Viedel/KukiHairDesign/ヴィーデル/クキヘアデザイン 四条烏丸 美容室

ヴィーデルは四条烏丸の美容室です。フランス仕込みの技術 ナチュラルで優しく ふんわりとしたヘアスタイル

退屈な映画のようで

2012-07-15 12:07:41 | 映画
裁判の争点がメインになった作品ならいいが、たいてい法廷シーンは退屈にしか映らない。
カメラは主人公のアップや検察側と弁護側のカットに終始し、物語のリズム性や主人公の運動性を停滞させてしまう。
この映画の主人公は、ロサンゼルスの刑事犯罪専門の弁護士。
主人公のオフィスは“どこへでも移動できる”、ボロい?黒塗りの高級車リンカーンだ。
この根を生やしていない主人公の感覚が、切り取られた夜のロサンゼルス、巧妙に出し入れされた人物配置と相まって、この映画の勝因となっている。
クライマックス、映画は鬼門である法廷シーンへ突入するが、前半に貯め込んだ主人公の運動性の貯金が功を奏して、まったく退屈せず、裁判を間近で“傍聴”出来る。
一方、主人公は酒飲みで、彼の案件もバーを発端とした暴力事件だ。
弁護士の検察官である別れた元妻とも、先に酔いつぶれた方が家まで車で送ってもらうという友人関係にある。
こうした車社会ならではのシチュエーションが効いている。
思えば、このプンプンするようなアルコールの匂いこそ、往年のノワール映画の神髄だった。
「評決のとき」から16年、角度によっては「評決」のポール・ニューマンにも見える中年弁護士マコノヒーの演技に心動かされる。