モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

痛い痛いの妻女山 里山デザイン・プロジェクト除伐作業(妻女山里山通信)

2012-09-30 | アウトドア・ネイチャーフォト
 二ヶ月ぶりの「妻女山 里山デザイン・プロジェクト」の作業は、オオムラサキの食樹である榎に絡み付いたノイバラやミツバアケビ、クズを除伐する作業でした。強力な台風17号が接近中で、いつ降り出すか分からないという状況でしたが、鰯雲がたなびく極めて穏やかな朝を迎えました。

 とはいえ、明日から10月とは思えない蒸し暑さで、ヤブ蚊が飛んでいる始末。総勢5名で作業開始。鉈鎌でつるを切り、榎から引きはがしていきます。ノイバラがはねたり刺さったりと、これがえらい作業でした。棘が下を向いているので、ちょっと油断するとズボンや腕に刺さるのです。そしてもっと痛いのがヤマガシュウの針の様な棘。時折あちこちから痛い!と叫び声が聞こえるわけです。

 次に、二台の草刈機でつるの上と根元を切って、風の通る空間を作ります。つるで榎が覆われていると、オオムラサキが卵を産めないからです。また樹下が薮だと幼虫が越冬する枯葉のマットができません。大変な作業でしたが、思ったよりも順調に進み、お昼前には終わりました。除伐の指導は、シジミチョウの研究家のTさんにお願いし、イボタノキとコナラの幼木は切らないでとか、指示を出してもらいました。今回は初参加で、植物写真を撮っている開業医のKさんも駆けつけてくれて助かりました。

 昼近くにお宝ハンターの仏人Tさんも参加、同級会でいつもこちらが先生ですかと言われるKさんも肉持参で参加。コナラの樹下でバーベキューが始まりました。里はちょうど会津比売神社の秋祭り、花火があがったり、神楽のお囃子が聞こえたりと、なんだか里山らしいのどかな雰囲気の中でのひと時でした。しかし、蚊取り線香を焚かないといけないほど、ヤブ蚊がまだ飛んでいる状況は、皆変だと言っていました。それでも、樹間から千曲川や川中島、遠く戸隠が見えるというローケーションには、「ここいいね」と皆満足。

 話は、オオムラサキや里山保全の話、粘菌や野草の話、放射能の話、肉を焼いていたら熊が出た話(笑)等々。信州牛や馬のおたぐり、ジンギスカンや採れたて野菜を焼きながら話は進みました。特にお宝ハンターの仏人Tさんの、金属探知期のデモンストレーションと話は大受け。相当怪しい人に見られるのは分かっているので、必ず微笑んで挨拶するとか、さもないと間違いなく通報されるそう。私も最初陣場平で出合った時は、ロシア人のスパイかと思いましたから(笑)。しかし、彼の福島からの高級中古車が5μSv/hだったという話には、問題の深刻さを認識せざるを得ませんでした。

 バーベキューをしていると、堂平大塚古墳の持ち主で、ボランティアで林道整備をしてくれている、Kさんが通りかかり、西山で採れたというウラベニホテイシメジとショウゲンジをくれました。西山なら放射能も大丈夫だろうと思いましたが、念のため塩水に浸けて除染。ウラベニは天ぷらで、ショウゲンジはお吸い物にして、信州の秋の味覚を堪能しました。

 今回、妻女山山系では始めてカラハナソウを見ました。カナムグラはそこいらじゅうにあるのですが。カラハナソウは、アサ科のつる性多年草で、あのホップの仲間ですね。よく似ています。なんでもこれを乾燥させて酒に一ヶ月ほど浸けると、苦みのある美味しいカラハナソウ酒ができるそうです。健胃、鎮静、利尿作用があり、お茶にしてもいいそうです。ただホップに比べると苦みが少ないためか、これでビールを作っても美味しくないそうですが。

 とにかくつると薮をある程度除去できたお陰で、来年はもっとたくさんの卵を産みつけてくれると期待して、雨が降り出した3時過ぎに解散しました。

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■【必読!】「内部被曝」について:き坊の棲みか:長いので少しずつ読むといい。珠玉のレポート。

■【驚愕!】「こんな怖いものが知らない人から送られてきました! :放射能防御プロジェクト群馬:群馬県富岡市、驚愕の汚染実体。首都圏は相当汚染されている。
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この夏の粘菌と秋のキノコについてチェック!(妻女山里山通信)

2012-09-26 | アウトドア・ネイチャーフォト
 粘菌(変形菌)が活発に発生する季節は、6、7月と9、10月です。日中雨が降って、夜間に止み、翌日は晴天のような日は、絶好の粘菌撮影日和。ところが今年は、なかなかいいタイミングで出合えませんでした。長雨があったり、雨が上がってもすっきりと晴れなかったりと、発生にとっては不都合な天候が多かったこともあるかもしれません。猛暑も一因かも。見られた種類も少なめでした。

 粘菌には、天候を察知する能力があるようで、雨が上がっても湿度が高いと発生しないこともあります。変形体になってから、突然の雨や、樹上からの水滴でグチャグチャにされることも少なくはないのです。水滴位の破壊に対しては修復可能ですが、豪雨になったらやはり厳しいでしょう。
 そんなわけでこの夏は、ツノホコリとキフシススホコリぐらいしか撮影できませんでした。まだ、カラカラに乾燥するまで間があるので、今後に期待したいところです。

 写真の上三枚、白いのがすべてツノホコリですツノホコリはツノホコリ属のみで原生粘菌類です。変種に子実体が蜂の巣状のタマツノホコリ(サンゴホコリ)、円柱状で分岐しないエダナシツノホコリ、変種として子実体が縮れているナミウチツノホコリ、円柱の先端から放射状に枝が出るカンボクツンホコリなどがあります。最も一般的に見られる粘菌ですが、純白のそれはなかなか美しいものです。一番上の写真はタマツノホコリですが、左下にエダナシツノホコリの半透明な未熟が発生しています。一番下のは、エダナシに見えるのですが、ナミウチツノホコリかもしれません。
 
 写真下三枚は、おそらくキフシススホコリ。モジホコリ科ススホコリ属で、これも倒木や切り株に普通に発生する種です。一番上の写真にあるように節を作るのは、なるべく高くして胞子を遠くへ飛ばすためといわれています。高く飛ばすために高い方へと成長するのも特徴です。このキフシススホコリは、子実体になると石灰質を排出して結晶化し子のう壁に沈着しスポンジ状の形になります。基本的に粘菌は、外見だけで同定するのは非常に困難です。

 変形体の成長には湿気が必要ですが、子実体形成と胞子を飛ばすためには乾燥した環境が必要なので、始終水に浸かるところや、日当りが良く乾燥しきった場所には粘菌は発生しません。湿度と乾燥とがバランスよくある場所がいいわけです。粘菌ハンティングには、そうした観点が必要です。たいてい子実体形成は、雨後の夕方から始まり深夜に終了。明け方の太陽を待って乾燥させ、胞子を飛ばします。雨上がりの日は粘菌ハンティングに最適の日なのです。

 信州も猛暑だったため、秋の訪れが遅く、秋のキノコも出てきません。ウラベニホテイシメジ、サクラシメジも発生は10月に入ってからでしょう。雨がなければ全く発生しないで終わることもあります、実際ここ二年ほどは、時候坊(じこうぼう・じこぼう)と呼ばれる落葉松林に出るハナイグチや赤松林に出るヌメリイグチがほとんど採れていません。時候坊は信州では人気のあるキノコなので今年の出来が気になります。

 ところで、「長野県軽井沢町チチタケ330、御代田町ショウゲンジ630Bq/kg(いずれも菌根性)で出荷制限」というニュースが流れました。いずれも放射性物質を溜め易いという菌根性キノコです。マツタケやハナイグチも菌根性。塩水に浸けたり茹でこぼすと70-90パーセントの除染は可能ですが、この地域のキノコは除染しても絶対に食べられないレベルです。

 ということは、森林、山全体が汚染されているということです。山全体の除染は不要と発表されましたが、不要ではなく不可能なのです。山の放射性物質はほとんど動かないことも分かりました。そして、少しずつ流出し、環境濃縮、生物濃縮をします。もしキノコや山菜、川魚、ジビエなど汚染されたものを食べると確実に内部被曝します。

 以前、文科省のサイトでは、内部被曝は外部被曝の50万倍に相当すると掲示していました。福島第一原発の事故後、その記述がいつのまにか消されました。しかし、内部被曝の危険性の事実は決して消えません。もう、安心して食べられるものは、なにひとつないのです。チェルノブイリでは、気にしない、気にしてもしょうがない、と言う人から病気になり死んでいったそうです。内部被曝は本当に恐ろしいものです。

■放射性物質に軽度に汚染されたキノコと、その除染方法について。菌根性キノコと腐生性キノコに分けてまとめてみました。後半にウクライナ放射線医学研究センターとフィンランド食品安全局による除染方法も載せてあります(意訳)。また、塩水に数時間浸ける、酢やクエン酸を加えるも効果的。汚染されたキノコは食べないのが一番いいのですが、どうしてもキノコ狩りをしたい、食べたいという人のためのスラードショーです。実際の除染は、ネットなどで詳細を確認の上、ご自分の判断で行ってください。また、栽培キノコについては、生産者かメーカーにお問い合わせください。独自に検査しているメーカーもあります。この方法は、他の食材にも応用可能です。



●最後に掲載の文章です。
 地球の年齢は46億年です。約39億年前に海ができて原始生物が誕生しても、地球は太陽や雨中からの放射線や宇宙線が降り注ぎ、陸上で生物が棲める環境ではありませんでした。誤解を恐れずに言えば、太陽は最も巨大な原発であり原爆なのです。
 5.5億年前に海藻が酸素を大量に作り始め、オゾン層ができて、やっと陸上で生物が生きられる環境が整いました。
 そして、人類が誕生したのがわずか450万年前。地球の歴史を1年とすると、人類の歴史はたった8時間余り。その人類が、膨大な時間をかけてやっと生物が棲める様になった地球を、自ら放射能で汚しています。原発=原爆=核は、生物学的には、最も反動的なものなのです。














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●今週末の日曜には、妻女山 里山デザイン・プロジェクトのオオムラサキ保護のための作業があります。新たに手伝ってくれる人も来る予定で、昼のBBQは賑やかになりそうです。里山保全に関心を持ってくれる人が増えるのは嬉しい事です。とはいえ、放射能で汚染されたらそれも無駄になります。

★再稼働反対! 避難をさせろ! 子どもを守れ! 基準値下げろ! 汚染産物作らせるな獲らせるな売らせるな! 東電解体! 発送電分離! 責任取れ! 脱原発! 禁原発!
反原発情報はツイッターで流しています。


■東京在住の知人やその他のブログを見ていると、まるで福島第一原発の事故が無かったかの様に、グルメだファッションだと呟いて、放射能のほの字も出て来ない人がいて驚愕する。東京は人口減少に歯止めがかからず調査を開始したという情報も流れている。汚染されたのは新宿以東だけではない。世田谷や杉並にもホットスポットはあるし、多摩丘陵や横浜、鎌倉まで汚染されている。決して安心して住める都市ではない。汚染のレベルは、病人が多発しているウクライナのキエフではなく、チェルノブイリそのものだといわれている。実際、既に多くの病状が報告され、事態は深刻の一途を辿っている。芸能人やマスコミ関係者、時に女性アナウンサーが結婚退職とともに海外へという事例が頻発している。御用マスコミは報道しないけれど、深刻な事実を示す情報が次々と入って来るから当然のことだろう。政治家や経済人も、家族を西日本や海外へ移住させている。知らぬは庶民だけ。貞観-仁和地震の経過を見れば、M9の大地震が襲った後、今後10年の間に何が起きるかは、だいたい想像がつく。首都東京は、間違いなく終焉を迎えるだろう。七つの海を制覇した大ポルトガル帝国が、リスボン大地震で一気に衰退したように、東京もその道を辿るだろう。リスボンとの大きな違いは、かの都市には放射能汚染はなかったということ。そして、東京にはありとあらゆる日本の機能の中枢が集まっているということ。東京の終焉は、日本の終焉も意味する。あとひとつ、大地震でどこかの原発が壊れれば、それは本当に日本の終焉を意味する。瓦礫を全国にばらまいて汚染し、子どもを福島にとどめ毎日大量被曝させている。汚染した食材を食べて応援と全国にばらまく。そんな日本を、諸外国のまともな人々は狂気の国と見ている。日本の終焉の日まで、そういう能天気な人々はなんの対策もせず、周りに病人が出ようが突然死しようが、気にしない気にしてもしょうがないと、享楽の日々を続けて、最後の日を迎えるのだろうか。今の日本は、子どもを、家族を守るために、世界の果てまで逃げる覚悟が要るのかもしれない。原発マフィアとは戦えても、放射能とは戦えない。
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信州の里山で小さな秋に舞う蝶たち。(妻女山里山通信)

2012-09-16 | アウトドア・ネイチャーフォト
 一番目のカットは、この季節のゼフィルスの代表格、ベニシジミ。春型と違って翅の表が黒っぽいのが特徴です。地味に見えますが、ちょうど付け根の辺りが、角度によって玉虫色に見えるのでとても奇麗です。ところが真上から撮ると玉虫色に見えません。これを撮影するのに何度もトライしましたが、上手く行きませんでした。

 まず、なかなか翅を開いてくれない。開いても開きすぎると玉虫色に写らない。先日やっと撮影できたのがこちらのカット。羽化したばかりか、まだ翅も傷んでいない個体でした。翅の付け根が緋色と山吹色、黄緑と藍色と、本当に美しい色合いです。

 二番目は、ツバメシジミ。少し前まで盛んに交尾をしていたのですが、見かける数は少なくなりました。
 三番目は、マエアカスカシノメイガ。幼虫はライラックや金木犀の葉を食べるので害虫扱いですが、成虫はよく見ると翅が透けて美しい。
 四番目は、休憩中のコジャノメ。個体数が少なくなかなか見かけないのですが、この日は、雨雲が覆って薄暗いので出て来たようです。地味だが味わい深い蝶。

 この他には、ツマグロヒョウモンのメス、コミスジジャノメチョウシロヒトリなどがいました。青い目と星が散りばめられた様な白い翅を持つホシシャクを撮影したかったのですが、残念ながら出合えませんでした。

 五番目は、ムギワラトンボが、留まっていたので下から撮影してみました。妻女山にはいないのですが、茶臼山に行くと、場所によっては、アオイトトンボが見られます。今年はオニヤンマも多かったような気がします。

 最後はフキバッタ。翅が退化して飛べないバッタです。そのため地域による変異が大きいのが特徴です。今年は、梅雨明けが遅かったためか、樹液があちこちで出たため、樹液バーがあちこちにでき、そのため昨年の様に樹液バーが昆虫達の客でごった返し、争い毎が頻発するということがありませんでした。

 昆虫達にとっては、よかったのでしょうが、撮影する側にとっては、お目当ての虫達になかなか出合えず、大変な夏でした。オオスズメバチに追い掛けられずに済んだのはよかったのですが、ムモンホソアシナガバチには4回も刺されました。ポイズン・リムーバーですぐに毒を吸い取ったので大事には至りませんでしたが・・。これはアウトドアには必須アイテムです。
 これから秋が深まるに連れてオオスズメバチの攻撃性は、子育てのストレスで非常に高まります。要注意です。

 ルリボシカミキリには一回出合っただけ、ミヤマカミキリに至っては、一度も出合えませんでした。
 今週は、また秋雨が来そうです。やっと涼しくなるでしょうか。

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ひと雨毎に秋が深まる信州の里山。そしてキノコのシーズン突入!(妻女山里山通信)

2012-09-12 | アウトドア・ネイチャーフォト
 信州も同様に大変な猛暑でしたが、9月に入ったとたんに日中はまだ暑いものの、朝夕はめっきりと冷え込む様になりました。そして、ひと雨毎に秋が深まるのが通例ではあるのですが、その雨も秋の長雨というより集中豪雨。何度か続いたため、妻女山から千曲市の天城山へ至る林道は、濁流で轍がえぐられ、酷い状況になってしまいました。

 林道の入り口には、「悪路2WD不可!」の看板がありますが、これは私が立てたものです(笑)。入り口は普通の林道なので、カップルや観光客等が、好奇心で入る事があるのですが、大雨の後等は間違いなくスタックします。 4WDでも酷い泥濘状態だときついです。基本的にすれ違いができないので、救出もバックホーでないとできません。そんな状況で困っている人を、知人のK氏は何度か助けているのですが、やりきれないと言うので看板を立てました。

 この林道は、長坂峠までは長野市の管轄なのですが、K氏はボランティアで2、3年に一度は修繕をしています。途中に雨水を横へ逃がすゴム板をつけてくれればいいのですが、山だらけの信州では無数に林道があるため、管理もままならぬ状況のようです。ゴミ等も私たちがボランティアで回収し、適期的に巡回にくる職員に処分をお願いしています。車で奥まで入って捨てて行く不届き者がわずかですがいるのです。

 妻女山では、この夏はキノコが不作でした。いわゆる夏キノコと呼ばれるアカヤマドリウスヒラタケハナビラタケヤマドリタケモドキアンズタケ、栃木県民垂涎のチチタケ等がほとんど出ませんでした。そんなわけで秋のキノコに期待しているのです。キノコは、雨と最低気温が揃わないと出てきません。豊作だったのは、猛毒のドクツルタケぐらいでした。

 9月に入るとこの辺りの最高気温は30度、最低が20度で、平均気温が25度となりますが、平均気温が20度を切る様になると秋キノコが大量に発生するようになります。そのきっかけが秋雨というわけです。

 妻女山では、まずザラエノハラタケが出ます。これは、マッシュルームと同じハラタケ科のキノコで、昔は食べられるキノコに入っていましたが、軽い中毒を起こすこともあるようで、今は有毒とされています。私も食べた事はありません。ただ、このキノコが出ると、次に出るキノコが予想できるのです。

 次に出るキノコは、地元で「赤ん坊」と呼ばれるサクラシメジ(桜占地)と、「一本シメジ」とか「一本カンコウ」と呼ばれるウラベニホテイシメジ(裏紅布袋占地)です。イポンシメジは、別の毒キノコの「標準和名」なので、会話するときは、どのキノコのことを言っているのかに注意しないといけません。そして、ウラベニホテイシメジは、同じ場所にそっくりな毒キノコ、クサウラベニタケが出るので、これも要注意です。これに関しては、以前「ウラベニホテイシメジとクサウラベニタケ」という記事を写真入りで書いていますので、それを参照してください。いずれにしても、図鑑や生半可な知識で同定すると、いつか酷い目に遭います。怪しいキノコは保健所に持って行って鑑定してもらってください。
★キノコの名前のリンクの写真は、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】に掲載のものです、その他のキノコは、そちらでご覧ください。

 すでにマスコミやネットの情報で、野生キノコの放射能汚染状況が報告されています。福島の原木や大鋸屑を使った栽培キノコは言うに及ばず、天然キノコも場所によっては非常に危険です。また、腐生性のキノコより、特定の樹木と共生関係にある菌根性のキノコの方が、放射性物質を溜め易いことも分かっています。チェルノブイリ後の研究で、除染方法も分かっていますが(下のスライドショー)、高濃度に汚染されたものは、除染しても食べられません。充分に気をつけなければ内部被曝します。内部被曝は、外部被曝の700倍ともいわれています。毒キノコの同定同様、要注意です。

■福島第一原発の事故により、キノコも汚染されています。信州では御代田町等で高線量のキノコが発見されています。キノコの除染については、【信州の里山】キノコの放射能汚染と除染についてをご覧ください。

2011年3月12、14、15、20、21、22、23、25、30日SPEEDIを用いたCs137大気降下状況試算 東北太平洋岸と関東の酷い被曝状況が分かります。長野県の汚染地域も分かるので参照してください。


★掲載の写真は、一番上、茶臼山展望台からの虫倉山と山布施の棚田。二番目、有旅茶臼山旗塚からの大池と冠着山(姥捨山)。三番目、妻女山の林道倉科坂線からの善光寺平と飯縄山。四番目、妻女山展望台から、豪雨直前の善光寺平と飯縄山。五番目、姥捨駅からの善光寺平夜景。

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●先日、妻女山で突然、蜂が車に飛び込んで来てパニック。脱輪してしまいました。知人を読んでバックホーで引き上げてもらったのですが、その時偶然通りがかってお手伝いしてくれたたのがSさんでした。後で話をして「手づくり時計工房 KIKORI」に勤めているということでした。サイトのリンクを張りました。県産材を使ったネイチャー指向の素敵な時計です。ご覧ください。
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妻女山秋模様色々。大紫、仙人草、露草、万葉集(妻女山里山通信)

2012-09-06 | アウトドア・ネイチャーフォト
 信州は、9月に入ったとたんに涼しくなりました。これから一雨毎に秋が深まって行きます。オオムラサキのメスもほとんど姿を消しました。オオムラサキが卵を産みつける榎の森の整備の下調べと除伐に行くと、小さなアリの行列が榎の幹にできていました。卵から孵ったばかりの幼虫が発見されてしまったのでしょうか。そうだとすると、その葉に産みつけられた幼虫は全滅します。

 アリの他には、寄生バエ、カメムシ、クモ, アシナガバチ類なども天敵。エノキのエノキワタアブラムシを食べてくれるテントウムシも小さな幼虫を食べます。大きくなると食虫の鳥も。成虫になるとニホンカナヘビなど。

 国蝶のため、全国各地でオオムラサキの保護が盛んです。妻女山でも私たちの仲間が協力してやっていますが、必ずしもオオムラサキだけの保護が目的ではありません。ある一種の昆虫だけの保護というのは、やはり不健全で、生態系のバランスを壊します。ましてや絶滅寸前なら別ですが、オオムラサキのみを養殖して大量に放蝶するというのは、関心できません。国蝶があるのに、それ以外の虫には国がつくものがありませんが、すべての昆虫は、それなりに存在理由があるのです。

 とはいえ、妻女山に関していえば、里山の荒廃でオオムラサキにとって厳しい環境になっているのは間違いないことです。今年は、梅雨明けが遅く樹木がたっぷりと水分を含んでいたためか、樹液があちこちで吹き出したため、梅雨明けが早かった一昨年のように、人工的に作った樹液バーが大混雑するということはありませんでした。オオムラサキに限らず、樹液を吸う虫達にとっては過ごし易い夏だったかもしれません。

 妻女山奥の、川中島合戦の折に上杉謙信が陣城を築いたと伝わる陣場平。林道からは50mほど入ったところにある草地なのでほとんど訪れる人もありませんが(稀に熊も来る)、隠れた自然の宝庫なのです。そんな陣場平にも秋の気配が漂い始めました。オオムラサキが姿を消した草原には、森の奥からクロアゲハが高速で通り過ぎ、交尾を終えてたった一頭になってしまったツバメシジミがヌスビトハギの花に留まっていました。ボロボロの翅もいとわずに命の最後の光を放っています。

 ガマズミの木を覆う様に垂れ下がって咲くのは、純白の仙人草の花。毒草ですが、扁桃腺の民間薬としても知られています。野草の中では、一二を争ういい香り。ツユクサの群落もあります。古代はツキクサといい、「月草」「鴨頭草」の字が充てられます。万葉集には9首詠われています。

月草のうつろひやすく思へかも我が思ふ人の言も告げ来ぬ
月草に衣ぞ染むる君がため斑の衣摺らむと思ひて
月草に衣色どり摺らめどもうつろふ色と言ふが苦しさ
月草に衣は摺らむ朝露に濡れての後はうつろひぬとも
朝露に咲きすさびたる月草の日くたつなへに消ぬべく思ほゆ
朝咲き夕は消ぬる月草の消ぬべき恋も我れはするかも
月草の借れる命にある人をいかに知りてか後も逢はむと言ふ
うちひさす宮にはあれど月草のうつろふ心我が思はなくに
百に千に人は言ふとも月草のうつろふ心我れ持ためやも

 
 この花びらで作った染料は、水で消えるため手描き友禅の下絵などに用いられますが、そこからうつろい易い心に例えたり、この世や命の儚さを表すことに使われたようです。

 この陣場平は、昔は畑だったのです。そして放置された後、荒れ果てた灌木の薮だったのですが、私が3年ほどかけて整備して草原にしたのです。しかし、最近アメリカ原産の帰化植物、オオブタクサが繁茂し始め、在来種を絶滅に追いやろうとしています。日本中で猛威をふるう帰化植物の中でも、このオオブタクサは、繁殖力が異常に強く、決定的な駆除法がないため、各地で大問題になっています。花粉症も引き起こします。

 除草したオオブタクサを覆う様に生えているカナムグラに、シロヒトリが留まって眠っていました。葉毎持ち上げて撮影しましたが、少し脚を動かしただけで熟睡中。頭をカクッと下げて瀑睡という感じです。可哀想なので戻しましたが、頭が下になってしまいました。それでも構わずに眠っていましたが・・。名前の由来は、白火取と書く様に、夜になると灯火に飛び込み、火を消してしまう事から。

 林道に出ると、少し色付いた山桜の葉になにかいます。見るとミンミンゼミでした。触るとわずかに脚を動かしましたが、それが最後でした。今年はアブラゼミとミンミンゼミの発生が遅く、旧盆過ぎから鳴き始めましたが、それもまもなく終わりを告げそうです。

妻女山(斎場山)について研究した私の特集ページ「「妻女山の真実」妻女山の位置と名称について」。「きつつき戦法とは」、「武田別動隊経路図」など。このブログでも右下で「妻女山」でブログ内検索していただくとたくさん記事がご覧いただけます。

上杉謙信斎場山布陣想像図」未だかつて誰も描いたことのなかった江戸時代の人が伝える上杉軍斎場山布陣図。江戸時代後期に描かれた榎田良長による『川中島謙信陳捕ノ圖』(天明年間に開通した谷街道と、妻女山越え、笹崎経由の旧谷街道や、斎場山越えの道も分かる)

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《緊急配信》 ガンダーセン氏院内集会質疑/東電、資源エネ庁を言及! 超高温になってしまったジルカロイは水では冷やせない。福島第一原発は、廃炉に向けて順調に作業が進んでいるわけではない。作業員の話に因ると、むしろ手詰まりの状況に近づきつつあると。さらに、4号機はひびが入り傾いており、震度6以上に見舞われると崩壊の怖れがある。

南相馬の”黒い物質”「測定器自身が死んでしまうというほどの猛烈な放射線を発生する物質」小出裕章氏8/28。マイクロ・ホット・スポットは東京のあちこちにある。幹線道路の煤塵はタイヤで舞上がり、冬の空っ風で大量に舞上がり、被曝する。首都圏は、もう安全に暮らせる場所ではない。

相次ぐ女子アナ海外移住。首都圏友人5人、赤ちゃん2人心雑音に穴、黄疸に心異常。流産。切迫早産入院。福島だけではない。首都圏でも次々に症状が報告されている。

「けいとうさぎ」放射能被曝検査の結果と症状の共有サイト
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