太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

笑うツボ

2021-01-08 10:43:18 | 勝手な映画感想
在宅する時間が増えて、DVDで映画を観る機会が増えた人も多いだろう。
近くに映画館はあるが、DVDなら好きなときに好きな恰好でみられるし、
字幕もつけられるから(私にはここ重要)、映画館にはあまり行かない。

映画を観るなら、絶対にコメディがいい。
その傾向は年をとるにつれ、顕著になってきた。
感動するけど、重く、考えさせられる話は消化するのが大変になってきている。
正義が絶対に勝つとわかっている、ジェイソン・ボーンシリーズなどなら、よし。


私の笑いのツボも、年々、軽薄化してきている。
たとえば、日本にいたときにはくだらなさすぎて観る気にもならなかった、
「The Naked Gun(裸のガンを持つ男)」シリーズ。

今は、けっこう好き。
昔は、くだらなさすぎて顔をしかめていた場面で、「アハハ!」と笑っている。
オースティンパワーのシリーズも、昔は嫌いだったのに、今は繰り返し見て笑っている。


ここまでくだらなくはない、クラシックなコメディ映画も大好きだ。

「Nine to five」(1980年)


嫌な上司を、三人のOLがやっつけるというお決まりのストーリーだが
テンポもよくて、楽しい。


「Throw momma from the train」(1987年)

作家のビリー・クリスタルの小説教室に通う、ダニー・デ・ビートは
同居している母親の、あまりにも身勝手なのに辟易し、殺意を感じるほど。
そこで勝手に「交換殺人」を思いつくのだが・・・

「グーニーズ」に出てきた、悪役親子の母親役が、ダニー・デ・ビートのママで、憎々しくて最高にいい。




どろどろ重いのは、現実でも映画でも本でももうたくさん。
ただ「アハハ!」と笑えるのが、今の私にはちょうどいいのである。



映画のタイトル

2020-10-25 14:00:59 | 勝手な映画感想
突然だけど、私は 俳優レイ・リオッタ が怖い。

レイ・リオッタ

彼の出演作で、1番よかったのは「フィールド オブ ドリームス」
とうの昔に死んだはずの野球選手、シューレス・ジョーの役。
ほとんど台詞といった台詞はないのに、その存在感が半端なかった。

この顔だから、善人よりは、悪役が多いのは仕方がない。
それにしても、彼が出てくる映画は、怖くて見られない。
どうしても見るときには、目を薄目にして、見る。
同じ理由で、ケビン・ベーコンも私は怖い。




ネットフリックスに登録している映画が減ってきたので、なにか見たい映画はなかったか考えていた。

ふと浮かんだのが、「ニューヨーク第8番街の奇跡」(正しいかな?)
かなり古いので、詳しい内容は忘れている。
住まいの立ち退きを急かされている住人が、宇宙人の助けを借りるというようなストーリーだ。
オーダーしようと思って、原題を調べてびっくり。

「Batteries not included」

電池は含まれていません、て・・・・・
なんでまたこんな。
内容を忘れているので、見れば、ああそういうことか、と思うのかもしれないが、
仮にこのままのタイトルで日本で公開したら、反応はかなり薄かったのではと思う。


ニコラス・ケイジ主演の「天使のくれた時間」もそうだ。
ビジネスで成功するために恋人と別れ、ウォール街で大成功している独身貴族の主人公が、
ふと出会った天使に、恋人と別れなかった場合のパラレルワールドを体験させられる、というファンタジー。
これも私は大好きで、DVDを買って繰り返し見る。
しかし、この原題が

「The Family Man」

何て言えばいいだろう、家庭的な男、か。
超リッチな独身貴族の人生と、子持ちの冴えない男の人生を比べて
子持ちの方がFamiliy Man なんだろうけど、
このタイトルじゃ、やっぱり「見たい!」という気持ちはそそられないかも。


ロビン・ウィリアムズの「奇蹟の輝き」
これも大好き。
二人の子供を同時に事故で亡くし、そのあと、自分も事故で死んでしまった主人公が、死後の世界に行く。
死後の世界の、現実離れした美しさ、その色使い、不思議さが印象的だ。
この原題は、

「What Dreams May Come」

けして悪かない。
悪くはないけど、ちょっと弱い。
奇蹟、それも、奇跡じゃなくてという言葉を入れることで、
私のようなファンタジー好きが飛び付く。


映画の邦題を考える人達って大変だけど、いい仕事してると思う。






日本の映画2本

2019-11-25 16:27:31 | 勝手な映画感想
少し前のことになるが、
インターナショナルフィルムフェスティバルの最終日、日本映画を2本みた。


「They say nothing stay the same](ある船頭の話)

「マスカレードホテル」

余談になるが、昔は映画は2本立てが主流だった。
レコードのA面とB面みたいに、メインの映画に別の映画が抱き合わせになっていた。
たまに、メインじゃないほうの映画のほうがよかった、なんてこともある。
東京の新宿あたりでは、オールナイトといって(今はどうかな)
意味のわからない外国映画なんかを何本も、朝までやっていたものだ。
「機械じかけのオレンジ」を観たのは新宿のオールナイトで、
いまだに訳がわからない映画のひとつだ。


「ある船頭の話」は、映像は美しいのだけれど、
長くて、暗くて、救いのない映画で、ハッピーエンドじゃないと嫌な私には
後味がよくない映画だった。

「マスカレードホテル」は、同名の東野圭吾氏の小説の映画化したもの。
東野圭吾氏はなんとなく苦手で、マスカレードホテルも未読なのだけれど、
映画はテンポもよくて、楽しめた。
ホテルものといえば、三谷幸喜さんの「有頂天ホテル」もいい。

一緒に行った日本人の友人によると、木村拓哉さんは40代後半なのだそうだ。
どうりでアップのときの肌の艶がいまひとつなわけだ。(自分のことは棚の上)
スマップが、40代になるのだなあ。
嵐だって30代だっていうじゃないか。
スピードの、13歳だった女の子も、もうイイ年なんだろうなあ。
♪伊代はまだ16だからー♪だった伊代さんも、もしかして50に近いのか。

アイドルの年齢を知って、
しみじみとわが来た道を振り返る、ハワイの秋の日のことよ。









日本の映画、私の懐メロ

2019-11-11 09:57:11 | 勝手な映画感想
今年も、HIFFの季節がやってきた。
HIFFは  Hawaii International Film Festival の略で
毎年、春と秋に世界中から選りすぐった映画を15日間、毎日映画館で観ることができる。
なぜか春にはあまり観たい映画がなく、私たちが行くのは決まって秋だ。
普段、なかなか観る機会のない日本映画を中心に、毎回4~8本の映画を観ている。


今年は既に2本観た。
「Can't stop the Dancing(邦題 Dance with me)」


出演者は、宝田明しか知っている人はいなかったけれど、
軽いコメディで、夫はそれほどでもなかったようだが、私は文句なく楽しめた。
というのも、出てくる歌が全部、私の青春時代の歌ばかり。
キャンディーズの「年下の男の子」、シュガーの「ウェディングベル」、
山本リンダの「狙い撃ち」(うららーうららー、っていうの、このタイトルだったよね?)
帰りの車の中では、私は一人で歌いまくっていた。
日本人の友達がここにいれば、一緒に盛り上がれるのに。

昔、テレビで懐メロ番組をやると、母が家事の手を休めて、
美空ひばりや舟木一夫が歌うのを熱心にみていた。
「女学生のころ、学校を休んでひばりの映画を観にいったっけよ」
母の脳裏には、私が知らない若かった母のさまざまな思い出があふれていたのだろう。
私にとって母の懐メロが、退屈な歌でしかなかったように
私の夫にとっても、私の懐メロはただの日本語の歌なのだ。
どんなにその歌の背景を説明しても、その時代、同じようにその歌を聴いていた
人でなければわからない。

「いいなァーーー!昭和!!」
歌い終わって、そう叫ぶ。
「ヨカッタネ」
と夫が言う。
戻りたい過去はない。
けれど、いつまでも懐かしく思い出す過去があるのはいいものだ。



昨日は、「ソローキンのみた桜」を観た。

日露戦争のとき、捕虜となったロシア兵と日本人女性の恋の物語。
史実を元にした映画だという。
ここでも若い俳優は、まったく知らない人ばかり。
山本陽子さんが、すっかりきれいなおばあさんになったなあ、と思う。
一緒に行った夫の両親と、夫はいたく感動していた。
いい映画だったけれど、ラブストーリーが苦手な私はDance with meのほうがよかったかなあ。
「タイタニック」で泣けなくて、友人にひとでなしと言われた私である。
「世界の中心で愛を叫ぶ」も、病人を連れ出したらダメでしょう、と言って
あんたとはこういう映画を観にいくのはやめた、と言われた私である。

じゃ、私はひとでなしか、というと、私にも言い分はある。
ハッピーエンドにならない話は、気持ち的に受け入れたくない。
あなたの思い出だけを握りしめて、このあとの人生を生きてゆく、ていうのは
あまりに悲しすぎて、どこかで感情移入するのを止めてしまうのだと思う。

いつか、そんなことを友人に言ったら、
「なるほどねー。でもアンタ、『プリティウーマン』嫌いだよね?」
と、やり返された。
ジュリア・ロバーツがあまり好きじゃない、てのもある。
その当時、出口のないこんがらがった恋愛をしていた、てのもある。
あれが放映された30年近く前、感動のシンデレラ物語とかいって
讃えられていたのに、私の観たあとの感想は、「けッ!」だった。
円満な恋愛をしていたか、誰とも恋愛していないときだったら、また違ったかもしれないけど、
シンデレラ的なハッピーエンドも、それはそれで面白くない。
だから、ひとでなしと言われても、まあ仕方がないかもしれない、とも思うのである。















映画 Hacksaw ridge

2019-03-23 07:54:25 | 勝手な映画感想
ひさびさの映画話。

戦争ものは苦手だ。

長い歴史の中、こんな虚しいことを繰り返す人間の浅はかさを見るのはつらい。

けれど、この映画は観る価値がある。




これは実話である。

デズモンドという主人公の青年の父親は、自分が参加した戦争のトラウマから逃れきれずにアルコール中毒。

母に暴力を振るう父に向かって銃を向けてしまい、引き金はひかなかったものの、心の中では父を殺していた。

そのことがあってから、彼は一切銃に触れないと心に誓う。

彼は看護兵になりたくて軍に志願するが、訓練の中では銃に触れずにいることはできない。

訓練なのだから、適当にまわりに合わせておいて、実践では銃を使わなければいい、というようなことが

彼にはできない。

そのためにいじめにもあい、裁判にまでなり、追い詰められるのだが意外なことが彼を救う。

結局、彼は多くの仲間を(中には日本兵まで)救い、戦争のあとも生き延びて、

数年前に寿命を全うして亡くなった。

映画の終わりには、彼自身と、実際に彼を知る人々の談話がいくつも出てきて興味深い。



HACKSAWというのは沖縄の、崖の名前だと思う。

第二次世界大戦の終盤、激戦となったその場所は、垂直に切り立つ50m以上の断崖だ。

崖の上には日本軍がおり、崖の下からアメリカ兵がロープを伝って崖を上がってゆく。

戦争という狂気の中にあって、デズモンドは聖書を肌身離さず持ち、自分の信念を貫く。

敵に囲まれ、弾が飛び交う中を一人残って傷ついた仲間を助ける。

一人助けるたびに、

「神よ、どうかあともう一人助けさせてください」

と祈り、戦場に戻ってゆく。

特定の宗教に信仰をもたない私だけれど、深く信じることはなんと人を強くするものだろうかと思う。





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