モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

島唐辛子でアマゾンの調味料

2006-07-27 | 男の料理・グルメ
 ある方から島唐辛子をいただいた。赤い小さな激辛の唐辛子で、そそっかしい連れは先にいただいた島唐辛子やハバネロのピクルスを丸かじりして火を噴いていた。沖縄の調味料、コーレーグースを作ってもよかったのだが手持ちのがあったので、アマゾンのツクピーを作ることにした。

 ツクピーとはインディオ起源のスープというか調味料である。メルカード(市場)では写真左下のように。ピメンタ・デ・シェイロ(丸い形をした淡い黄色のアマゾンの唐辛子。辛さは赤唐辛子のおそらく数倍)を漬けて辛いタレを作ったりするときに使われる。今回作ったのがこれである。
 生だと青酸毒を含んでいるマンジオッカ芋=キャッサバを摺りおろして絞った汁を加熱発酵させ、唐辛子を入れて塩やニンニクで味付けしたものである。アマゾンにはツクピー専門店があり、それぞれ独自の手作りの味を持っている。料理にかけるだけでなく、肉や魚、カニ等を煮込んだりして使う。

 ただ辛いだけでなく、爽やかな独特の風味があり、一度味わうとけっこう病みつきになる。島唐辛子のように赤い小さな唐辛子を漬けたものは、ピメンタ・マラゲッタで、ソース状になったものは、モーリョ・デ・ピメンタ・ベルメーリャという。日本の輸入食材店で買える。アマゾンでは、生のピメンタをガーリックライスに真っ赤にかけてワシワシ食べているのを見たが、こればかりは真似できなかった。

 信州では善光寺大門町御高札前「八幡屋礒五郎」の七味唐がらしが有名で、長野の蕎麦屋には必ずこれが置いてある。昔、父は八幡屋礒五郎まで製法を聞きに行き、自家製の七味唐辛子を毎年作っている。自家製なので辛さも自由自在なのはいいが、これを閉めきった縁側で作ったときは、唐辛子の微粉末が家中に飛散し悲惨なことになった。

 アマゾンに戻るが、最近日本でもお馴染みのシュラスコは、ファリーニャ・デ・マンジョーカの粉をまぶし、ピメンタをジャブジャブかけて食らうのが正しいアマゾン流の食べ方である。もちろんアマゾンのカランゲージョ(蟹)も同様。棍棒で殻を割りながらピンガ片手にカニに食らいつくのである。もちろんキンキンに冷えたセルベージャ(ビール)でもいい。ピラニアのスープには、ファリーニャを入れ、ガーリックライスも入れ、ピメンタをかけてグチャグチャに混ぜて食べる。高級料理では、ピラルクのミラネーザやツクナレのペーシャーダがあるが、これにもピメンタは欠かせない。

 アマゾングルメについては、AMAZON.JP-アマゾンひとり旅-を。
 アマゾン料理のレシピは、モリモリレシピのエスニックをご覧あれ。
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花火難民

2006-07-24 | アウトドア・ネイチャーフォト
連れは、渋谷駅で浴衣姿の娘が多いのに気付き、新宿から京王線に乗ったら浴衣姿の娘ばかり。気になってしかたがなく、「何かあるんですか?」と訪ねたら「調布市の花火大会なんです」とのこと。わが家では、長男と私で手打ち親子うどんを作って待っていた。
臨海学園に行っている次男を除いて三人で夕食をとっていると「ドーン!」と一発。
「食べたら見に行こうか」ということになったが、今から多摩川まで行くのもかったるい。そこで国分寺崖線の上から見物しようということになった。

遠くで鳴る花火の音を聞きながら小雨の中を歩き出すと、近所の新興住宅地から小さな子供をふたり連れたお父さんが出てきた。すれ違いざまに小さな男の子が言った。「ねえ、みんなあっちへ歩いて行くよ」。なぜ花火を見に行くと分かったのだろう。目敏い子だ。途中、どこか見えるとこはないかと探し回る花火難民に何人にもすれ違った。そうなのだ。南へ行くと木で見えない。喜多見公園は絶好の場所だが遠すぎる。

振り返るとあの親子が付いてくる。こりゃあ責任重大だ。実篤公園の角を曲がり50mほど行くとお目当ての駐車場がある。おお、やはり近所の人が15人ばかり出て見ているではないか。つつじヶ丘のMさんちの大ケヤキが邪魔だが、大きな花火はよく見える。しばらくすると先の親子もやってきた。付いてきてよかったね。小さな女の子の瞳の中に小さく花火が映っている。

一通り見終わると帰りたくなった。なんだかつまらないのだ。もやっていて、時として花火の粒が見えないのだ。まるで空爆を見ているようだ。「ただの爆発だ」と息子。下で燃える花火は山火事のよう。
住宅街を戻る。時折家の間から花火が見える。そのうちえらく大きくなってきた。尺玉の連続打ち上げが始まったようだ。「ほらだからもっといようと言ったのよ」という連れにせかされて、森のテラスの坂へ行ってみると先客がいた。石段の途中から夏木立越しに花火が見える。尺玉が上がるたびに夏草についた露の中でも花火が光る。

正岡子規の句に「音もなし松の梢の遠花火」というのがあるが、まだ開けぬ厚い雲の梅雨空に花火の音はよく響く。光と音のずれがなんだかもどかしい。
寺山修司の句に「遠花火人妻の手がわが肩に」なんてのがあるが、そんなことはなく、虫除けスプレーをしていったのに蚊に七箇所も刺されてしまった。
遠花火というのは、歓声を上げて近くで見る花火と違って、しみじみと色々なことを考えるものだ。死にし人別れし人や遠花火(鈴木真砂女)なんて句もある。
私も三句ほどひねってみたが、まだまだ修行が足らないようだ。
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インターネットラジオとテレビ

2006-07-15 | BABYMETAL・LOVEBITES・ジャズ・宮本佳林・クラシック
最近はインターネットで、無料でラジオやテレビが視聴できるようになりました。なにか仕事をしながら、BGMに好きなジャズやロックを流しておくことができます。これ結構便利です。別にオーディオのスイッチを入れる必要もないので経済的でもあります。やる気があれば自分で放送局を開くこともできます。
もちろんテレビでは、世界の最新のニュースを見ることも可能です。スポーツやドラマも見られます。もちろんほとんどは無料です。
それから、ライブカメラも便利ですね。道路の渋滞や行き先の天気を確認することもできて非常に便利です。Google検索して探し出しても面白いと思います。きっとお気に入りの放送局が見つかります。

●インターネットラジオ
■世界のインターネットラジオを聴こう
■インターネットラジオ・TVの番組表
■インターネットラジオの作り方ヴギ
■Yahoo!カテゴリ - インターネットラジオ
■JJazz.net
■インターネットラジオを聴こう――厳選サイト!音楽編
■SHOUTcast MP3による高音質のストリーム放送局のイエローページ(オススメ!)

●インターネットテレビ
■インターネットテレビ放送局link集
■世界のテレビ
■YouTube
 なんといってもユーチューブでしょう。普及したらテレビは不要?
■Yahoo!カテゴリ - インターネットテレビ
■パソコンテレビGyaO

●ライブカメラ
■ライブカメラのリンク集「ライブカムジャパン」(オススメ!)
■世界の窓
■道路ライブカメラ 関東
■長野国道事務所 道路気象情報
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インカの目覚めで作る「新ジャガとアンチョビーのブラジル風サラダ」

2006-07-12 | 男の料理・グルメ
これは、私がブラジルの叔母から教わった料理で、サンパウロの叔父の家に滞在中によく作ってもらった料理のひとつです。そのレシピをわが家流に直したものです。

ドレッシングを二つに分けて作り、合わせるのがポイントです。アンチョビーの塩気とバルサミコとワインビネガーの酸味が食欲をそそります。ブラジルではガーリックライスと一緒に食べています。不思議とご飯によく合います。今回はブラジル風チキングリル(ハーブ塩とパプリカなどでマリネしたチキン)、リングイッサ(ブラジル風ソーセージ)、ラタトゥイユと一緒に食べました。

大皿にガーリックライスをよそい、上の料理を各自全部盛り合わせて、ファリーニャ・デ・マンジョーカというキャッサバ芋の粉をかけ、辛いピメンタをかけてワシワシといただきます。ブラジルでは、こういう食べ方を「プラット・ド・フェイト」といい、ごくごく一般的な食べ方になります。ブラジルの庶民は、これを細かく刻んでグチャグチャに混ぜて食べます。ま、猫飯ですね。口と胃の中でやることの半分位を皿の上でしてしまうわけです。結構旨いのですが、時としてひとつひとつの料理の味が分からなくなるのが難点ですね。まあふつうに食べてください。

ジャガイモの色が黄金色なのは、妻の母が作った「インカの目覚め」という黄金色の芋を使っているからです。インカの目覚めは、アンデスではお祭りの日に食べる特別な芋で、2~3度の低温で1ヵ月ほど熟成させると糖度がグンと増すそうです。ホクホクとした栗のような食感がやみつきになります。残った分は冷蔵庫で保存して、お菓子を作ってもらおうと思っています。

アンデスでは、凍らせて踏んで水分を抜き乾燥を繰り返し「チューニョ」という天然フリーズドライの保存食を作ります。それをもどしてスープや煮込み料理に使うわけです。ボリビアの3500~4000mの高地にある都市ラ・パスの屋台で食べたチューニョの入った肉スープの味は忘れられません。最近はインカの目覚めばかりでなく、アンデスの原種に近いようなジャガイモの種が手にはいるようになったので作ってみるのも面白いと思います。

「新ジャガとアンチョビーのブラジル風サラダ」のレシピ
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アズーリの歓喜と憂鬱

2006-07-10 | サッカー
フランス優位という見方が多かったようですが、わが家は勝つのはイタリアだろうと予想していました。堅守同士がぶつかり合う退屈な試合になることは予想できましたが、ちょっと後味の悪い試合になったのが残念です。その張本人のジダンですが、完全復活とマスコミは書いていましたが、それはどう贔屓目に見ても間違い。残念ながら全盛期の彼の輝きはありませんでした。そして、「ジダンに有終の美を!」でひとつになっていたフランスも、当の本人がレッドカードで退場では、勝負の行く末は見えていました。

イタリアは、過去のW杯ではPK戦ではことごとく敗れていました。そこで今回はPKを猛練習したそうです。ひとりひとりの自信に満ちたPKは、その証でしょう。24年間の優勝への渇望が勝ったということですね。フランスは、ジダンの花道以外モチベーションはなかった。同じようにブラジルにも、その優勝への絶対的な渇望が欠けていました。しかし、イタリアは優勝の翌日に、セリエA不正疑惑の判決という重く暗い命題を抱えています。ユベントスは本当にC1落ちとなるのでしょうか。

ある意味で、サッカービジネスは巨大化しすぎて、たとえば欧州CLはそのレベルとスペクタクルにおいてW杯を完全に凌駕していることにより、健康的な共存は困難になっているのかもしれません。選手だって人間ですからね。私にはロナウジーニョ、カカ、アンリ、デコ等を攻める気にはならないですね。FIFAはなんとかするべきです。私達は最高の試合、最高のプレーが見たいのですから。

それにしても退屈な決勝戦でしたね。縦へのポジションチェンジが全く見られず、攻撃は3枚ぐらい。まあW杯の決勝なんていつもこうですが、日韓大会のブラジルのように前3人だけでミラクルを起こすなんてこともあったのですが、今回はそんな攻撃的なチームが次々に敗退してしまったので、そういう意味でも地味な大会でした。前回書いたように、近距離で回転をかけても曲がらない落ちないボールが大会を大味なつまらないものにしました。不確定性を操る技術こそがファンタジスタの証だったのに。あの完璧なボールがそれを奪ってしまいましたね。ハットトリックのひとつもない地味な大会になりました。

今後色々検証されるのでしょうが、チョンモンジュのごり押しにより開かれた日韓共催は、FIFAは完全なる失敗と捉えているようで、今後共催は一切認めないそうですが、次回は2010年南アフリカ大会。北京オリンピック同様はたして無事に開催できるのかなという一抹の不安はあるものの、わが日本代表は、人心を一新して望んでもらいたいもの。2014年の大会を目指すぐらいで調度いいのではないかとさえ思うのです。中途半端なベテランを起用せずに、才能のある若い世代をオシム監督には伸ばしてもらいたい。少なくとも無能の神様のように逆戻りさせてはいけない。そう思うのです。日本人のサッカーを構築すべきです。
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ロナウドと心中したパレイラ!

2006-07-02 | サッカー
豚と心中した鹿(ヴィアード:臆病者、おかま野郎)というところでしょうか。全く動かない動けないロナウドのワントップなんてあり得ない!ですね。前半は全く機能しないブラジルでした。たまにロナウジーニョ、カカから決定的なスルーパスが出ても、ブウちゃんは全く反応できないんですから。

エメルソンの欠場は痛かった。カフーの衰えが気になりました。カカ、ロナウジーニョもトップコンディションではないように見えました。失点の場面は、アンリにロベカルがつかなければいけなかったのですが、後で引きの画面を見たら、ロベカルは下手くそなプレステのゲームのように膝に手をあててうつむいて立ったままでしたね。その前になにかあったのでしょう。あそこでアンリをフリーにするなんて考えられません。(後で引きの画面を見たら、なんとロベカルは靴か靴下を直していました。信じられない!)

だいたいパレイラは、アメリカ大会で優勝したけれどブラジル国民は認めませんでしたね。守備的でつまらないチームだ。あんなのブラジルのサッカーじゃないってね。そのパレイラをなんでまた監督にしたんでしょう。しかもよぼよぼのザガロ付きで。ザガロといえば、フランス大会準決勝で、オランダに死闘の末勝ったら泣き崩れてしまいましたからね。おいおい監督がそんなでどうすると思ったら決勝でフランスに0-3ですから。フランスにトラウマ持つような老いぼれをTDにってのも不可解です。ブラジルサッカー協会内の勢力争いでもあるのでしょう。

02大会のフェリペは、ブラジルらしい攻撃的なサッカーで優勝しましたからね。イングランド戦はそのフェリペの貫禄勝ちですね。ポルトガルには勢いがあります。私としては、パレイラvsフェリペが見たかったのですが…。まあこれで、ザガロ、パレイラは、代表に関わることは二度とないでしょう。しかし、代表、ブラジルのサポーターには、言いしれぬ不満足感が残ったのは間違いありません。ベスト8で終わるなんて許されないことですから。国内ではこれから延々戦犯探しが始まるでしょう。バロンドールをとった選手は、翌年のW杯で活躍できないというジンクスは生きていました。

しかし、面白いサッカーをするチェコ、アルゼンチン、ブラジルと消えて地味な準決勝、決勝になりそうです。でも欧州大会は今までも得てしてこうなりがちでした。南米のチームは途中で消えるのが常でした。唯一スウェーデン大会で優勝したブラジルを除いては。ですから今でもペレは偉大だと言われるのです。どこぞの無能な神様とはワケが違います。

今回、暑さと一部のピッチのひどさは置いておいて、ボールが大会をつまらなくしていると思うのです。真円にちかくなった事で曲がらなくなりましたね。近距離でのフリーキックがぜんぜん決まらなくなりました。ロナウジーニョのも以前のボールなら入っていたかも。ミドルシュートのオンパレードで大味な試合が増えました。キーパーが、ハンブルを恐れてパンチングばかりでスーパーキャッチが見られません。今回のボールは大失敗だと思います。科学に頼りすぎてサッカーの面白さを奪ってしまったということでしょう。

フランス-ポルトガル、イタリア-ドイツ。老練なフランス、勢いのあるポルトガル、虎視眈々と狙うイタリア、のりのりのドイツ。寝不足の日々もあとわずか。
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