何者かにひとり息子の命を奪われた平凡な除雪作業員の男が、その死の真相を求めて麻薬組織の連中を血祭りに上げていくという物語。
世界中の面白映画を物色しているハリウッドのプロデューサーの目にも留まり、怒りの復讐者に豹変する除雪作業員をリーアム・ニーソンが演じるという誰もが納得のキャストでリメイクされた。
といっても本作のストーリーラインは、ニーソンのタフガイ・イメージを決定づけた「96時間」のように直線的ではない。
主人公は復讐を果たそうにもこれといった手がかりがないため、とりあえず麻薬組織の末端のチンピラをひとりずつ締め上げて葬っていく。
その遠回しな復讐が延々と続くのかと思いきや、ひょんな勘違いと行き違いから、長年対立していたふたつの麻薬組織の抗争が勃発。
あれよあれよという間に思惑とかけ離れたところで死者続出の惨劇が繰り広げられていく。
オフビートな軽さで転がっていくプロットの捻れと、悲壮感も陰惨さも皆無のブラックユーモア、さらにはスクリーンいっぱいに広がる白銀の世界と鮮血のコントラスト。
いちいち死者が発生するたびにそのキャラクターの人名を、プロテスタントの十字架などの宗教的なアイコンとともにテロップで示すというアイデアも冷たい笑いを誘う。
憎しみに駆られた報復の連鎖は、人種や信仰の違いなどやすやすと超えて伝播するということか。
アメリカの風土に根ざした風刺と皮肉たっぷりのリメイク。
終盤には待ってましたと巨大な除雪車が活躍するこの映画。
頭を空っぽにしても楽しめる快作だが、作り手の知的なセンスと細部のユニークな描写、そして予定調和に収まらない達観した語り口も味わい尽くしたい。
世界中の面白映画を物色しているハリウッドのプロデューサーの目にも留まり、怒りの復讐者に豹変する除雪作業員をリーアム・ニーソンが演じるという誰もが納得のキャストでリメイクされた。
といっても本作のストーリーラインは、ニーソンのタフガイ・イメージを決定づけた「96時間」のように直線的ではない。
主人公は復讐を果たそうにもこれといった手がかりがないため、とりあえず麻薬組織の末端のチンピラをひとりずつ締め上げて葬っていく。
その遠回しな復讐が延々と続くのかと思いきや、ひょんな勘違いと行き違いから、長年対立していたふたつの麻薬組織の抗争が勃発。
あれよあれよという間に思惑とかけ離れたところで死者続出の惨劇が繰り広げられていく。
オフビートな軽さで転がっていくプロットの捻れと、悲壮感も陰惨さも皆無のブラックユーモア、さらにはスクリーンいっぱいに広がる白銀の世界と鮮血のコントラスト。
いちいち死者が発生するたびにそのキャラクターの人名を、プロテスタントの十字架などの宗教的なアイコンとともにテロップで示すというアイデアも冷たい笑いを誘う。
憎しみに駆られた報復の連鎖は、人種や信仰の違いなどやすやすと超えて伝播するということか。
アメリカの風土に根ざした風刺と皮肉たっぷりのリメイク。
終盤には待ってましたと巨大な除雪車が活躍するこの映画。
頭を空っぽにしても楽しめる快作だが、作り手の知的なセンスと細部のユニークな描写、そして予定調和に収まらない達観した語り口も味わい尽くしたい。