モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

中尾山-茶臼山ハイキング 2016(妻女山里山通信)

2016-10-25 | アウトドア・ネイチャーフォト

 10月23日に、中尾山-茶臼山ハイキングが行われました。私は一本松コースのインストラクターをしましたが、その様子をアップします。まずコースの説明や注意事項を聞いてストレッチ(左)。参加者には共和の名産シナノゴールドが配られました。一本松コースの参加者は約60名(中)。初参加が半分ぐらいでしょうか。今回は曇天のためか当日参加が少なかった感じです。まず中尾山温泉を通過して、通常は通れない堰堤の道を登ります(右)。

 色付いているのはヌルデ、ヤマウルシ、ヤマザクラ。裾花凝灰岩の白い崖に映えます。風雨による侵食で、毎年形が少しずつ変化して行きます。やがて消滅する運命です。

 ゆっくり登って約30分で一本松の峠まで半分の山の神(左)。この花が分かりません。後ろが葉なのですが。現在同定中(中)。おそらくキク科だろうと当たりをつけて探したところ、シラヤマギク(白山菊)だろうという結論に達しました。春のロゼットは食用になります。
 約1時間で一本松(右)。きつい登りはここまでです。ここからはほぼ平坦な尾根歩き。途中で、クサギ(臭木)の葉を破いて匂いを嗅いでもらいました。ピーナッツバターの様な香りがします。花は白粉の匂いです。

 茶臼山山頂までの間に、善光寺平展望台、北アルプス展望台があるのですが、今回は全く見えませんでした。茶臼山で茶臼ケ城、修那羅山城、篠ノ城の話をしました。望月氏系の布施氏の山城と思われます。
詳細は下記の記事をお読みください。
茶臼山の茶臼ケ城、修那羅城、篠ノ城探索。布施氏の山城は想像以上に大規模でした(妻女山里山通信)
大彦命と布施氏の布制(布施)神社詣でと茶臼山ラッセル(妻女山里山通信)
山布施の布施神社と石川流木彫。布施氏の須立之城探訪。陣馬平のカモシカの親子(妻女山里山通信
 茶臼山からの下り(左)。茶臼山植物園の中を下って行きます。松代方面の眺め(中)。右手に妻女山と斎場山(右)。

 交流会会場から音楽が聞こえてきました(左)。恐竜公園の中を下ります(中)。銀杏が鈴生り(右)。

 キノコ汁と長野牛乳をもらって昼食です。気温が低めなので、温かいキノコ汁は最高でした。この後、インストラクターの話で、私は山頂での話の続きをしました。昼食後は歌の時間。珍しいというか懐かしいですね。オートハープ(中)。五つの赤い風船の故西岡さんが「遠い世界に」でこれを奏でていましたね。
遠い世界に(五つの赤い風船)~MURO ON STAGE(邦楽)~

 信里の皆さんが、昭和60年度の信里小の6年生が作った『信里讃歌』を歌ってくれました(右)。りんご、アルプス、茶臼山と、信里の名物が詰まっています。

 曇り空でいいカットが撮影できなかったので、翌日篠ノ井への用事のついでに北アルプス展望台まで旗塚まで車で登って行ってきました。皆さんに作り方を伝授したガマズミ(左)。このガマズミ酒は抗酸化作用が強くおすすめです。私は砂糖は入れません。甘みが欲しい時は蜂蜜を飲む時に加えます。ポリフェノールも多く、ビタミンCはレモンの2倍とか。高血圧や動脈硬化の予防、美肌効果に疲労回復にも効くそうです。山歩きで疲れた時に、私はこれを口に含みます。
 珍しい山菜のハリギリも紹介しました(中)。タラノメと同じ様に天ぷらでいただく通好みの山菜です。ノコンギクが咲いていました(右)。他には白いリュウノウギクも。

 晴れていれば、北アルプスがこんな風に見えます。山布施の向こうに仁科三山の勇姿。左から爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳。

 そこから右へ目をやると白馬三山。左から白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳。右手前に神城断層地震で山頂が4割崩落してしまった神話の山、虫倉山。拙書でも詳しく紹介しています。魅力あるさるすべりコースが復旧するといいのですが。

 質問も受けた旗塚にある、川中島合戦の石碑(左)。武田信玄の茶臼山布陣は、江戸時代の作り話でしょう。旗塚も合戦時に旗を立てた塚といいますが、これも江戸時代の作り話。実際は大化の改新後の薄葬令以降の墓でしょう。狂い咲きのタンポポでツマグロヒョウモンのオスが吸蜜していました(中)。崩壊した茶臼山南峰をバックに名産のリンゴ(右)。サンフジでしょうね。美味しそうです。

 旗塚の駐車場から南の展望。中央に拙書でも紹介している蓼科山がそびえています。左へ八ヶ岳連峰。手前に重なる山々は、上田市塩田平の名峰。独鈷山、岩井堂山、冠着山(姨捨山)の尾根など。左は森将軍塚古墳から有明山、五里ヶ峯に続く山脈。いずれも拙書で詳しく紹介している魅力的な里山です。

 旗塚下から東南の妻女山方面の展望。里山の山座同定は、なかなかできる人がいませんが、今回はできるだけ詳細に記入してみました。古代科野国から戦国時代、江戸時代から明治と歴史のある里山ばかりで、歴史好きにはたまらない山域です。『真田丸』人気で県内外からハイカーや歴史好きが大勢訪れています。そのお供に、歴史を詳しく解説した拙書『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林をお勧めします。

 そこから左、松代方面の展望です。拙書でも書いていますが、百名山の四阿山は、真田の修験の山です。山頂には、麓の真田の山家神社の奥宮が二つ鎮座しています。山家神社の社伝を載せているのも拙書だけだろうと思います。偶然にも宮司さんのお祖父さんが私の中学の担任の先生でした。そのこともあって社伝を載せることができました。非常に貴重なものです。奇妙山というのは奇妙な名前ですが、この云われも拙書で紹介しています。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 長野県シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。


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信州はキノコが大豊作。座頭虫ってご存知?長芋料理のレシピ(妻女山里山通信)

2016-10-22 | 男の料理・グルメ
 妻女山駐車場から、右の林道を50mほど行った左のノリ面にオオスズメバチの巣があるのを発見しました。最初のカーブの少し手前です。不幸なことにキノコ狩りの男性が刺されてしまいました。処置がよかったのと、アナフィラキシー・ショックを起こさなかったので軽症で済んだそうです。長野市の林道なので、市に通報しました。入り口に注意の掲示もしました。真田丸で斎場山や鞍骨城跡へ県内外から沢山訪れるので速やかに除去して欲しいものです。

 ヤマザクラの紅葉もかなり進んできました(左)。ミツバアケビの実も多くは開いて種がこぼれていますが、まだ未熟なものもありました(中)。巨大なイノシシのヌタ場(右)。ここのところ最高気温が25度の日もあったので水浴びした足跡が沢山ありました。

 左も中もジコボウ(ハナイグチ)です。日が当たるところのものは左の様に明るい色に、日陰のものは中の様に暗い色になりますが、味に変わりはありません。右はツチスギタケ。図鑑によって食菌と書いてあるものと、毒キノコと書いてあるものがありますが、私は毒キノコと思って食べません。人により当たる人と大丈夫な人がいる様です。

 立ち枯れのコナラの根本にクリタケ。この裏側にも4株ほどありました。死亡例もある猛毒のニガクリタケは、傘の色がもう少し黄色ですが、稀にこういう栗色のものもあるので、必ず噛んで吐き出さずにはいられない嫌な苦味がないか確認します。クリタケの細胞は球形なので、一度冷凍すると壊れて旨味成分が出やすくなります。食べる時に傘だけとって軸を捨ててしまう人がいますが、上部の白い部分は食べられます。下の茶色いササクレがある部分は硬いので捨てます。
 ニガクリタケは、時に死にも至る毒キノコですが、クリタケも近年、ネマトリンなど殺虫成分の毒性があることが分かりました。欧州では毒キノコに分類されている国もあるとか。そういうわけで過食はしないほうがいいでしょう。山菜やキノコなど天然のものは、栄養も高いかもしれませんが、アクや毒性も強いものなのです。しかし、微毒の場合は食べる量に正比例してリスクが高まるわけではなく、ある量以上大量に食べると危険が突然増大するので、常食、あるいは過食をしなければいいのです。

 ハナイグチはこの様に群生します。ここでは100本以上採れました(左)。ヌメリイグチ(中)。傘の白っぽいシロヌメリイグチと共に食菌ですが、当地では誰も採りません。ハナイグチに比べると美味しくないからです。道もない森の奥深くにある積石塚古墳(右)。訪れる人もいません。

 ナツヅタも色付き始めました(左)。直径15センチもあるハタケシメジが林道の真ん中に生えていました(中)。歯応えもよく、美味しいキノコです。ヒトヨタケ科には間違いないのですが、動物の糞などに発生するマグソヒトヨタケでしょうか(右)。

 オオナミザトウムシ(大波座頭虫)ザトウムシ目マザトウムシ科スベザトウムシ亜科。クモよりはダニにちかいという座頭虫の生態はあまりよく分かっていません。小さな昆虫やミミズなどを食べ、森の掃除屋とも呼ばれます。足が欠損している個体もよく見かけます。これは右は4本で揃っていますが、左は2本しかありません。。オオナミザトウムシは、割と大型の方です。脚が異常に長く、月面探索のロボットのようです。目はひとつに見えますが。突起の両側にあって二つです。日本には約80種いるといわれています。

 猛毒のヤマトリカブト。これは残花でほとんどは咲き終わっています(左)。これがなんという植物か分かりません。高さは20センチぐらい。草本の様でもあり、木本の様でもあります(中)。周囲にもありましたが、紅葉していたのはこれだけでした。恐らくボクトウガの糞(右)。本当は木の色をしているのですが、雨で色落ちしたのか、木が白いのか。

 飯山の名物、富倉蕎麦のつなぎにオヤマボクチの葉の繊維を使いますが、これはその花(左)。東北地方ではシドケと呼ばれるモミジガサ(中)。若葉は高級な山菜です。豊臣秀吉の好物だったとかで、別名はトウキチロウ。妻女山山系では群生地が少ないのですが、今回いいところを発見しました。ただ若葉だけだと上の猛毒のヤマトリカブトと似ています。花の時期に確認して確実に同定してから採取するべきです。里の柿も今秋は豊作ですが、山のシナノガキ(豆柿)も豊作です(右)。渋柿ですが、木になったまま干し柿になると甘くなり、冬の野生動物の重要な食料になります。

 妻女山展望台から左に茶臼山。その右奥に虫倉山。右へ辿って台形の陣馬平山。手前の黄色く色付いているのは長芋畑。掘り出しが始まっています。長芋やとろろは、膵臓癌やインフルエンザの予防になるそうです。お好み焼きやさつま揚げ、エビしんじょや蒸し物、手作り和菓子などに。
MORI MORI RECIPEから長芋を使った料理を紹介します。
お好み焼きニラのおやきアジのさつま揚げヒコイワシのさつま揚げ長芋の粕漬け長芋の鶏肉コロッケ・エビコロッケ長芋のポタージュスープ牡蠣の長芋入り蒸魚醤風味オムレツ


 展望台から松代方面。遠く根子岳と四阿山(あずまやさん)もよく見えました。両山とも拙書で紹介しています。この日も『真田丸』で沢山の人が松代や妻女山に訪れていました。撮影前に展望台でボランティアでガイドをしました。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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松代夢空間主催「妻女山 紅葉と歴史のハイキング」のコース説明と『真田丸』(妻女山里山通信)

2016-10-17 | アウトドア・ネイチャーフォト
 11月6日(日)に行う予定の松代夢空間主催の「妻女山 紅葉と歴史のハイキング」のコースの説明を写真と共にもう少し詳しく紹介します。今回は春の様に林道歩きだけでなく、獣道や道の全くない箇所もあるので不安に思う人もいるかもしれません。しかし、距離は4キロ足らず、標高差は400m位ですから、そう心配される必要はありません。ただ短いですが急登が4回ほどあります。写真で説明して行きましょう。参加希望の方は松代夢空間まで。拙書の販売もいたします。

 出発地点の妻女山駐車場(左)。9時15分までに来てください。注意や説明の後ストレッチをして30分に出発します。林道歩き約15分で長坂峠(中)。右へ行くと斎場山(旧妻女山・謙信本陣跡)ですが、今回は左へ進みます。約10分で陣馬平横の堂平大塚古墳分岐(右)。右へ400m下ります。帰りは左の林道を下りてきます。

 約5分で堂平大塚古墳(左)。眼下に千曲川、奥に鹿島槍ヶ岳が見えます。古墳の裏山に登り、急斜面の獣道を辿ります(中)。10分ほど進んで谷に出ると道のない急斜面(右)。普段は草薮ですが、除草してあります。最も迷いやすい場所で、360度回ると自分がどこにいるか分からなくなる様な所です。30mほど登ると…。

 堂平積石塚古墳群(左)。5基の古墳があります。周囲は鬱蒼とした森で道は一切ありません。そこから十人平(じゅうにんびら)という古墳がある杉林を通り過ぎ、コナラやケヤキ、落葉松の森を登って行きます(中)。これも獣道です。当日は紅葉が綺麗でしょう。私が目印を置いた場所から左へ30m急登すると、天城山(てしろやま)北面の林道に出ます(右)。

 100mほど林道を歩いて、天城山西の鞍部に登ります(左)。左へ進むとすぐに天城山と倉科への分岐(中)。ここを左へ100m最後の急登をこなします。今回のコースで一番きつい所かも知れません。10分足らずでコースの最高峰、天城山山頂です。山頂には坂山古墳があります(右)。

 山頂から北に向かって急斜面を5分ほど下ると、鞍骨城からの道が右から合流します(左)。20分ほど下ると天城山北面の林道に出ます(中)。林道を7、8分下ると、往路の堂平大塚古墳分岐(右)。右側が貝母の群生地のある陣場平です。

 時間があれば上杉謙信の陣城跡と伝わる陣場平も立ち寄ります(左)。5分ほどで長坂峠(中)。正面が斎場山。長坂峠から林道歩き約15分で出発地点の妻女山駐車場に戻り、今回の山行は終わりです(右)。希望者は、近くのはなやで信州の郷土料理の昼食となります。前回同様、拙書をお買い上げいただいた方には、サインもいたします。

 コナラの葉に、小さな虫こぶ(左)。ナラメリンゴフシのでき始めでしょうか。これがなんだかすぐ分かるでしょうか。タラの木の実です(中)。青空に映えます。ヤブサンザシの実も真っ赤に熟していました(右)。生食はできませんが、果実酒にはなります。

 堂平大塚古墳の斜面に群生する帰化植物のセイタカアワダチソウ(背高泡立草)。耕作放棄地や里山、河川敷に猛烈な勢いで群生し問題になっていますが、酷い花粉症を引き起こすオオブタクサよりはましでしょうか。アレロパシー(フィトンチッド)を持ち、他の植物の成長を抑制する物質を出し寡占状態を作り出します(時には昆虫や動物に対しても)。北アメリカでは州花だったり、ハーブとして利用される植物です。薬効成分も多く、解毒作用もあるので、エッセンシャルオイルなどに利用されます。花をオリーブ油に漬けて作れるそうです。新芽や花の天ぷらも美味だとか。今度食べてみましょう。
 ということで善は急げ?早速柔らかそうな小さなものを三つ採って天ぷらでいただきました。もちろん岩塩で。はんなりとした苦味がある山菜というより薬草の様な感じで、美味しくいただきました。ただ、成分がかなり強そうなので過食は避けた方がいいかもしれません。
※アレロパシー=ある植物が他の植物の生長を抑える物質(アレロケミカル)を放出したり、あるいは動物や微生物を防いだり、あるいは引き寄せたりする効果(微生物をも含む全ての植物相互間の生化学的な関わり合い)の総称で、他感作用・遠隔作用と訳される。
 スズメバチがヒノキ林やスギ林を飛ぶのを見たことがないのも、ヒノキチオールなどのフィトンチッドのためだろうか。以前、オオスズメバチに100m追いかけられた時に、スギ林に逃げ込んだら追いかけるのを止めたことがあった。

 妻女山展望台から松代方面。左の奇妙山と右の保基谷岳の間に根子岳と四阿山がくっきりと見えます。『真田丸』効果で訪問者もぐんと増えました。時間がある時はボランティアでガイドもしています。現在はここが妻女山と呼ばれていますが、本来は赤坂山で、上杉謙信の本陣と伝わる妻女山、本名は斎場山はさらに100m高い斎場山古墳のある頂きです。

 久しぶりに北アルプスも見えたので、西-北-東の180度のパノラマ写真を撮影してみました。11枚の写真を合成してあります。左から仁科三山、白馬三山、茶臼山、虫倉山、中央に戸隠連峰と高妻山、大きな飯縄山、右へ三登山と髻山、間に斑尾山、右へ信越トレイルの山脈、高社山から志賀高原の笠ヶ岳、横手山、手前に奇妙山。

 展望台から南西へ振り返ると赤松に囲まれた斎場山(旧妻女山)。これが地元で謙信の本陣と伝わる山です。展望台から右の林道を登って約20分(左)。
 上杉謙信槍尻の泉の上のカーブに、かなり太い落葉松の倒木が掛かり木になってしまいました(中・右)。高さ10m位にあるので処理できません。何箇所かで生木に掛かっているので当分落ちることはないでしょうが、立ち枯れの木なので中折れして落ちる可能性もあります。監視が必要です。今秋は台風18号の後で大量の倒木があちこちで発生し、その処理が大変でした。山仲間があちこちの倒木を処理してくれ、尚且つ林道の補修もしてくれたので非常に助かりました。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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松代夢空間主催の「妻女山 紅葉と歴史のハイキング」のルート整備と今は亡き山仲間を偲ぶ会(妻女山里山通信)

2016-10-12 | アウトドア・ネイチャーフォト

 11月6日(日)に行う予定の松代夢空間主催の「妻女山 紅葉と歴史のハイキング」のルートの整備の続きを行いました。まず最初に訪れる予定の堂平大塚古墳(左)。ここは春も案内しましたが、ここまでは林道歩きです。春は戻って陣馬平の貝母(編笠百合)を案内しました。今回は古墳の裏山に登ります。50mほど登ると山道というより獣道が森の奥へとほぼ水平に続いています(中)。この先は、春に案内した蟹沢(がんざわ)の泉の上の急斜面の細い一本道。遮る木の除伐や目を突くと危ない出ている枯れ枝を切りながら進みました。二つ目の目的地、積石塚古墳群(右)。ここまで明瞭な道が一切ないので、私の様なガイドが付かないと来られません。地元の人もほとんど知らない古代科野国の貴重な遺跡です。

 そこから更に数百メートル獣道を歩いていただきます。あの太い倒木は処理できないので跨いでもらいます(左)。当日は紅葉が綺麗でしょう。この森では、ニホンカモシカやイノシシ、ヤマドリによく遭遇します。少しの急登をこなして林道に出ます(中)。林道を100mほど歩いて200mほど急登をこなすと、今回のコースの最高峰、694.6mの天城山(てしろやま)です(右)。山頂は坂山古墳と天城城跡。古代科野国の遺跡と戦国時代の城跡です。ここから東へ40分ほど行くと『真田丸』にも出た清野氏の鞍骨城跡。帰路は、時間があれば清野古墳や陣馬平にも寄るつもりです。下山後は、希望者は信州の郷土料理の店「はなや」で昼食です。
 それにしても『真田丸』効果に加えて里山ブーム。妻女山や斎場山、鞍骨城跡にも全国からハイカーが訪れるようになりました。里山は迷いやすいので、ぜひ拙書をお求めください。豊富なカラー写真と詳しいガイドに地形図も好評です。撮影や里山保全の作業後には、妻女山展望台でボランティアでガイドをすることもあります。現在の妻女山が謙信の本陣ではないことや、古代科野国のことなどをお話しています。

 林道歩きで見つけた鱒茸(左)。サーモンピンクの美しいキノコです。フライや天ぷら、炒め物で食べられます。いわゆるキノコの食感ではなく、ちょっと固い鶏肉みたいな食感です。林道脇にカケスの羽根が散乱していました(中)。恐らく好物のどんぐりを拾いに地上に下りたところをタヌキか何かに襲われたのでしょう。拙書のコラム「イカリモンガってなにもんだ」でも紹介しているイカリモンガという可愛い蛾(右)。

 これは珍しいキノコ、腹菌類のサンコタケ(左)。三鈷茸と書きますが密教で使う武具の形に似ているということからの名称。スッポンタケと同様臭くてとても食べる気にはなりません。スッポンタケは臭いグレバを取れば中華スープの具になりますが…。皆が集まると聞いていたので立ち寄ったKさんのログハウスにたくさん生えていたハタケシメジ(中)。見てくれはボロ雑巾の様ですが、シメジなので味は最高です。椎茸のホダ木に生えたヌメリスギタケモドキ(右)。そっくりなキノコで土から生えるツチスギタケは毒キノコ。キノコは、採ったその場で同定が基本です。

 林道にヌルデの虫こぶが落ちていました(左)。葉や葉軸にある種のアブラムシが寄生し、ヌルデミミフシやヌルデハイボケフシなどの虫癭(ちゅうえい)ができます。このコブを「五倍子(ふし)」といい、タンニンを多く含み、黒色染料の原料になります。お歯黒にも使われました。
「足柄の 吾を可鶏山(かけやま)の かづの木の 吾をかつさねも かづさかずとも」(万葉集:詠人知らず)
 かづの木(ヌルデ)を男性にたとえ、どうか私を誘ってくださいという歌。

 真っ先に紅葉するヤマウルシ(中)。樹液に触れるとかぶれます。紅葉の時期は、よほど過敏な人以外は大丈夫でしょう。ガマズミの赤い実(右)。これの果実酒は、抗酸化作用が強く、酸味があり美味です。

 3年前に急逝した友人のKさんのログハウスに、大勢の友人達が集まっていました。ジコボウ(ハナイグチ)のうどんやバーベキューをご馳走になりました。皆さん私より結構年上なのですが、元気元気。キノコ狩りの話や諸々の世間話で盛り上がっていました。晴れていれば向こうに鹿島槍ヶ岳などの北アルプスが見えるのですが、生憎の曇り空でやや肌寒いほど。芯から温まる熱々の煮込みうどんが美味でした。私の鱒茸も珍しいと好評でした。午前中にMさんが、掛かり木になっていた落葉松を処理してくれ、バックホーで妻女山から長坂峠までの林道の補修もしてくれました。これは本来長野市の仕事なのですが、なかなか林道の点検補修には来てもらえません。本当に助かりました。

 陣馬平のクマノミズキの実も熟して濃紺に(左)。晩秋の小鳥達の大事な餌となります。今咲いているのはノコンギクと黄花のヤクシソウぐらい(中)。妻女山山系のものは草高が低いのです。センニンソウ(仙人草)の種(右)。

 妻女山里山デザイン・プロジェクト(活動内容は左のリンクの一番下の妻女山SDPをご覧ください)の仲間と貝母の保護のためにヨシとノイバラの根を除去した陣馬平。信濃毎日新聞の記事や私のブログを見て、何百人もの人が訪れてくれました。来春、この除去した場所に貝母が咲き乱れることを夢見ています。満開の貝母は、こちらの記事を御覧ください。それは見事です。ただ強い毒草なので決して持ち帰らない様に。陣馬平は、川中島合戦の時に、上杉謙信が七棟の陣小屋を建てたと伝わる平地です。
妻女山の貝母が満開。ベニヤマザクラにクサボケも。善光寺三社の武井神社で保全作業(妻女山里山通信)

 妻女山登り口の上杉謙信槍尻の泉の少し上から見る戸隠連峰と、戸隠富士と呼ばれる高妻山。今年はいつ初冠雪するでしょうか。厳しい冬になるという予報もあり気掛かりです。手前の長芋畑では掘り出しが始まりました。とろろは、膵臓がんの予防やインフルエンザの予防にもなるそうです。『真田丸』観光で松代を訪れたら、ぜひお買い求めください。長芋100%のお好み焼きは私の得意料理です。信州の郷土料理のおやきの皮に入れると、冷めても固くなりません。長芋料理のレシピは、私のレシピ集の日本料理で。さつま揚げやしんじょに入れると高級感が増します。西洋料理の長芋の鶏肉コロッケ・エビコロッケは絶品です。長芋のポタージュスープもおすすめ。
MORI MORI RECIPE 男の料理レシピ集

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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村上春樹さんのジャズ喫茶 - 『国分寺・国立70sグラフィティ』目次 [CONTENTS]
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天然マイタケ、ウラベニホテイシメジ、ジコボウ、アカヤマドリ。信州はキノコの季節(妻女山里山通信)

2016-10-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
 例年にない長雨で、妻女山山系の地盤はゆるゆる。そのためあちこちで倒木や落枝が発生し、その処理で大変です。今回は、11月6日(日)に行う予定の松代夢空間主催の「妻女山 紅葉と歴史のハイキング」のルートの整備に行きましたが、倒木2本を処理。コースを塞ぐ樹木の伐倒と除草をしましたが、疲労困憊。里山の整備は本当に大変です。

 それとは別の日に、撮影目的ででかけけた遠方の山で、天然のマイタケを発見。全くマイタケを探すつもりもなかったので、発見した時は思わずウォーッと声を上げてしまいました。木につかまらないと登れないような急斜面を下から登って行ったので発見できましたが、下りだったら恐らく気がつかなかったでしょう。
 左右35センチ、奥行きと高さが25センチぐらい。ずっしりと重みがあります。クラクラするほどの強い濃厚な香りがあります。ジコボウ(ハナイグチ)を100本ほど、ウラベニホテイシメジを30本ほど。撮影が目的でザックはカメラや道具でいっぱいなため、上町のPLATINOと田園調布のTEEJUの不織布のトートバックをキノコ入れに持参しましたが満杯になりました。
 過大評価されている松茸ですが、天然マイタケやホンシメジを食べたことのある人はほとんどいないでしょうから、評価もできないのは無理もありません。香り松茸、味シメジといいますが、旨味成分は松茸の2倍以上。マイタケは、早速イガチクと地粉の手打ちうどんにしましたが、仰け反るほどの旨さでした。ついでマイタケの炊き込みご飯。シンプルに鰹出汁でニンニクしょうゆ炒め。いずれも絶品でした。次はパスタにも挑戦。茶碗蒸しもいいですね。

 食菌のウラベニホテイシメジ(左・中)。軸は中実とありますが、これぐらい大きいとゆるゆるで空洞ができます。しかし、クサウラベニタケの様に真ん中に丸い穴が空いているわけではありません。中の写真の様に、地中部が長いのです。
 右はクサウラベニタケ。傘の色がまるでウラベニホテイシメジですが、軸が細く地中部がないのでウラベニホテイシメジではないと分かりました。こういう色のものもあるので要注意なのです。

 今回、一瞬迷ったのがこれ。軸も太くウラベニホテイシメジの様ですが毒のクサウラベニタケです(左)。軸を切ってみると断面に丸い空洞がありました。中と右も色合い的に迷うかもしれませんが、クサウラベニタケです。特に右の写真などは、ウラベニホテイシメジに見えるのではないでしょうか。しかし、軸の地中部がなく、枯葉から出ています。同じクサウラベニタケでも色や形にこれだけの違いがあるのです。図鑑で同定は無理。
★数十年ウラベニホテイシメジを採取している私は一度も間違ったことがありません。極意は、怪しいもの、迷ったものは絶対に持ち帰らないことです。軸の細いもの、地中部が短いものはウラベニホテイシメジと同定できても採りません。

 食菌のウラベニホテイシメジ(左)。この近辺で十数本採れました。すぐ近くにあった有毒のクサウラベニタケ(中)。これは軸も細く、傘もやや薄紅色なので分かります。
 シロシメジではありません。シロノハイイロシメジ(右)。熱を加えると猛烈に臭く、とても食べられません。アメリカではスカンクの臭いとか。

 致死量がわずか8グラムの死の天使、猛毒のドクツルタケ三姉妹(左)。今秋は山中に生えています。中は、傘の直径が25センチ余り、高さもそれぐらいの、たぶんミドリニガイグチ。これも山のあちこちに生えています。苦くてとても食べられません。昔誤って小さなニガイグチが一本入り、鍋をまるごと捨てたことがあります。
 カブラテングタケ(右)。これも不食。大きくなると傘の直径が25センチを超えます。

 ジコボウ(ハナイグチ)の幼菌(左)。別の日に300本ほど採りましたが、小さいものを採り、大きいものは残しました。大きいものは消化が悪いのです。胞子を飛ばしてもらうためにも残します。食菌のヌメリイグチ(中)。シロヌメリイグチもありましたが、当地では誰も採りません。傷みやすいのとジコボウに比べると美味しくないからです。傘の直径が15センチ以上あるウラベニホテイシメジ(右)。傘の裏が薄紅色なので老菌ではありません。充分に美味しくいただけます。茶褐色になっていたら食べられません。

 恐らくテングタケ科のキノコ(左)。図鑑を見てもこれといった種と同定できませんでした。中の紫色の小さなキノコも未同定。検索しましたが、同じものは見つかりませんでした。キノコはまだまだ種が確定されていないものがたくさんあるのです。
 食菌のアカヤマドリ(右)。これは傘の直径が10センチほど。虫が入りやすいので、これぐらい小さいものが食べるのには最適。醤油や和風出汁と合わないので、おすすめはオムレツやバターソテー。今回はスライスしてオリーブ油でガーリック炒めにしてみましたが、歯切れもよく美味でした。

 木漏れ日のスポットライトを浴びて現れたザトウムシ。座頭虫と書きますが、目がないわけではなく、ちゃんとあります。アメリカではあしながおじさんと呼ばれる森の掃除屋さん。小さな昆虫やミミズなどを食べます。8本脚でダニに近い仲間で日本には80種以上います。この個体は前から二番目の脚が欠損していますが、普通のことです。種の同定は難しいのですが、大波座頭虫かもしれません。
 台風18号は、信州に大雨はもたらしませんでしたが、もの凄い突風が吹いて、妻女山山系は滅茶苦茶になりました(涙)。これは相当酷いだろうと覚悟して翌日登りましたが、なんとMさんが、林道を塞いでいた欅の倒木、コナラの倒木、赤松の倒木を処理してくれていました。宙吊りになった落葉松は、下をくぐれるので後日。助かりました。私はその後始末と林道に落ちたもの凄い量の落枝を片付けました。11月6日に松代夢空間主催の「妻女山 紅葉と歴史のハイキング」のコースも、もう一度チェックしなければなりません。自然は生き物です。絶えず変化します。実は同じ風景は二度と無いのです。

 この三種のキノコを完全に見分けられないなら、ウラベニホテイシメジは採るべきではありません。まず左のキノコ。軸も白く太く、傘も霜降りで、一見ウラベニホテイシメジの様ですが、毒のイッポンシメジです。中はクサウラベニタケ。軸は中空で根が地中からではなく枯葉から出ています。ウラベニホテイシメジは軸が深く地中に潜っています。
 右がウラベニホテイシメジ。傘の直径は15センチほど。ここまで大きくなると軸はわりとスカスカで中空の様にも見えますが、クサウラベニタケの様に中央に丸く穴があるわけではありません。このウラベニは傘の裏が茶褐色なので老菌。食べられません。お腹を壊します。妻女山山系のキノコの季節は、一旦終わりです。次はしばらくしてムキタケやムラサキシメジなどの晩秋のキノコの季節になります。

 マムシグサの実(左)。有毒で、誤って食べると口中がただれます。ウマノスズクサ科カンアオイ属のカンアオイの一種(中)。カンアオイの仲間は50種ほどあり、同定が非常に困難です。これはどんな花が咲くのでしょう。驚きました。季節外れのヤマツツジが咲いていました(右)。

 妻女山展望台から久しぶりに見る、左に爺ヶ岳、右に鹿島槍ヶ岳。この夏はほとんど見られませんでした。千曲川に掛かるのは岩野橋。その向こうは、第四次川中島合戦の時に、最初に武田信玄が本陣を構えたという横田城跡のある横田地区。茶臼山に布陣は、江戸時代後期に作られた物語です。

 右に目をやると茶臼山の向こうに白馬三山。左から白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳。その右の里山は、拙書でも紹介の神話の山、虫倉山。神城断層地震で、山頂が四割も崩壊してしまいました。千曲川の川原の大きな樹木はヤナギ。タチヤナギが最も多く、カワヤナギ、オノエヤナギ、ネコヤナギ、コゴメヤナギなどがあるらしいのですが、同定は難しいですね。近年はハリエンジュ(ニセアカシア)が増えて問題になっています。手前の畑の濃い緑は、長芋です。葉が枯れると燃やして芋掘りが始まります。高齢化により、耕作放棄地が年々増えています。

ウラベニホテイシメジとクサウラベニタケ
ウラベニホテイシメジとクサウラベニタケの見分けクイズ!!

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 長野県シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。


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ウラベニホテイシメジとクサウラベニタケの見分けクイズ!!(妻女山里山通信)

2016-10-01 | アウトドア・ネイチャーフォト
 9月に入って、「ウラベニホテイシメジとクサウラベニタケ」の記事にアクセスが集中しています。そこで、両者を見分けられるかクイズを作ってみました。ひとつでも間違えたら、ウラベニホテイシメジ狩りは止めた方がいいです。岡山県真庭市の道の駅「風の家」で、有毒なクサウラベニタケをハタケシメジとして販売。岡山市の夫婦がこのキノコを鍋に入れて食べたところ、嘔吐(おうと)などの症状が出たという記事が先日ありました。死亡例もあります。ウラベニホテイシメジ(食菌)とクサウラベニタケ(有毒)と思われるものの番号を分けてみてください。解答は最後にあります。

 写真だけで同定というのは、かなり難しいと思いますが、図鑑は写真ですから。そういうつもりで同定されるといいと思います。明らかにこれはクサウラベニタケだなというのもあれば、どっちだろうと迷うのもあると思います。ウラベニホテイシメジとハタケシメジは、どちらも霜降り模様がありますが、採取の場合は生えている場所が異なるので間違うことはありません。ウラベニホテイシメジは、ブナ科の林下。ハタケシメジは、林の縁の草むらや文字通り畑などに出ます。

 キノコ初め菌類や粘菌の撮影もしますが、キノコの専門家ではないので、同定できないものも出てきます。今回は、3種類のキノコが未同定です。まず左は、傘の直径が25センチもあります。高さも30センチはあるでしょう。テングタケ科のシロオニタケでしょうか。ただ、つばがないのです。別種なのか、つばが落ちてしまったのか不明。
 中は、傘が15センチぐらいで、高さが25センチぐらい。これもツバはありません。傘の上の突起物の形が独特です。これもテングタケ科でしょうか。
 右は、傘の直径が8センチぐらいで、抜いた高さが25センチぐらい。テングタケ科かハラタケ科か。これもいくつか図鑑などを観ましたが同定できていません。いずれにせよ毒キノコでしょう。

  栃木県民が大好きなチチタケ(左)。チタケともいいますが、傷をつけるとネバネバした乳液が出ます。ナスと炒めてうどんの汁に入れると絶品です。信州ではアカンボウというサクラシメジ(中)。たいてい1本見つけると周囲に何本もあります。天ぷらによし、煮込むとホッコリした食感の美味しいキノコ。煮込む場合は浅塩に漬けます。今年初物のハナイグチ(右)。信州ではジコウボウ・ジコボウ(時候坊)と呼び、最も愛されるキノコのひとつです。これの地粉とくにイガチクオレゴンを使った手打ち煮込みうどんは比類のない旨さです。

 杉林の林下にホコリタケ科のノウタケ(左)。直径5センチぐらいで、これぐらいだとソテーや汁物で食べられます。芝草の中に生えていたのは、イグチ科のアケボノアワタケ(中)。たぶん間違いないでしょう。食菌だそうですが、美味しければ皆さん採るでしょうから、まあ味は推して知るべしでしょうか。★後日恐る恐る煮て食べてみましたが、ニガイグチの様な嫌な苦味があってとても食べられませんでした。ウラベニホテイシメジの様に塩をして苦味を少し抜いて食べられるという味ではありません。毒キノコではないかもしれませんが、食菌にはなりません。
 ホウキタケ科のキホウキタケでしょうか(右)。高さが10センチぐらいあります。似ているヒメホウキタケに比べると、大きくしっかりしていました。ホウキタケの仲間で食べられるのは、軸が白く、先が淡紅色か淡紫色のホウキタケのみです。昔はよく採れたのですが、最近は全く見られなくなりました。

 オケラの花(左)。は直径1.5~2cmで、魚の骨を並べたような苞葉があります。「山で旨いはトトキ(ツリガネニンジン)にオケラ」と言われるように、若葉が食用とされます。万葉集にも「恋しけば袖も振らむを武蔵野のうけらが花の色に出なゆめ」とうたわれています。
 以前、花を紹介しましたが、日当たりの良いギャップのガガイモの実(中)。古事記には少名毘古那神、日本書紀では少彦名命と書かれたスクナビコナ神が、天之蘿摩船(あまのかがみのふね)に乗ってやって来たというのは、このガガイモの実を二つに割った形の船のことといわれています。大国主命と共に国造りをしたとされる神です。これが割れて晩秋に空を舞う種はケサランパサランと呼ばれます。
 20m以上下に二頭のニホンカモシカを発見(右)。オーイと呼び止めると、一頭が振り返りました。シロです。出産を無事に終えた様です。この前日に陣馬平で、生後4ヶ月ぐらいの小さな個体が一頭で草を食べているのを見ました。こんな早くから単独で歩いて草も食べるのかと驚きました。シロと一緒にいるのは、最初に生まれた双子の娘の方だと思います。出産する母親を見守りに付いていたのか、自分が出産する時の参考にもするのでしょうか。興味深い行動です。この後、別の森で、その後生まれた双子を見かけました。大家族です。何よりシロの無事が確認できてホッとしました。

 北アルプスの鹿島槍ヶ岳が見えました。何ヶ月ぶりでしょうか。この夏はいつも稜線が雲に覆われていましたから。台風16号の増水は引きましたが、連日の雨で千曲川は泥色に濁っています。樹液バーは、樹液が出なくなったので何もいません。幼虫が大きくなって子育てに忙しいスズメバチは、セミや他の昆虫を狙って地面近くを飛び回っています。この時期のスズメバチは、子育てのストレスもありかなり攻撃的なので要注意です。

 上杉謙信の本陣と伝わる斎場山(旧妻女山)から北に伸びる尾根の天狗山から妻女山(旧赤坂山)越しに松代城方面を撮影。上信越自動車道のカーブの奥に横に広がる森が松代城跡(海津城)です。手前の妻女山には、左に展望台、中程に戊辰戦争以降の戦没者を祀る妻女山松代招魂社、右に大きな駐車場があります。どちらも『真田丸』効果で観光客やハイカーが増えています。週末など時間があるときには、展望台でボランティアでガイドもしています。

 その妻女山展望台から北の眺め。千曲川の向こうに南長野運動公園。右には、AC長野パルセイロのホームスタジアム。野球場の左は、合戦場という住所で、第四次川中島合戦の激戦地と伝わっているところです。右に大きな山体の飯縄山、左に戸隠連峰と別名を戸隠富士と呼ばれる高妻山。拙書でも記していますが、上杉謙信の兜の前立ては飯縄権現です。東京の高尾山の薬王院も飯綱権現を祀っています。

 同じく妻女山展望台から撮影したパノラマ写真。9枚の写真を合成してあります。実際は左右が25000ピクセルぐらいあります。松代方面は高い木があるのでカットしましたが、芽吹き前や落葉期ならば180度のパノラマ写真が撮影できます。善光寺平の中で、仁科三山、白馬三山、茶臼山、戸隠連峰、斑尾山、信越トレイルの峰、高社山、志賀高原の山々、根子岳と四阿山を一望できるのは、この展望台だけです。ぜひ、晴天の日にお出かけください。

★クイズの答え
◉ウラベニホテイシメジは、1・3・6・7・9・11
◉毒のクサウラベニタケは、2・4・5・8・10
◉12は、毒のイッポンシメジ

【解説】1は霜降りで指で押した様な班があるのでウラベニだと分かります。4は土の付いた部分が長いのでウラベニかと思うかもしれませんが、これは地中部ではなく枯葉(腐葉土)が厚いのです。地中には入っていません。9は太い根本が5センチもあり中空でクサウラみたいですが、ウラベニホテイシメジです。何かの理由で奇形になったのですが、食するに問題はありません。
 10は色合い的にウラベニホテイシメジに見えます。ウラベニも雨に当たり乾くと霜降りが消え艶が出ます。これは軸をよく観察するとウラベニと分かります。11の様に霜降りがあればいいのですが。12は軸も太く、一見ウラベニホテイシメジに見えますが毒キノコのイッポンシメジです。なお、信州ではウラベニホテイシメジのことをイッポンカンコウともいいますが、イッポンシメジという地域もあるので要注意です。写真のイッポンシメジは傘がこげ茶色ですが、ウラベニの様な色のものもあります。毒性はクサウラベニタケと同様。同定の難しさは、場合によってはクサウラベニタケより困難かもしれません。
 今年は山中に猛毒のドクツルタケが生えています。致死量は8グラムですから、大きなものだと1本で7、8人分の致死量となります。白いキノコは要注意。

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