モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

久しぶりにニホンカモシカのクロと出会ったが・・・(妻女山里山通信)

2011-12-26 | アウトドア・ネイチャーフォト
 妻女山上の陣場平で、久しぶりにニホンカモシカのクロと出会いました。といっても、こちらは立ち枯れの除伐をしていて気づかなかったのですが、クロは私の作業を薮の向こう側でずっと見ていたようでした。作業の途中でふと何かの気配に気づいてそちらを見るとクロがいたという次第です。こちらから探そうと思っていない限りは、こういう出会い方が普通です。

 ウシ科のニホンカモシカは非常に好奇心が強いので、他の動物の様にすぐに逃げるという事をしません。もっとも、野うさぎや山鳥も足下の薮に潜んでいて、近づくと突然飛び出して、こちらがドキッとすることもままありますが、それは好奇心というより、通り過ぎたらそのままやり過ごそうと思っていたのに、予想より近くに来てしまったためです。シマヘビなどは山道で突然出会うとびっくりして、ニョロニョロ這うのではなく、丸まってゴロゴロと斜面を転がって逃げて行くこともあります。

 クロはすっかり冬毛になっていて、夏よりひとまわり大きく見えます。そして冬の方が、近づける限界距離が夏よりも長くなります。夏だと場合によっては5mぐらいまで寄れるのが、冬だとその2倍ぐらいという感じです。理由はよく分かりませんが、林内の見通しがよくなって隠れにくいことや、食料が少なくなって食べ物が少ないことも関係しているのかもしれません。

 冬の食べ物ですが、檜や杉の葉、シダ類、藻類、ヒラタケ、エノキタケ、笹の葉、樹皮、枯葉などです。後をつけて観察した時に彼らが実際に食べていたもので、非常に多岐に渡っています。いわゆる「ばっかり食い」をしないのです。ほぼ一日中、採食歩行と採食を繰り返し、満腹になると反芻に入るわけです。夏場は林内の安全な場所で座ってするのですが、積雪期は立ったまま2時間ぐらいジッとして反芻します。これを「アオの寒立ち」といいます。

 クロは、毛が黒いので夏冬あまり変わりませんが、妹のシロは夏毛と冬毛で別個体の様に色が変わるのですぐに生え変わりが分かります。「夏毛のシロ(抜け落ちた冬毛の写真あり)」と「冬毛のシロ」を見てもらうと一目瞭然です。ちょっと気がかりなのは、この2頭の母親の姿が最近見られないことです。いつかも、糞場の近くにクロとシロの2頭でいましたが、母親の姿はありませんでした。子離れして、奥へ移ったのならいいのですが。2年ぐらい前に父親と見られる遺骸が清野の倉科坂の谷間で目撃されたので少し心配です。

 信州もやっと積雪がありました。雪が積もるとアニマル・トラッキングのシーズンです。足跡から動物達の色々な生態が分かります。そういえば、降雪の前日に上杉謙信槍尻の泉で、丸々と太った狸が水を飲んでいました。集落内に棲んでいる狸と違って毛の艶もよく健康そうでした。人家の中に棲む狸は、残飯等をあさるせいでしょうか、毛艶が悪く皮膚病になったものも見かけます。人間の食べているものの方が、添加物や環境ホルモンなどで汚染されているからでしょうか。数年前には善光寺平周辺の山で狸の病気が流行ったようで、何カ所かで狸の遺骸を見つけました。

 この辺りは線量が低いので大丈夫だと思いますが、福島や関東の山地では、今後野生動物の病気や奇形などが次々に発見されるのではないでしょうか。被曝した動物の情報が次々に入って来ています。内部被曝の治療法がないように、その動物達を救う手だてはないということです。キノコと同様に野生獣の食肉には充分注意が必要です。
 原発=核は生物学的に最も反動的なもので、いかなる理由があろうとも許されるべきものではありません。単にお湯を沸かすのに人類を滅亡に追いやる危険きわまりないものを使うのは全く馬鹿げています。

★Youtubeスライドショー






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■【必見!拡散希望】~首都圏・健康調査へのご協力お願い~こどもと未来をつなぐ会・町田「拡散希望!…コピペでメール転送大歓迎!」おびただしい数の症状が既に出ています。

3号機はプルトニウムを大空に吹き上げた! 使用済み燃料プールは、多弾頭ロケット・ランチャー:燃料棒の破片があちこちで見つかっている。プルトニウムの半減期は、24000年。飯館村には24000年戻れない。東京は24000年奇麗にならない。

収束宣言の大嘘! カバーをした1号機から12月になっても毎時1000万ベクレル、1ヶ月で72億ベクレル。フクイチ全体では毎時6000万ベクレル。 1日で14億4千万ベクレル。 1週間で約100億8千万ベクレル。フレッシュな放射性物質が毎日北風にのって千葉・東京・横浜にやってくる。

●エビダンス、エビダンスと喚く医者や科学者達は、海老とダンスでも踊っていればよい。エビデンスなど待っている時間はない。怪しいものは全て疑い排除や避難しないと生き残れない。チェルノブイリでは、気にしない、気にしてもしょうがないという人から病気になり死んで行ったという証言がある。

●プルトニウムはα線、ストロンチウムはβ線、プルトニウム粒子「ホット・パーティクル」の毒性 は極めて強く、吸収されにくいのでほとんどは排出されるが微粉末1、2個が入るだけで肺ガンを起こす。4月に東京の人は1日当たり10個吸い込んだ計算。琉球大学名誉教授・矢ヶ崎克馬教授


放射能の少ない食べ物の情報サイト OK FOOD
食品の放射能汚染問題で、子供たちの為に何を買ったらいいか判らなくなっているお母さん達のためのお買い物支援事業「ベクまる」
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久しぶりに歴史:川中島合戦の上杉謙信本陣跡・斎場山から陣場平へは、冬が最適(妻女山里山通信)

2011-12-23 | 歴史・地理・雑学
 永禄4(1564)年の第四次川中島合戦で、上杉謙信が本陣としたと伝わる斎場山(旧妻女山513m)から、謙信が陣城(陣小屋)を建てたと伝わる陣場平へと歩いてみました。出発は、現在の妻女山(411m)駐車場から。妻女山展望台の南に妻女山松代招魂社、その更に南に駐車場があります。ここから右の林道を登る事15分で、写真にある長坂峠に着きます。(詳しい行き方は「妻女山から斎場山への行き方」参照。地図は下の地形図を)

 『甲陽軍鑑』にある川中島合戦の「西條山(さいじょうざん)」とは、「斎場山(さいじょうざん)」のことです。妻女山は江戸時代に命名された俗名です。本来は斎場山のことを指したのですが、後年地元でも下の赤坂山を妻女山という様になり、現地形図でもそう表記されています。事の詳細は、妻女山(斎場山)について研究した私の特集ページ「「妻女山の真実」妻女山の位置と名称について」をお読みください。

 この長坂峠は、昔は東風越といってもう少し東にあったのですが、昭和30年頃に林道ができて現在の位置に移動しました。よく見ると旧山道の跡はあちこちに見られます。ここから陣場平までは、掲載の写真で詳しく説明しています。位置関係は下の地形図で分かると思います。
 この辺りは、初夏から秋まではオオスズメバチが営巣して飛び回るので、知らないと少々危険ですが、冬場は蜂も蛇も、稀に出没する月の輪熊もいないので、最適なシーズンです。運が良ければニホンカモシカに出会えます。また、落葉しているので、全体の地形が把握し易いのです。
↓右クリックで「画像だけを表示」にすると全体が見られます。


 陣場平は、 『甲陽軍鑑』の編者といわれる小幡景憲彩色の『河中島合戰圖』(東北大狩野文庫)に七棟の陣城が描かれている場所で、山上の広大な平地です。夏場は薮になって入れませんが、冬枯れの時期は見通しもよく全貌を見る事ができます。長坂峠から登って5分余り、大きなトーテムポールのような堂平大塚古墳の標識が見えたら、その左手が陣場平です。掲載の5番目の写真で分かる様にかなり広いところです。周囲には、伏兵を潜ませたという千人ヶ窪や、謙信がその水で茶をたてたという陣用水の泉、甘粕隊が布陣したという月夜平など、川中島合戦にまつわる地名が数多く残っています。また、陣場平からは赤松越しに武田信玄が籠った海津城が見えます。


上杉謙信布陣の斎場山と陣場平「今昔物語」
 昭和22年にGHQが撮影した斎場山、妻女山、陣場平の空撮と江戸時代後期の榎田良長彩色『川中島謙信陣捕之圖』。
川中島合戦と山名についての考察。斎場山と妻女山まとめ。
 ホームページとブログから選択して作ったリンク集「妻女山まとめ」


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OLD JAPAN-19301930(昭和5)年、関東大震災から復興したばかりの日本を襲った世界大恐慌の時代。
 ここから日本は軍国主義の色を深めて行った。再び同じ過ちを犯してはいけない!
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冬の森を彩る赤と緑の向こうに・・キノコ 雲(妻女山里山通信)

2011-12-17 | アウトドア・ネイチャーフォト
 用事の帰りに久しぶりに妻女山から斎場山経由で陣場平まで登ってみました。落葉松の葉がほとんど落ちたオレンジ色だった林道も、毎朝の霜で茶色に変色。木々の落葉も進んで見通しがよくなりました。 ほとんど茶色に染まった森の中で、ひときわ目立つのがガマズミの赤い実と緑色の冬蔦です。ガマズミの実は、毒ではないのですが酸味が強いせいでしょうか、秋口は鳥もあまり食べないようで、いつまでも残っています。本格的な冬になりいよいよ食物がなくなってくると、ヒヨドリなどがついばみに来る様になります。これは信濃柿も同様で、秋は誰も食べませんが、樹上で天然の干し柿になると、たくさんの小鳥たちがやってきて、春までにはみな食べられてしまいます。酸味や渋が抜けて甘みが増すからでしょう。

 写真の信濃柿は、もうかなり乾いていて天然の干し柿状態。これが実に美味しいのです。ビタミンCが豊富で抗酸化作用があり、諺に「柿が赤くなれば、医者が青くなる」とあるほど栄養豊富です。また、体を冷やさない効果もあるので冬にはもってこいの食物なのです。そういえば女性初のエレベスト初登頂の田部井順子さんも、山には干し柿を持って行くと言っていました。最近では食べる人も少なくなり、鈴生りになったまま成り腐りしている柿の木が少なくありません。そんな山懐の柿の木には、冬になると月の輪熊がよく訪れます。

 柿は弥生時代に、桃や杏、梅等と一緒に中国から渡来したということですが、実は日本原産のものもあったらしいのです。しかし、氷河期時代に絶滅したともいわれています。干し柿は、927年に完成した『延喜式』に祭礼用の菓子として記されていますが、写真の信濃柿のように天然でもできるので、それを鳥に採られない様に早めに採種して人工的に作る様になったものと思われます。干し柿は、なますにしたり、サラダにいれたり、ケーキなどスウィーツにも合いますが、チーズとよく合います。クラッカーに干し柿とブルーチーズを乗せるといいつまみになります。

 柿に含まれるタンニンは、セシウムと結合するので危ないのですが、逆に安全なものはセシウムを排出してくれる効果があります。これはお茶や柑橘類、銀杏なども同様です。この妻女山山系は、3月の福一爆発直後に雨や雪がなかったので、セシウムの降下がほとんどなかったようで、線量は地表面でも0.03-4ぐらいと低めです。しかし、隣の象山では0.1とやや高めで、鏡台山の谷にかけて高いようですから注意は必要です。ただ、軽井沢や佐久、立科町のような高線量のところはないようです。詳細は「測ってガイガー!」の放射線量マップを。

 いつも冬に大きな株が出る平茸のポイントに寄ってみました。遠くからも分かるほどの立派な平茸が出ていました。最も大きな物は傘の大きさが10センチはあります。ナイフを忘れたので、丁寧に手で採種しました。念のため濃いめの塩水に一晩浸けて除染をしてから鍋の具にします。天然の平茸は、弾力があり味も濃くてたいへん美味です。栽培ものとは比較になりません。キノコの除染については、【信州の里山】キノコの放射能汚染と除染についてをご覧ください。

 そのスライドショーよりの抜粋です。

「地球の年齢は46億年です。約39億年前に海ができて原始生物が誕生しても、地球は太陽や雨中からの放射線や宇宙線が降り注ぎ、陸上で生物が棲める環境ではありませんでした。誤解を恐れずに言えば、太陽は最も巨大な原発であり原爆なのです。5.5億年前に海藻が酸素を大量に作り始め、オゾン層ができて、やっと陸上で生物が生きられる環境が整いました。
 そして、人類が誕生したのがわずか450万年前。地球の歴史を1年とすると、人類の歴史はたった8時間余り。その人類が、膨大な時間をかけてやっと生物が棲める様になった地球を、自ら放射能で汚しています。原発=原爆=核は、生物学的には、最も反動的なものなのです。」


 放射能は、気にしない、気にしてもしょうがないと背を向けて勝てる相手ではありません。チェルノブイリでは、そういう人から病気になり死んで行きました。安全性バイアスと多数派同調バイアスにかかっている人は、生き残れません。マスコミも政治家も全くあてになりません。国会議員の約90%がネットから情報を得ていない。もしくは活用出来ない年齢又は状態にあるという驚愕の事実。日本を導くべき国会議員が、情報弱者とは!! これでは日本の未来は真っ暗です。首相を含め彼らは世界中から笑われ馬鹿にされていることも知らないのでしょう。
 既に日本にはまともな三権すら存在していません。米の著名な経済評論家は、来年日本は国債が破綻し、無政府状態になると予測しています。そのアメリカも、国内の不満が高まり戦争の準備を始めた様です。イランの情勢からは目が離せません。キノコも青空の白雲も好きですが、キノコ雲は勘弁。
 貞観地震の前後を見れば、これから日本になにが起きるかは目に見えています。大地震はかならず起きるし、噴火も起きます。日本人の半数以上は、ディアスポラ化するでしょう。準備をせねば。


歴史は語る:864年:富士山噴火/868年:播磨国地震(阪神)/869年:貞観地震・貞観津波(東北)/871年:鳥海山噴火/874年:開聞岳噴火/878年:相模・武蔵地震(関東)M 7.4/887年:仁和地震(東海・南海地震)M8.5~

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「ドイツ放射線防護協会によるフクシマ事故に関する報道発表・・・日本は我々を守る国家ではない」記事も凄いがコメントの量と内容も凄い!しかし今はエビデンスなど待っていられない状況。

「ダイエーも魚介類の産地表示を強化! しかし政府が定め各スーパーが従がう産地表示には大きな穴が・・・」○○県沖と表示する様通達が出ているのに全く守られていないので信用できない!

「被曝していない細胞にも影響が伝わるバイスタンダー効果:CNIC」どんなに線量は低くてもがんや白血病を発生する可能性がある。

「近づくM9級大地震 あなたは今そこにいて本当に大丈夫かそのとき、東京では何が起きる? もし地下鉄に乗っていたら もし高速道路を走っていたら」津波が来たら地下鉄はアウト、駅は地獄絵図、高速道路は火の川、高層ビルは上から崩壊。

「警告!原発の下に危険な活断層!“M8級”地震の可能性も」六ヶ所壊れたら日本だけでなく世界が終わる。4号機は定期点検中だったためプールには、使用済み核燃料ではなく、使用中核燃料が入っている。傾いている建家が崩壊したら東京圏は本当に終わり。

「福島原発3号機“核爆発”を起こした!専門家が断言」泊原発3号機の使用前検査データを上司から改ざんするよう命令された。3号機はMOX燃料が爆発。プルトニウム等大量の核種が飛散。チェルノブイリとは比較にならないほど酷い。

「アメリカの子供にホームレスが増えている・・TPP本家=米国の家庭崩壊」国内の不満が限界になるといつも戦争を始める国。
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【1930年頃の日本】OLD JAPAN-1930s と 東京復興の父・後藤新平【妻女山里山通信】

2011-12-14 | 歴史・地理・雑学
 1930年(昭和5)年は、Wikipediaから引用すると、「大戦後の恐慌、関東大震災、昭和金融恐慌(昭和恐慌)によって弱体化していた日本経済は、世界恐慌の発生とほぼ同時期に行った金解禁の影響に直撃され、それまで主にアメリカ向けに頼っていた生糸の輸出が急激に落ち込み、危機的状況に陥る。株の暴落により、都市部では多くの会社が倒産し就職難の者(学歴難民)や失業者があふれた(『大学は出たけれど』)。恐慌発生の当初は金解禁の影響から深刻なデフレが発生し、農作物は売れ行きが落ち価格が低下、1935年まで続いた冷害・凶作、昭和三陸津波のために疲弊した農村では娘を売る身売りや欠食児童が急増して社会問題化。生活できなくなり大陸へ渡る人々も増えた。」という切羽詰まった時代。軍国主義が台頭し、国際社会からの孤立を深めていきました。

 文化的には、古き良き日本も残っていた時代ですが、都会では西洋文化(1925年に開催されたパリ万国装飾美術博覧会で花開いたアール・デコ)の影響で、欧米化が進み「モボ・モガ」なる風俗が流行りました。それは下のスライドショーでも分かります。男子の普通選挙が実施され、大正デモクラシーの流れがモダニズムを押し進めた(近代化推進)のですが、軍国主義と覇権主義の台頭の中で抑制され、短い期間で終わりを告げました。動画の中に出て来る運河沿いに建つ写真のビルのデザインに、その影響が見られます。しかし、この美しかった首都東京も、10数年後には焦土と化し、70数年後には放射能汚染されるのです。

OLD JAPAN-1930s 【1930年頃の日本】

★Youtubeのページでは、720p HDでご覧頂けます。著作権満了のナショナル・ジオグラフィックからスキャニングして私が作ったスライドショーです。BGMは、ガレージバンドで作りました。
 このタイトルの写真が、何気に凄いと言われます。お母さんが髪を結っているのは地毛でしょうね。私の祖母の昔の写真も地毛で髪を結っていました。203高地なんていう髪型も流行りました。子供達もいい着物を着ています。女の子はモボ・モガの影響でしょうか、おカッパ頭。今はショートボブといいますが。右側の女の子の後ろには、百科事典と思われる書物も。しかし、食べているのがどうやらお茶漬けという庶民食。座卓も四角い杢の入った高級品ではなく、たぶん折りたたみの円卓。どういう家庭なんでしょうね。ナショナル・ジオグラフィックの本文を読み返してみましょうか。



 このスライドショーの写真を見ると、都会と地方の格差が非常に大きかった時代だということが分かります。実はわが家には、この少し前に晩年の後藤新平が訪れて、祖父(後列右から二人目)等と撮影した記念写真があります。昭和2年5月2日のことです。妻女山麓の清野小学校に後藤新平子爵が来校。松代・西条の高等科生徒も加えて講演を聴いたそうです。彼は、まだ若かった祖父に「定慧(じょうえ)」という禅の書を残して行きました。「定慧の二法(禅定と智慧)を成就すれば、すなわち自利利他の法みな具足す」禅の言葉です。「定慧円明」といって、定は必ず慧を発し、慧は必ず定に基礎づけられ、打って一丸となった円かに融け合って明らかなものでなければならないということ。完全に身・息・心が統一され、安定した状態を「定」といい、覚醒した状態から世界を照らし見る働きを「慧」ということです。

 彼に感化されたのでしょうか、祖父は若い村会議員として、清野村内の道が坂だらけの山際にしかなかったため、畑地に広い新道(駐在所の前より大村への道)を建設する等の事業を遂行したということです。ちなみに私は祖父の連れ合いの祖母似なので祖父とは似ていません。それにしても、明治の男たちは、こんな信州の片田舎でも凛として威厳がありますね。私が生まれた時には既に祖父は他界していたので知りませんが、連れの祖母は背が高く、背筋が真っ直ぐ伸びた優しいけれど厳しい人で、朝ドラの「おはなはん」が大好きでした。産めよ増やせよの時代で、10人の子を授かり、男子ひとりが少年時代に病死。女子ひとりが看護婦時代に結核にかかり病死。8人が無事に育ち家庭を持ち、末っ子の男子は大学卒業後、ブラジルに移民しました。これらのことが、私が後に南米を放浪するきっかけとなったのは因果を感じます。
 後藤新平は、台湾総督府民政長官、満鉄初代総裁、東京市(現・東京都)第7代市長、ボーイスカウト日本連盟初代総長、東京放送局(のちのNHK)初代総裁、拓殖大学第3代学長を歴任しました。




 記念写真は、制服フェチとも言われた後藤新平を含め約半数が当時最先端の紳士のファッションであった3ピースのスーツ姿で、残りが羽織袴という出で立ち。また、半数が口ひげを生やしています。「政治の倫理化」を唱えて全国を遊説中に当地へも来訪したようです。それだけ、政治も腐敗していたのでしょう。興味深いのは、その腐敗防止のために政治家を教育したりするのではなく、全国を遊説して一般の市民教育に情熱を傾けたということです。写真は、彼が亡くなる二年前のものです。


 
 関東大震災後の首都復興の計画のあまりの壮大さに「大風呂敷」などというあだ名までつけられましたが、その先見の明は常人のそれをはるかに越えるものでした。東京復興は、彼の都市計画への見識と情熱がなければなし得なかったに違いありません。鉄道に彼の推した広軌道を採用しなかったのは、日本の鉄道史最大の過ちだったという人もいます。
 新平が倒れる日に残した言葉は「よく聞け、金を残して死ぬ者は下だ。仕事を残して死ぬ者は中だ。人を残して死ぬ者は上だ。よく覚えておけ」であったという逸話は有名です。昭和4年4月13日に彼は鬼籍に入りましたが、その後日本は戦争の時代へまっしぐらに突入して行きます。なんだか今が、その当時と似ているような気がして不安を覚えます。東京は、そう遠くない将来に必ず震災に襲われます。その上に放射能汚染。果たして二度目の復興は叶うのでしょうか。

子爵 後藤新平著『政治の倫理化』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)ここでは、内務大臣・外務大臣・逓信大臣などの要職を歴任した後藤が、金権政治に走る党人達と己の利益に走る視野の狭い官僚とを痛烈に批判しています。明治のステイツマン(Statesman:政治家)の後藤には、腐敗した大正・昭和の政治家は「ポリティシャン(politician:政治屋)」にしか見えなかったのでしょう。更にボーイスカウト日本連盟初代総長を務めたのも、将来の人材の育成が必要であると強く感じたからでしょう。震災からの復興を成し遂げた現東京の父ともいうべき後藤新平が、腐敗しきった現在の政治家、官僚、財界人と放射能で汚染された東京を見たらなんと言うでしょうか。




関連動画もぜひ視聴を。モダンから軍国主義へと180度変換した当時と現在があまりにも似ている。



これはあなた方のおばあさんかひいおばあさんの時代の話なんだが、恐ろしいほど今に似ている。現在の極右政権を打倒し、米の植民地から脱却し、真の独立国になるためには市民の力だけしかありません。右とか左とかの問題ではない。イデオロギーの時代は既に終わったのです。どうやって人類が生き延びるか。そういう時代です。バイオテロや偽旗作戦は既にいくつも行われています。


 信じられますか。これが大正時代のモガの超有名な写真です(1930年前後)。彼女が平成の銀座を歩いていても違和感が全くありません。むしろ周りを圧倒するでしょう。しかし、この時代があっという間に終わり、日本は軍国主義に染まり、世界大戦へと向かうのです。戦争は全てを奪います。傍観しているだけでは平和は守れません。右とか左とかイデオロギーは無関係。戦争をして暴利を貪る輩はどちらにもいます。たった1%の世界を牛耳る輩の奴隷で甘んじる時代を終焉させるべきだと思います。覚醒が必要です。

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信州の里山トレッキング東北信編』川辺書林が発売中。平安堂やAmazon等で。カラー668枚の写真とコース地図。 信州の里山は、多くが古墳や山城、神社の奥宮がある。城跡など歴史巡りの山歩きも楽しい。そんな歴史も記述 #歴史

プルトニウム粒子「ホット・パーティクル」の毒性 は極めて強く、微粉末1、2個が入るだけで肺ガンを起こす。4月に東京の人は1日当たり10個吸い込んだ計算。マスクを!(肺の細胞を破壊する写真)
●現在販売されているもの:放射性セシウム除去剤「ラディオガルダーゼ」、プルトニウムを排出する薬剤「ジトリペンタートカル」「アエントリペンタート」、放射線防護効果「ラクトフェリン」
α線β線の内部被曝の恐怖「内部被曝についての考察」琉球大学 矢ヶ崎克馬教授 体内では、アルファ線は40μm程度しか飛ばない。ただ、この40μmの所に、アルファ線の多くは4メガエレクトロンボルトというエネルギーを持っている。何と10万個の分子切断をしてしまう。
■「首都圏に居住できない二つの理由」Cs-137はロシアの安全基準に抵触・プルトニウムは放射線管理エリアに相当


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★ネイチャーフォトのスライドショーやムービーは、【Youtube-saijouzan】をご覧ください。粘菌や森のあんずのスライドショー、トレッキングのスライドショーがご覧頂けます。「キノコの汚染と除染について」 アクセスが増えています!

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樹液バーに訪れる和の蝶スミナガシのライバル その2 on Youtube(妻女山里山通信)

2011-12-12 | アウトドア・ネイチャーフォト
 スミナガシはオオムラサキに比べるとやや小振りなので、オオムラサキの集団が来ると樹液バーから逃げてしまいます。それでも初めの方のカットにある様に、オニベニシタバという蛾が来て、同じ穴に口吻を刺し込んでしまい口吻同士が触れた時には、激しく羽ばたいてオニベニシタバを追い払いました。

 樹液バーには、クジャクチョウゴマダラチョウサトキマダラヒカゲルリタテハもたまに訪れますが、やはり大きなオオムラサキには席を譲らざるを得ない様です。フクラスズメは、樹皮と同じような文様で地味なので、目立たないのですが、翅を広げると後翅にきれいな水色の太い弧状の模様が2本あります。

 スミナガシと一緒に、ここでもオオスズメバチが一緒に写っているカットがあります。レンズと蜂の距離は、4、5cmしかありません。撮影したいという欲望が恐怖に打ち勝った瞬間です。激しく頭を振って吸汁している時が撮影のタイミング。飛び立つ時が危険です。


■Suminagashi butterflies in Japan 2011 Part 2of2【スミナガシ】


 妻女山山系は、麓の松代SAで0.04μSv/hと低めですが、象山は東側で0.14μSv/hとやや高め。航空モニタリングでも西条地区の南部が高く出ているので、西条の谷間から山間部にかけてホットスポットがあると思われ、要注意です。現在までのところ、妻女山山系の動植物や菌類に異常は見られませんが、引き続き観察を続けていくつもりです。
 参考までに南長野運動公園は、0.12μSv/h。茶臼山恐竜公園入り口は、0.1μSv/h。ベラルーシでは、0.7-0.8μSv/hから子供に異常が出ているので、心配する値ではありませんが、落ち葉の粉塵や砂埃を吸わないように注意した方がいいでしょう。詳細や線量を調べたい時は、「測ってガイガー!」で。

 ちなみに、ガイガーカウンターは、ウクライナ製で軍用のECOTEST社のものや、ロシア製のものは、基本は0.3μSv/hで音が鳴り続けるそうです。それは、この25年のチェルノブイリの経験で、それ以上は危ないと分かっているからです。

■アメリカ政府のHPで3月の首都圏の放射線量が公開されています。高い濃度でストロンチウムやα線核種が存在していることが確認されました。
http://energy.gov/situation-japan-updated-102111
http://www.data.gov/raw/5270 空間ダスト
http://www.data.gov/raw/5271 土壌
http://www.data.gov/raw/5272
http://www.data.gov/raw/5273
【港区赤坂米大使館前3月18日 Sr-90:69715 Bq/m3 換算するとストロンチウム90だけでなんと5.6μSv/h! 】
しかも、元米軍関係者によると、公表されているのは、見せられるものだけ。本当のデータはたぶん出ていないだろうということです。更に危険な他の核種も確認されている可能性があるということ。但し、この表でもα線核種、β線核種がかなり検出されたことが分かります。つまり、これから5年、10年の間に首都圏では、甲状腺癌や白血病、心筋梗塞が多発するだろうということです。それ以外に脳機能の低下や疾病の重症化も増えるということです。呼吸や食べ物による内部被曝を最小限に抑えないと必ず症状が出ます。
■【みんなのカルテ保管庫】すでに各地で色々な症例が出ている 。内部被曝に要注意。必読!

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シックな着物を着た大和撫子のような蝶・墨流し その1 on Youtube(妻女山里山通信)

2011-12-09 | アウトドア・ネイチャーフォト
 墨流しは日本古来の描画の技法で、水に墨汁を流して文様を作り、それを紙に写し取るというものですが、その文様に似た翅を持つチョウがスミナガシです。オオムラサキと同じタテハチョウ科ですが、食草がオオムラサキがエノキなのに対し、スミナガシはアワブキという樹木の葉で、主に沢筋に見られます。
 その色合いは和風で美しく、表の国蝶がオオムラサキならば、裏の国蝶はスミナガシだといわれるほどです。

 そのスミナガシの翅の色ですが、よく見ると非常にたくさんの色味が見えてきます。以前和色で列挙したものを再掲してみます。
 青系から緑系に列挙します。
★紺桔梗(こんききょう)・瑠璃色(るりいろ)・群青色(ぐんじょういろ)・黒橡(くろつるばみ:つるばみはクヌギの古名)・空色(そらいろ)・花浅葱(はなあさぎ)・藍媚茶(あいこびちゃ)・海松色(みるいろ:みるは海藻のミル)・苔色(こけいろ)・白。
 体を覆う長い毛は鼠色ですが、鳩羽鼠(はとばねずみ)を中心に、藍鼠なども感じます。
 そして朱色の口吻は、光の具合で朱鷺色(鴾色・ときいろ)だったり、猩々緋色(しょうじょうひいろ)だったりします。光の加減ではもっと他の色が見えたりもします。実に美しい色合いです。

 今は色名をサーモンピンクとかコバルトブルーとか、洋色名でいうことがほとんどで、上記の色名を読んでも色味が浮かんで来ない人がほとんどではないでしょうか。別に民族主義者ではありませんが、欧米化!の影響で、日本人が持っていた色彩の深く繊細な感性が、言葉とともに失われたのは残念なことです。たとえば灰色に関しては、日本人は世界一多様な色名を持っています。こちらの「和色大辞典」を見ると、末尾に「ねず」という色名の多さに驚かれるでしょう。

 インド・カシミール地方の絨毯を織る女性達は赤だけで100種類以上識別できると聞いた事があります。色に対する感性は、文化そのものなんですね。海外旅行でスーパーの家庭用品の売り場に行くと、それがよく分かります。ブラジルは圧倒的に原色が多いし、北欧へ行くと、やや灰色がかったパステルカラーが多いことに気づきます。また、中国の赤は、金赤というよりやや墨が入った深紅です。

 日本からヒマラヤまでを含む東南アジアに分布するチョウなので、必ずしも日本のものだけというわけではないのですが、藍染めにも通じる極めて東アジア的な色彩のチョウだといえます。余談ですが、その国で採れる果実は、その国の女性に似ていると私は思うのですが、どうでしょう。日本の女性なら、蜜柑か林檎。ブラジルならマンゴかパパイヤ。タイやベトナムの女性はドリアンかなあ。臭いけれど大好きです。いや、女性ではなくて果実の話ですが・・。

BGMは、GarageBandで作ったオリジナルのピアノ曲。なんとなく70'sのクリスタルなECMサウンドをイメージしてみたのですが・・。次回は、樹液バーに訪れるスミナガシのライバル達。


■Suminagashi butterflies in Japan 2011 Part 1of2【スミナガシ】


Suminagashi[Dichorragia nesimachus],Asian constable butterfly,the most japanese colors,is a species of butterflies in the family Nymphalidae.Wingspan : 32mm-44mm.
I took these photos in July and August of 2011 at Mt.Saijo in Nagano Japan.
For more, please visit http://www41.tok2.com/home/capino/mori/index.html

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★ネイチャーフォトのスライドショーやムービーは、【Youtube-saijouzan】をご覧ください。粘菌や森のあんずのスライドショー、トレッキングのスライドショーがご覧頂けます。

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。蝶の写真はこちらにたくさんあります。

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千曲川河川敷でハリエンジュ伐採のジェイソンパーティー開催(妻女山里山通信)

2011-12-07 | アウトドア・ネイチャーフォト
 高校時代の友人に頼まれて、千曲川の河川敷でハリエンジュ(ニセアカシア)の伐採をしました。場所は、森将軍塚古墳と杏の里の千曲市と、村上義清と鉄と薔薇の坂城町の間にある千曲川の河川敷。村上義清の葛尾城跡が武田軍の手で陥落した時に、奥方達が必至に渡ったという「笄(こうがい)の渡し」の近くです。ハリエンジュは、近年ほぼ日本中の河川敷で旺盛な繁殖が問題となっている樹木です。これを伐採する権利を得たので、冬のストーブで燃やす薪にしようということになりました。

 ハリエンジュ(針槐)は、元々北米原産のマメ科ハリエンジュ属の落葉高木で、1873年に渡来したものです。花がアカシアに似ているのでニセアカシアとも呼ばれています。街路樹、公園樹、砂防・土止めに使われ、養蜂家が蜜源植物としても利用している有用樹でもあるのですが、繁殖力が猛烈に強く寡占状態で他の樹木を駆逐してしまうので問題になっているのです。その上根が浅いために、洪水で簡単に倒れるため大量のゴミを溜めてしまう事も問題視される理由です。
 たいていの外来生物が、こんな風に利用目的で安易に輸入され、後で問題化するのは、頻繁にあることです。ちなみに蜜だけでなく、花は天ぷらで食べられますが、花以外は有毒です。花を漬込んだアカシア酒は強く甘い香りがあり、精神をリラックスさせる効果があるといいますが、化粧品臭いあの匂いはちょっと苦手です。蜂蜜は好きですが。

 当日は朝7時に迎えが来て仲間をピックアップして現場には8時過ぎに到着。メンバーは4人。ユニック(クレーン付きトラック)1台、1トントラック1台、作業用ワンボックス1台。チェーンソー6台に鋸数本。その他ロープなど。プラス昼用の炊事道具一式+お神酒。結構大掛かりな作業となりました。

 作業は、頭領のN君が20mはあろうかというハリエンジュの大木を次々に伐採していき、残りの者がそれを細いものは90センチ、太いものは45センチにカットしていきます。倒す方向をあらかじめ決めておいて伐採しますが、どうしても掛かり木になってしまいます。それをロープを使って落としたり、危険な作業が続きました。枝の処理も大変。河川敷なので足場が砂地で緩く、足が取られます。葛がからんでいたり、ゴミが落ちていたり。しかし、ジェイソンパーティーにはならずに安全に作業は進みました。

 なにより大変だったのは、切り出した丸太を運び出す事。W杯で負けた某国の選手が送られたという炭坑の強制労働並かと思われるようなキツい仕事でありました。重い物は45センチにカットしても、30キロ以上はあったはずです。そして量が半端ない。トラック2台分ですから。2、3度休みを取って昼食になった時は、結構皆ヘロヘロでした。しかし、インスタントラーメン+魚粉+卵+新鮮キャベツ+野良坊菜+法蓮草+長葱と叉焼。その後へ飯ごうで炊いた飯を入れて作った雑炊で復活。天候にも恵まれて作業は順調に進みました。

 トラックへ積み込みする頃には、三角の自在山(岩井堂山)に日が隠れてしまいました。すっかり日が落ちた師走の街を丸太を満載して帰路につき、戸倉上山田温泉の超音波風呂がある万葉温泉へ。ジャグジー風呂にゆっくりつかって疲れを落とし、慰労宴会場へ向かったのでした。切り出した木材は、K君の家のほぼ3年分の薪になるそうです。心配な放射性物質ですが、四阿山と鏡台山、五里ヶ峯の陰になるので、おそらく大丈夫でしょう。以前雨天時の計測で地上5センチで、0.03(落ち葉のある地面)-0.10(アスファルト)μSv/hぐらいでした。死を思わせる原子力の火と違って薪ストーブの火は暖かく、心まで温くなります。苦労した甲斐があるというものです。

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福島第一原発と皇居の広さ比較
福島第一原発と新宿の広さ比較
福島第一原発と東京調布市の広さ比較
福島第一原発とNew Yorkの広さ比較
その他は、Twitterの画像で。
非常に広大なことが分かります。この敷地に全ての瓦礫を集め(周辺も住めないので利用可)、グラウンド・ゼロとして永久保存すべき。

★ネイチャーフォトのスライドショーやムービーは、【Youtube-saijouzan】をご覧ください。粘菌や森のあんずのスライドショー、トレッキングのスライドショーがご覧頂けます。最新は、国蝶オオムラサキと和風の模様が美しいスミナガシ。必見です!

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。蝶の写真はこちらにたくさんあります。
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オオムラサキの女子会と男子会 その3 on Youtube(妻女山里山通信)

2011-12-05 | アウトドア・ネイチャーフォト
 オオムラサキの写真を三部作のスライドショーの最後、第三部です。樹液バー(樹液酒場)に集団で吸汁するメスの集団とオスの集団。なぜか女子会、男子会のように、それぞれ別の樹液バーに集まることが、よく見られます。食事の時間は余計な事(求愛やら交尾やら)に気を取られずに食べる事に集中できるからでしょうか。

 最初は例によって、一頭で吸汁しているメスの背後からオスが忍び寄り、思い切り腹部を曲げて把握器でメスを捕獲してしまおうというシーンから始まります。強引に交尾をしてしまおうというわけです。何度もこのシーンに遭遇しましたが、成功したのを見た事はありません。たいていメスも気がついてすぐに反転。「なにするのよ!」ってな調子でオスと対峙します。やはり、求愛して合意の上でないと難しいのでしょう。その求愛もほとんど断られることが多いのですが・・・。すでに卵を持っているメスは、お腹がかなり膨れてくるので分かります。しかし、交尾を済ませているかどうかは、外見では分かりません。済ませていたら恐らく拒否されるでしょう。

 交尾してもすぐに受精するわけではありません。精液は貯蔵庫に蓄えられ、産卵の時に精液をかけられて出てきます。そして、その精液が受精の役割と共に、葉に卵を付ける接着剤にもなるのです。人間の精液にも粘性があるのは、着床し易くするためですから、やはり同じ機能があると考えていいのでしょう。無駄に粘つくわけではないのです・・。

 最初は女子会。メス同士が集まって吸汁しています。翅を広げているのは、実は互いに牽制し合っているのです。メス同士の方が攻撃的ですかね。というか、産卵のためにより多くの栄養が必要なわけです。寿命もオスより一週間ほど長く、オスが消えた後に残って産卵をします。オスもですが、縄張り意識は高く、自分より遥かに大きいツバメを高速で追いかけているのもよく目にします。

 次は、賑やかな男子会。五頭が集まって吸汁しています。翅は立てて狭い場所でお互い仲良く?吸っています。ただ、翅は縄張り争いからか、かなり傷んでいるのが分かります。間にハエやダニがいますが、これらはオオムラサキだけでなくオオスズメバチ等も気にしません。後の方にメス二頭とオス二頭が同じ場所で吸汁しているシーンが出てきますが、メスが翅を広げていて、オスが立てているのも面白い光景です。

 ちなみにオオムラサキの交尾は、通常短くて3時間、普通は5、6時間、長い時は10時間から20時間にも及ぶそうです。これは、大量の精子を細い管からメスの腹部にある交尾嚢に入れるのに時間がかかるからともいわれています。オスの腹部を見ると、それほど大量の精液を常に蓄えているようには見えないので、精子を作りながら交尾しているのかもしれません。

 ワンカットだけスミナガシが映っているシーンがあります。オオムラサキ二十頭に対して一頭しか出会いませんでしたから、当地ではかなり希少です。食草のアワブキが少ないのだろうと思います。最後の方のカットで、オオムラサキの口吻(ストロー)の途中に樹液の水滴がついているものがあります。口吻はチューブではなく、雨樋がふたつ合わさったようなものです。羽化した時は別れていて、ジッパーが合わさる様に接合して管になるのですが、稀に接合が悪いものがいると、この様に漏れるようです。真っ白な樹液が酵母で発酵して結晶化したものが写っていますが、舐めてみるとかなりの甘さで、人間が食べても美味しいものです。メープルシロップを思いだせば、それもうなずけます。

BGMは、例によってGarageBandで作ったオリジナルのギター曲。なんとなく70'sのアンビエント・ミュージックをイメージしてみたのですが・・。次は、オオムラサキが表の国蝶とすれば、裏の国蝶は間違いなくこれだといわれるスミナガシ(墨流し)。和風テイストのシックな色合いが本当に素晴しいチョウです。


Omurasaki butterflies in Japan 2011 Part 3of3



Omurasaki[Sasakia charonda], the Great purple emperor, is a species of butterflies in the family Nymphalidae and the national butterfly of Japan.Adults feeds on sap of oaks.Wingspan of male: 50mm, female: 65mm.
I took these photos in July and August of 2011 at Mt.Saijo in Nagano Japan.
For more, please visit http://www41.tok2.com/home/capino/mori/index.html


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背後からしのびよって、無理矢理交尾してしまおうというオオムラサキのシーン(妻女山里山通信)

2011-12-02 | アウトドア・ネイチャーフォト
 オオムラサキの写真を三部作のスライドショー第二部です。樹液バー(樹液酒場)に集まったカブトムシとたくさんのアオカナブンに往生しながらなんとか樹液を吸おうとがんばるオオムラサキが健気です。なんといってもカブトムシは樹液バーのオ王者ですし、アオカナブンはカブトムシやオオスズメバチに何度も追い落とされても集まって来る集団。さすがのオオムラサキも多勢に無勢となります。

 この場合は、なんとか場所を確保したのですが、翅を閉じて立てていればいいものを、威嚇のために開いてしまったため、他の虫達を覆う形になりました。不味い事にカブトムシの上に覆いかぶさってしまったため、エイヤッとカブトムシが前脚でオオムラサキの翅をはらいました。慌てて逃げるオオムラサキ。はらった右前脚が空中でそのままの格好になっているのが可笑しいカブトムシ。頭を完全に樹液の穴に突っ込んで我関せずのアオカナブン。

 その後のカットは、オスがメスに背後からしのびよって、無理矢理交尾してしまおうという図。後ろ(左)にいるのがオスで、頭の向こうに海老の尻尾の様なものが見えていますが、これはオスの尻尾にある交尾のためにある把握器で、バルバ(valva)と呼ばれるオスの交尾器の一部です。これでメスを捕まえようというわけです。撮影中このシーンには何度も遭遇しましたが、成功した試しはありませんでした。

 Pare1の初めの方に、オスがメスに求愛している下から、別のメスがオスに追いすがっているカットが出てきます。これは意外でした。普通はオスがメスに求愛し、メスが受け入れて交尾となりまが、多くの場合メスは何が気に入らないのか逃げてしまいます。求愛の成功率はかなり低いのです。オスは必至に追いかけますが、たいていメスは葉の陰に隠れてしまい、オスは見失って終わり、という結末になります。近視なので、すぐに見失う様です。

 ところが今回のようにメスがオスに追いすがるということもあるわけです。この前にこの二頭はお見合いしていました。ここからは想像ですが、メスが受け入れたのに、なぜかオスが拒否。他のメスに求愛に行ったオスをメスが追いかけたのかもしれません。このメスは何度も「私を捨てないで!」と追いすがったのですが、その度に足蹴(翅蹴)にされてしまい。ついには求愛行動をしていた二頭に逃げられてしまいました。実に興味深い生態のワンシーンでした。オオムラサキの恋路もなかなか厳しいようです。

 次の Pare3は、集団で吸汁するメスの集団とオスの集団。なぜか女子会、男子会のように、それぞれ別の樹液バーに集まることが多いのです。これも面白い生態です。


Omurasaki butterflies in Japan 2011 Part 2of3



Omurasaki[Sasakia charonda], the Great purple emperor, is a species of butterflies in the family Nymphalidae and the national butterfly of Japan.Adults feeds on sap of oaks.Wingspan of male: 50mm, female: 65mm.
I took these photos in July and August of 2011 at Mt.Saijo in Nagano Japan.
For more, please visit http://www41.tok2.com/home/capino/mori/index.html

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