”Don't Breathe”すなわち“息もできない”ほど極限状況を描いた。
”Don't Please”と勘違いする人もいるかもしれないが、確かに内容をうまく表している。
それは登場人物が“やめて、お願い”と幾度と切迫した涙をこぼすから。
ゴーストタウン化した住宅街。
孤独な盲目の老人が大金を隠し持っているとの情報を得た若い男女3人が、真夜中に泥棒計画を実行する。
その犯罪が破綻していくプロットはクライム・スリラーだが、幽霊も化け物も出てこない本作が化け物のホラーよりはるかに怖い理由は、老人のキャラクターにある。
目が見えない代わりに鋭い聴覚で侵入者の気配を察知し、身体能力も異常に高い。
おまけに心が荒廃した老人の辞書には“良心”とか“慈悲”といった言葉は存在しない。
ゆえに捕獲されたら一巻の終わりというギリギリの必死感がみなぎる。
怪物的な老人のキャラだけでもナカナカ御見かけしないが、地下室がある2階建ての屋敷の空間に趣向を凝らしていて、そこにカメラワーク、奇怪な音響効果で、総合力に感心。
ガラスの破片を踏む音すら心臓に悪い静寂の緊張感を生かし、怒濤のアクションに転じる終盤に至っても大味にならない緩急自在の演出。
屋敷内を逃げまどう若者たちの描写。
この手の密室スリラーとしては珍しく“携帯がつながる”というのに、若者たちは老人に殺されかけても警察に通報しようとしない。
なぜなら命がけの覚悟で大金を手に入れたい理由があるから。
何が何でも地獄の屋敷から脱出するためにありったけの機転を利かせ、捨て身の知恵を絞り出す。
“息もできない”映画なのだから当然だが、絶叫シーンがほとんどない。
これは作り手の野心と自信。
”Don't Please”と勘違いする人もいるかもしれないが、確かに内容をうまく表している。
それは登場人物が“やめて、お願い”と幾度と切迫した涙をこぼすから。
ゴーストタウン化した住宅街。
孤独な盲目の老人が大金を隠し持っているとの情報を得た若い男女3人が、真夜中に泥棒計画を実行する。
その犯罪が破綻していくプロットはクライム・スリラーだが、幽霊も化け物も出てこない本作が化け物のホラーよりはるかに怖い理由は、老人のキャラクターにある。
目が見えない代わりに鋭い聴覚で侵入者の気配を察知し、身体能力も異常に高い。
おまけに心が荒廃した老人の辞書には“良心”とか“慈悲”といった言葉は存在しない。
ゆえに捕獲されたら一巻の終わりというギリギリの必死感がみなぎる。
怪物的な老人のキャラだけでもナカナカ御見かけしないが、地下室がある2階建ての屋敷の空間に趣向を凝らしていて、そこにカメラワーク、奇怪な音響効果で、総合力に感心。
ガラスの破片を踏む音すら心臓に悪い静寂の緊張感を生かし、怒濤のアクションに転じる終盤に至っても大味にならない緩急自在の演出。
屋敷内を逃げまどう若者たちの描写。
この手の密室スリラーとしては珍しく“携帯がつながる”というのに、若者たちは老人に殺されかけても警察に通報しようとしない。
なぜなら命がけの覚悟で大金を手に入れたい理由があるから。
何が何でも地獄の屋敷から脱出するためにありったけの機転を利かせ、捨て身の知恵を絞り出す。
“息もできない”映画なのだから当然だが、絶叫シーンがほとんどない。
これは作り手の野心と自信。