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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

氷河期の生き残りウスバシロチョウとニホンカモシカに見守られながら山の整備(妻女山里山通信)

2012-05-30 | アウトドア・ネイチャーフォト
 日曜日の午前中、「妻女山 里山デザイン・プロジェクト」の作業をしました。前回除伐して残った枝をチップマシーンにかけて、カブトムシのコロニーを作ろうという計画。太い幹が複雑に絡み合ったカラコギカエデ。前回除伐しきれなかったので、今回はKさんが強力なグラップルつきバックホー(写真の重機)で参上。

 まず頭領N氏が地上5mで交差した主幹を伐採。切った瞬間に跳ね上がることが分かっていたので、慎重に。それでも切った瞬間にブーン!と音をたてて跳ね上がった1トン以上はあるだろう幹の迫力には、思わずオーッと歓声が。それを恐竜のようなグラップルが挟んで引き抜きます。生木は、乾燥させた材木と比べると5~6倍の重さがあるのです。

 生木は強い。これだけ強力なグラップルでひっぱっても絡まった枝葉は簡単には抜けませんでした。しかし、やはり重機。最後はなんとか抜き取ってしまいました。その後は我々の仕事。チェーソーや枝打ち鋸で切断し、チップマシーンに入れて行きます。これが大騒音。とても里ではできません。枝葉は次々とチップに変身していきました。

 気温は21~23度位。時折爽涼な風が通り抜けて行きます。チップマシーンを止めると、ハルゼミ、エゾハルゼミの鳴き声。斎場山からはカッコウの鳴き声。作業する我々の周りをかすめる様に飛ぶのはウスバシロチョウ。チップマシーンやチェーンソーの騒音に、何事だと好奇心の強いニホンカモシカも見ていました。午前中で作業は終了。Kさんのログハウスでとろろ蕎麦を作りました。

 大量のチップは、不要になった風呂桶に入れてカブトムシの産卵の場所とします。問題なのは猪。気づかれたら孵った幼虫を食べられてしまいます。まあ、少し位は分けてあげてもいいのですが。

 ウスバシロチョウは、朝方は湿った草むらには留まらず、高い梢の葉で休みます。そこから滑空して来て低空飛行。観察していると朝方はあまり吸う蜜しないようです。日が昇り草が乾くと留まるのですが、気温が上がって来ると活性が高くなり、なかなか留まってくれません。昼近くなるとお腹がすくのか吸蜜を始めます。花はミツバツチグリやヒメオドリコソウ、ハルジオンなどで蜜が少ないためか、吸蜜の時間も短く、撮影が困難です。

 曇り空で湿度が高い日は、翅が重くなるのでしょうか、頻繁に留まる様になります。午後になると、眠くなるのでしょうか、葉に脚の棘をひっかけてぶら下がり、昼寝をする姿が見られます。ヤエムグラの細い茎に留まって休むウスバシロチョウを真下から逆光で撮影してみました。ウスバシロチョウの透けた翅は逆光で撮ると最もその美しさが出ると思うのです。ヤエムグラは草高が低いので、下にカメラをそーっと気づかれない様に忍び込ませるのが大変でした。

 翅を閉じているウスバシロチョウは、コツをつかめば手で捕獲できます。そうしたところ、腹部からラベンダー色の突起が出てきました。なんでしょうね。生殖に関係あるものだろうとは思いますが。卵嚢か精子嚢か、それ以外の生殖器官でしょうか。
 *後日改めて調べてみると、これはメスの交尾板(受胎嚢)だと分かりました。やはり生殖に関係するものでした。交尾したオスが、メスがもう交尾できないように、分泌物の粘液でできた殻をメスの腹部に付けるのだそうです。言わば貞操帯。つまり、このメスは既に交尾が済んでいるということです。

 まもなく梅雨に入ります。ゼフィルスやスミナガシが舞い始めるはず。粘菌も出てきます。じめじめした梅雨は、里山の生物にとっては、活動の最盛期でもあるのです。こんな美しい自然がある日本を、たかがお湯を沸かすために核分裂を使って住めない国にするのは、全くもって愚かなこと。

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古代科野国のロマン。妻女山にも大室のような積石塚古墳群があった!?(妻女山里山通信)

2012-05-27 | アウトドア・ネイチャーフォト
 実は私は以前から、妻女山山系にも大室古墳群のような積石塚古墳群があったのではと考えていました。妻女山から続く天城山(てしろやま)の北西の中腹の台地、堂平にある積石塚古墳群と、その北の台地、陣場平になぜか一基だけ積石塚があります。そして、北面の谷にはごろた石が散乱する場所があるのです。

 妻女山山系は、時代は特定できませんが、かなり古くから山上が畑として開墾されました。そのための畑の土留めとして積石が使われたのではと考えていました。また、それ以前の戦国時代には、清野氏の山城が築かれたり、川中島合戦の際には上杉軍の陣地が築かれたりしました。その際にかなり壊されたのではとも考えていました。

 そんな折り、先日叔父から戦後すぐに妻女山の「上杉謙信槍尻の泉」の上に三基の積石塚があって、学校で見学したことがある、という話を聞きました。「上杉謙信槍尻の泉」の上の谷には、積石塚古墳に使われる様な石がゴロゴロしており、またそれらを使った石垣も残っています。

 昭和23年にGHQが撮影した航空写真を印刷表装したものを持っています。当時その谷は主に桑畑でしたが、三基の積石塚は確認できません。ただあったことは、叔父などの証言から間違いないことです。この冬に確認してみますが、その後、積石塚は崩されてしまい現存していないようです。あったと思われる場所には、20~30センチ大の石が散乱しています。

 その谷の上部は、ノケダンという地名ですが、これは地形から「野毛段」と書くと思われます。野毛とは、古く「ノゲ・ニゲ・ヌゲ・ナゲ」といい、「崖」を意味する言葉です。それに段がついたもので、ここの地形は崖地と段があるので、まさに名前の通りです。この段の部分にも積石塚があった可能性があります。尚、この段が積石塚を作るために人工的に整地されたものならば、「野毛壇」と書いてもいいでしょう。

 そして、その上は東風越(現在は長坂峠)という峠ですが、そこから陣場平までは緩斜面の台地で、GHQの航空写真では陣場平含めて広い畑地になっており、地名を天上といいます。そして、その一段上の陣場平の北西の一角にひとつだけ積石塚が残っているのです。これは非常に不思議です。畑の土留めに石垣が使われているので、そのために他の塚が壊されたのかとも思いますが、それ以前に里俗伝で、川中島合戦の際に、上杉謙信がここに七棟の陣小屋を築いたと伝わっているので、その際に角のひとつだけ残して他が全部壊された可能性もあります。

 陣場平は、『甲陽軍鑑』の編者といわれる小幡景憲彩色の『河中島合戰圖』(東北大狩野文庫)に七棟の陣城(陣小屋)が描かれている場所で、1ヘクタール以上ある山上の広大な平地です。その陣場平から北面に下って「上杉謙信槍尻の泉」の谷まで積石塚古墳群があったのではという推測を図にしたのが、写真最下部の地図です。大室の古墳群と同様に、谷は渡来人の故郷である朝鮮半島の方向を向いています。尚、写真の三基の積石塚があった場所は、もう少し奥かもしれません。

 古墳時代に放牧の技術を伝えたといわれる渡来人のものという積石塚古墳群は、大室古墳群の他に、松代町東条や千曲市の倉科にも残っています。古代科野国のロマン溢れる史跡巡り。歴史マニアや歴女の方におすすめです。尚、史跡巡りは、トレッキングの装備で。地形図が必要です。堂平積石塚古墳群へは、道がありません。季節によっては、熊、猪、オオスズメバチに要注意です。

★関連記事
妻女山から斎場山への行き方
妻女山から陣場平への行き方
堂平古墳群(渡来人の謎)

★古墳巡りルポ
●08/08/10 森将軍塚古墳・大室古墳群ルポ
●08/12/13 堂平大塚古墳・斎場山古墳・土口将軍塚古墳ルポ

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氷河期の生き残りウスバシロチョウが舞う森の奥で考えた事・・(妻女山里山通信)

2012-05-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
 久しぶりに気温が上がったある日、妻女山の奥へ山仕事と撮影を兼ねて、サワフキを採りに行きました。木漏れ日の森を抜けて草原に出ると、白い蝶が三頭舞っていました。舞い方ですぐに分かりました。ウスバシロチョウでした。

 氷河期の生き残りともいわれるこの蝶は、ウスバシロチョウといいますが、シロチョウ科ではなくアゲハチョウ科なので、ウスバアゲハといった方が本当はしっくりくるのかもしれません。蛹時にマユを作る数少ない蝶です。舞い方は、バタバタとぎこちないのですが、高みに登るとフワーッと滑空することもあります。

 なんとか撮影しようと待ちましたが、活性が高くなかなか留まってくれません。三頭でたまにじゃれあったりしては、高みに登り滑空し別れて行き来ます。一旦諦めてサワフキを採り始めました。森の奥にぽっかり開いた誰も知らないギャップに、ぎっしりと生えているのです。ハルゼミの鳴き声をBGMに黙々と採ります。

 昼近くになって草原に戻ると、ウスバシロチョウがたまに草に留まる様になりました。空腹になって吸蜜を始めた様です。花はミツバツチグリ。気配を消して、足音を立てない様にそっと忍び寄り撮影。透けた翅がステンドグラスのランプシェードの様で美しい。翅の内側の毛は寒かった氷河期の名残か。

 昼になり、麓から長野市の子鹿のバンビのメロディーが有線放送から流れたので、ウスバシロチョウの舞いを見ながら昼食。自分で作ったタラコのおにぎりエビ天入りとコシアブラ天入りおにぎり。白雲が止まったように流れる青空。

 木漏れ日の中を営巣場所を探してかホバリングするオオスズメバチの大きな女王。ウィンナーソーセージぐらいの大きさです。秋の働き蜂ほど攻撃的ではないと分かっていても、その大きさに緊張します。なにせ世界一大きな蜂ですから。派手な音をたてて舞うのは蝶の天敵シオヤアブ。クマンバチのダンス。みな、福島第一原発の4号機使用済み核燃料プールが倒壊すれば消えてしまう命。

 カリフォルニアでさえ、4号機が壊れればカリフォルニアは終わりだと言い始めたというのに、原発再稼働などとわめく日本政府。世界から見れば狂気の沙汰。瓦礫の全国拡散は、汚染地の拡大。風評被害でなく実害の拡散。メイド・イン・チェルノブイリをあなたは買いますか? それがメイド・イン・ジャパンの将来。近いうちに必ず来る大地震で、また原発が壊れたら、それは日本の終わりを意味します。

 新緑が萌えたち蝶や甲虫が生き生きと活動し、小鳥やハルゼミの鳴き声に囲まれた森の中にいると、原発事故のことや東電や政府や御用マスコミの悪事が、実は悪い夢で現実ではないのではないかとさえ思えてしまいます。しかし、現実。恐らく彼らに勝たないと我々人類と全生物、宇宙船地球号の乗組員の未来はないでしょう。(宇宙船地球号はバックミンスター・フラーが提唱した概念・世界観)

 除伐も終えて山を下ると、白い犬を連れた男性が。立ち話の後別れようとすると、手にケーナを持っているのが見えました。そこから話が弾みました。飯山の信越トレイルのガイドもなさっているそう。フォルクローレの話や、長野県の山の放射能汚染の話。里山保全の話等々。妻女山では、蝶の研究家、山岳ガイドのプロ、歴史研究家、歴女、トレランランナー、小さなワンボックスで全国を旅しているお爺さん等々、色々な人達に出会えます。


■GW 妻女山-斎場山-鞍骨城跡-象山-加賀井温泉。自然と歴史と山菜グルメ満喫宴会ひとり熱中症トレッキング顛末記スライドショーをアップしました。BGMは友人の学生時代のオリジナル演奏です。信州の里山の魅力を、ぜひご覧あれ。
【信州の里山】斎場山-鞍骨山-象山 Mt.Kurabone at Kiyono in Nagano


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信州の里山も新緑の季節。花が咲き蝶が舞い始めたけれど・・(妻女山里山通信)

2012-05-16 | アウトドア・ネイチャーフォト
 GW前半は、いきなり29度近くになり、出始めた山菜があっという間に開いて葉になってしまったかと思うと、後半からの爆弾低気圧で、前半の暖かさが嘘の様に低温続きに。竜巻も起きて大被害も出ました。そうでなくても短い信州の春が、例年になく慌ただしく過ぎていってしまいました。

 暖かさがやっと戻った日曜日の午後に、久しぶりに妻女山へ登りました。10日ぶりの山はすっかり新緑が出そろい、緑一色の世界に。あれほどよかった見通しもなくなり、これからは奥山へ行くには熊鈴が必須となります。

 GWには満開だった編笠百合は、ほとんどがしおれてまもなく消えそうです。その代わりフキの青い葉が伸びていました。陽射しが強かったので、木陰でじっとしていると。樹冠で小鳥達がさえずりだしました。動物達は警戒心が強いので人が来ると現れませんが、長時間気配を殺していると、稀に狐や狸が顔を出す事があります。以前はホンドテンが現れました。ヤマドリがほろ打ち(母衣打)をしながら歩いていたこともあります。

 ほろ打ちというのは、ヤマドリやキジが翼を激しくはばたかせ、まるで太鼓の様な音を立てることです。初めて聞いた人は、誰が山の中で太鼓を鳴らしているのだろうと思うでしょう。昔の人はこれを、狸の腹鼓と思ったようです。「母衣」とは戦国時代、鎧の後ろにつける布製の補助防具の事で、それが風にはためく様を似ていることからほろ打ちと呼ばれるようになったということです。

 草原に出るとモンキチョウがせわしなく舞っています。留まったところを撮影しようとすると、すぐに飛び立ってしまいます。これは舞い疲れるまでの我慢比べです。15分ほども待ったでしょうか、やっとヤマフジの葉に留まりました。気配を消してゆっくりと近づきます。そして撮影。ヤレヤレ。これから、オオムラサキをはじめ色々な昆虫の羽化が始まります。蛹から羽化するときは、細胞分裂が盛んになり放射能の影響を最も受け易くなります。奇形の観察も必要。

 こんな美しい森で撮影をしていると、一瞬原発も放射能も忘れてしまいます。しかし、青く澄んだ空を見上げると、この空を放射性プルームが今も俟っていると想像できる人はいるでしょうか。見えない臭わない放射性物質を絶えず恐れるには、知識とそれ以上に想像力が必要です。地球上どこへ行っても逃げる事はできない。たかがお湯を沸かすのに核分裂を起こす馬鹿が人類だとするならば、そう遠くないうちに滅びるでしょう。

 草原にはホソヒラタアブやトラマルハナバチもいましたが、数が少ない。今年はまだ気温が低いせいか、オオスズメバチやキイロスズメバチの女王蜂も見ません。ここ2年位、4、5月に低温傾向だったためか、シジミチョウやウスバアゲハも減少しました。ネオニコチノイド系の農薬の空中散布の影響かもしれません。モンサントの除草剤ラウンドアップは、決して使ってはいけません。殺虫剤にもネオニコチノイド系のものがあります。田舎にあるぽっとんトイレには、梅雨明けに採れる猛毒のドクツルタケを数本便槽に放り込んでおくと、ひと夏ハエが発生しません。生分解するので殺虫剤を入れるより安全。

 高さ10センチのコナラの実生にできた小リンゴの様な実。そうではなくて、コナラメリンゴフシ(小楢芽林檎附子)という虫コブ。ナラメリンゴタマバチのメスが冬芽に産卵し、アミノ酸や植物ホルモンを出して、まるで実のような奇形に作り変えるのです。コブはスポンジ状で、割ってみると沢山の幼虫が詰まっています。美味しそうだと間違って食べない様にしないといけません。

 最後は、秘密のギンランが咲く場所へ。大柄なキンランに比べるとギンランは小さく慎ましやかで、見ようとしないと目にとまらない小さな花ですが、非常に可憐で魅力的です。心ない人による乱獲が恐いので、咲く場所は誰にも教えていません。環境の変化に弱く、里山が荒れると真っ先に消えてゆく植物。

 夕方、ズッキーニ(固定種)とフェンネルの種を蒔きました。誘因植物に野良坊菜とケールを蒔いて花を咲かせているのですが、ハナアブがいません。妻女山には少しはいるのですが・・。うちは使いませんが、周りの畑の除草剤ラウンドアップ(一網打尽)のせいでしょうか。蜂の中枢神経を冒し帰巣できずに死んでしまう恐ろしい農薬です。ネオニコチノイド系の薬品は、除草剤だけでなく、殺虫剤にも使われています。即刻禁止にすべきです。


妻女山-鞍骨城跡-象山と、歴史と新緑を満喫したトレッキングのフォトルポはこちら!シナノタンポポ、カタクリ、ヤマブキ、山桜。いずれYouTubeにスライドショーもアップします。

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■これが東京の現実。もう東京で子育てはできない。
 【黒い物質@東京⑥】都内の汚泥焼却灰のCs濃度よりも高い濃度の放射性物質が、通学路の道端や子どもの遊び場などに飛散防止策も施されずに放置してあり、これに子どもが触れた形跡を何度も確認。24万Bq/kgという高濃度の「黒い粉」が東京でも見つかった!!
ソ連ではKGBが被害を隠蔽したが、3年後に隠蔽しきれなくなった。5年後ソ連は崩壊。東京も3年後から東部を中心に大被害が出るだろう。チェルノブイリにはなかったMOX核燃料が飛散降下した事実を忘れてはなりません。
 【動画:鎌倉でウラン検出! 放射性廃棄物並み東京の土:字幕 Tokyo Soil as Nuclear Waste】 東京の土は、米国では放射性廃棄物として処理すべきもの
 アメリカ政府のHPで2011年3月の首都圏の放射線量が公開されています。高い濃度でストロンチウムやα線核種が存在していることが確認されました。港区赤坂米大使館前3月18日 Sr-90:69715 Bq/m3 換算するとストロンチウム90だけでなんと5.6μSv/h。しかも、元米軍関係者によると、公表されているのは、見せられるものだけ。本当のデータはたぶん出ていないだろうということです。更に危険な他の核種も確認されている可能性があるということ。但し、この表でもα線核種、β線核種がかなり検出されたことが分かります。つまり、これから5年、10年の間に首都圏では、甲状腺癌や白血病、心筋梗塞が多発するだろうということです。それ以外に脳機能の低下や疾病の重症化も増えるということです。
http://energy.gov/situation-japan-updated-102111
http://www.data.gov/raw/5270 空間ダスト
http://www.data.gov/raw/5271 土壌
http://www.data.gov/raw/5272
http://www.data.gov/raw/5273

■山登りに行く方は、「測ってガイガー!」や「奥多摩、中央アルプス、北アルプスの放射線量」などを参考にしてください。山によっては、かなり汚染されているところもあります。「測ってガイガー!」を見ると、山の計測箇所が少ない。ガイガーカウンタ持っているハイカーは、ぜひ計測を。これから花粉の季節。風で再浮遊での内部被曝は、10倍以上といいます。充分注意を!
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信州 妻女山里山デザイン・プロジェクトに集まった5人集(妻女山里山通信)

2012-05-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
 GWのある日、信州の妻女山山中にむくつけき男達が朝から5人集まりました。4WDの軽トラ2台に1トン車1台。グラップル装備の重機が1台。チェーンソー4台。シメラーやワイヤーも装備。なにをするかといえば、国蝶オオムラサキの保護のための除伐作業。もちろんボランティアです。

 これは、私がうちの山から始めた里山再生と活用の「妻女山里山デザイン・プロジェクト(妻女山SDP)」の一環です。除伐から初めて、里山の保全だけでなく、植生や動物、菌類の調査と保護から、山菜やキノコ栽培、アウトドアスポーツから歴史探索までと、里山に関するありとあらゆることを総合的にデザインしていこうという試みです。加えて私は、マクロ写真を中心としたネイチャーフォトを撮影して当ブログやホームページ■MORI MORI KIDS Nature Photograph Galleryにアップしています。

◉追記=この里山保全の活動も、トップページの目次の一番下にこの4年間の記事が15本列挙してあります(2016年現在)。御覧ください。今後も増えていきます。里山は、基本的に全て私有地です。この除伐に関しては、当時存命していた集落の世話人をしていた父に除伐する旨を伝えてもらい了承を得ました。昭和30年台以降、養蚕の衰退とプロパンガスの普及で、里山は放棄され自分の山の正確なエリアを知らない人がほとんどなのです。森林法というのは特殊で、必要とあらば隣接する人の山林でも立ち枯れや灌木の除伐、下草の刈払などはできることとなっています。森林組合の獣害駆除の除伐や、松枯れ病の伐倒、燻蒸も、個々の所有者に許可を得るのではなく、集落の区長から回覧板を回してもらって事実上の認証を得る形になっています。そうでなければ里山保全など不可能なのです。ほとんどの人は無関心ですから。
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 この近くには、オオムラサキの幼虫の餌となるエノキや成虫が樹液を吸うコナラやクヌギの森があるのですが、株立ちしたカラコギカエデやダンコウバイが繁茂して森を塞いでしまったのです。昔は定期的に切って薪として燃料にしたのですが、プロパンガスが普及した昭和30年代から放置林となり、荒れ放題となっていました。

 オオムラサキは、信州の里山ならどこにでもいるありふれた蝶ですが、真夏に出現することと、山にいて里には下りて来ないことから、以外とその棲息を知らない人が多いのも事実です。山村に住んでいる人は知っていると思いますが。

 カエデは、そのままだと真っすぐ上に伸びて扇型に枝が開くのですが、株立ちするとお互いが複雑に絡み、空を塞いで、日の当たらない枝は枯れてしまいます。そこにミツバアケビやヤマフジが絡んで繁茂すると、森は暗く鳥や蝶は入れなくなってしまいます。
 そこで、適度に除伐してギャップを作り、彼らが飛び回れる空間を作ろうというわけです。

 私が予め伐採しておいた木に加え、状況を見て伐採するのですが、複雑に絡み合っているため、根元を切っても倒れません。そこで重機の登場。グラップルで幹を掴んで強引に引きずり落とします。それを次々と玉切りしてトラックに積み込みます。皆自分がなにをすればいいのか分かっていて黙々とこなすので、順調に進み、作業は午前中で終了しました。

 昼は、山菜の天ぷらと、乾麺の信州蕎麦に松代名産のとろろと信州辛味大根と中国青大根のおろしぶっかけ蕎麦。山菜は、来る時に採ってきたコゴミとコシアブラ、それに採りたてのタラの芽。これらの揚げたてを岩塩で。
 話題は、里山保全の話から放射能の話、この辺りの昔話やお互いのちょっと恥ずかしい話などと尽きませんでした。
 林間からは眼下に蛇行する千曲川と里山、その向こうに北アルプス。仁科三山と白馬三山が。時折五月の爽涼な風が緩く撫でる様に通り過ぎて行きます。樹冠からは色々な小鳥のさえずりが。

 一番下のカットは、翌日撮影に訪れた茶臼山のアルプス展望台からの仁科三山。稜線は雲に隠れていました。

 次回は、梅雨の晴れ間に、椎茸駒打ちプロジェクトをする予定です。その前に私は、作業とハイカーの安全の為にオオスズメバチのトラップも仕掛けなければなりません。短い春が終わったと思ったら、もう積乱雲が湧いて、クサボケの赤い花が咲き、夏の匂いが漂い始めた信州です。


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 最後に、放射性物質は長野にも降り注いでいます。長野市の信州大学教育学部のグラウンドから1000ベクレル/キログラム弱のセシウムが検出され、汚泥からも基準値越えが検出されています。一般にもその恐怖が広まりつつありますが、個人差が極端に大きい。放射能は、見えない、匂わない、感じないので、知識だけではだめ。想像力を働かせ、尚かつそれを維持しないと対応できないのです。内部被曝は外部被曝の200~600倍の害をもたらすことを忘れてはならないのです。エビデンスを待っていたら死にます。飲食物には最大の注意を。マスコミ(テレビや大新聞)を信じていたら命を守れません。

 原発関連情報や大地震情報はツイッターで呟いています。トップの常設記事のtwitterボタンをクリックしてご覧ください。

2011年3月12、14、15、20、21、22、23、25、30日SPEEDIを用いたCs137大気降下状況試算 東北太平洋岸と関東の酷い被曝が分かる。長野県の状況試算も。
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