モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

髻山のセリバオウレンは残花でした。老いの美。妻女山の貝母はすくすく(妻女山里山通信)

2021-03-27 | アウトドア・ネイチャーフォト
 髻山のセリバオウレンの幻の群生地へ行きました。幻というのは、登山道からも遠い藪山の中にあるからです。昨年の満開が今頃だったので訪れたのですが、既に残花でした。見頃は一週間前でしたね。今春は昨年より一週間早いです。陣場平の貝母の生育も昨年より早い。杏も咲き出しました。信州の春は短いのです。超特急で通り過ぎて行きます。

 セリバオウレンのこれは雄花です。セリバオウレンは、キンポウゲ科オウレン属の多年草。葉はすべて根生し、2回3出複葉。雄花と両性花があります。これは雄花。花びらのように見えるのは5枚の萼片で,その内側の淡い黄色の9枚が花弁なのですが、遠目に肉眼で見るとほぼ純白です。中央の赤紫のものは、退化した雌しべ。

 残花の証。風雨でとっちらかっていますね。

 両性花でしょう。内側に順に雄しべ,雌しべ。

 日当たりのいいところの両性花は、アントシアニンが少なく、緑がかっています。

 両性花。年によって雄花が多い年と、両性花が多い年があります。理由は分かりません。人知れず咲くセリバオウレン。地元の人も知らない群生地。セリバオウレンは薬草で消炎、止血、精神不安などの薬です。健胃(けんい)、健胃、整腸薬として消化不良や下痢止めにも用います。有効成分は、アルカロイド(ベルベリン)、パルマチン、コプチシンなどです。

 雄花。透明感のある萼や花弁が魅力的。内側の淡い黄色の花弁が分かると思います。芹葉黄連という名前の由来は、古代には、カクマグサ、ヤマクサと呼んでいたそうですが、中国名の黄連と、カクマグサ、ヤマクサと同じ植物と間違って、黄連の名をあてたといいます。「本草和名」や「和名妙」に記述があります。また、江戸時代の貝原益軒は「大和本草(1708)」で、「日本の黄連性よし。故に中華、朝鮮にも日本より多く渡る。中華の書に日本産黄連を良とす」と記しています。

 山蕗を採取。髻山の山蕗は大きくて味も濃いのです。今回は旬のアサリとボンゴレビアンコ風にします。右はタネツケバナの群生地。

 色々用事を済ませた後に妻女山陣場平の貝母の群生地へ。一週間で随分と成長しました。昨年の満開は、4月15日でしたが、今年はもっと早くなりそうです。17日に妻女山里山デザイン・プロジェクトの作業をする予定ですが、悪天候がなければ充分見頃だと思います。満開時はできるだけ現地でみなさんの案内をしたいと思います。貝母は奈良時代に中国からもたらされたといい、万葉集にもそれではないかという一首があります。昔は全国に薬草畑があった様ですが、現在これだけの群生地はここしかありません。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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久保田早紀 異邦人

2021-03-26 | BABYMETAL・LOVEBITES・ジャズ・宮本佳林・クラシック
 70年代国立(くにたち)駅を利用していたひとで彼女知らない人はいないでしょう。
 誰もがハッとする美少女でした。そして現在、介護施設をまわって歌う素敵な女性になっています。
 私は、29-30歳の時に、退社しブラジルとボリビア、地域でいうとアマゾンなどを200日放浪しました。その経験をブログにアップできたのは10年後です。旅の重さを消化するのには、それだけの時間が必要だったのです。左のサイドバーのブックマークのAMAZON.JP(アマゾンひとり旅)で、そのフォトエッセイがご覧いただけます。←このタイトルをクリックでも開きます。


 この「異邦人」の歌詞は筆舌に尽くしがたいほど秀逸です、あの若さでなんでこの様な歌詞が書けたのか。実体験なのか想像力なのか。いずれにせよ彼女の創造力には感服します。
 現在の彼女も熱烈に応援します。

久保田早紀 異邦人


 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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妻女山陣馬平の貝母はつぼみです。セリバオウレンとダンコウバイが咲きました(妻女山里山通信)

2021-03-22 | アウトドア・ネイチャーフォト
 妻女山奥の陣馬平の貝母(編笠百合)の生育状況を見に行きました。3月22日現在、蕾が膨らみ始めていました。

 けっこう膨らんでいますね。初めは満開は、4月15日頃と予想していましたが、もう少し早いかもしれませんね。千曲市森のあんずも、開花が26日頃。満開は、4月2日と早めの予想が出ています。

 昨日の雨で生き生きとしています。4月の茶花で薬草ですが、かなり強い毒草です。

 全体はこんな感じです。この左にも群生地があります。昨年、妻女山里山デザイン・プロジェクトのメンバーで植え付けた球根も発芽しています。日本で山中の群生地はここだけです。貝母の開花状況は、当ブログでアップして行きます。

 陣馬平の片隅にひっそりと咲くセリバオウレン。清楚で可憐な花ですが、あまりに小さいので見つけられないかも知れません。

 これも薬草です。これは雄花です。

(左)陣場平へは、妻女山駐車場から右の林道を登り、長坂峠の三叉路を左へ300mほど登ると、この看板があります。(右)林道から看板の向こうに続く小道を50mほど進むと、貝母の群生地に出ます。

 妻女山山系では、あちこちでダンコウバイが咲いています。妻女山の春を告げる花です。

 帰りに妻女山展望台から望む戸隠連峰。千曲川の堤防には、オオイヌノフグリやホトケノザ、ヒメオドリコソウなどが咲いています。

 右に戸隠富士と呼ばれる高妻山。左奥に乙妻山。手前に戸隠山。

 東を見ると、左に根子岳。右に四阿山(あずまやさん)。両山とも拙書に載せています。

最近作った春の味覚二品です。左は牡蠣と菜花とブロッコリーのアンチョビーパスタ。右は市販のオイル漬けステーキに山蕗と菜花のオリーブオイル炒め。山蕗の苦味と菜花の甘味が絶妙のマッチング。味付けは岩塩のみ。仕上げにピリッとする本物のエクストラヴァージンオリーブオイルをかけています。

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「信州の鎌倉」といわれる塩田平に鎮座する「見返りの塔」と呼ばれる梅花が匂う大法寺の国宝三重塔(妻女山里山通信)

2021-03-19 | 歴史・地理・雑学

 その美しさから「見返りの塔」と呼ばれる大法寺の国宝三重塔。そろそろ光背の山に梅が咲いている頃かなと訪れました。「信州の鎌倉」といわれる塩田平は、平安時代までに新田開発が進み、鎌倉時代には米と麦の二毛作が行われ、相当に豊かでした。そして、北条氏の庇護を得てたくさんの寺院や塔が建立されました。子檀嶺岳の山麓にある国保大法寺三重塔は、そんな鎌倉時代の栄華を残す名塔であり、地元の宝です。

 塔は、大正9年の解体修理の際に発見された墨書により、鎌倉幕府滅亡の年である1333年(正慶二年)に建立されたことが分かっています。塔のある大法寺は、大宝年間(701~704)藤原鎌足の子上恵が開基し大宝寺と称したといわれ、平安初期の大同年間(801~810)に坂上田村麻呂の祈願で僧義真(初代天台座主)により再興されたと伝わっています。
 ここにこのような壮麗な塔が建ったのは、北条氏の庇護とともに、この麓を東山道が通り、浦野駅(うらのうまや)(古代に30里毎に置かれた人馬の施設)があったからなのです。大法寺はその駅寺(うまやでら)でした。
 三重塔の構造は、天王寺から来た工匠により造営が行われたということで、当時の都の洗練された美しさを今に伝えています。三層の屋根は桧皮葺で、高さは18.56m。相輪を備え、天頂部には美しい水煙があります。初重の組物は「二手先」、二層・三層は「三手先」で、裳階【もこし】(ひさしようなもの。あると四重の塔のように見える)がありません。裳階をつけずに初重内部を広くとるためだそうですが、そのため初層が大きく非常に安定感があり荘重、重厚な感じがあります。また、裳階がないためシルエットがシンプルで軽快感もあります。
 この造りは、他に奈良の興福寺三重塔(鎌倉時代初期)と石川県の那谷寺(なたでら)三重塔(江戸時代)だけといいます。内部には、金剛界大日如来坐像を安置しています。また、文化庁の調査の結果、国宝大法寺三重塔の一層内壁に壁画が描かれていたことが判明したそうです。これは興福寺の三重塔と同じです。また、長野市保科の阿弥陀山清水寺には、同様の三重塔がありましたが、大正時代の大火で消失。もし現存すれば間違いなく国宝だったでしょう。下の記事で、その在りし日の写真がご覧いただけます。大法寺三重塔とよく似ています。
長野市南部の保科に鎮座する牡丹と紅葉で有名な阿弥陀山清水寺へ(妻女山里山通信)

 塔の九輪の上にある水煙。合わせて相輪といいます。釈迦が荼毘に付された際に残された仏舎利を納めた塚であるストゥーパの上に重ねられた傘が起源とされます。本来は、荼毘の火焔なのですが、木造なので水煙という様になりました。

 屋根は檜皮葺(ひわだぶき)です。檜の樹皮を何層にも竹釘で止めていく非常に重厚で耐久性のある屋根です。檜皮を採取する技術者を『原皮師(もとかわし)』といい、樹齢50~60年の檜の樹皮を剥いで使います。その樹木を枯らさないように剥ぐのが高度な技術です。剥がれた樹皮は、8~10年で再生します。独特の鋭い曲線を描く屋根のライン。この屋根の反りについて、『日本美の特質』(鹿島出版会)の書の中で吉村卓司氏は、日本刀の反りと共通する日本人の独特な美意識について非常に深い洞察を述べておられます。

(左)三重塔の初層にある「庭照」の額。「庭を照らす」という意。「我々は仏の子であり、皆仏の庭で遊んでいる。その庭を照らしているのが仏の慈悲である」というようなことなのでしょうか。この額は後世にかけられたものの様です。(右)地塗りに用いられた白い胡粉(ごふん)の顔料が見られます。軒を支える肘木(ひじき)には 丹塗(にぬり)の赤い顔料が残っています。いずれも創建当時のものです。つまり往時は、朱色の壮麗豪華な三重塔だったわけです。探してみて下さい。

 梅林越しに望む相輪とその向こうにそびえる独鈷山。拙書でも紹介しています。里山ですが、非常に厳しい山です。同時に本当に面白い山なんです。地元の小学生が登るコースもあります。

 梅の花のアップ。日当たりの良いところは満開。日陰は三分咲き。全体では七分咲きでしょうか。境内の桜の見頃は4月10日頃かな。

 その下に咲く菫(すみれ)。日本に200種以上あるアリ散布植物です。アリがいないと増えられません。庭に植えた覚えがないのにスミレが咲いていたら、それはアリの仕事の結果なのです。右は本堂に登る石段の脇に咲く水仙。若葉はニラと似ているので要注意。

(左)大法寺裏の山道を登るとある看板。始めて見ました。これはいつか歩いてみたいですね。(右)見返りつつ大法事をあとにして道の駅あおきに向かいました。今回買い求めたもの。青木村で栽培されているタチアカネの生蕎麦。風味が豊かでとても美味でした。村内には提供する蕎麦屋が何軒もあります。左上は、クラフトチューハイのシナノリップ。リンゴ果汁が入っていて、やや発泡していてとても美味でした。右は伊那スズキヤの鹿ジン。何度か食べていますが、馬鹿旨のジビエです。4月の妻女山里山デザイン・プロジェクトのバーベキューに持っていきます。

 その道の駅あおきから見上げる子檀嶺岳。拙書の表紙の写真の山です。「こまゆみだけ」というルビがないと読めない山名ですね。拙書では、その名前の由来も詳しく記しています。山頂は狭く真田の山城の跡といわれますが、南面は断崖絶壁。非常に険しい山ですが、魅力ある里山です。この記事のページに、大法寺三重塔の写真を掲載しています。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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妻女山陣場平の貝母(編笠百合)の生育状況。絶品!山蕗とビタミンちくわのかき揚げ(妻女山里山通信)

2021-03-13 | 男の料理・グルメ
記事にメッセージ(ダイレクトメール)で、お問い合わせをいただくことも多いのですが、返信するとNOT FOUNDありませんと表示されることがあります。ご自身のメールアプリで、gmailがブロックされていないか確認をお願いします。個別の認可もできます。

 妻女山の陣場平へ貝母(編笠百合)の生育状況を見に行きました。今回は、たくさんの買い物や給油のついでだったので一眼レフではなくiPhoneでの撮影です。そのため画質はそれなりです。帰りには山蕗を採ってスギヨのビタミン竹輪とかき揚げにしました。めちゃうまです。

 陣場平。川中島の戦いで上杉謙信が陣城を築いたと伝わる場所で、陣場平という名称もそれにちなむものです。貝母の生育状況は、去年とほぼ同じですね。ということは、満開は4月15日前後ということでしょうか。見頃は10日間ぐらいです。

 奥は以前からの群生地。手前左は昨年、妻女山里山デザイン・プロジェクトのメンバーで球根を植えたところです。ちゃんと芽生えています。ここは元はヨシやノイバラの群生地でした。それらを全て根っこまで掘り出して除去したのです。それは大変な作業でした。今年も球根の植え付けをする予定です。群生地は現在の二倍ぐらいになるでしょう。

 最も生育が早い一株。これは開花も早そうですね。伸びると葉先が丸まっていきます。

 帰りに山蕗を採りました。山蕗は、スーパーや畑の蕗と違い味が濃いのです。蕗には雄株と雌株がありますが、これは雄株です。蕗はキク科なんですが、同花受粉を防ぐためにそう進化したらしいのですが、両性花があったりまだ進化の途中なのでしょうか。

 山蕗は半分に切って、信州人のソウルフードともいえる石川県七尾市のスギヨのビタミンちくわとかき揚げにしました。今回はそのまま食べても美味しい太ちくわ。衣には塩を入れます。春の滋味を堪能しました。春の苦味のある山菜は、デトックス効果があります。ニホンカモシカや冬眠明けのツキノワグマも食べます。次に山蕗を採ったら、旬の富山湾のホタルイカとアンチョビーでパスタにしようと思います。これから信州は山菜の季節。コゴミ、タラの芽、ハリギリ、コシアブラと楽しみがいっぱい。
スギヨ

 15日の妻女山。左に仁科三山の爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳。右に白馬三山の白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳。里山は徐々に春めいてきていますが、北アルプスはまだ完全に冬山です。

 山蕗、今回は旬の富山湾のホタルイカとアンチョビーでパスタにしました。信州須坂フルーツエール。原材料は、麦芽、りんご、ホップ。甘すぎずドライなのがいい。美味です。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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春の妖精、春の儚い命、節分草に会いに千曲市倉科の里山へ(妻女山里山通信)

2021-03-09 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が9度の穏やかな日曜日の昼。千曲市倉科の節分草が満開だろうとでかけました。一時間ぐらい滞在しましたが、単独や家族連れが10台ぐらい来ていたでしょうか。何人かの人とお話しましたが、どうも毎年の私のブログを見て訪れている様です。左のバックナンバー2011年の記事では、雪中の節分草がご覧いただけます。

 可憐な節分草。早春に咲き、2、3ヵ月でその年の生活サイクルを終え消えてしまう植物は、スプリング・エフェメラル(Spring Ephemeral、春の妖精、春の儚い命)と呼ばれます。

 昔は雑木林に入って草刈りや灌木の除伐や薪拾いをしたので、明るい林床にセツブンソウがたくさん咲いたのだとか。カタクリと同様、人の暮らしと密接な関係にある植物だったのです。ですから、盗掘や自生地の環境が破壊されると真っ先に消える植物です(絶滅危惧植物II類)。

 逆光で見る節分草。節分草は、万葉集には詠われていませんが、平安時代の「本草和名」や「倭名類聚鈔」に「以倍仁礼(いえにれ)」という古名で登場します。

 セツブンソウの種は、アリが巣に運んで発芽する虫媒花。アリ散布植物です。石灰質の土壌を好み、晩秋から冬の間に、地中深くにある黒褐色の塊茎から発芽します。種子から開花まで3年以上かかるわけですから、林床の環境が良い状態で続かないと生育できません。

 花の直径は約2センチ(ここのは小さく、約1センチ)。花びらに見えるのは萼です。先が黄色く見えるのが退化して蜜腺になった花びらです。

 探すと八重の花や、一株から二輪咲いているものも発見できるかもです。

 入り口の案内看板。後ろ髪を引かれつつ下山しました。来週末は、妻女山陣馬平の貝母の成長状況を見に行きます。

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妻女山陣場平の貝母の芽吹き。望遠レンズで見る北アルプス鹿島槍ヶ岳(妻女山里山通信)

2021-03-01 | アウトドア・ネイチャーフォト
 天気予報では、最高気温は13度でしたが実際は15度になった様です。妻女山陣場平の貝母の芽吹きを確認に行きました。最近入手した望遠レンズの試写も。

 先週は芽が出たばかりでしたが、こんなに大きくなっていました。昨年のほうがもっと大きかったのですが、気象庁の発表でも、この春は早く訪れるそうです。昨年の貝母の満開は、4月15日でしたが、今年はもっと早いかもしれません。毎年の満開の様子は、左のアーカイブで御覧ください。

(左)それでもまだ早朝はマイナス気温なので、身を守るためにアントシアニンを形成するので赤紫色の貝母が見られます。(右)西向きの日当たりの良い場所の貝母は青々としています。

 私が仲間と貝母(編笠百合)の保護活動をしている妻女山奥の陣場平。川中島の戦いで上杉謙信が陣城を築いたとされる所です。一見すると冬枯れの風景に見えますが、上の写真の様に貝母があちこちで芽生えています。マスコミでも紹介され、当ブログでも開花状況をお知らせしているので、毎年何百人ものかたが訪れます。コロナ対策をしておいで下さい。

 陣場平の分岐から右へ下って堂平大塚古墳へ、斜面に咲く福寿草で吸蜜するセイヨウミツバチ。咲く花は少ないので、彼らの命をつなぐとても希少で大事な花です。ただかなり強い毒草でもあります。

 最近買い求めたM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROと2倍のテレコンバーターで撮影した北アルプス仁科三山の鹿島槍ヶ岳。右に平家の落人伝説があるカクネ里の深い谷が見えます。Photoshopで明度、シャープネス、彩度の補正をしていますが、この描写力はとてもいいと思います。

 少し引いた画像です。手前の里山は、西山といい千曲市や長野市の集落があります。眼下は千曲川の流れ。寒風もなく早春の匂いがします。来週は、倉科のセツブンソウを見に行こうかと思っています。

(左)ログハウスのコンクリートで日向ぼっこする蛾。なかなか同定できなかったのですが、ニホンセセリモドキです(鱗翅目セセリモドキガ科。食草はクマツヅラ科のコムラサキなど)。初めて撮影しました。(右)オオイヌノフグリ。大きな犬の金玉というなんとも可憐で小さな花に相応しくない名前ですが、命名の元は花ではなく実。まあしょうが無いかなという理由もあるのです。帰化植物です。

 山を下る途中で、落葉松の幹に染み出した樹液が固まったもの。美しい青色です。樹液は「ヤニ」と呼ばれる可燃性の油脂で、落葉松は燃やすと最も高温になります。

 妻女山(旧赤坂山)展望台からの戸隠連峰。右は戸隠富士の異名を持つ高妻山。

 右に飯縄山。拙書でも詳しく紹介していますが、山頂付近には飯縄権現を祀る飯縄神社があります。北信五岳のひとつで、長野市民の山。都民ならたいてい高尾山に登る様に、長野市民ならたいてい一度は登る山です。ちなみに高尾山薬王院は飯縄大権現を祀っています。飯縄権現は、古くから戦勝の神として信仰され、上杉謙信や武田信玄が信仰していたことでも知られています。多くの場合、神が烏天狗という形であることから、古くは秦(羽田)氏の様に徐福伝説や古代ユダヤとの関係も考えられます。

 下山して戸倉上山田温泉の万葉超音波温泉へ。途中で森将軍塚古墳に立ち寄りました。崇神天皇に任命された初代信濃國造の墓ともいわれています。当ブログでは、検証を重ねています。右上のブログ内検索で御覧ください。

 今回は、新しく買い求めたレンズを試写しました。ボディはOlympus OM-D E-M1 Mark III。付いているレンズは、ライカパナの標準ズーム。12-60mm。左下はマクロレンズ。右の銀色のは、40-150mmのズームレンズ。オールプラスチックで非常に軽いレンズです。その下の大きな望遠レンズが今回買い求めたもの。M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROに2倍のテレコンバーターを付けています。35ミリ換算で、600mmになります。全域でF2.8の明るさが非常に魅力的。カメラとレンズのファームウェアのアップデートに、アプリをインストールしたりと半日もかかったのはご愛嬌。あとはこの道具をどう使いこなすかです。

 左は「牡蠣とウドのアンチョビパスタ」。ウドをニンニクで香り付けしたオリーブ油で炒め、ダイソーのアンチョビの缶詰ひとつをみじん切りにしてオイルごと入れ炒めます。牡蠣を加えてパスタの茹で汁を少し加えてあおって乳化させます。火が通ったら出来上がり。パスタと和えて、春の恵みをいただきました。右は、「簡単ふかひれラーメン」マルちゃんのフカヒレスープを熱して、とき卵二個で閉じます。ラーメンスープとしてはパンチがないので、ヒガシマル醤油の牡蠣だし醤油を少し加えました。麺は、A-COOPのストレート乾麺「野菜と食べる醤油ラーメン」を使用。どちらもバカウマでした。

Midori plays Bach - Chaconne, Partita No. 2

彼女のバイオリンは、大胆かつ繊細。長い信州の冬を超えて、春の訪れに高揚する心を癒やしてくれます。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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