太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

蓮の花と鯉

2023-10-16 07:27:37 | 絵とか、いろいろ
思えばずいぶん長いこと作品を載せてなかった。
久しぶりに記事にしておこう。

Lotus & Koi

幅が65センチほどのキャンバス。

鯉はハワイでもKOIで通じる。
左下に1匹、右下の蓮の実の左側に2匹。
Judithに写真を送ったら、「油絵みたいに見える!」と言っていた。
確かにそうかも。
何層にも紙を重ねて貼ってある感じは、実物を見ないとわからないものだ。

今、これはスキャンするためにColinのところに出してある。
戻ってきたら、ひとつのギャラリーに持ち込む予定。

蓮の花と鯉は、なぜか何度でも作りたくなる課題だ。




試行錯誤

2023-07-11 07:56:28 | 絵とか、いろいろ
カイルアにある川の橋からの風景を創作中だ。
横が45センチぐらいの楕円形のキャンバスで、まあまあ調子よくおおまかに空ができ、山ができて、全体の仕上げは川をやってからと思い、しかし川にさしかかったときから時が止まっている。

川面の表現が、うまく湧いてこない。
実物を見に、何度もカイルアに足を運んだ。
川面の色は、緑にも見えるし、濃いグレーにも見えるし、空を映して青にも見える。
風景といっても、写真ではないので、必ずしも実物どおりでなくてもかまわないのだけれど、いつもは湧いてくるイメージすら、出てこない。

緑の紙を、おいてみた。
全体が緑すぎて、全然しまらない。
貼った紙を剥がして、暖かいグレーをおいてみるが、これもだめ。

仕事をしていても、頭の中からキャンバスが離れない。
寝たら寝たで、夢にもみる始末。
コラージュを始めたばかりの頃、スーザンが、

「構図や使う紙が決まらなくて夢に見ること、よくあるわよ」

と言っていたことがあったが、その通り。
コラージュは、染めた紙を選んでキャンバスに貼るので、色を作って筆で描くようにはいかない。
構図は決まっているのに、紙を選ぶのに何日もかかったりする。
コレ!という紙が見つかったときは、ほんとにスムーズに進む。


10日ほども作業が止まったままで、これは他の人の意見が必要だと思い、休日にコリンに会いに行った。
コリンは、作品をスキャンしたりしてくれる技術者だが、彼自身もアーティストなのだ。
コリンはしばしキャンバスを眺めて、言った。

「山の影をおいて、空の青を水面に映してみたらどうかな」

私が撮った写真の中に、確かに川面に山の影が映っているものがあった。

急いで家に戻り、作業開始。
貼っては剥がすこと、数回。



これは濃すぎる。濃すぎて、本物の山を食っている。
そしてまた、停滞。
いつ、ここから出られるのか見当もつかん。







リロ&スティッチの映画に、出る!

2023-05-26 14:42:19 | 絵とか、いろいろ
リロ&スティッチの映画に、出る!
いや、私ではなく(そりゃそうだ)私の作品が。

映画製作の関係者が、私のオリジナル作品を買って、それを映画で使いたいということらしいのだ。
昨日、ひとつのギャラリーからのメールで知った。
NCIS Hawaii で私の作品を使ったときもそうだったが、どんなものでも公に使用する場合には作者の了承が必要で、そういう書類がある。
その書類はギャラリーを通して私の元にくるのだけれど、ギャラリーが間に立つということで、私はギャラリーの人に代わりにサインしてもらうように頼んでしまう。
だから今回も、そうした。

実は、話を聞くまでリロ&スティッチが何なのかすら知らなかった。
どうやらハワイを舞台にしたアニメで、この夏、アニメと実写をMIXした映画がディズニーによって作られるらしい。
その中で、私の作品が使われるということなのだ。
そのアニメを見たことがある友人によると、私のその作品はアニメの雰囲気にぴったりなのだそうだ。

ちなみに、その作品はこれ。

長辺が85センチぐらいのキャンバス。

いやー、なんだか楽しみだなあ。
映画が封切られたら見にいくぞ。





ふたつの世界

2023-05-15 07:36:27 | 絵とか、いろいろ
作品を置いているギャラリーのうちの一つで、6月にショーがある。
今年のテーマは「小品」。144スクエア(だいたい15センチ四方)以内におさまる作品でなければならない。
インディアナに行った時に買ってきた、変わった形のキャンバスがいくつかあったので、それを使った。

Nene

Ko'olau

写真だとそうは見えないけど、山のほうがいくぶんサイズが大きい。
Neneは全部染めたティッシュペーパーだが、Ko'olauは、染めたばかりの紙の染料を吸わせる紙(新聞紙と同じ紙)で作ってある。
ビショビショの染めたばかりのティッシュペーパーを、紙に挟んで乾かすと、挟んだ紙のほうにも色が残る。それも作品に使えるのだ。


これらの作品が出来上がった頃、ティッシュペーパーを染めるワークショップがあった。

いつもなら、どこか場所を借りて25人ぐらいの大所帯で染めるのだけれど、今年はペギーの自宅で、6人に限定してやることになった。
マノアにある、ペギーの自宅のガレージに集まったのは、セリース、ベネデット、カット、シルビア、ペギー、そして私。
小人数でやると、個人的に欲しい色を多めに染めたり、いろんな実験ができたりと自由度が高くて良いことばかり。
持ち寄りの食べ物でランチ。
私は定番の稲荷寿司。ケールと海老のサラダや、アボカドトースト、ミートボールとパスタ、一口サイズの可愛いケーキ。
おしゃべりに花が咲き、とっても楽しかった。

私は仕事があるので、アートの仲間たちとは殆ど会う機会がない。
にもかかわらず、ちゃんと声をかけてくれるペギーに感謝でいっぱいだ。
ワークショップの誘いのメールに、

『その日が仕事じゃないといいんだけど。あなたが来てくれるのと、そうでないのとでは全然違うから』

と書いてあり、胸が熱くなった。
幸いその日は休みの日だったけど、そうでなくたって、そんなことを言われたら万障繰り合わせて参加するとも。



職場で仕事をしている世界、アートの世界、私にはふたつの世界がある。
12年前、ハワイに来たばかりの時、私には夫と、その家族しか知り合いがいなかった。
コラージュにも出会っておらず、この英語力ではできる仕事もないように思えて、自分がとても小さくみえた。
家で水彩やパステルを細々と描いたり、水彩のワークショップに行ってみたりの手探りは、仕上がった絵をシュートメに見せたときに、

「で、その絵をどうするつもりなの?」

と冷たく言われたときに、何の意味もないように思えた。
けれど、日本の友人が、

「好きなことをやっていれば、そのうち道がついていくよ」

と言ってくれた一言に、私はどれだけ救われたろう。

今でもあの頃のことを思い出すと、夢中で歩き続けてきた12年を思って、しみじみとこみあげてくるものがある。
どれだけの人に助けられて、今の私があることか。








手放して、よかったこと

2023-03-10 08:00:31 | 絵とか、いろいろ
私の、あるオリジナル作品を欲しいというお客様がいて、それは手元に置いておきたかったけれど、
他界した父が残した何百枚という油絵キャンバスの山を思い出し、売ることにした。(その記事はコチラ

数日後、ギャラリーのラティーシャから連絡があった。
その作品を買ってくださったお客様が大変喜んで、私にギフトを置いていったという。
アーティストには手放したくない作品というのがあって、これもたぶんその一つだと思う、というようなことをお客様に説明したらしい。

「こんなことはね、滅多にないのよ。よほどうれしかったのね」

ギャラリーに寄って、そのギフトを受け取った。白い封筒に入っていたのは、レストラン「ハレイワジョーズ」のギフトカード200ドル分。
ハレイワジョーズこそ、店内からその作品の景色が見える場所であり、だから気をきかせてくれたのかなと思った。
すると、ギャラリーで働くナタリーが言った。

「この人たちは、ここのガーデンのオーナーなのよ」

なんと!!
ギャラリーには、堂々たる大きさの油絵など、そのガーデンを描いた作品がいくつかある。
それらには目もくれず、プリントしてマットに入れただけの私の作品を見て、気に入ってくれたのだ。
嬉しい×100万倍。

その週末、さっそく夫と二人でお祝いにハレイワジョーズに出かけた。
相変わらずの混雑



テーブル席から見えるガーデン

私の作品



エマのポケ

チャウダーとウェッジサラダ

カルビとマヒマヒ

デザートにはクレームブリュレ

ここのデザートは美味しいけどボリュームがあって、10年前には食べられたけれど、今はもう無理。
クレームブリュレが1番小ぶりなのだが、それでも直径15センチは余裕にある。

店内に私の作品があるかも、と思って探したが、なかった。
もしかしたらレストランと土地のオーナーは別なのかもしれない。
彼らの家のどこかに飾ってあるのだろうか。

こんなに誰かに喜んでもらえるのなら、手放してほんとうによかった。
手放せずに置いてある他の作品も、もしもそれを欲しい人が現れたときには、潔く手放そう。