モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

武者小路実篤と甲州道中瀧坂

2008-04-26 | アウトドア・ネイチャーフォト
昼前、長野オリンピックの金まみれのIOC主催、税金の無駄遣い聖火リレー(聖火というのは日本だけ。他国はトーチ、つまり松明と呼んでいます。聖火リレーを始めたのはヒットラー。最初から国威発揚の道具だったわけです。今はIOCの金儲けと中国の失敗したプロパガンダのため。)の馬鹿騒ぎを見てから、買い物ついでに実篤公園と旧甲州道中瀧坂の切り通しに寄りました。つれが5月13日から仙川のカフェギャラリーniwa-coyaで行う「林真理 水彩画展 -仙川を描く-」で販売する「仙川お役立ちマップ」のバージョンアップ拡大版の古跡確認のためです。

実篤公園は、いわずと知れた白樺派、武者小路実篤の旧家跡です。国分寺崖線に建つ旧家は、現在は公園となって無料公開されています。(併設の記念館は有料です。)家は、崖線の傾斜地を上手く使って建てられています。写真のように旧鎌倉道を挟んでふたつの池があり、上の池にはニジマス、下の池には鯉がいます。ちょうど立浪草(コバノタツナミ)が咲いていました。他には、イカリソウ、ツツジ、シャガなど。孟宗竹の竹林には、1mぐらいに育った筍が何本も生えていました。私達が帰ろうとする頃に、10人ほどの見学者が入ってきました。仙川の観光スポットです。

次に北上して滝坂道に出て甲州街道の歩道橋を渡り、西の滝坂を眺めます。中程の写真右下に入っていく道が、旧甲州道中瀧坂の切り通しです。右へ行く広い通りは深大寺表参道のひとつでした。昔はもっと狭く、左の滝坂道(南街道)とは、十字路ではなく、ずれていました。

大正時代の地図を見ると、右手の角には、まゆ買場がありその向こうが、戸長田辺家で、新選組の近藤勇が出稽古に来ていたそうです。その向こうが馬宿川口屋。入口の角に馬宿川口屋と旧瀧坂の標石があります。この標石は新しい物です。滝坂の切り通しを下っていくと中程で左手に薬師如来像と地蔵(首無し地蔵)が見えてきます。地元の人が花を欠かさずにたむけているようです。さらに下ると左手の新しい甲州街道の滝坂の斜面に石段が見えます。けれどもガードレールで通行止めになっていて、現在は使われていません。この石段は、通りの向こう側にもあります。

これは、昔の鎌倉街道のわき道が、新しくできた甲州街道を横断するために造られたもので、交通が激しくなってからは危険なため通行止めになったものです。知っている方は、トマソンの典型というとご理解いただけるかと思います。旧鎌倉道は、国分寺崖線の中腹を通り、実篤公園の真ん中を通って、若葉小の中を抜け、大坂からの玉川府中道と合流して、狛江方面へと続いていました。

入間川(いりまがわ)は、甲州街道より北は暗渠になっていますが、これより北では中仙川と呼ばれています。大川ともいいます。甲州街道の北で支流が4つぐらいに分かれます。そのうち二つが中仙川遊歩道となっており、西側の遊歩道を辿ると、中央高速に辿り着き、側道に沿って西へ歩くと深大寺に着きます。仙川は、仙ケ谷(せんがや)の転訛で、昔上仙川に千釜と呼ばれる泉があり、仙人が住んでいたそうで、いつしか仙川と呼ぶようになったとか。ちなみにつつじヶ丘は、昔は金子でした。詳しくは「仙川お役立ちマップ」を。

また、甲州街道の南側には、いりま橋があり、その仙川へ伸びる坂は「売地の坂」といい、昔の京王線の跡なのです。一部ですが当時のコンクリートと鉄パイプの柵が現存しています。京王線は、本当は中央線が通るはずだったのですが、沿線の農家が桑畑が汽車の煤で汚れると猛反対して実現せず、後に電車なら汚れないと1913年に京王帝都電鉄が開通したものです。

こんな感じで、新しい地図はB4に拡大。歴史・古道の記述も増えました。さらにAEDの新しい設置箇所も加え、当地で見られる動植物昆虫も掲載。読み応えのある、なかなか興味深いお役立ちマップになっています。ぜひ5月13日からの展覧会場でお求めください。200円で販売の予定です。よろしくお願いします。
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アースデイ東京2008行脚

2008-04-21 | 展覧会・イベント・コンサート
20日の日曜日、息子二人と代々木公園で開催されている「アースデイ東京2008」に行ってきました。アースデイは、確か5年ぶりぐらいです。その時は、太陽電池を広めようとしているブースで、息子が小さな太陽電池をもらい、その後興味を持ってNEDO主催の「太陽電池工作コンクール」に工作を出品し、審査員特別賞をもらったという経緯があります。

その後は、多忙だったり他の行事と重なったりで行けずじまいでしたが、今回三人とも急に空いたので行ってみる事にしたわけです。私がサイトを作っている三軒茶屋にあるオーガニック & コミュニティ・カフェ+ ナチュラル・キッチン & バー 「from Earth Cafe “OHANA” (ふろむあーすカフェ・オハナ)」も出店しているということで、挨拶がてらVLTピタサンドやVLTカツ丼などをいただこうかなと。
※アースデイに参加している飲食店の情報は、「アースデイ・キッチン」で。クイズで旬の食材を当てたり、自分が食べた料理のフードマイルの計算ができます。

ところがです、会場に着くと既にすごい人混みです。テントとテントの間が狭くなかなか前に進みません。オハナが出店している飲食エリアは、一番奥のようです。そこでまず入口の農産物を物色。埼玉産の大きなウド250円を買いました。あまりに大きいので、お店のお姉さんに半分に切ってもらって長男のザックの中へ。これを家にある豚バラ肉で巻いてフライにしようと意見がまとまりました。

やっと飲食エリアに着くと、ちょうど昼なので満員の人。食器の貸し出しの前にも長蛇の列。各お店の前にも長蛇の列。地べたは、座り込んで食事する家族や若者でいっぱい。一応自前の食器は持参したのですが、店の行列は半端じゃない。そのうち空腹の限界を超えた次男が切れ始めました。しかも、食べている人の皿を見ると、とてもじゃないけれど息子が足りる量ではありません。これは無理だと一旦会場を離れてぶっこわれたロックの演奏が鳴る通りを抜けて原宿へ。昔のいきつけの店で、野菜ラーメン+小炒飯付き+ザーサイ漬物で昼食。途中、竹下通りのインドカレーの方が良かったなと思ったのですが、後の祭り。なにしろ次男の腹は緊急事態でしたから…。

その後竹下通りから勝手知ったる裏道を抜けて会場に戻りました。お腹も落ち着いたのでゆっくりと各ブースを見学。アクセサリーやファッションは、あまり興味がないので科学・農産物・食品のブースを中心に回りました。岩塩や無農薬のオリーブ油、手作りの醤油、野菜の苗。現在トライアスロン部所属の長男が興味を持ったのは、オランダの自転車。カーボンのロードレーサーがすごかったです。軽自動車ぐらいの値段がします。その軽いこと。そして最後に、以前つつじヶ丘に店があったときには、子供を連れてよく訪れた「ルヴァン」の大きな焼きたてカンパーニュを半分、お土産に買うことにしました。600円で、なかなかリーズナブル。袋の中からは酸味の効いたいい香りがします。

ハーフドームでは、コンサートの最中。天ぷら油の再生燃料で発電しているそうです。だいたいバイオ燃料というのは元々こういう使い方をいうのではなかったかなと。それがいつか話がすり替わってバイオ燃料のために穀物を育てるという穀物メジャーの陰謀が世界に既成事実として蔓延してしまいました。マスコミもさも当然であるかのように報道。穀物から作るバイオ燃料は、エネルギーや水を大量に必要とする不経済で環境にダメージを与えるものなわけで、今アマゾンのジャングルは本当に危機的な状況にあります。しかも、そのために穀物が高騰。酷いことになっているのは周知のところです。

アースデイも、年々盛んになり傾向も少しずつ変わってきているのでしょうね。エコロジーが、なんだかファッションみたいな時代から、非常に身近でせっぱつまった時代に変わってきたというのもあるでしょう。地球は、今あちこちで限界を越え、悲鳴を挙げていますからね。若い人が関心を持つのも当然という気がします。ま、毎日が地球の日であることには間違いないのですが。現在最も環境汚染をばらまき、弾圧も耐えない中国で平和の祭典オリンピックというのも笑えない現実です。辞退した善光寺の英断には、心から拍手したいと思います。
アースデイ、今度はもっと広い河川敷か山の中でやってくれませんかね。
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ふろむあーすカフェ・オハナ サイトアップ!

2008-04-16 | ジョブ
三軒茶屋にあるオーガニック & コミュニティ・カフェ+ ナチュラル・キッチン & バー 「from Earth Cafe “OHANA” (ふろむあーすカフェ・オハナ)」の私が制作したサイトがアップしました! まだ未完成の部分もありますが、アースデイも間近ということでnews/event情報をお届けしたく、なんとかアップにこぎつけました。なかなかクールで分かりやすいサイトになったと自負しています。これから更にパワーアップしていきます。

食や育児の問題などが山積している現代、都会の中で若者や若い母親たちは孤立しがちですが、カフェ・オハナは、オーガニック & コミュニティ・カフェと宣言しているように、三軒茶屋の新たなコミュニティ・スポットとなりつつあるようです。先日打ち合わせに訪れた際には、赤ちゃん連れのお母さん達がたくさん集まっていました。情報交換やコミュニケーションの場所となっているようです。店内全席禁煙なのも安心。246通り沿いで、駅から3~4分というのも便利です。

お店の場所や詳細は、サイトをご覧いただきたいのですが、安全で美味しい食事とイベントやライブが楽しめるお店です。旬の無農薬野菜を中心にした日替わりプレートや、ベジカレーに、お総菜、パスタ、サイドディッシュ、ナチュラルスイーツ等々。こだわりのアコースティックライブ、トークライブやワークショップ、個展、パーティー等、イベントも多数。テイクアウトもあります。お店の人達は、女性一人でも安心して夜ごはんが食べることもでき、かつ、2人以上でも、ごはんが食べたり、お酒を飲んだり、楽しめる場にしたいとおっしゃっています。

木と流木を中心とした暖かいインテリアは、246通り沿いにありながら、店内に一歩足を踏み入れると、喧噪から離れ、静かで、落ち着いた空気が流れる、心地よい空間。音楽(BGM)は、秋元しゅうせい氏のひょうたんスピーカーとタイムドメインスピーカーという2大波動スピーカーで、オーガニック・ミュージックが堪能できます。この間は、ちょうど壁面を使って個展を開催中でした。場所柄、若いお客さんが大半ですが、年輩の方や男性も訪れていました。246通り沿いを忘れるほど落ち着いていて静か、大人にも子供にも、なかなか心地よい空間です。

近くのエコー仲見世商店街内には、フェアトレード&エコロジー・ショップ “ふろむ・あーす”もあります。ぜひ一度訪れてみてください。

★また、4月19日(土)20日(日)に代々木公園で行われる「アースデイ東京2008」にも出店します。地球を考える、環境問題や食の安全、子育てや教育に関心のある方はぜひお出かけください。出店やコンサート、イベントも多数です。
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あくまで静かな花の阿夫利山

2008-04-07 | アウトドア・ネイチャーフォト
久しぶりに家族揃っての山歩きは、山梨県上野原市旧秋山村の阿夫利山です。昭文社のサイマップにも載っていない山で、ほとんど訪れる人はいません。三年前、次男と三月に相模湖南の石老山へ登ったときに、大量の花粉の飛散に出合い、酷い目に遭いました。その時、大明神展望台から見えたのが、今回の阿夫利山でした。

低山ながら、植林帯があまり見あたらず自然林に覆われていたので、あの山なら花粉も大丈夫だろうとのことで、翌週長男とルートファインディングをしながら登りました。低山ながらなかなか侮れない山で、ルートも不明瞭で苦労しましたが、それなりに楽しい山でした。ただ早春で花が少なかったので、いつかもう少し暖かい季節に訪れたいと思っていたのです。

今回は、前回とほぼ同じルートを辿りました。期待はずれだったのは、花粉がかなり感じられたこと。期待通りだったのは、花の季節に巡り会ったことと、珍しいキノコや山菜が採れたことでした。やはり道中人に出会うことはなく、最後に後から登ってきたらしい年輩の男性が、私に地図を見せてルートの確認をしてから追い越していっただけでした。

729mの低い山なのですが、南に丹沢山塊、北には生藤山から連行峰、陣馬山、景信山、城山までのパノラマが見え、西には南アルプスの北岳が見えるという、意外なほどに展望の利く山でもあるのです。

アブラチャン、ダンコウバイ、サンシュユ、キブシ、ミツバツツジ、タチツボスミレ、シュンラン、カンスゲ、センボンヤリ、春紅葉のイロハモミジなどを堪能しながら春の陽光の森を歩きました。

低山ですが、ヤセ尾根や崩れやすいガレ場があったり、崖の縁を歩く急斜面があったりと、なかなか気を抜けない山でもあり、テープも各所に巻いてあるのですが、それ自体が間違っていたりもします。あまり信用はできません。地形図をしっかり読める人でないと立ち入ることは危険な山です。

写真のキノコは、次男が見つけたアミガサタケ。7本採りました。フランスではモリーユといい、100g1000円以上する高級食材です。しかし、ロケット燃料と同じ毒性分があり、生食すると中毒しますが、しっかり炒めて煮込めば毒の成分は揮発します。バターやクリームとの相性がいいので、今回はクリームスープにしました。

また、シュンランの群生地も見つけたので、家族分の天ぷらの食材分を少し採りました。そしてモチモチとした食感で美味しいユキノシタも天ぷら用に摘みました。帰りには直売所で、名産の野良坊菜を買い求め、アサリとボンゴレヴィアンコにして、春の味覚を堪能しました。

今回のトレッキングのフォトレポは、モリモリキッズでご覧ください。
阿夫利山 その1 、2、3 2008.4.05のフォトレポート
 久しぶりに家族全員で登ったのは、三年ぶりの阿夫利山です。前回よりも半月ほど後なので、花が期待できました。低山ですが、サイマップにもルートが掲載されず、地形図が必須の山ですから、静かなハイキングが楽しめます。今回も出合ったのは一人きり。
 そして、その割には結構スリルがあるところもあり、なかなか味わい深い山なのです。また、高い山に囲まれている割には眺望が良く、南アルプスの北岳もクッキリと見えました。花は、ダンコウバイ、アブラチャン、サンシュユ、キブシ、スミレ、シュンランなどが見られました。
今回のコース
秋山大橋--富岡集落--金剛山参道入口--金剛山(632m)--井戸沢ノ頭(670m)--阿夫利山(729m)--高見山(710m)--阿夫利山巻き道--井戸沢ノ頭--573m--祠--富岡集落--秋山大橋(富岡から東の尾根を登り、西の尾根を下ってくるコースです)
全行程:約8時間15分・休憩を含む 気温:3度-18度 標高差:約450m
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