Viedel/KukiHairDesign/ヴィーデル/クキヘアデザイン 四条烏丸 美容室

ヴィーデルは四条烏丸の美容室です。フランス仕込みの技術 ナチュラルで優しく ふんわりとしたヘアスタイル

遠藤

2017-02-06 00:56:20 | 映画
聖職者かアウトローか。
信仰(洗脳)と暴力(現実)に魅かれるマゾヒズム。
建前の「善」と現実の「悪」の狭間で葛藤し、引き裂かれ、狂気の海に踏み込んでいく。
しかし本来の本人たちの意図は、自分たちの師が本当に宗教を捨てたのかを確認するためであって、布教活動は副産物。
ドコで歪んだのかも判らないまま、それを本筋として進む。
誰よりも人格者であるはずなのに裏切り者の烙印を押された師匠。
情熱に突き動かされてやってきたのに、信者たちの苦境に一筋の救いの光も見出せない弟子。
そもそも言葉も分からない極東の島国で、本当に彼ら自身が命を賭す意味はあるのか?
宗教論を語る難解な映画ではない。
あまりにも厳しい現実を前に、価値観を根底から揺さぶられ“なにが正しいのか”を見失った人間たち。
日々大切なことを見失いがちな私に問う“究極の試練”が描かれた作品。
映画を観てスカッとしたい人には残念ながら向かないが、人間の前に屹立する大自然の荘厳さや、清濁あわせのむ凄味を見せるイッセー尾形、浅野忠信、もはや弱いのか強いのかもわからない卑小さの権化に扮した窪塚洋介らの日本勢の名演など、一部だけ取り出しても見応えがありすぎる要素を塊にしてギュッと凝縮させたような作。