モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

梅雨の森の宝石オオミドリシジミを探して妻女山山系へ。雨上がりの粘菌二種を発見。虫こぶも(妻女山里山通信)

2021-06-30 | アウトドア・ネイチャーフォト
 今年の梅雨は信州には珍しくじとじとジメジメした陰性ですね。カラッとした梅雨晴れが少ないのでゼフィルス(シジミチョウ)の発生も少なめです。オオムラサキは24日に初見しましたが、その後見ていません。樹液バーにも昆虫は来ていません。
 僅かな晴れ間を狙って妻女山山系のある場所へ。三箇所ほど出現する場所を知っているので向かいました。もちろん他にもあるはずですが、あまり離れていると撮影が間に合いません。それは出現する時間が午前中の9時から10時ぐらいと限られているからです。

 ここにはオスが一頭しかいませんでした。僅かな日当たりの良い葉の上で翅を開いています。ターコイズブルーの翅がキラキラと輝いて美しい。構造色なので見る角度によって微妙に色が変化します。

 幼虫の食樹は、コナラ、クヌギ、ミズナラ、カシワなど。翅を広げているのは、テリトリーを主張する占有行動です。

 別の場所で。オス同士で占有行動するため、この後すぐに飛び立って三頭のオスでクルクルと回っていました。撮影はひたすらシャッターチャンスを待つが鉄則です。いつ来るか分からない彼女を待つ。そんな気分です。撮影するのはオスですけれどね(笑)。

 そして日当たりの良い葉の上で開翅し占有行動をとります。今回は昨年と違って雨後で湿度が高く、地上付近まで下りてきませんでした。そのため撮影はマクロレンズでなく望遠マクロのみです。残念でした。
森の宝石オオミドリシジミの復活。あんずの収穫の季節。オオムラサキ初見(妻女山里山通信):マクロレンズで最接近で撮影した2018年の少し腹の立つ、そして感動的な再会の記事です。

 下山します。歩き疲れました。待ち疲れました。樹間から千曲川と上信越自動車道。右手前に松代PA。とろろご飯と蕎麦が名物。地元野菜も買えます。堤防の上はサイクルツーリングに最適。一部車道と併用なので要注意。

 私が主宰する妻女山里山デザイン・プロジェクトが保護活動をしている貝母群生地のある陣場平へ。シオヤアブのオスが獲物をゲット。犠牲になったのはセイヨウミツバチの様ですね。シオヤアブは自分より大きな昆虫を捕獲することもあります。体液を吸ってる先でハエの仲間でしょうか、おこぼれをちょうだいしています(笑)。

(左)ナラハウラマルタマバチ(コナラフシバチ)が寄生して出来た虫こぶ(虫えい・ゴール)です。中に一匹の幼虫が入っていて内部を摂食し成長。2〜3週間で落下しその中で成長。10〜11月に羽化して成虫に。(右)ハラタケ科のカラカサタケ。食べられますが特別美味しくないし似ている猛毒のキノコがあるので私は一度食べましたが、それ以降食べません。キノコの判別は絶対に図鑑とかでしてはいけません。迷ったら保健所へ。どんな猛毒のキノコでも一度は食べられますが二度目はありません。
コナラの木にリンゴをならすハチ!(妻女山里山通信):これも虫こぶです。

 粘菌のツノホコリ(角埃)。正しくは原生粘菌類に属するツノホコリ科ツノホコリ属の粘菌。世界に三種、日本にあるのは一種。変種にはほかに、枝分かれしないエダナシツノホコリ、丸いタマツノホコリ、カンボクツノホコリ、ナミウチツノホコリなどがあります。高さは2ミリ前後。半透明で、触るとゼリー状につぶれます。ごく普通に見られる粘菌です。他とは違い、透明な棍棒状の子実体の周りに柄のついた白い胞子嚢をつけます。周りに白く粉状に見えるものがそうです。胞子嚢がまだ未完成のものは透明に見えます。

 赤松の伐採木に粘菌。遠目で見るとまったく何か分かりません。ハイカーも気にもとめないでしょう。でも真っ赤な粘菌や黄色のアメーバー状の粘菌もあって、そういうのは何これ!って思うでしょうね。

 タマツノホコリ(玉角埃)ツノホコリ科ツノホコリ属。ツノホコリの変種。別名はタマサンゴホコリ。担子体は群生し、外生胞子を作る変形菌はツノホコリ属のみです。おそらく午後には外生胞子を飛ばし始めるでしょう。変種の見分けは結構微妙で難しい。

 下山中に見つけた蛾。ドアを開けると逃げられそうなので窓を開けて腕を一杯に伸ばして撮影。エダシャクの仲間でしょう。種名は不明ですがヒョウモンエダシャクかな。梅雨の里山なんて蒸し暑いしクロメマトイにまつわりつかれるしでほとんど人が来ませんが、実は生物が生き生きと活動する魅力的な季節なんです。雨中登山では、ブナの大木を流れ下る小さな川筋も見られます。

 昔イノシシが泥をこすりつけて樹皮が剥けた落葉松から滲み出る樹液(ヤニ)。出たばかりは赤茶色なんですが、時間が立つとプルシャンブルーに変色し固まり樹脂になります。精油分(テレビン油)で工業用に古くから使われてきました。高校の美術班で油絵を描く時にも溶剤として使いました。家具や建築材に使う時は脱脂をします。春の芽吹き時にはヤニの細かな雨が降るので、落葉松林の近くには駐車しない方が賢明です。疲れたので温泉へ。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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中森明菜の私の個人的なベストチョイスです。アイドルを超越したアーティスト(妻女山里山通信)

2021-06-28 | BABYMETAL・LOVEBITES・ジャズ・宮本佳林・クラシック
 中森明菜の私の個人的なベストチョイスです。

中森明菜 Best Selection Vol.2 
1.DESIRE(1990.12.11)
2.ミ・アモーレ (1990.12.11)
3.飾りじゃないのよ涙は (1987.12.30)
4.マリオネット  (2003 Live + 1987.2.4)

 当時、私は出版関係のアートディレクターをしていたので、アイドル雑誌のデザインをしたり、アイドルやアイドルの卵の撮影ディレクションをしていました。レコード会社からは試聴盤が送られて来ましたが、彼女のだけは自腹で買っていました。聖子ちゃんも好きでしたが彼女は次元が違っていました。その前、美大生時代に村上春樹さんのジャズ喫茶、国分寺の『ピーター・キャット』でアルバイトをしていて毎日のように女性ジャズシンガーの歌を聴いていましたが、後に彼女の歌はそれらにも勝るとも劣らないと思いました。.DESIREのヘアスタイル、衣装、振り付けは彼女のアイデアの結晶です。こんなアイドルはいません。
●美大時代の『ピーター・キャット』のことは、左のサイドバーの『国分寺・国立70sグラフィティ』をクリックして御覧ください。村上春樹さんの国分寺ピーター・キャットを中心とした36本のフォトエッセイがご覧いただけます。70年代の美大生の魑魅魍魎が跋扈するエキサイティングな日常が分かると思います。

中森明菜/ファーストアルバム プロローグ〈除幕〉A面LPレコード

 初々しい。ここから数年で驚異的な進化を遂げるのです。

【公式】中森明菜/飾りじゃないのよ涙は (ビター & スウィートLive at東京厚生年金会館, 1985.9.22) AKINA NAKAMORI/Kazarijyanainoyonamidawa

 明菜ちゃんごめんなさい。カラオケの18番です。女性達が皆踊ってくれます。

【公式】中森明菜/セカンド・ラブ (イースト・ライヴ インデックス23 Live atよみうりランドEAST, 1989.4.29 & 30) AKINA NAKAMORI/Second Love

 これも公式サイトです。関連動画もぜひ! 音質も最高です。

【公式】中森明菜「1/2の神話 (イースト・ライヴ インデックス23 Live atよみうりランドEAST, 1989.4.29 & 30)」AKINA NAKAMORI 1/2 No Shinwa


【公式】中森明菜/TATTOO (~夢~'91 Akina Nakamori Special Live at幕張メッセ, 1991.7.28 & 29) AKINA NAKAMORI


【公式】中森明菜/ミ・アモーレ [Meu amor e...] (~夢~'91 Akina Nakamori Special Live at幕張メッセ, 1991.7.28 & 29)

 実際に行ったブラジルのカルナバルを思い出します。リオとサルヴァドール。熱狂と狂気と鎮静。左のサイドバーからそのフォトエッセイがご覧いただけます。

【公式】中森明菜/難破船 (Live in '87・A HUNDRED days at 東京厚生年金会館, 1987.10.17) AKINA NAKAMORI/Nanpasen


中森明菜 Akina Nakamori 異邦人


駅------オリジナル歌手:中森明菜 中文歌詞

 ベテラン歌手がもったいぶって歌うのとは全く違う。熟成した明菜ワールドが広がる。

中森明菜 22才の別れ

 別れは新しい出会いの始まり。

20世紀末動画 中森明菜「別れの予感」 From Empress  Spcile Live 2005

 どんなに愛しあっていても時は必ず二人を分かつ。会者定離、諸行無常。

Akina Nakamori - Cruel Angel's Thesis / 残酷な天使のテーゼ:エヴァンゲリオン、オープニングテーマ

明菜が歌うとこんなになる。素晴らしい。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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梅雨だから料理に精を出すよ。野沢菜ジャコ炒飯とアンチョビー入り絶品ポテトサラダなどなど(妻女山里山通信)

2021-06-27 | 男の料理・グルメ
 今年の梅雨は、寒気が入っているため連日天気が非常に不安定で、長野市もあちこちで毎日集中豪雨が起きています。そんなで撮影もままなりません。気圧の変化が激しく体調維持も難しい。出られない日には料理をすることにしました。現役時代は料理の本を作ったり、土井善晴さん、ジュディ・オングさん、平野レミさんなどと仕事をし、妻のプランタン銀座でのカフェメニュー教室のプロデュースもしました。職業柄食べ歩いて、今より15キロも太っていました。ブックスダイエットで減量し、今は少食粗食を心がけています。

『淡竹と鯖の水煮缶詰の味噌汁』。信州人の初夏の恵みです。根曲がり竹が有名ですが、ボリュームがあってエグミの少ない淡竹はオススメです。玉ねぎを入れると自然の甘みが出ます。鯖缶から出汁が出るので加えるのは酒、本味醂、信州味噌で充分です。この信州味噌は、妻女山里山デザイン・プロジェクトの仲間で豆から栽培して作った手作り味噌です。鯖缶は信州が消費量全国一でしたね。鯖缶と白菜のカレー味噌炒め(鯖白菜)も手軽で美味しい。右は枝豆と塩昆布の混ぜご飯。簡単ですが美味です。おにぎりにしてもいい。梅漬を入れると更に美味しい。まだ淡竹があるので若竹煮を作ります。鯖缶の選び方ですが、缶の直径の大きなものがいいです。大きな脂が乗った鯖を使っています。オススメは、マルハニチロの月花、ツルヤオリジナル気仙沼のミヤカン、銚子の信田缶詰のものなど。
鯖白菜のオリジナルレシピ。カレー味にするのがポイント。白菜は霜が降りた後の甘みがあるものを。ご飯がすすみます。
鯖と発酵タケノコのタイカレーのオリジナルレシピ。エスニックカレーの極み。めちゃくちゃ臭いけど超絶美味。発酵タケノコは、臭豆腐と共にハマると抜け出せない旨さです。

『野沢菜ジャコ炒飯』。野沢菜漬けは、少し前の記事で書いた野沢温泉の麻釜の隣りにあるじぶたれた(褒め言葉です)土産物屋で買った野沢菜本漬けの古漬け。乳酸菌が発酵してもうすんき漬けみたいになっています。こんな野沢菜漬けは初めて食べました。我が家でも毎年漬けていましたが、春先には食べきってしまいますから。できあがった炒飯は激旨で、あっという間になくなりました。保存はパックに漬け汁ごと入れて冷蔵庫で。次は鮭炒飯にします。あんかけの福建炒飯も美味です。
野沢菜ジャコ炒飯のオリジナルレシピ。今回のものとは若干違いますが美味です。
野沢菜福建炒飯のオリジナルレシピ。最後に海苔をちぎって溶かし入れるとより福建炒飯ぽくなります。20年以上通い続けた横浜中華街の味。

『アンチョビ入ポテトサラダ』。新じゃがが出ると作りたくなります。市販のポテトサラダとは全く異なります。アンチョビーを入れることで大人の味に。お酒のつまみにもなります。オープンサンドや流行りのホットサンドもオススメ。
 材料は、新じゃが(毒のある芽がないので皮ごと蒸して使う)・人参(じゃがいもと一緒に蒸す)・胡瓜・トウモロコシ・ハム(信州ハムの無塩せき)・アンチョビ(火入れして臭みを抜く)・新玉葱・レーズン・マヨネーズ・ヨーグルト・バジル・ニンニク・レモン汁・ライム汁・岩塩・黒胡椒。分量は適当です。いただくときに舌がピリッとする本物のエキストラ・ヴァージンのオリーブオイルをかけます。そのままでもサンドウィッチでも。信州ですからリンゴを入れてもいいし、アボガド入れると濃厚に。祖母は私が小さい時は、ミカンの缶詰を入れてくれました。
新ジャガとアンチョビーのサラダのオリジナルレシピ。ブラジルの叔母から伝授されたもの。小芋で作ります。砂糖は体に悪いので黒糖か蜂蜜に換えてください。簡単で美味。
タラじゃが(鱈とじゃがいものサフラン煮込み)のオリジナルレシピ。元はポルトガルのブラジル料理です。ご飯にもパンにも合います。分厚い塩漬けのタラが日本ではなかなか手に入らないので工夫しました。

 『若竹煮』。関東以西では真竹か孟宗竹が一般的ですが、信州では根曲がり竹と淡竹です。淡竹はえぐ味が少ないので色々な料理に向いています。ひき肉や海老のすり身を挟んでフライにしても美味。今回は旬の生ワカメと共に若竹煮にしました。茹でた淡竹を鰹出汁、いりこ出汁、海老粉で酒、本味醂で煮立て、旬の生ワカメを入れてさっと煮ます。醤油は丸大豆醤油と牡蠣醤油。ワカメの歯ごたえを残すために最後に入れてすぐに火を止めます。そのままおくとワカメの出汁が出ます。おかずにも酒の肴にもなります。山椒の若葉がもうないので、実を煮付けたものを添えました。

 今年の梅雨は梅雨の中休みとか少なくて本当に自然写真家泣かせです。今日は朝から晴れたので、いるだろうと森の宝石オオミドリシジミの撮影にでかけました。いました。でも発生数は少なめ。湿度も高くなかなか地上近辺に下りてきません。は〜っとため息。水曜日がラストチャンスか。自然相手はこんなものです。オオミドリシジミの気分も計り知れないものがあります。幸運を我に! 粘菌は撮影できました。

そんな私のオリジナルレシピ集『MORI MORI RECEPE』信州の新郷土料理に、世界の郷土料理やアウトドア料理を、時に大胆に時に繊細に「男の料理」にアレンジ。ここでしか見られない中華料理やエスニック、アマゾン料理なども。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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ミドリヒョウモン、シオヤアブ、ムラサキシキブ、ヒヨドリバナ、イシクラゲ、クダホコリ(粘菌)、ニホンカモシカ。梅雨に生き生きの生物達(妻女山里山通信)

2021-06-25 | アウトドア・ネイチャーフォト
 寒気が入っているため連日天気が非常に不安定で、長野市もあちこちで集中豪雨が起きています。晴れ間が出るのは午前中の2,3時間だけ。昼頃には雲行きが怪しくなって雨も落ちてきます。そんな中での撮影でした。毎日、雨雲レーダーを見ながら動いています。

 ミドリヒョウモン(緑豹紋)タテハチョウ科ヒョウモンチョウ属。前夜にもの凄い豪雨があったので、地中にしみ込んだ水を吸っていました。

 人の気配に敏感で近づくとすぐに逃げてしまうので、非常にゆっくりと動いて撮影します。望遠マクロではなくマクロレンズなのでかなり接近しないと撮影できません。視界に入りにくい斜め後方から近づきます。後翅の両側が同じ形で欠損しているのは、何かにかじられた痕でしょうか。

 妻女山のあちこちでムラサキシキブ(紫式部)とコムラサキ(小紫)が咲き始めました。クマツヅラ科ムラサキシキブ属の落葉低木。写真はムラサキシキブで葉が大きく広い。コムラサキは葉が細く花の数が多い。紫色の実もたくさん成るので見栄えがいい。実は食べられますが美味しいものではありません。

 シオヤアブ(塩屋虻)ハエ目短角亜目ムシヒキアブ科シオヤアブ亜科。腹端(=交尾器)が黒く、腹部は黄褐色と黒のしま模様。オスの腹端には白い毛の束があるので、これはメス。葉や小枝の上でハエやアブ、チョウなどを待ちかまえ、襲って体液を吸い取るアブ。時には自分より大きな昆虫も襲います。ゼフィルスの天敵のひとつ。

(左)オカトラノオ(丘虎の尾)。群生地は青海波の様に綺麗です。(右)イチヤクソウ(一薬草)。前はイチヤクソウ科でしたが、新しいAPG植物分類体系では全てツツジ科。
APG植物分類体系とは:旧い分類法の新エングラー体系やクロンキスト体系がマクロ形態的な仮説を根拠に演繹的に分類体系を作り上げたのに対して、ミクロなゲノム解析から実証的に分類体系を構築するものであり、根本的に異なる分類手法である。(wiki)

 ヒヨドリバナ(鵯花)。はキク科の多年草。。アサギマダラが吸蜜するのが見られます。環境省の特定外来生物および要注意外来生物には指定あるいは選定されていません。右下に極小の昆虫がいますね。

(左)陣場平の貝母。枯れて弾けたものや、まだ実が青いものもあります。(右)ハハコグサ(母子草)キク科ハハコグサ属の越年草。別名はゴギョウ(御形)、ホオコグサ(這子草)、ブツジグサ(仏耳草)、ソジ(鼠耳)、モチバナ(餅花)など。春の七草の一つ。止まっている昆虫の右胸にアカケダニが付いています。

(左)ネンジュモ属に属する陸棲藍藻の一種、藍藻類のイシクラゲが大発生していました。これは炊き込みご飯や味噌汁、卵炒めなどにして食用になります。(右)ドクベニタケ(毒紅茸)ベニタケ科ベニタケ属。近縁種が多く肉眼での同定が難しいキノコです。傘はやや粘性があり、薄くはがれます。食べたことはないのですが、強烈な苦味辛味があるとか。

(左)イオウイロハシリグモ(硫黄色走蜘蛛)。模様や色の個体変異が激しい。網を張らないくもですが、雌は卵嚢を口にくわえて運び、孵化が近づくと草間に籠上に張った網のようなものを作ります。写真左上の葉裏のものが卵嚢でしょうか。(右)ヒラタシデムシ。鞘翅目シデムシ科 。体が平べったいシデムシで、センチコガネなどと同様、昆虫の死骸を食べる森の掃除屋さん。

 クダホコリ(管埃)ドロホコリ科 クダホコリ属 。粘菌(変形菌)です。最初は淡いピンクで濃くなり、だんだん黄土色に変わっていきます。希に紫になるものもあります。子実体形成まで時間がかかるため、ピンクまたは紅色の未熟体がよく観られます。子実体の高さは約5ミリ。粘菌は拙書でもエッセイで3ページの記事を載せています。南方熊楠に関する文章も。
私の粘菌(変形菌)図鑑。YouTubeの粘菌スライドショーのリンクもあります。粘菌好きは必見!

(左)クダホコリの中になにか昆虫がいます。ベニボタル科の虫やテントウムシの幼虫が、粘菌を食べに来ます。(右)フサヒメホウキタケ(房姫箒茸)フサヒメホウキタケ科フサヒメホウキタケ属。梅雨時から秋にかけて針葉樹の倒木上に発生。大きいものは高さ15センチぐらいになります。毒キノコではないようですが、辛味があるようで不食。

 翌日は曇り空。前夜にまた豪雨がありました。買い物の前に林道倉科坂線を歩いてみました。お!ニホンカモシカ。気付かれないように草に隠れて後をつけます。マクロレンズなのでなるべく近づきたい。15mぐらいで気配とわずかな足音で振り向きました。手を振り気を引きながら近づきます。角も体も小さいので、昨年夏に生まれた子供でしょう。この後動いたら左の急斜面に飛び降りました。帰郷して13年目。マダム、シロ、ブランカとメスは代々すべて双子を生んできました。この個体はブランカの仔かまたはその娘の仔なのか。

 千曲川対岸の東福寺の堤防上からの妻女山山系。川中島合戦に登場する山名が並びます。妻女山(旧赤坂山)、斎場山(旧妻女山:円墳)最初の謙信本陣。陣場平は謙信が七棟の陣城を築いたと伝わる台地。私が仲間と貝母を保護しているところです。妻女山山系は川中島合戦の舞台であり、古代科野国の聖地でした。ハイカーだけでなく歴史マニアもたくさん訪れます。来週は本格的な梅雨模様になりそうです。生物学や歴史や民俗学の研究をしようと思います。

 粘菌の怪しく美しいマクロの世界にあなたを誘います。決して特別なものではなく、梅雨の雨上がりの庭や公園の倒木や切り株でも見られます。探してください。きっと虜になります。
【信州の里山】妻女山の変形菌(粘菌)その1 Japanese Myxomycetes vol.1

【信州の里山】妻女山の変形菌(粘菌)その2 Japanese Myxomycetes vol.2

【日本の里山】森の変形菌(粘菌)Japanese Myxomycetes

BGMは、私が大好きなエリック・サティです。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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ルリタテハ、コミスジ、ウラナミアカシジミ、ヒメウラナミジャノメ、ダイミョウセセリ。蝶の季節(妻女山里山通信)

2021-06-22 | アウトドア・ネイチャーフォト
 今年はゼフィルスの出現が遅く数も少なめ。セミの鳴き声も少ない。カッコウも例年の様に煩くない。サンコウチョウはよく聞きますが、ホトトギスの声が聞こえません。なにかおかしい。気になります。

 ルリタテハ(瑠璃立羽、学名 Kaniska canace)テハチョウ科。瑠璃色(ラピスラズリ)の翅が美しい蝶。成虫で越冬し、妻女山ではヒオドシチョウと共に春を告げる蝶です。幼虫の食草はサルトリイバラ、ヤマガシュウ、ウバユリなど。幼虫は黒にオレンジの模様で、白いトゲトゲが全身を覆う派手な出で立ちです。

 コミスジ(小三條、学名 Neptis sappho)タテハチョウ科。食草はクズ、ヤマフジ、ニセアカシアなどマメ科の植物。人の気配に敏感で今まで撮影できませんでした。激しい縄張り(テリトリー)争いで翅がボロボロです。オスでしょうね。右の翅の欠損は、ニホンカナヘビに襲われた痕かも知れません。

 ウラナミアカシジミ(裏波赤小灰蝶)。食草はコナラやクヌギ。幼木を好むのでそれを切られてしまうと減少します。伐採と萌芽更新によって維持されてきた薪炭林と深い関係にあります。里山が荒廃することで絶滅危惧種になっている地方もあります。アカシジミも一頭確認しましたが撮影できませんでした。

 体長6〜7ミリの小さな蜘蛛。思い出せなかったのですが、ハエトリグモの仲間だろうと検索したらすぐに分かりました。マミジロハエトリバエ(目見白蠅捕蜘蛛)のオス。日当たりの良い葉の上で小さな昆虫を狙います。この時は、ヒメギスの幼虫を捕食しようとしていました。捕獲用の網を張らず、歩き回りながら獲物を狩る徘徊性のクモです。

 緑濃い長坂峠。鞍骨山から十日町市から来られた20人ほどのハイカーが下りてきました。象山から登ってきたというので、そんなマイナーなコースどこで知りましたと聞いたら本ですと。拙書を見せたらそれです!と。著者ですと言ったら凄く驚かれました。こういう出会は結構ありますが嬉しいですね。県外の読者も結構多いのです。信州の里山は人気ですね。

 翌日。日向ぼっこするダイミョウセセリ(大名挵、学名 Daimio tethys)セセリチョウ科 チャマダラセセリ亜科。幼虫の食草はヤマノイモ科のヤマノイモ、オニドコロなど。終齢幼虫は落ち葉の中で越冬し、春になるとそのまま蛹化・羽化します。

 ヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇目)。翅の裏の波型の模様がよく見えます。逆光に透けた翅がなんとも美しい。

 ヒメギス(姫螽蟖)のオス。虫や植物などを食べる雑食性。ずっと小さな幼虫が周りでたくさん見られました。

 甲虫を捕らえて体液を吸うオオイシアブ。毛むくじゃらの体が特徴で体長は20ミリほど。なんか昆虫界の仙人か野武士という風情。捕らえられたのはゴミムシの仲間。

 ハルジオンで吸蜜するのは、ホソヒラタアブのオス。別名はマーマレードハナアブ。幼虫はアブラムシを食べます。頻繁に吸蜜の花を替えるので、シャッターチャンスはたった一回でした。複眼が上部で接しているのでオスと分かります。

 イチヤクソウ(一薬草)。別名は 鹿蹄草(ろくていそう)といい生薬。 薬効は急性腎炎、膀胱炎、妊娠時のむくみなど。妻女山山系では貴重な花です。周りを見ても4株しかありませんでした。

(左)イオウイロハシリグモ(硫黄色走蜘蛛)キシダグモ科。チョウやアブを捕食します。網を張らないクモ。雄が捕らえた獲物を雌に贈る「求愛給餌」をすることでも知られています。雌は卵のうをくわえて歩き、子が生まれるようになると粘らない網を張って幼稚園ともいえる「まどい」を作ります。外敵の侵入があると蜘蛛の子は一斉に逃げます。いわゆる「蜘蛛の子を散らす」というあれです。(右)クマノミズキの花が咲き始めました。色々な種類の虫たちが吸蜜に訪れます。

 マダラアシナガバエ(斑脚長蠅)のオス。体長5〜6ミリ。見ようとしないと見えない昆虫です。自然界の中にはこういう極小の生き物や植物、菌類などがいますが、すべて大切な宇宙船地球号の乗員です。

 妻女山から松代方面の眺め。一番奥に拙書でも紹介の根子岳と四阿山。右手前に立石山。その手前は皆神山。その手前は象山。左端に江戸時代は城内が見えるため庶民は登れなかった離山。前日に息子が峰の原高原から根子岳に登りました。このコースは拙書では載せていませんが、ブログでは紹介しています。ミヤマモンキチョウでブログ内検索してください。ミヤマモンキチョウは県の天然記念物です。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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ヒメウラナミジャノメ、イチモンジチョウ、ウラゴマダラシジミ。蝶の季節(妻女山里山通信)

2021-06-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
 梅雨の晴れ間に妻女山山系へ。ウスバシロチョウが姿を消してしばらく端境期でしたが、そろそろ新しい蝶の季節です。前夜に激しい雨が降った翌日の午前中は湿度が高いため、蝶は地上付近に下りてきません。二日目の晴れの午前中を狙います。

 まずヨモギで日向ぼっこするヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇目)と邂逅。少し日向ぼっこをしたらフワフワと舞い別の葉へ。タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科。食草はイネ科のススキ、チヂミザサなど。

(左)砂利の上のヒメウラナミジャノメ。翅の裏が波模様です。(右)小さなハルジオンの花で吸蜜するのは、更に小さなアカガネコハナバチ。コハナバチ科のハチは、種類も多く同定が困難です。ややピン甘の横向きのカットからそう同定しました。全体が金属光沢。土の中に巣を作り、地中の花粉ダンゴで幼虫を育てます。

(左)林道入口の登山ノートの箱の下に、N氏が地図を付けてくれました。斎場山、陣馬平、天城山、鞍骨山への行き方が分かります。(右)宙吊りになっていたコナラを蔓を切って落としました。100キロ近くあるので大変危険でした。最後の蔓を切り落とすとドサッと落ちました。その後の蔓の処理のほうが手間がかかって大変でしたが、これで安心して通過できます。

(左)オカトラノオが咲き始めました。(右)そろそろオオムラサキも羽化するので、樹液が出るようにコナラの木に傷をつけました。昔のように薪を取るために枝を切ったりしないので、自然に出る樹液だけでは昆虫の餌が足りません。この傷をオオスズメバチやミヤマカミキリなどが更に深く穴を開けて樹液が出る様になります。

(左)セリバオウレンの葉も艶々しています。(右)ネムノキ(合歓木)も蕾が出ています。7月にはピンク色の美しい花が咲きます。

 イチモンジチョウ(一文字蝶)アゲハチョウ上科タテハチョウ科。幼虫の食草は、スイカズラ科のスイカズラやタニウツギ、ヤブウツギなど。妻女山山系のものは、オレンジ色の斑紋があるのが特徴です。

 4月は満開の貝母(編笠百合)で、大勢の人が訪れた陣場平。現在も蝶や鳥を撮影に来る人、歴史マニア。ハイカーが訪れます。サンコウチョウやシジュウカラなどのさえずりが聞こえます。クロメマトイが煩いのでタオルを振り回しながら。

 陣場平中央にある苔むした倒木。苔の胞子嚢が見えます。

(左)小枝の上で休むのは、コジャノメ(小蛇目)。ヒメジャノメと似ていますが、白色帯が大きな蛇の目のところで曲がっています。幼虫の食草は、アシボソ、チジミザサ、ススキなど。(右)ウラゴマダラシジミがあちこちで散見されます。幼虫の食樹はイボタノキ。林道整備の時に、こういう食樹や食草を切らないでください。コナラや山桜の幼木やクララなどです。

 ウラゴマダラシジミ(裏胡麻斑小灰蝶)シジミチョウ科ミドリシジミ亜科。かなり近づいても逃げないので、望遠マクロからマクロレンズに取り替えて最接近して撮影しました。美しい。

 やや大型のシジミチョウで、翅の裏の縁に沿って二列の黒胡麻状の紋があり、それが名前の由来です。

 昼は堂平大塚古墳のログハウスを借りました。左向こうに篠山が見えます。北アルプスは中腹だけ見えます。いろんな種類の小鳥のさえずりが聞こえます。

(左)ベニボタル科の一種。初めて見た種類です。生息地は分かったので、いいカットを撮影したいですね。(右)昼食は、フォッカッチャにとんかつソースとオリーブ油を塗り、メンチカツ、ポテトサラダ、トマトを。マヨネーズとマジックソルトで味付け。ルイボスティーを飲みながらいただきました。

 温泉に入って直売所で淡竹の筍を購入。親戚の山に行けばいくらでも採れるのですが、ずくがなくそんなに数もいらないので。サバの水煮缶詰と玉ねぎとで味噌汁を。上部にあるのは豆乳おからパウダー。右のご飯は、枝豆と塩昆布で和えて。味変にはねり梅を加えます。これはおにぎりにしても馬鹿旨です。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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サンコウチョウのさえずりの下で貝母の球根の移植作業・除草作業。登山ノートボックスの再設置(妻女山里山通信)

2021-06-14 | アウトドア・ネイチャーフォト
 梅雨に入りそうで入らない週末。妻女山の陣馬平で貝母の球根の移植作業を行いました。貝母は枯れて倒れ始めましたが、写真の様にまだ立っているものもあります。サンコウチョウが「月日星ホイホイホイ」と盛んに鳴いています。あと10日もすれば、オオムラサキも舞い始めるでしょう。

 オオブタクサやハルジオンは、かなり除去したので少ない。その代わり、在来植物のアカネ(茜)が増えました。根が赤色の染料になり古代から使われてきました。アカネの染め物は、4つ前の記事。国宝「火焔型土器」と超有名な重文「遮光器土偶」が国内初共演:十日町市博物館(妻女山里山通信)で、ご覧いただけます。
「あかねさす 日は照らせれど ぬばたまの 夜渡る月の 隠らく惜しも」柿本人麻呂
 天武天皇の有力な後継者と目されていた草壁皇子(母は鵜野皇女、のちの持統天皇)が早逝したのを 悼み詠んだ長歌の、反歌2首のうちの1首。
「あかねさす 昼は物思ひ ぬばたまの 夜はすがらに 音のみし泣かゆ」中臣家守
 勅命により、妻の蔵部女嬬狭野弟上娘子との仲を引き裂かれ、遠国に流された中臣家守の歌。

(左)周囲から球根を彫り出して、空いているところに植えていきます。球根は白く、下にひげ根がたくさんあります。(右)実も枯れてきました。割れてもう少しで弾けそうなものも。東風が吹くと西へ、無風だと真下に落ちて発芽します。

(左)月の輪熊の糞かと思ったのですが、ピンポン玉ぐらいの糞がつながっているので猪の糞ですね。種がたくさん見えるので、木苺か野イチゴを食べたのでしょう。(右)蕗の葉があちこちで葉脈だけになっています。よく見ると小さな幼虫が。ハバチの一種ですね。可愛い。息子達が小さい頃見ていた「ニャッキ」を思い出します。

 その後、陣馬平下のギャップの除草。ハルジオンなどはなかなか根絶できません。除草で、センニンソウなどが増えるといいのですが。

 妻女山の駐車場から陣馬平へ向かう途中の、蔓に絡まって宙吊りになったコナラの倒木。危険なので放置していましたが、誰かが切ってくれました。何人か思い浮かぶ人はいますが。よく切りましたね。右下は宙吊りの状態。一番低いところを、軽トラの荷台に乗って切ったのでしょう。チェーンソーだと速く切れすぎて危ないので、あえて手鋸で切ったのでしょうか。まだ、処理が必要なので、梅雨の晴れ間にやりましょう。

(左)移植作業や除草の前に、林道入口の根本が腐った登山ノートボックスを修理しました。N氏がアルミの支柱を付けてくれました。土中をコンクリートで固めたので、頑丈です。地図を貼るケースは、新しいものを制作中です。登山ノートは情報収集に役立つので、見たことや感想を書いてください。(右)石仏の覆屋が雨の跳ね返りで土だらけになってしまったので、掃除して、周囲にはね防止の砂利を敷きました。

 妻女山展望台裏のヤマホタルブクロの花。すでに残花になったものも。ケサランパサランが見えます。

 妻女山展望台裏の四阿から見る北アルプスの白馬三山。里山の緑も濃くなりました。栂池高原では、ミズバショウが満開の様です。7月になると、水の濡れると透明になるサンカヨウが咲きます。当ブログでも記事にしています。
栂池自然園へ。濡れるとガラス細工の様に透明になるサンカヨウを求めて(妻女山里山通信)

 妻女山展望台(旧赤坂山)から北の眺め。千曲川の右岸では、台風19号で堆積した土砂の運び出しが行われています。展望台の周りのソメイヨシノの桜ん坊が真っ赤になっています。蒸し暑い中での作業で汗だらけになったので、温泉に向かいます。6月14日、気象庁から甲信越が梅雨に入ったようだと発表されました。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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圧巻の葛飾北斎。北斎館で「旅する浮世絵」を堪能(妻女山里山通信)

2021-06-12 | 展覧会・イベント・コンサート
 旅の最終日は、北竜湖、小菅神社を参拝して中野を散策。昼食後に小布施へ。北斎館で開催中の「旅する浮世絵」を観に行きました。インバウンドの観光客がほとんどいないので、信じられないほど静かな小布施でした。最近は、撮影可能な美術館や博物館が多いのでこんな風にブログでアップできます。但し、フラッシュと動画撮影、三脚の使用は禁止です。あまりに点数が多いので厳選してアップします。

「旅する浮世絵」の看板。浮世絵、北斎漫画、肉筆画。期待が膨らみます。

 鳥瞰図「東海道名所一覧」。後世の吉田初三郎にも影響を与えたと思われる鳥瞰図。なかなか公開されたことがないので、初めて観たという人も多いのではないでしょうか。私も初めて観ました。江戸から京都までが描かれています。北斎の波は、高速度撮影した波の一瞬と言われていますが、これはドローンで遙か上空から撮影した様。北斎の視点と想像力に圧倒されます。

 鳥瞰図「木曽路名所一覧」。これも江戸から京都ですが、中山道、木曽路、北国街道、善光寺街道などが描かれています。ディフォルメの仕方が北斎独特です。諏訪湖の向こうに松本があり、そのすぐ向こうが京都です。

 右上の部分を拡大してみました。右の善光寺から左の松本へ。下に諏訪湖。左下に甲州。右下は浅間山。丹波島、篠ノ井、矢代(屋代)、戸倉など信州には馴染みの地名が見られます。

 鳥瞰図「百橋一覧」。当時実際にあったのでしょう。興味深い構造の橋がいくつか見られます。

(左)諸国瀧廻り「木曽路ノ奥阿弥陀ケ滝」。滝上の流れと滝の水の表現が凄い。滝を愛でながら宴をする人々。(中)相州大山ろうべんの滝」丹沢山系大山の滝で滝行をする人々。大山講は江戸時代から盛んでした。(右)木曾海道小野ノ瀑布。長野県上松町のある御岳信仰の水行の滝。

 信州諏訪湖の氷渡り。御神渡り。旅人の笑顔がいいですね。

 富嶽三十六景 武州 玉川(多摩川)。渡し船と馬子の配置が北斎らしく絶妙。

 富嶽三十六景 相州 江ノ島。まだ橋はなく、干潮の時に砂州を渡った様子が分かります。当時は江島神社に三重塔がありましたが、明治維新の廃仏毀釈で失われました。1182年(寿永元年)鎌倉幕府を開きつつあった源頼朝の藤原秀衡調伏のために文覚が弁財天を勧請し、これが実質的な弁財天信仰としての江ノ島の創建といわれます。江戸時代は多くの参拝者で賑わいました。

 版本 絵本「隅田川両岸一覧」。桜咲く隅田川沿いに繰り出す花見客。団子売り。舟遊びに興じる人々。

 版本 絵本「隅田川両岸一覧」。舟釣りを楽しむ人々。面白い釣り針ですね。何を釣っているのでしょうか。ハゼかな。スズキ、タイ、ウナギ、ボラ、アナゴ、コイなどが連れた様ですが。女性二人は、その出で立ちから町娘ではなく遊女かと。右の男は太鼓持ち、左の男はボディガードかと思われます。

 版本 絵本「隅田川両岸一覧」。新吉原。吉原遊廓は、江戸幕府によって公認された遊廓です。新吉原というのは、明暦の大火後、浅草寺裏の日本堤に移転したもの。映画「HOKUSAI」では、歌麿が逗留したといわれる吉原の様子が生き生きと描かれていました。吉原遊廓の真実というのは、歴史学者が克明に研究をしています。
吉原遊廓

 葛飾応為「吉原格子先之図」(浮世絵 太田記念美術館):これは現在の展示品ではありません。北斎の三女お栄(応為)が描いた吉原遊廓です。以前、宮崎あおい主演で応為のドラマもありました。当館でも応為の研究ビデオを流していたことがあります。女北斎と呼ばれた彼女のミステリアスな人生は、非常に興味深いものです。遊廓の女性を、歌麿や北斎とは全く異なる女性の目線で描いています。
葛飾応為
 wiki
 「二美人図」。立像と坐像の二人の遊女。神奈川沖浪裏や富嶽三十六景があまりにも有名なので、北斎と美人画?と思う方もいるかも知れませんが、数多くの肉筆画を描いています。また春画も数多く描いています。重要文化財の肉筆画。

「東海道旅行」前北斎一筆/絹本着色一幅(部分図)。渡し船に乗る人、茶店「ゑどや」でくつろぐ人。当時の旅人たちの楽しそうな様子が、生き生きと伝わってきます。江戸時代を貶めたのは、欧米金融機関の傀儡となってクーデターを起こした薩長の田舎侍達。その支配が現在まで続いています。本当の自由は実は江戸時代にあった。士農工商という身分制度は無かったと、現在の教科書では教えられていません。江戸は、世界一環境に配慮した美しい都市だったのです。但し、奔放な姓故に梅毒が蔓延していました。

 常設展の東町の祭屋台。天保15年(1844)北斎85歳の時に半年を掛けて描いた天井絵の鳳凰と龍。鳳凰は、岩松院の天井絵の元になったと思われます。北斎逝去前年の作である岩松院の天井絵は、多くの専門家により北斎の直筆ではないといわれています。

 弘化2年(1845)に高井鴻山が私財を投じて制作した祭屋台。上町の飾り舞台には、高井村の彫師・亀原和田四郎作の『水滸伝』の武将・皇孫勝と、江戸の人形師・松五郎作の龍が置かれています。唐破風の妻飾りや欄間も見応えがあります。当時の小布施の繁栄も感じます。

 天井絵。怒涛図の「男浪(おなみ)」。海どころか宇宙を感じさせる名画。映画「HOKUSAI」のラストシーンの重要な画。

 天井絵。怒涛図の「女浪(めなみ)」。怒涛図の周りの絵は、北斎の下絵に鴻山が彩色したと伝わっています。

(左)北斎館エントランス。(右)話題の映画「HOKUSAI」の主人公二人のサイン。もちろんフィクションですが、最高に楽しめました。超オススメです。

 左から「北斎 肉筆画集成」。美人画26点と肉筆春画24点。次は「葛飾北斎・春画の世界」。春画はアップできませんが、江戸時代の性がいかにおおらかであったかが分かると思います。上は北斎館のパンフレット。右は、映画「HOKUSAI」のパンフレット。とても良くできています。
 一泊二日の短い旅でしたが、皆、充分に満足してくれた様です。さて、梅雨入りの前に里山保全の作業もしないといけません。

世界で最も有名な日本人 葛飾北斎の「北斎vs北斎」を観に小布施へ。圧巻の展覧会でした(妻女山里山通信):2019.12.22の記事です。必見。世界的に有名な「神奈川沖浪裏」は、再現され買うこともできます。当時のものでも摺師によって色調が微妙に違うのです。彼の原画を忠実に再現した彫師、摺師の存在を忘れてはいけません。
葛飾北斎 wiki
北斎館 公式サイト

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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宮彫りの名工・北村喜代松の木彫が見られる野沢温泉 薬王山健命寺(妻女山里山通信)

2021-06-12 | 歴史・地理・雑学
 旅館にチェックインして皆を案内したのは、麻釜のすぐ上にある薬王山健命寺。永禄11年(1568年)創建の曹洞宗の古刹です。越後市振村(現糸魚川市)出身の宮大工、名工・北村喜代松の見事な木彫が見られます。喜代松22歳の嘉永4年(1851)には、鬼無里の諏訪神社屋台を手掛けています。これは必見です。私は、北村喜代松の宮彫りを求めて、松代から野沢温泉、新潟県の上越市、糸魚川市、富山県の朝日町へと撮影の旅をしてきました。右上のブログ内検索で「北村喜代松」で検索してください。当該記事がご覧いただけます。
宮彫りの名工・北村喜代松の木彫を求めて行脚の旅=その3 野沢温泉健命寺と湯沢神社(妻女山里山通信)2020.8.11

 健命寺において彼の宮彫りは、薬師堂で見られます。薬師堂は、北村喜代松と息子の北村四海の作。祀られている薬師瑠璃光如来は上杉謙信の陣中守り本尊と伝わっています。薬師堂正面1間唐破風向拝の北村喜代松作の龍の木彫。木目を極限まで活かしているのが分かります。口、鼻、耳の中に丹塗(ベンガラ)の赤が見えます。これを一本の欅から彫り出しているのですから。

 薬師堂は2層宝形造。とにかく造形に一ミリのスキもありません。構成とそのバランスが素晴らしい緊張感を醸し出しています。頭貫には波と亀、さて何匹いるでしょう。9匹までは数えたのですが。

 鳳凰。木目が縦に通っているところはいいのですが、横になっているところは弱いわけで、ギリギリの太さにしているのでしょう。造形にも工夫が見られます。

 左の木鼻の貘(ばく)と唐獅子。貘は、悪夢を食べてくれるという、中国の想像上の動物。鼻は象、目は犀、尾は牛、足は虎で、体形は熊に似るという幻獣です。

 右の木鼻の貘と唐獅子。よく見ると左右で厳密に同じ造形ではないことが分かります。

 左の手狭には雀を追う若鷹。喜代松のお得意の題材です。

 右の手狭にも雀を狙う若鷹。逃げる二羽の雀。これも一本の欅から彫り出しています。

(左)頭貫上の龍の腹部。木目が美しい。龍が爪で玉を掴んでいます。(右)波に遊ぶ亀。喜代松だけでなく、この時代の宮彫り師は、葛飾北斎の波の造形の影響を受けています。

 建築関係のメンバーが、初層(左)と、二層(右)の垂木の造形の違いを指摘してくれました。二層の放射状の方が遥かに難しい造作です。

 薬師堂全景。初層と二層の屋根のカーブも微妙に違います。昔は屋根も檜皮葺だったのではないでしょうか。

 唐破風の屋根のカーブが美しい。各所に散りばめられた宮彫りのバランスが絶妙です。

 薬王山健命寺の山門から。奥の仁王門は最近新築されたものです。一部に古い材が使われています。

 健命寺の本堂。本堂の向拝は、左甚五郎の後裔である五代目後藤茂右衛門正綱の弟子の間瀬大工、石塚甚助によるものです。こちらも見事です。木鼻は、象と唐獅子です。頭貫上には、古代中国の故事に由来する黒松の樹下で酒壺と酒盃を掲げる仙人の図。

 隣に鎮座する湯沢神社の木彫は、越後の岩崎嘉市良重則の作。

 木鼻の唐獅子。非常に独創的な造形で、迫力があります。

 湯澤神社の鳥居。同行のメンバーも大満足して宿に戻りました。最終日は、北斎館へ。企画展「旅する浮世絵」は圧巻でした。それは、次の記事で。
北斎館

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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山手線や新幹線を動かすJR東日本の信濃川発電所の宮中取水ダムへ。宿は野沢温泉へ(妻女山里山通信)

2021-06-09 | 歴史・地理・雑学
 十日町市博物館を後にして向かったのは、山手線や新幹線を動かすJR東日本の信濃川発電所の宮中取水ダム。

 宮中取水ダムは昭和14年に新潟県十日町市(旧中里村)に建設され、沈砂池で土砂を沈殿させた後、水路トンネルを通り調整池に入り、電力の需要に応じて千手発電所、小千谷発電所、小千谷第二発電所へ送水され、発電が行われています。千手・小千谷・新小千谷の合計最大出力は44万9,000キロワットで、JR東日本で消費する電力量の4分の1に当たります。この電力で、上越線や首都圏の山手線、東北・上越新幹線などの電車を動かしています。

 昨年の10月に訪れた時は、一番向こうの三つしかゲートが開いていませんでしたが、今回は前日に大雨が降ったのですべて開いていました。水も濁っていて轟音が響きます。幅は、330.8メートル。重力式のコンクリートダムです。

 JR信濃川発電所管内鳥瞰図。訪れたのは、一番左上の宮中取水ダムです。小千谷発電所までは水路トンネルで運ばれます。

 水圧がかかっているので、もの凄いスピードで流れていきます。すごい迫力でゾワゾワします。

 大雨で大量の流木やゴミが流れ着いています。綺麗なサッカーボールはどこから流れてきたのでしょう。ペットボトルなどプラスチックゴミが多いですね。

 昔はこの魚道がなかったので、信州まで鮭が遡上しなくなりました。ダムができる前は、秋になると上田や松本まで数万匹の鮭が遡上したそうです。2010年より中魚沼漁業協同組合の協力のもと、「新潟水辺の会」との共催により、宮中取水ダム下流河川敷でサケの稚魚の放流を実施しているそうです。しかし、上流にある東電の上流の西大滝ダムがネックになっているようです。千曲市の土口水門で、鮭が釣れたという話は聞かないですね。ここでも東電が癌ですか。

 ダムは二酸化炭素(CO2)を排出しないクリーンエネルギーとして、その存在意義はますます高まっています。田中康夫元県知事が脱ダム宣言をしましたが、不要なダムだったり、経費の捏造だったりゼネコンの利権の温床になっていたからです。環境的に造ってはいけないダムは、海外では爆破されたりしています。ただ、治水や灌漑、発電で必要なダムもあるのです。少なくとも原発より遥かに安全でクリーンです。

 取水口のゲート。このじぶたれた感じがなんともいい。

 沈砂池。ここで土砂を沈殿させた後、圧力トンネルで発電所に送ります。

(左)宿泊地の野沢温泉に向かいます。温泉街の最上部にある麻釜。昔は麻を茹で皮を剥いたので麻釜と。現在は卵を茹でたり野菜を洗ったり。(右)共同浴場の大湯。共同浴場はあちこちにあります。

(左)この後、健命寺に行ったのですが、それは次の記事で特集します。その道すがらにあったカラムシ(苧麻)の群生地。縄文人は、これの繊維を使って布を織っていました。(右)宿泊した清風館の風呂。相当古いです。浴槽は男湯はひょうたんの形。内装はボロボロで、鏡や照明が変なところに付いてます。お湯は熱めですが最高です。
 ところで、この宿は長野県民割で予約したのです。他の高級旅館はすべて売り切れていました。ところが、レベルが3に下がったのに、長野県はこの県民割を無期限延期にしたのです。我々は清津峡に行くことを決めていたので、割引がなくても予約しましたが、周りの旅館、特に高級旅館はキャンセルの嵐だったでしょう。実際に歩いてみると、長野県ナンバーはなく、県外ナンバー(首都圏も)ばかりでした。それも少なめで温泉街は閑散としていました。本当に長野県は阿部県知事は何を考えているのでしょうか。宿泊業者や土産物店は、カンカンでしょう。

(左)夕食です。高級旅館みたいにお品書きの付くお洒落な会席料理ではありませんが、仕出しではなく手作りです。馬刺し、カレイとキノコのホイル焼き、油揚げの山菜チーズ焼き。小田巻き蒸し。豚しゃぶ。蕎麦サラダ。和え物。野沢菜漬け。(右)根曲がり竹の焼き物とワラビ。これにヤマウド、タラの芽、山葡萄の葉、コシアブラの天ぷら。お腹いっぱいでご飯はキャンセルしました。

(左)朝食です。この時期の信州の定番、根曲がり竹とサバの水煮と玉ねぎの味噌汁。ハムとサラダ。サバ塩焼き。ヤマゴボウの漬物と梅干し。ヤマウドの和え物。ナメコと舞茸のおろし和え。豆腐サラダ。温泉卵。焼海苔。メロン。充分すぎる量です。味噌汁とナメコと舞茸のおろし和えが美味でした。(右)向こうの二人は二日酔いか?

(左)翌朝。清風館の裏側です。いい感じに鄙びています。(右)麻釜の隣の土産物屋。彼は塩漬けのコゴミを買いました。私は古漬けの野沢菜漬けを。もう色が変わって乳酸菌たっぷりです。このすんき漬みたいになった酸味のある野沢菜漬けが大好きです。そのままで。蕎麦にのせて。炒めてチャーハンに。おやきの具に。ここの亭主が、観光客もいないので暇だからとどくだみ茶をごちそうしてくれました。野沢温泉の最近の裏話をしてくれました。勉強になりました。ゼンマイは100グラム2000円以上と高価ですが、その理由も分かりました。この下にある土産物屋より自家製の希少なものが売られています。秋はキノコが並ぶでしょうね。オススメ。

(左)野沢温泉を愛した高野辰之記念のおぼろ月夜の館に寄りました。彼の書斎の復元。(右)ステンドグラス。「春がきた」「春の小川」「紅葉」「故郷」「朧月夜」と、彼の小学唱歌は、ほぼ誰もが歌えますね。

(左)小布施に向かう途中で中野に立ち寄りました。古い商店街で見つけたカクアゲ商店。味のある素晴らしいお店です。銚子産のサバの水煮缶詰が3つで499円。大きな切身の三種の魚の粕漬けが500円。お持ち帰りの海鮮丼も魅力的でした。また訪れたい。(右)昼は、近くの金太楼で。私はあんかけ揚げ焼きそばを。無化調でやさしい旨味のあるやきそばでした。地元の常連の人は、皆味噌ラーメンを頼んでいました。一番安くて一番早く出てきます。味もいいのでしょう。さて、北斎館に向かいましょう。

JR東日本信濃川発電所・東京電力信濃川発電所。都民はこれがないと通勤通学も生活もできません 2020(妻女山里山通信)

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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国宝「火焔型土器」と超有名な重文「遮光器土偶」が国内初共演:十日町市博物館(妻女山里山通信)

2021-06-09 | 歴史・地理・雑学
 清津峡渓谷トンネルを後にして、本格的な博多豚骨ラーメンの「天池屋」で昼食。その後、新館オープン1周年記念の特別展が開催されている十日町市博物館へ向かいました。
「形をうつす」ー文化財資料の新たな活用ーというテーマで、7月4日(日)まで開催されます。縄文時代は、13000年くらい前から2300年くらい前まで。世界史でも1万年も続いた文明は稀有なものです。決して未開な原始時代ではなく、優れた技術や精神性を持った成熟した文明でした。この前の旧石器時代が分かる、野尻湖畔のナウマンゾウ博物館も超オススメです。

 国宝指定番号4 火焔型土器(深鉢形)笹山遺跡 縄文時代中期。火焔型といいますが、四方に突き出ている突起物は、鶏頭冠突起と呼ばれます。考古学者の大島直行著『月と蛇と縄文人』では、「縄文土器は鍋として作られたものではなく、第一義的にはあくまで「月の水」を集めるという役割を担った祭祀道具の一つとして作られたのだ」と述べています。確かに触れるレプリカを触ってみると、日常使いにはとても不便な形です。何か呪術的な儀式に使われたのでしょうか。

(左)国宝指定番号6 火焔型土器(深鉢形)笹山遺跡 縄文時代中期。(右)国宝指定番号11 火焔型土器(深鉢形)笹山遺跡 縄文時代中期。よく残っていたと思います。日常使いの土器もあったのでしょうか。縄文土器でアマモと海水を煮詰めて塩を作ったそうですが、その時はシンプルなもので、一回で駄目になってしまうそうです。日常使いの土器は、おそらくシンプルな形で、ヒビが入ったり割れると壊して捨てたので残っていないのでしょう。

(左)十日町市博物館。雪の結晶のパンチングメタルの爽やかな外観。(右)国宝展示室。

(左)国宝指定番号21 深鉢形土器 笹山遺跡 縄文時代中期。(右)国宝指定番号3 浅鉢形土器 笹山遺跡 縄文時代中期。装飾的ですが、日常使いできる形です。料理を盛り付けて皆で食べたのでしょうか。あるいは特別な日の器か。

 国宝指定番号1 火焔型土器(深鉢形)笹山遺跡 縄文時代中期。鶏頭冠突起の下部には、水流の渦の様な文様が見られます。「月の水」を集めるの意味が込められているのでしょうか。精巧なレプリカがあり触ることができます。上部のカーブなどは指がちょうどはまるサイズで、手びねりの制作過程が想像できます。

 縄文土器の全国分布図。火焔型土器だけでなく、山梨県釈迦堂遺跡のものとか、長野県の曽利遺跡のものなど、驚嘆すべき造形美です。それぞれに交流があったのだなと分かります。信州和田峠の黒曜石が、青森や北海道まで流通していましたから。

 最も有名な土偶、重要文化財の「遮光器土偶」。本当に遮光器なのかも実は分かっていません。そのあまりに特異な形から宇宙人説まで飛び出しました。縄文人の豊かな感性、想像力と創造力に感服します。頭髪はもちろん、着ている服の文様も、我々が知っている縄文人のそれとは違います。なにか非常に特別なものなのでしょう。呪術師の出で立ちでしょうか。

 土偶の移り変わり。ドイツの日本学者、ネリー・ナウマンの最後の著者「生の緒―縄文時代の物質・精神文化」では、「土偶は女神」とする日本の考古学者の解釈は根拠が乏しいとし、縄文人は満ち欠けによる姿を変える月を「死と再生」になぞらえたと考え、そこに呪術宗教的な価値を見出したのだと指摘。てっぺんがお盆状や皿状のこうした容器が、中国や中近東、アメリカなどの牡牛や牡羊の左右の三日月の角がつくる湾曲した形と同様に、月の水を集める容器そのものと考えられることから、土偶の顔自体が月の象徴とみなしている。
 野尻湖畔のナウマンゾウ博物館には、旧石器時代の人がヘラジカの角で星を、ナウマンゾウの牙で月を表した呪術的な造形が残っています。太陽は命の源を、満ち欠けする月は命の始まりと終わりを象徴するものだったのでしょうか。

(左)常設展の「織物の歴史」。原始機。(右)美大時代に私も使ったことがある機織り機。我が家にもあり、祖母や母が、機を織っていました。奥は、機械化した機織り機。

(左)草木染のサンプル。左上から、アカネ、コナラ、ベニバナ、ヤマウルシ。左下から、ハンノキ、コブナグサ、ヌルデ、キハダ。(右)現代でも充分に通用する明石縮。

(左)昭和初期のポスターや表紙。(右)十日町の織物宣伝ポスター。着物を買っていすゞ・ベレットが二台当たるというもの。1963年(昭和38​年)から1973年(昭和48年)まで製造された名車です。

(左)先染めの糸二色を使って織られた生地。この柄は、どうやって織るのでしょう。図案が頭に入っているのでしょうか。縞や格子模様なら分かるのですが。ムサビでは造形学部工芸工業デザイン学科でテキスタイル専攻。一応織物もやりましたが、シルクスクリーンが専門。但し、社会人になってからは出版関係のアートディレクターやデザインプロデューサーになったので、テキスタイルのプロではありません。しかし、これは凄い。(右)常設展の「雪と信濃川」。赤ん坊がつぐらに入っています。記憶にはありませんが、私も入っていたそうです。

(左)雪と暮らす道具の色々。(右)江連舫(こうれんぼう)の12分の1模型。これで信濃川を行き来したのでしょう。

(左)越後妻有里山現代美術館[キナーレ]。現在は、大地の芸術祭2021に向けた展示室の改修に伴い休館中です。(右)道の駅クロス10の売店に吊るされた巨大な吊るし雛。今回は、魚沼酒造の天神囃子の純米酒と猪のピスタチオ入りハムを買いました。この後、皆をJR東日本信濃川発電所に案内。それは次の記事で。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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清津峡渓谷トンネル Tunnel of Light マ・ヤンソン/MADアーキテクツ 2021(妻女山里山通信)

2021-06-08 | 展覧会・イベント・コンサート
 日本三大峡谷の清津峡にある清津峡渓谷トンネル。心と身体、全てで体験できる素晴らしい作品です。750mの最後に観られるパノラマステーション。【TUNNEL OF LIGHT. 】トンネルの内側にはステンレスが貼られ峡谷を映し水面は揺らぎながら景色を映します。龍安寺の石庭を思わす、自然を借景として取り入れる高度な環境芸術です。昨秋は一人で訪れましたが、今回は長男と友人二人を案内しました。

 人がいないカット。下のカットをご覧いただくと分かると思いますが、この作品は人がいることで輝き、自らの存在理由(レーゾンデートル)が浮かび上がるのです。
『東洋的自然観を基に現代社会における新しい建築の在り方の発展に取組み、人々の感情を中心に据えた未来都市「山水都市」のコンセプトを核とし、人と都市と環境との新たな関係性の創出に専心している』マ・ヤンソン/MADアーキテクツ

(左)コロナ禍の自粛で、首都圏ナンバーの車が少ない。10時前でも通常は駐車できない第一駐車場に止められました。数件の宿や土産物店、食堂がある道を進みます。(右)プロムナードを歩くとカフェ。その先に清津峡トンネルの入口があります。

(左)清津峡トンネルの入り口。発券機はこの入口奥にあります。(右)昭和8(1933)年の清津峡歩道。1988年(昭和63年)に峡谷内で落石死亡事故が発生したため、遊歩道は通行禁止となり長いこと閉鎖に。1996年(平成8年)10月1日に清津峡渓谷トンネルが開業しました。2018年(平成30年)に行われた第7回大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレで、トンネル全体が中国出身の芸術家マ・ヤンソン(MADアーキテクツ)の作品として改修されました。これがインスタ映えすると大評判になり、国内外から来訪者が激増しました。

 750メートルのトンネル内は、色変わりの照明が。これは作品ではなさそうです。入口近くに清津峡の地質や自然の説明があります。

 第二見晴所の「見えない泡」。トイレです。昨年訪れた時には、黒白のストライプはありませんでした。ストライプが加わったことで、新たに素晴らしいオプティカル・アートが生まれました。

(左)トイレ内からの幻想的な景色は必見。(右)平衡感覚がおかしくなります。

 第三見晴所「しずく」。『風の谷のナウシカ』のオーム(王蟲)の胎内にいる様です。

 清津峡の柱状節理。気が遠くなる程の時間を掛けて地球が造った造形美。

 コロナ禍で、インバウンドがほぼなくなり、昨年の様な中国人観光客はいませんでした。台湾の人とアジア系の人達がツアーで訪れていました。いい思い出になったことでしょう。

 撮影位置を変えることで、新鮮な景色が見えてきます。柱状節理が美しい。そして、こんな断崖に生きる逞しい植物。

 ステンレスのドームは、普通に見ると曇っているのですが、見る角度を変えると、こんな風に劇的な景色を見せてくれます。

 入り口方面はこんなです。水面の両脇は水深1センチで歩けます、中央部は水深15センチ。

 柱状節理を借景として、人のシルエットが映えます。逆光でつぶれているのがいいのです。

 現在は通行禁止の遊歩道。トンネルは、左の岩山の中にあります。

 いつまでも観ていたくなります。後ろ髪ひかれつつ戻ります。10時前に入ることをおすすめします。10時〜2時ごろは大混雑します。GW、5月、7-8月、10月は事前予約しないと入れません。午後は、本格的豚骨ラーメンの『天池屋』で昼食をとり、国宝の縄文土器が展示されている十日町博物館へ向かいました。次の記事で。

■清津峡渓谷トンネル Tunnel obo Light マ・ヤンソン/MADアーキテクツ 01

以下の動画はぜひYouTubeで観てください。

■清津峡渓谷トンネル Tunnel obo Light マ・ヤンソン/MADアーキテクツ 02


■清津峡渓谷トンネル Tunnel obo Light マ・ヤンソン/MADアーキテクツ 03


■清津峡渓谷トンネル Tunnel obo Light マ・ヤンソン/MADアーキテクツ 04


清津峡渓谷トンネル Tunnel of Light マ・ヤンソン/MADアーキテクツ 2020(妻女山里山通信)

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
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