセンタケということで新称です。ライラック色といいますが、実際はそれほどパステル調の可憐な色ではなく小豆色の方が近いような気がします。滑りのあるキノコですが、写真のキノコは雨後の強風でぬめりが取れています。赤松と広葉樹の混合林に出ました。非常に美味しいキノコだそうです。今回は幼菌と老菌のみだったので採取しませんでした。ジコボウ(ハナイグチ)の季節に再び出るので楽しみにしておきましょう。

★ここに登場したキノコは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】のキノコ6にアップしてあります。

★妻女山の真実について、詳しくは、本当の妻女山について研究した私の特集ページ「妻女山の位置と名称について」をご覧ください。
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座頭虫ウゴウゴ(妻女山通信)

2009-07-17 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 無風に近い湿った森を歩くと、目の前のハリギリの細い幹に、豆粒の体に異常に長い脚をもった極小のクモのような生物がいます。ザトウムシ(座頭虫)です。この季節から秋にかけて盛んに目にする不思議な生き物です。たいていは数ミリの豆形の体に、その何倍何十倍もある長い脚を8本(何本か欠損している場合があります)ゆらゆらさせて木を登ったり、山道の前をヒョコヒョコと音もなく横切ったりします。

 ザトウムシは、節足動物門鋏角亜門クモ綱ザトウムシ目(Opiliones)に属する動物です。クモ綱といいますが、クモよりはダニに近い動物とされます。基本は肉食ですが、雑食性で、昆虫や昆虫の死骸や糞、腐った果実、なかにはキノコを食べるものもいるそうです。アブラムシも大好物のようです。そんなわけで森の掃除屋ともいわれます。

 脚が欠損している場合も多いと書きましたが、敵に襲われたときなどに自切することもあるようです。目は小さく明暗ぐらいしか識別できないようで、二番目の前脚で探るようにして進むことから座頭虫と命名されたようです。近づくと逃げますが、樹上にいる場合などは追いつめられると自ら身を投げます。もっとも、長い脚のおかげか落ちても、すぐにまた何事もなかったかのようにユラユラと歩き出しますが。

 そんな ザトウムシの顔のアップをご覧ください。なかなかダンディな面構えをしています。なかにはヒラスベザトウムシのようにオレンジ色に黒い長い脚のザトウムシもいて、薄暗い森の中では小さくてもかなり目立つ存在です。

 このザトウムシは、背中に角があります。これにダニが掴まって乗っているのを見たことがありますが、そのためのものではないような気がします。ジッと観察すると、こんな細く長い脚がよく器用に動かせるものだと驚かされます。メカニカルで、まるで小さな月面探査機のようです。

 粘菌と同じく見ようとしなければ見えないものですが、その気になると公園や雑木林でもたくさんいることに気がつくでしょう。基本的に落ち葉の下がすみかですが、木登りするものや脚の短いものもいます。でもクモのように体がくびれていません。また、糸をはきません。直接交尾をします。前記したように、背中にもっと小さなダニを乗せているのを(勝手に乗っているのかも)見ることもあります。人間には直接的に益も害もないので注目されることもない生物ですが、森林の生態系の中では、重要な位置にいるのです。そもそも無駄な生物というのはいないのですが…。

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。キノコ、夏の花、昆虫、樹木、蝶などを更新しました。トレッキング・フォトルポにない写真も掲載してあります。
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「IQ84の人生」村上春樹さんとジョージ・オーウェルと(妻女山里山通信)

2009-07-15 | シネマ・テレビ
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 村上春樹さんの最新作『1Q84』ではありません。IQ(アイキュー)84です。まあ普通の頭脳か、ちょっと劣る程度。IQというのは絶対的な数値でもなければ知能を測る唯一の方法でもありません。生活年齢と精神年齢の比を基準とした知能指数測定と、同年齢の中での偏差値知能指数がありますが、通常は前者をいいます。

 子供の頃すごく精神年齢が高くて大人になっても子供みたいな人(アダルトチルドレンのことではない)は、年をとるに連れてIQが下がるわけです。知能に生得的、遺伝的基盤があることには疑いがないわけですが、生活環境や、その変化によっても変わるわけですから、鳶が鷹を生むこともあれば、その反対もあるわけです。ただこの数値には、もっている鋭い感性は測定不能で含まれません。

 『1Q84』ですが、ジョージ・オーウェルの『1984』をどこかで意識した作品と各所でいわれています。終戦後の1948年に書かれたという『1984』は、第二次大戦後に台頭したソ連などの全体主義国家への風刺的な作品として描かれた近未来小説です。私は、この作品を1984年の冬、南米のブラジル、ボリビアへの放浪の旅の途中に読みました。街中に監視カメラが設置され、行動が24時間政府の手によって見張られるという近未来都市の描写はかなり衝撃的なものでした。同時に呼んだ大人の寓話『動物農場』も、極めて近未来的暗示的な作品でした。

 しかし、現在を見てみれば大都市には街中に監視カメラが設置されています。違うのは全体主義国家ではないということ。それでも、全てがある強固なシステムの中にはめられているのは確かです。商業主義的なマーケティングの手法が行き渡り、予定調和的な流行が街並みにも商品にも溢れかえっています。そこには自発的なムーブメントのようなものさえ計算されて存るわけです。形而下では、全体主義国家の無機質な景観と対局にありながら、その根元的な本質においては、相似率が限りなく高まってしまうという皮肉。

 1984年は、アップルのマックが生まれた年。軽薄短小でバブル景気前夜。ポストモダンが台頭し、近代主義を支えた大きな物語の終焉と新たな様式を提唱したのですが、なんだか突拍子もない、目の利かない骨董親父をだますような作品ばかりが街に溢れかえったのは皮肉なことでした。と、現在を見るとネット文化の普及で情報はかつてないほどグローバル化して、近代と現代の境界線を明確にしてしまいました。ポストモダン自体が現代からはじきだされるという、これも皮肉な現象も起き、バーチャル世界に翻弄されているのは、もはやネットおたくだけではありません。

 IQ84の人生ですが、『木を植えた男』という1982年にアカデミー賞短編映画賞を受賞したムービーがありますが、さしずめ『木を切る男』というところでしょうか。どちらも森の再生の話です。森の再生は、人の再生なのです。しかし、切って森を再生するという行為は、原罪を背負いながら生きるような側面があります。『MY LIFE AS A DOG』というスウェーデン映画がありましたが、何の因果か人工衛星に乗せられてしまったライカ犬のような人生にも、爪の垢ほどの希望はあるということでしょうか。確かあの、世界で最も有名になった(本人はその事実を知りませんが)犬は宇宙の塵と消えたのではなかったでしょうか。

 『1Q84』は、明快なエンディングではないそうですが、最近映像を見て老けたなと感じたのは、共通性は全くありませんが、村上春樹さんと金正日でした。あっ、ジョージ・オーウェルの『1984』でつながるかな…。それでも地球は回る。でもいつかは止まる。『2010年宇宙の旅』、結末を覚えていますか。まずは2012年、何が起きるか楽しみにしましょう。なんだか飽きちゃった。そういってアキラが宇宙のスイッチを消さないといいのですが…。

■『国分寺・国立70Sグラフィティ』村上春樹さんの国分寺「ピーター・キャット」の想い出。彼のカタルーニャ・スピーチは必見。
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ニラの包みおやき

2009-07-14 | 男の料理・グルメ
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 横浜中華街ではニラ饅頭といって売られているものに近い一品です。皮は中力粉で、信州の日穀製粉のホームランという中力粉を使っています。おやき30個分で、具は8割がニラです。市販されている広葉タイプのものではなく、葉の細いニラの香りと味が濃い昔からある野草に近いタイプのニラです。これを市販のものだと8~10束分ぐらい使います。

 あとは、信州丸茄子1個、ズッキーニ同量、玉葱1/2個、ピーマン2個、淡竹1本分、切り干し大根(地大根の自家製天日干し)ひとつかみ。これらは全て粗みじん切り。鶏ひき肉150g
 調味料は、信州麹味噌、出汁粉、牡蠣ソース、ニンニクしょう油、中華出汁(鶏ガラ)、塩コショウ、サラダ油。味噌が多めで、あとは大さじ1とか小さじ1とか適当に。サラダ油も多めです。

 まず、粉を耳たぶぐらいの柔らかさにこねて、ねかせます。その間に具の材料をよく混ぜて馴染ませます。蒸し器の用意と油をしいたフライパンの用意をします。皮を手にとって具を包んでいきます。熱したフライパンで薄く油を敷き両面に焦げ目をつけたら蒸し器に入れる作業を繰り返します。蒸し器に全て入ったら20分蒸らすとできあがりです。

 辛いのが好きな人は、豆板醤や唐辛子を入れても美味。私は、激辛酸味のあるハラペーニョソースをつけて食べるのも好きです。夏はこれとビールが合います。具はプリプリの海老を入れて海鮮風も美味。キムチを入れてもいいです。これに畑でとれたてのキュウリの酒粕もみをつけると、粗食ディナーのできあがりです。

★新信州郷土料理は、MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)をご覧ください。山菜・キノコ料理、内臓料理、ブラジル料理、エスニック、中華の込み入った料理などの「男の料理レシピ集」です。特に本格的なアンチョビーの作り方を載せているのは、当サイトだけだと思います。手作りオイルサーディン、手作りベーコンもお薦めです。山菜料理も豊富です。アマゾン料理も!
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怪しく美しい粘菌の世界(妻女山通信)

2009-07-13 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 信州の旧埴科郡は、日本の中でも最も雨量の少ない地域のひとつです。そんなわけで粘菌(変形菌)は、あまり見かけませんでした。ところが、今年の当地としては異常なほどの雨模様に、ついに今まで隠れていた粘菌が目を覚ましたというわけです。

 妻女山のわが家の森にある松食い虫の駆除のためにずっと前に切り倒されて積まれた赤松の丸太があるのですが、その切り株に粘菌が発生しました。昨秋にもっと深山でコマメホコリを見て以来です。早速撮影しました。といってもモデルは、大きさが数ミリの世界。あいにくの雨模様で、蜂やアブ、ヤブ蚊に刺されながらの苦難の撮影となりました。

 蜂は、その前の除草作業中に刺されたのですが、ムモンホソアシナガバチ。巣を作る位置が比較的低く、草刈りの際によく刺される蜂です。肩を刺されました。痛いのですが、すぐに毒抜きをして腫れずにすみました。アブやヤブ蚊は気にしてたら仕事になりません。

 三脚がないと手ぶれしますが、持ち合わせていなかったので、朽ち木で代用。とにかく固定できればいいのです。アルミシートと割り箸で作った小さなレフ板もなかったので、雨模様の暗い自然光のみでのマクロ撮影。結構厳しい条件でしたが、そこそこのカットが撮れました。

 一番上は、ツノホコリ。半透明の枝分かれした房状の子実体が美しい粘菌です。房の長さは3~4mm。まだ変形中でさらに長く成長します。二番目は、ツノホコリの変種エダナシツノホコリです。このような特定の形になった物を、子実体といい胞子を飛ばすわけです。これもまだ変形途中で、さらに長く成長するはずです。写真の長さは2mmもないでしょう。触るとつぶれてネチョーっとなります。

 三番目と四番目は、サンゴのようなピンク色が美しいクダホコリの未熟。三番目で幅が6mmほど。四番目の上のもので3~4mm。私のフォトギャラリー、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】の変形菌(粘菌)のページには、粘菌を食べる小さな甲虫や、テントウ虫の幼虫の写真がありますが、変形体の未熟なものは、小動物の餌にもなります。こんな動物でも植物でもない生物は不要では、と思うかもしれませんが、微生物を食べる森の掃除屋さんの一面もあるのです。

 70年代のアメリカのある街では、粘菌が町の至る所で大発生しました。得体の知れないネバネバした生物で、しかもゆっくりとだが成長し、動いていると大騒ぎになったそうです。宇宙からの新略説まで出たが、研究者によって粘菌と判明して一件落着となったとか。

 ちなみに2008年のノーベル賞のパロディ、イグ・ノーベル賞は、中垣俊之・北大准教授らの「迷路を解く粘菌」でした。授賞式は、大爆笑の連続だったとか。

■変形菌(粘菌)とは、アメーバのように餌を求め動き回り、キノコのように子実体になり胞子で子孫を残す単細胞生物である。ネバネバしているので粘菌とも呼ばれる。湿気の多いところにある朽ちた倒木や落ち葉が住みか。世界に分布する。バクテリアやカビを食べる。南方熊楠が研究したことで知られる。詳細は「南方熊楠記念館」のサイトで。また、変形菌については、「国立科学博物館・変形菌の世界」のサイトで。

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。キノコ、夏の花、昆虫、樹木、蝶などを更新しました。トレッキング・フォトルポにない写真も掲載してあります。
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