モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

コシアブラの味噌ハンバーグ:新信州郷土料理(妻女山里山通信)

2009-04-27 | 男の料理・グルメ
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 引き続きコシアブラ。独特の強い風味で人気のコシアブラ。抗酸化作用があり老化防止にもいいとか。ひき肉と合わせて味噌風味の和風ハンバーグにしてみました。コクのある旨味と風味たっぷりの一品です。

■コシアブラの味噌ハンバーグ 
●材料(約4人前)
コシアブラ・・・・・・・・60g
長芋・・・・・・・・・・・100g
A
鶏ひき肉・・・・・・・・・200g
牛豚合い挽き肉・・・・・・100g
信州味噌・・・・・・・・・大さじ1
炒りゴマ・・・・・・・・・小さじ1
片栗粉・・・・・・・・・・大さじ2
卵・・・・・・・・・・・・1個
味醂・・・・・・・・・・・小さじ1
酒・・・・・・・・・・・・小さじ1
コショウ・・・・・・・・・少々

サラダ油・・・・・・・・・適量

●作り方
1. ボウルにAの材料を入れ、粘りが出るまでよく練る。
2. 1に粗みじん切りのコシアブラと摺りおろした長芋を入れ、よく混ぜる。
3. フライパンにやや多めに油を入れ、2を大きめのスプーンですくい楕円形にして中火で焼く。
4. 両面をこんがり焼いて中まで火が通ったらできあがり。

●これを照り焼きにしてもいいし、さらにコシアブラで卵とじにして丼も旨そうです。ベーコン巻きソテーやバラ肉巻き串カツもいいですね。アサリとあわせてボンゴレはどうでしょう。

★新信州郷土料理は、MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)をご覧ください。山菜・キノコ料理、内臓料理、ブラジル料理、エスニック、中華の込み入った料理などの「男の料理レシピ集」です。特に本格的なアンチョビーの作り方を載せているのは、当サイトだけだと思います。手作りオイルサーディン、手作りベーコンもお薦めです。山菜料理も豊富です。アマゾン料理も!
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コシアブラ三昧!(妻女山里山通信)

2009-04-26 | 男の料理・グルメ
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 最近は栽培もされているコシアブラ。木にも芽にもあまり特徴がなく、タラノメのように明るい林道沿いに生えるわけでもなく、森の中で目立たないので初心者には難しい山菜です。特に芽吹きが盛んな森の中では、みな同じように見えてしまうかもしれません。逆にそんなところも人気の秘密かもしれませんが。

 同じようにハリギリは、タラノメやコシアブラに飽き足りない山菜好きの間で静かな人気を誇る山菜です。いずれもウコギ科ですが、ハリギリのアクの強さと歯切れの良さは、ファンも多いはずです。20m以上の高木になるため、成木はよく見かけるのですが、採りやすい木を探すとなると、なかなか難しいものがあります。タラノメより強力な棘も問題です。

 妻女山山系にはコシアブラは自生していないので、車を飛ばして辿り着いた深山で季節的には少し早すぎるコシアブラをたくさん採りました。そして、まずは定番の天ぷらと絶品コシアブラの炊き込みご飯にしました。今回は、レシピより多くのコシアブラを入れました。最後に生を刻んで炊きあがった炊き込みご飯にのせて蒸らすのがポイントです。よく袴を取ると書いてあるレシピを見ますが、採ったときついてくることがある木の部分です。なければ取らずにすみます。

 鶏ガラスープや中華出汁で、鶏肉や豚肉を入れて炊きあげると、食べ盛りの世代にも充分ボリュームのある一品になります。コンソメキューブを使ってバター風味で洋風に炊きあげてもいけそうです。

 そして、写真はこれも定番のコシアブラのゴマ和えです。さっと茹でたコシアブラに、あらかじめ作っておいたゴマだれを和えるだけ。ゴマは自家製の無農薬無化学肥料栽培の白ゴマと黒ゴマを炒って摺りゴマにしたもの。醤油と砂糖に酢です。分量や割合はお好みで。どちらかというとしつこいコシアブラの風味とゴマの強い風味がとてもよく合い、ご飯のおかずにも酒の肴にもなります。

 大きめの芽は、ベーコン巻きや豚の三枚肉の薄切りで巻いてソテーしたりフライにしても美味です。オムレツもいけます。塩豚の蒸しもののコシアブラ風味というのも旨そうです。ヤマフキも成長してきたので、また採りにいくつもりです。山菜シーズンは、まだまだ続きます。

★新信州郷土料理は、MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)をご覧ください。山菜・キノコ料理、内臓料理、ブラジル料理、エスニック、中華の込み入った料理などの「男の料理レシピ集」です。特に本格的なアンチョビーの作り方を載せているのは、当サイトだけだと思います。手作りオイルサーディン、手作りベーコンもお薦めです。
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信州の里山花尽くし(妻女山里山通信)

2009-04-24 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 雨が降って気温が上がったために、信州の里山は一気に芽吹きました。今頃が樹種によって、同じ緑でも新芽や若葉の色が違うため、山が最も多彩な緑で溢れる季節です。早春はダンコウバイやアブラチャン、サンシュユなど黄色の花が主役ですが、今はヤマブキの黄色に山桜の淡いピンクや、やや赤い春紅葉も混じって賑やかなこと。

 そんな里山の花を並べてみました。オオカメノキは、ハート形の葉の上に浮かんだように咲くさわやかな白い花が森で目立ちます。ガマズミとは、葉の形で区別できます。虫によく喰われるので、別名はムシカリ(虫狩)。ユキヤナギは、中国の花ですが、野生化したものが見られます。レンギョウと共に春を彩る小花です。

 ヤマフジは、藤の花ですが、ノダフジというのもあり、上に成長する方向で右巻きがノダフジ、左巻きがヤマフジです。ヤマフジは写真のように花穂が短めです。バイモは、中国原産で薬用として伝えられたようです。鱗茎をせきどめや止血、解熱などに利用されました。別名は、花から編み笠百合。

 ホタルカズラは、1センチぐらいの小さな花ですから、注意しないと見落としてしまいます。虫が好きなのか、花びらが虫食いのものをよく見かけます。中央の白い星形を螢の光にみたてたとか、螢のように夜になると光るからとかいわれますが、真偽のほどはわかりません。
 
 クサボケは、高さ50センチぐらいの低木ですが、鮮やかな朱色の花を咲かせるので意外と目立ちます。また、低木ににつかわしくない梅のような大きな実は薬用酒になり、貧血や疲労回復、不眠症に。煮だし汁は入浴剤になるそうです。

 最後に、花に飛び交う蝶からルリタテハ。縄張り争いか、はねがボロボロです。以外と神経質で接近するとすぐに飛び立ってしまいます。けれどもすぐに戻ってくるので辛抱強くシャッターチャンスを待つのが肝要です。

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。
★フォトドキュメントの手法で綴るトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】もよろしく。武田信玄が布陣したという伝説の茶臼山をアップしました。
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続 妻女山で山仕事(妻女山里山通信)

2009-04-22 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 「上杉謙信槍尻之泉」のすぐ上のわが家の山で引き続き山仕事。今回は、唐松の高木にからみついた葛のつるを取り除くこと。これが一大事です。引っ張ると唐松の枝や葉がバラバラと落ちてくるし、からみついているので体重を全部かけないとだめ。そうこうしている内に、最も高い位置にある唐松の最も太い5センチはある葛のつるを引っ張りました。びくともしません。そこで全体重をかけて飛びつくように引っ張ると、体がフワッと浮いて宙づりになってしまいました。

 そして、こともあろうに崖の方へ体が出てしまいました。ここでつるが切れたら6~7m転落です。あっ、やっちまった!と一瞬思いましたが、つるは切れずにブランコのように反動で戻り、無事着地しました。その後、無事にその太いつるは除去できました。次に、林道上に唐松の倒木があるのですが、それがこの雨でなにやら少しずり落ちた様子。このままでは、いつ道路上に落下するやもしれず、危険です。

 早速崖の上にまわり偵察すると、もう少しで落ちそうな倒木は、細い木にひっかかってかろうじて止まっている有様です。細い木を切れば落とせるのですが、非常に危険が伴います。とりあえずは様子を見ることにして処理の仕方を慎重に考えることにしました。里山は手入れが行き届かず、かかり木になったり、藪になったり、危険なことも多いのです。特に幾重にも重なったカカリ木は、非常に危険です。

 今日は、山に風を入れるために、崖上の灌木を伐採しました。間伐や除伐は、不要な木を伐採するのですが、不要な木といっても生きているわけなので、やはり切るのには傷みが伴います。けれどもそうしなければ、健全な里山は維持できないわけで、必要な営みなのです。今回は、赤松、山桜、榎は切らずに、バラ、ダンコウバイ、ムクロジ、カエデなどの中で不要と思われるものを選んで切ることにしました。

 実はその前に、雨が降ったことを思いだして山菜採りに出かけました そろそろ終わりのタラノメ、タラノメより通好みといわれるハリギリと春のキノコ椎茸、葉が出始めた蕗を採りました。タラノメは炊き込みご飯と天ぷらに、ハリギリ、椎茸は天ぷら。蕗はコウナゴと煮付けになりました。山菜三昧です。

 カタクリの群生地では、ニホンカモシカに遭遇。前日の山仕事では、突然馴染みのニホンカモシカのマダムが、大きな雄に追われて全力疾走で「上杉謙信槍尻之泉」方面へ逃走、すぐさま踵を返すようにして反転、ドドドドドーッ!っと、再び私の下を駆け抜けて森に消えて行きました。私がいることなどお構いなしの凄まじい鬼ごっこに、しばし呆然。いやはやなんとも激しいプロポーズ大合戦でした。山は恋の季節です。

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妻女山で山仕事(妻女山里山通信)

2009-04-20 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 「上杉謙信槍尻之泉」のすぐ上のわが家の山へ山仕事に行きました。芽吹きが始まったので、去年駆除した葛の様子を見るのと、バラの駆除のためです。葛は、葛餅につかう葛粉になるあれですが、これが無節操に繁茂すると、大きな唐松や檜なども枯らしてしまう厄介ものなのです。また、バラは、種類はノイバラですが(テリハノイバラは見当たらない)、これが繁茂すると山に入れなくなってしまいます。鋭い棘のあるヤマガシュウも非常に厄介。

 柄の長い細い灌木なら一振りで切れる鎌と携帯の鋸、鉈(なた)を持ってでかけました。葛の芽吹きは抑えられたようですが、塊根が残っているのでそれを切断しました。また、バラの地下茎が残っていたのでそれも切断。繁茂し始めていたバラの小枝をすべて切り落としました。大変な重労働になってしまいました。台風で折れた5m程のムクロジを切り倒し、片付けました。

 そして、唐松の倒木を跨いだときに向こう側にあった枝に足を挟まれたまま転倒。ボキッと音がしたので、やっちまった!と思ったのですが、幸い折れたのは足首ではなく枝の方でした。それでも痛みが残ったまま作業。下草を刈って不法投棄のゴミを片付けました。藪にしておくとゴミを捨てる不届き者がいるのです。

 今日は、コゴミの群生地を見つけて収穫。夕食に湯がいてマヨネーズでいただきました。他には、コシアブラと鶏肉の炊き込みご飯、金目鯛と山蕗とコシアブラの煮もの。わが家の山で異常に早く採れた初物のワラビのお浸し、と山菜づくし。

 妻女山は、すっかり芽吹いて初夏の香りになってきました。そして、どこにでもありそうで以外と山ではみられないスミレを発見。撮影しました。タチツボスミレは、どこにでも咲くのですが、なんにもつかないただのスミレは、以外となかったりします。その他、カラクサケマン(毒草)やヤマブキも咲いていました。これも例年よりかなり早いですね。

 妻女山展望台からは、千曲川河川敷と堤防に、桃の花と西洋アブラナ、林檎の花が鮮やかに咲き誇っているのが見えました。ピンクと白と黄色で、まるで雛あられのようです。ちょうど千葉から訪れたご夫婦がいらしたので、妻女山と斎場山のことなどを説明しました。すると奥さんが帰りがけに妻女山の看板の英訳の文章が変だというのです。「鞭声粛々・・・」の説明が、"making the sound of whips"では、意味が反対になってしまうのではないですかと。

 そんなこと言われても看板を作ったのは長野市ですし。まあ「ムチの音をたてて」では「鞭声粛々」にはなりませんが。ではどう訳せばいいのかと言われると、フリーズしてしまいますが、"making the sound of whips somber"とでもすれば良かったのでしょうか。「上杉謙信槍尻之泉」の看板も、「合津比売神社」と誤字で急遽、「会津比売神社」と正しく直してもらいましたが…。文字構成ではなく、文字校正はきちんとしないとだめですね。

上杉謙信も庇護した妻女山(斎場山)の祭神、会津比売命について(妻女山里山通信)

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清野氏の鞍骨城跡と緋縅蝶(妻女山里山通信)

2009-04-19 | 歴史・地理・雑学
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 緋縅蝶は、ヒオドシチョウと読みます。タテハチョウ科のチョウで、前ばねの開長約7cm。春に越冬してオス同士で縄張り争いしてボロボロになったものをよく見かけます。激しい追いかけっこもよく目にします。

 【緋縅】ヒオドシとは、 鎧(よろい)の縅(おどし)の一で、クチナシやキハダで下染めした上から紅で染めた紐(ひも)・革緒などで縅すもの。それに羽の模様が似ているということです。緋とは、日本の伝統色の緋色のことです。実際の緋色は、ヒオドシチョウよりも濃い色です。

 ヒオドシチョウが、春の山の草原や登山道で、羽をいっぱいに広げて日向ぼっこをする様がよく見られます。イモムシ(刺の多い、ごま塩に黒と黄色の線、オレンジのスポットがある幼虫)は、春にエノキ、ヤナギ、ケヤキ、ニレなどの葉を集団で食べ、成虫はクヌギなどの樹液に集まります。

 鞍骨城跡は、長野市松代町清野と千曲市倉科に跨る山城で、この地域最大の規模をほこる天空の城塞です。天城山(てしろやま)から尾根を辿っていき、突然現れる高さ50mの城塞は、まさに天空の城塞。圧巻です。清野氏の築城といわれますが詳細は定かではありません。清野氏については、「清野氏と戦国時代」をお読みください。村上義清から上杉謙信、上杉景勝とつながる波瀾万丈のクロニクルです。

 鞍骨城跡へは、妻女山から天城山経由。妻女山から林道倉科坂線経由で二条の掘切へ登るルート。倉科から二本松峠で登るルート。象山から尾根を登って御姫山の肩に乗り裏から入るルートなどが有ります。熊の棲息地なので、熊鈴は必須です。親戚のものが熊に遭遇しています。夏場はヤブになるのでスズメバチ対策と藪こぎの用意を。最適な季節は冬枯れの雪の少ない時か、芽吹きの頃です。城跡のすぐ東に、川中島や海津城が一望できる岩場が二箇所続けてあります。

★このトレッキングは、フォトドキュメントの手法で綴るトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】にアップしてあります。4月12日のルポをご覧ください。
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信玄も見たか!茶臼山から白馬三山の絶景(妻女山里山通信)

2009-04-18 | 歴史・地理・雑学
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 江戸後期、文化7年(1810)以降に書かれ、作者は不詳の戦記物語『甲越信戦録』に書かれ、同じく江戸後期の榎田良長彩色による『川中島信玄陣捕之圖』に描かれているように、第四次川中島合戦の際、妻女山(斎場山)に陣取った謙信に対峙して、信玄は茶臼山に陣取ったと語られています。史実かは別として、江戸時代の人はこの物語を信じ楽しんだのです。

 その茶臼山とは、標高730mの現在の茶臼山ではなく、その3~400mほど南にある有旅茶臼山といわれているのですが、その山は現在ありません。なぜなら地滑りによって山頂がなくなってしまったからです。その始まりは、1847年(弘化4年)の善光寺地震によって地下に割れ目が生じたことが原因と考えられており、1884年(明治17年)に南峰頂上に地割れが生じ、その後山体の東側が徐々に沈みはじめ、1965年(昭和40年)から始まった大規模な地滑り対策により治まるまで崩れ続け、信玄が布陣したといわれる南峰は、消滅してしまったのです。つまり、茶臼山は双耳峰だったのです。現在もその痕跡は川中島や妻女山(赤坂山)から見ると分かります。その僅かに残った南峰の小山に信玄由来の旗塚があります。

 近年、地元の有志や市によってハイキングコースが整備され。迷わず歩けるようになりました。地すべりを起こした地層は第三紀の砂岩泥岩層(論地層)で、下位の裾花凝灰岩との間にある亜炭層が滑ったといわれています。第三紀の地層なので、貝などの化石が出ます。小学生の頃に自転車に乗って友達と化石を掘りに来ました。現在、市の恐竜公園になっており、子供達が遊んでいます。

 今回は、中尾山からのハイキングコースを歩いてみました。写真は、一本松峠と茶臼山の間にある展望台からの眺めです。桜咲く山布施の集落の向こうに北アルプスの白馬三山がドーンと見えます。茶臼山山頂自体は森の中で眺望はまったくありません。できれば妻女山(赤坂山)や斎場山(本来の妻女山)が見られると歴史マニアにはたまらない山になるのですが…。やはり、贅沢な希望というものでしょうか。

 もし、信玄の布陣が本当だとすると、信玄もここから北アルプスの絶景を眺めたのでしょうか。当時は北アルプスなんて名称はないわけですから、飛騨山脈といったのでしょうか。いずれにしても、こんな美しい風景の中で血みどろの戦をしたなんて、と思わずにはいられません。

★武田別働隊のルートを訪ねて三滝山(戸神山?)から鏡台山、鏡台山から戸神山脈を妻女山まで辿ったトレッキングは、フォトドキュメントの手法で綴るトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】をご覧ください。

★妻女山(斎場山)について研究した私の特集ページ「「妻女山の真実」妻女山の位置と名称について」をぜひご覧ください。武田別働隊の経路図、きつつき戦法の検証、上杉謙信斎場山布陣図などもご覧いただけます。

★このトレッキングは、後日フォトドキュメントの手法で綴るトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】に掲載します。
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信州は山菜三昧!(妻女山里山通信)

2009-04-16 | 男の料理・グルメ
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 杏、桜、桃と続き、林檎の花まで咲いてしまったとなれば、山菜も早いはず、とでかけてみました。信州の山菜で樹木の若芽といえば、タラの芽、コシアブラ、通好みのハリギリなどですが、いつもならGW頃なので、まだ少し早いかなと思いつつも期待に胸を膨らませて某里山へと向かいました。そこは、地元の人も麓から少し遠いのと、えっ!そんなところに?というような場所なので、穴場中の穴場なのです。

 タラの芽は、素人でも見分けがつきますが、似ているハリギリは、これはタラの芽じゃない、と偽物扱いで採らないのが普通です。どこにでもあるというのも希少価値を生まない要因かも。しかし、このハリギリは通好みの味で、なかなか捨てがたいのです。特に葉が出たものが美味しい。最近は、コシアブラなど栽培ものの山菜が色々お店で売られていますが、やはり味は野生のものとは格段に違います。

 樹木の若芽を採りに行くには、二つ大切な道具が必要です。ひとつは家から持っていきますが、もうひとつは、現地で作ります。このふたつがないと採れないのです。タラの芽、ハリギリは、するどい棘があるので4~5mもの樹高になると諦める人がほとんどでしょう。そんな時にも役に立ちますが、これは秘伝中の秘伝なので記すわけにはいきません。山で作るものはその素材選びから重要です。山菜採りに詳しい知り合いがいたら聞いてみてください。また、コシアブラは、木にも芽にも特徴がなく目立たないので初心者には見つからないでしょう。誤って形の似ているヤマウルシなどを採ったら大事です。山菜は、ニリンソウと似ていてしかも一緒に生えていることがある猛毒のヤマトリカブトなどもあるので、要注意です。

 今回は、季節外れの早すぎるタラの芽、コシアブラ、ハリギリを採りました。二週間は早いですね。さらに林道で採ったヨモギと、裏の畑で採ったヤマウドも一緒に天ぷらにしました。そして、コシアブラは、絶品コシアブラの炊き込みご飯にしました。レシピとリンクしているのでご覧になってください。今回は、レシピより多くのコシアブラを入れました。余ったらお茶漬けにしても、焼きおにぎりにしてもいけます。

 もう少しするとヤマフキの葉が出てきます。キャラブキができます。ワラビとフキの煮物もありそうでない組み合わせですが、面白い味に変わります。また前回は、ニラのおやきを紹介しましたが、ノビルのおやきも旨い。乞食葱なんていいますが、とんでもない。古事記にも登場するのですから古事記葱というべきです。ノビル餃子は絶品です。ノビルレバ炒めも旨いです。ぜひお試しあれ。

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妻女山の桜が落花、千曲川の桃の花が満開!(妻女山里山通信)

2009-04-15 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 杏の花が落花し、アッという間に桜も落花を始めました。すると千曲川河川敷の桃の花が一斉に満開。土手の西洋アブラナの黄色とものすごい色彩のコントラストを描いています。川中島は、川中島白桃の名産地なのです。特に川中島白桃と紅錦果(くにか)は、大きく甘くジューシーで、まさに水蜜桃という名前がピッタリの逸品。

 桃の花のどぎついまでのピンクは、やはり和というより中国という感じがします。楊貴妃という感じでしょうか。楊貴妃という名は、杏の品種にある他、梅、桜、牡丹にもあるそうですが、桃の方が相応しい気がします。楊貴妃の愛した桃は、中国山東省の門外不出の「肥城桃」。不老不死の果物ともいわれています。また、桃の花を浮かべたお風呂も好んだといわれています。

 日本では、やはり桃太郎ですね。中国では妖艶な桃が、日本では勇猛果敢な少年というのもものすごいギャップで可笑しいですね。古事記にはイザナギノミコトが桃の実を投げて悪鬼を祓った、と記されています。また、三月三日の桃の節句も、邪気祓いの意味があるようです。桃色は、幼児が好む色で、次男は保育園の年少組の頃は、ずっとピンクのTシャツがお気に入りでした。

 妻女山の桜は落花し始めましたが、実はもっと奥に行くと昔の品種の桃が野生化して生えているところがあるんです。もうずいぶん前ですが、息子達と夏に登った時に偶然に見つけました。固くて小ぶりの桃は、白桃のようにジューシーではありませんが、かじると野趣豊かな懐かしい味がしました。

 昨夜の雨で、里山は一気に芽吹きました。里ではなんとリンゴの花まで咲いてしまいました。なんだか特急列車で春の花が終わってしまいそうな感じです。

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妻女山、春爛漫!(妻女山里山通信)

2009-04-13 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 森の杏も盛りを過ぎ、妻女山(赤坂山)の招魂社の桜が満開になりました。そこで春の花を求めて清野氏の天空の山城、鞍骨城跡までプチトレッキングに出かけました。「風林火山」に続いて「天地人」の影響もあるのでしょう。日曜日とあって妻女山展望台は、県内外の観光客がたくさん訪れていました。

 ザックを背負って支度をしていると、ミニバンの男性がこの林道どこまで行けますかと訪ねてきました。陣場平まではなんとか行けるのですが、車が大きくUターンの場所が無いのと轍が深いので、東風越までと斎場山(本来の妻女山)を紹介しました。次に老夫婦が来られて鞍骨城跡から先の御姫山の肩まで行けるかとの質問を受けました。鞍骨城跡までは、道も案内もしっかりしているので、鞍骨城への城郭の上り下りさえ気を付ければ往復3時間みれば余裕ですが、その先は険しいヤセ尾根で、ピークもただの御姫山の肩でなにもないので鞍骨城跡までにしたらどうですかとアドバイス。

 私は一足先に林道ではなく旧山道を登って藪こぎしながら陣馬平へ直行しました。途中右から視線を感じたので見上げると、すぐ上にいつものニホンカモシカの母さんが珍しく座っていました。暖かくなったねえと声を掛けながらシャッターを切りました。すっかり春めいてなんだか彼女も嬉しそうでした。そしてバイモ(貝母)の群生地へ。思った通り満開でした。しかし、このバイモ、満開といっても下を向いて咲くのと花が緑なので咲いているという感じがしないのです。別名は編笠百合といって中国原産の花で、渡来時期は江戸中期か奈良時代以前とされています。

 そして、菫の代表種、タチツボスミレを見ながらカタクリの群生地へ。カタクリは、スプリング・エフェメラル(春のカゲロウのような儚い命の花)の象徴のような花ですが、人知れず群生地があったりするのです。周りには猛毒のヤマトリカブトの群生地もありました。ニリンソウと間違えて食すると昇天します。

 鞍骨城跡の本郭によじ登り、その先の見晴らしの良いヤセ尾根の展望地で、桜が満開の松代城(海津城)や象山、妻女山を見下ろしながら昼食。柔らかな微風が心地よい午後でした。しばらくすると城跡の方から人の声が。どうやらあのご夫婦も無事に城跡に登れたようです。あの上杉景勝と直江兼続も、赤坂山(現在の妻女山)に陣を構え、鞍骨城に御旗を立て、北条軍を威嚇したといわれています。

 その後は、もうひとつのカタクリの群生地へ。こちらの方は、奥行き20~30m、幅100m以上はある大群生地なのですが、市のサイトにも紹介されていないので、おそらくほとんど知られていないのだろうと思います。近くのニワトコの若葉には、鮮やかなオレンジ色をしたニワトコヒゲナガアブラムシの卵生雌がたくさんいました。そして、東風越ちかくの日溜まりで関東蒲公英を発見。最近は西洋蒲公英ばかりなので少し嬉しくなりました。

 山道を下ると、道端にヒオドシチョウが一頭留まりました。撮ろうとすると飛び立ってしまいます。しばらくジッとして気配を消しいると足元に留まって羽を広げて日向ぼっこ。スーパーマクロにして徐々に近づき撮影。レンズから蝶まで、わずか4センチ。日向ぼっこする越冬と縄張り争いでボロボロのヒオドシチョウを撮影できました。里では、この暖かさで桃も満開になりました。千曲川河川敷は、桃のピンク色の花で溢れています。週末の長野マラソンの日までもつといいのですが。

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直江兼続は、妻女山の山桜を見たか?(妻女山里山通信)

2009-04-11 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 午前中の仕事の後で妻女山へ。まずわが家の山で山仕事。間伐した雑木を切ったり藪を刈り払ったりしました。その後、妻女山松代招魂社と妻女山展望台へ。桜が満開とあって多くの観光客が訪れていました。早速妻女山が昔は赤坂、または赤坂山で、本来の妻女山(さいじょざんん)は本名を斎場山(さいじょうざん)と言いって展望台より南西に見える丸い古墳のある山頂だということを説明しました。

 色々質問もされたので、なるべく分かりやすく丁寧に説明したつもりです。中にはどこで知ったのか斎場山に行ったことがあるというご婦人もいました。妻女山の桜越しに北アルプスの鹿島槍ヶ岳もよく見えます。ソメイヨシノが多いのですが、山桜や八重桜も咲いています。

 今年のように、暖冬で春先に寒く一気に暖かくなると、例年は杏、桜、桃と順番に咲いているものが、タイムラグが重なって一斉に咲き始めてしまいます。花見もたいへんです。これも地球温暖化の影響なんでしょうか。来週は長野マラソンですが、杏や桜は散って桃が咲いているでしょう。

★妻女山の詳細は、妻女山(斎場山)について研究した私の特集ページ「「妻女山の真実」妻女山の位置と名称について」をぜひご覧ください。驚愕の史実が!

 午後は、再び老齢の父母を伴って倉科の三滝から林道芝平ら樽滝線へ。樽滝を愛でた後は、支線に入って前日登った鏡台山まで90分の登山口へ。爽涼な風が吹き抜ける赤松林で、しばし森林浴。そこから林道を登って坂城へ越える峠の笹平へ。下ってあんず祭がたけなわの森から宮坂峠を越えて戸倉のキティパークへ。満開の桜トンネルを下って帰路に就きました。
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満開の森の杏と鏡台山(妻女山里山通信)

2009-04-09 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 早朝6時前に出発して、杏の里・森へ出かけました。背後の大峯山からまだ陽が登らず杏畑は朝もやの中だというのに、カメラマンがたくさん出ていました。ほとんどリタイヤした老人ですが。畑に入るなと書いてあるにもかかわらず、入る人が続出。困った人達です。

 ほとんど人が行かない山際へ。在来種の杏の花を求めて彷徨いました。思えば高校時代、母校の大正12年に長野県で初めて造られたという鉄筋コンクリートの三階の教室から、満開の森の杏がよく見えました。暖かい春の陽射しに授業も上の空、ボーっとして遠くに霞む杏の花に埋もれた森の集落を見ていたものでした。

 でも、記憶の風景と何かが違うんです。まず、家並みが違いますね。昔は藁葺きの屋根に土壁がほとんどでした。たまにグレーの瓦屋根と白壁の土蔵がある程度。今は、ほとんどが黒い瓦屋根と白い壁や明るいパステルカラーの壁。黒い瓦屋根は、杏の花とコントラストがつきすぎるんです。

 それ以上に変わってしまったのが花の色。現在は新品種がほとんどですが、以前は在来種もたくさんありました。新品種は、やや青みがかったピンクなのですが、在来種は写真のように白みの強いピンクに雄しべの黄色が混ざって、遠くから見るとコーラルピンクに見えたのです。それが現在は、やや青みがかったピンクで、なにか感じが違うんですね。この花しか知らないと何も疑問に思わないでしょうけど…。

 在来種には、写真のように濃いピンクと薄いピンクが混ざったものもあって、これもきれいです。在来種の杏は、小ぶりで酸味が強いのですが、小さい頃から食べていたせいか、こちらのほうが好きです。ジャムにしても在来種の方が美味しいと思うのですが…。

 そして午後、時間ができたので急遽山登り。森の上にある鏡台山へ楽チン登山をすることにしました。まず杏の里・倉科から林道芝平樽滝線に乗り大峯山の裏へ。ここに倉科コースの登山口があるのですが、頂上まで2時間かかります。そこで林道の支線があったことを思いだし、さらに進むと未舗装の林道があり、鏡台山登山口700mと書いてありました。林道をどん詰まりまで行き駐車。2時に登り始めました。5分ほどして山頂まで85分の標識。急げば60分かなと計算しグングン進みました。

 百瀬分岐を過ぎて三滝山への尾根分岐を過ぎて北峯へ。転げるように鞍部に下り、山頂に着いたのが調度3時でした。まず富士山は見えないかなと笹藪の唐松林を20mほど歩いて南へ。八ヶ岳の左裾に微かに雲をまとった、あれは富士山に違いない。

 戻って春霞に浮かぶ北アルプスを眺めていると、隣の丸太にヒオドシチョウが一頭留まりました。気配を消してそっと近づきます。スーパーマクロにして徐々に近づき撮影。最も接近したのはレンズから蝶まで、わずか4センチ。日向ぼっこするヒオドシチョウを撮影できました。やがて緊張が切れると気配を感じたのかユラユラと飛び去って行きました。ありがとうと声をかけました。【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】にアップします。

 そして帰りは、再び森の集落へ。途中林道の切れ目から杏の里が俯瞰できるところが一箇所だけありました。淡くスモーキーピンクに染まる杏の里は、さながら桃源郷のようでした。里に下りて、夕日色に染まり始めた杏を撮影して帰路に就きました。




★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。蝶の項目に、ヒオドシチョウもあります。ご高覧ください。信州の里山からのパノラマ写真集もあります。
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妻女山に桜が咲きました!(妻女山里山通信)

2009-04-07 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 急に暖かくなった午後、久しぶりに妻女山から斎場山、天城山へと登りました。日溜まりの斜面では桜が咲き始めました。上杉謙信や上杉景勝、直江兼続も見たでしょうかって、ソメイヨシノは戦後植えられたものですからね。それはないでしょう。でも山桜はあったかもしれませんね。日本の桜は200種類以上あるそうですから、代表的なもの以外、同定はなかなか困難です。

 ゆっくりと歩いて上杉謙信の本陣跡という伝説のある斎場山へ。ここは、私が研究している「妻女山の位置と名称について」に詳しく書いてありますが、斎場山こそが本来の妻女山で、斎場山古墳という二段の墳丘裾を持つ円墳があります。別名、謙信台、床几塚、龍眼塚、両眼塚ともいいますが、地名は天上です。

 次に謙信が陣城を建てたと伝わる陣場平へ。現在ここは唐松林と雑木林や荒れ地になっていますが、昔は桑畑でした。その端に国土地理院の「菱形基線測点」があります。国土地理院のプレートがあると父母から聞き息子達も動員して探したのですが見つからず。この間ひょんなことから見つけたという曰く付きのものです。

 「菱形基線測点」は、地殻変動調査を目的として設けられたもので、全国に16箇所しかありません。その内の長野県のものが、長野基線と呼ばれ、妻女山、平柴、川田、信里の四箇所で菱形を形作っています。この上に計測器を乗せて測るらしいのですが、どうも現在は使われていないようです。

 次に坂山古墳のある天城山へ。これはあまぎさんではなく、てしろやまと読み、昔は手城山と書きました。清野氏の鞍骨城の支城とも唐崎城の詰めの城ともいわれていますが定かではありません。その城を造る際に壊されたのでしょうか、円墳の屋根はなく、墳墓がむき出しになっています。ところで斎場山の標識でも触れましたが、天城山+坂山古墳の標識に100Mとありますが、メートル記号は、小文字のmです。Mではメガという意味になってしまいます。細かなようですが、これも大事なことです。この標識を作った人は算数が苦手だったのでしょうか。

 そのずっと奥の尾根にはカタクリの群生地があります。まだ咲いていませんでしたが、この場所なら人知れず咲いて、人知れず消えていくのでしょう。まさにスプリング・エフェメラル。春の儚い命。誰に媚びることもなく、嘘をつくこともなく、偽善も必要ありません。

 戻って鏡台山が見える展望地へ。先日は春の雪で真っ白でしたが、アッという間に溶けたようです。木々の芽吹きも始まりました。
 

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。
★フォトドキュメントの手法で綴るトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】もよろしく。
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千曲市 森の杏が見頃です!(妻女山里山通信)

2009-04-06 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 午後から母を伴って森の杏の花を見にでかけました。母の実家の先祖の絵がある信濃三十三番札所六番、観龍寺から山へ少し歩き見晴らしのよい上平の農道を歩きながら杏の花を楽しみました。村内は至る所で杏の花が満開で、甘い香りがはんなりと漂っています。開花情報は「あんず村から」をご覧ください。今週末は、満開で賑わうことでしょう。桃源郷の風景が広がります。今日は、春霞がかかって趣のある風景が楽しめました。ひと目十万本といわれるのですが、実際に何本あるのかは分かりません。次男は、桜は匂いがないけど杏の花は香りがあるから好きだと言っています。

 咲いているのは、今はほとんどがアプリコットですが、在来種の古木もあります。在来種の花は、遠目から見るとやや黄ばんでいて、コーラルピンク。ピンク色のアプリコットとは一線を画します。実の味も酸味が強く、杏ジャムにすると最高です。また杏の紫蘇巻きや杏干しも美味です。
 
 帰りは杏の里を眼下に見ながら、宮坂峠を越えて戸倉に抜けて戻りました。この街道はその昔、上田、坂城から松代へ通じる重要交通路でした。道筋にレンギョウが咲いていました。谷では節分草が終わり、カタクリとキクザキイチゲが咲いています。山野草は、地味で慎ましいものがほとんどですが、園芸種の花のように媚びやへつらいがなく、嘘もないので見ていて本当に癒されます。
 
 そして、今日の暖かさで、わが家の周りでも一斉に杏の花が咲き始めました。杏が咲くと、次は桜、桃と花の季節の到来です。




★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。
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信州郷土料理 ニラのおやきのレシピ!

2009-04-03 | 男の料理・グルメ
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 信州の郷土料理といえば、信州蕎麦に埴科更科限定ですが、辛味大根の絞り汁に信州味噌を溶いたつけ汁でいただくおしぼりうどん馬肉料理、山菜料理などがありますが、おやきはやはり定番中の定番でしょう。夏の信州丸ナスのおやきが最近有名ですが、切り干し大根と野沢菜のおやきも超美味です。切り干し大根は、青首大根ではだめです。やはり地大根でなければ。しかも天日干し。信州の冬の寒風が作る旨味たっぷり滋味たっぷりの切り干し大根と、乳酸発酵した本漬けの野沢菜で作ります。

 そして、春先に出てくる薫り高いニラのおやき(リンクは全てオリジナル・レシピ)。市販の葉の幅が広いニラは大葉種ですが、香りが薄く正直言ってニラを食べている感じがしません。わが家のニラは、畑の縁や庭先のその辺に勝手に生えているものですが、葉が細く香りと味が高いのが特徴です。わが家では、野菜というより草。蕗やノビルと同じで野草や山菜の仲間という感じです。

 写真は、直径26センチの大きなおやき。これをフライ返しで反動をつけて一気にエイヤッとひっくり返すのが私の特技で、子供達の喝采を浴びたものですが、今は昔…。
 生地に長芋が入っているので見た目ほど重くありません。長芋を入れると冷めても固くならないのも特徴です。掲載のおやきは、それぞれ私のレシピとリンクしていますので、興味があって材料が手に入る方は作ってみてください。実に素朴な信州のスローフードです。手作りは、余計な成形材や添加物が入らないのがいいですね。息子達もこの郷土料理が大好きで、小さい頃からよく食べました。ニラのおやきには、生地にニラや味噌を混ぜ込んで焼く「薄焼き(ニラせんべい)」や中華のニラ饅頭のように包んで焼いてから蒸すものもあります。真ん中に豚バラ肉の角煮やエビを入れると美味です。角煮を八角風味にすると、もう中華街の味です。

 その他、ニラは豚鶏の合い挽き肉と合わせて中華風味噌味にてニラ饅頭に。ニラレバ炒め、ニラの卵とじ、餃子トルコ風キョフテメンチと色々バリエーションも豊富です。リンクは全て私のオリジナルレシピです。

★新信州郷土料理は、MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)をご覧ください。山菜・キノコ料理、内臓料理、ブラジル料理、エスニック、中華の込み入った料理などの「男の料理レシピ集」です。特に本格的なアンチョビーの作り方を載せているのは、当サイトだけだと思います。手作りオイルサーディン、手作りベーコンもお薦めです。
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