(上が1993年 下が2000年のキリマンジャロの航空写真です。 昔よく見た写真。)
ご存じの方もあると思いますが キリマンジャロの雪が消えた!? ことが話題になっています。
山頂の写真を見ても ほとんど雪は見えません。研究者の予測では 2020年に完全消失するようです。
(国連報告書2008)
富士山はどうか? と心配になります。 雪の無い富士山・・では 写真を撮る情熱が失せてきます・・?
ヘミングウエーの小説 『 キリマンジャロの雪 』(1936年作)では 「きらめく山」 とありますが
1万年間あり続けた氷河がその姿を消したのです・・!ついでに言えば同じ第二位の高峰 ケニヤ山も
92%氷河が無くなったそうです。熱帯のアフリカだけではありません。ヒマラヤからパミール高原の
氷河も2035年迄に消滅するそうです。 インダス ガンジス メコン 黄河 揚子江などアジア大河の
水源であるこれらの氷河がなくなれば アジアの数億の人々に 甚大な影響を与えることになります。
私が行った モルジブの首都マーレも 今世紀末ほとんどが水没すると聞きました・・。
80%が海抜1m未満の首都マーレ。 実際に1987年には3mの高波でマーレの1/3が水没したそうです。
地球はその長い歴史の中で 寒冷期と温暖期がり 全球凍結の時代もあったのですが 1万年辺りから温暖期
ー氷河期の間の間氷期ーに入り 気候が温暖化し 人類も農業を始め人口が増え出したのです。
1万8千年前は寒冷化で 海面は下降し続け 現在より130mも海水面が低く ベーリング海が地続きとなり
アジアからアメリカへ人々が歩いて 渡って行ったのです。
このように自然現象として気候変動、海水面の上下はあるのですが 18世紀半ばから始まった産業革命以降
2700億トンの二酸化炭素(CO2)が大気中に排出され 温暖化が急速になり 19世紀初頭まで一定だった
海面が上がり始めたのです。100年で30cm 1000年で3mの勢いだそうです。 100年で30cmなど大した
ことはない・・と思われそうですが 30cmの海面上昇で 日本の砂浜は60%減少し これが1mになると
90%が消失するそうです。東京湾 伊勢湾 大阪湾などでは 満潮時のゼロメートル地帯が多く今も400万人が
生活していますが 平均30cm水面が上がるだけで 絶えず浸水の心配がある訳です。
温暖化の中で最も顕著な例が海面上昇ですが 温室効果ガスの中でも 最も大量な二酸化炭素排出が地球温暖化の
元凶だと証明されている以上 既に自然がその兆候を示している今 ただ傍観することは 出来ないのです・・。
モルジブ共和国 首都マーレ。 ピースボート船上から 既にお届けした写真もありますが・・。
防波堤はありますが 簡単に海水が乗り越えそうに見えます。
防波堤。普段でも 防波堤を越えて 道路に水があります。
こんな風景が いつまで見られる見られるのでしょう。
こんなお嬢さんも いつかこの島から出て行かざるを得ない時が来る・・。
海水浴場の白い砂浜も・・。
モルジブの環境危機を 世界に訴えた元大統領も 今はクーデターで牢獄の中です。