『「知の巨人・立花隆氏(ジャーナリスト・評論家)」報道に足跡』
―逼塞感蔓延の世界情勢の中で最悪の日本に、長生きして欲しかった巨人―
先日(20210624)日経新聞の社会欄からです。
『田中角栄元首相の金脈問題を雑誌で追及して退陣に追い込むなど、戦後ジャーナリズムに大きな足跡を残したジャーナリストで評論家の立花隆氏が4月30日、80歳で死去された。 宇宙や脳死、サル学、歴史など多彩な著作があり、知の巨人として知られ、都内の大型書店には、同日、著書を集めたコーナーを設けて追悼する動きが広がった。
幼い頃に一家で中国に移り住み、敗戦後に過酷な引き上げを体験。 東大仏文科卒業後、文芸春秋社に入社し雑誌記者などを経て、3年余りで退社。 東大哲学科に学士入学し、傍ら週刊誌アンカーマンなどとして活動した。
1974年10月、田中元首相を巡る資金の流れと蓄財を綿密に調べ、「田中角栄研究」を発表。田中内閣は2カ月後に総辞職した。 76年に発覚したロッキード事件でも批判を展開し、裁判の傍聴記を発表し続けた。 その後も、政治評論や最先端の科学の著作も多数発表した。
今後の読書計画のために、立花隆氏の著書一覧を備忘録に残しました。
1983年に菊池寛賞、1998年に司馬遼太郎賞
「思考の技術」(1971年)
「中核VS革マル」(75年)
●「田中角栄研究」(76年)
「日本共産党の研究」(78年)
●「ジャーナリズムを考える旅」(同)
「農協 巨大な挑戦」(80年)
「ロッキード裁判傍聴記」(81~85年)
「宇宙からの帰還」(83年)
「脳死」(86年)毎日出版文化賞
「脳死再論」(88年)
「同時代を撃つ 情報ウオッチング」(88~90年)
「臨死体験」(94年)
●「ぼくはこんな本を読んできた」(95年)
「立花隆の同時代ノート」(97年)
「21世紀 知の挑戦」(2000年)
「『言論の自由』VS.『●●●』」(04年)
「シベリア鎮魂歌 香月泰男の世界」(同)
「天皇と東大 大日本帝国の生と死」(05年)
●「滅びゆく国家 日本はどこへ向かうのか」(06年)
「自分史の書き方」(13年)
「死はこわくない」(15年)
「武満徹・音楽創造への旅」(16年)吉田秀和賞
「『戦争』を語る」(同)
●「知の旅は終わらない 僕が3万冊を読み100冊を書いて考えてきたこと」
(20年)
とにかく、すぐにでも読みたい『著書』5冊に●マークをしました。
最後に余談です。
石原慎太郎氏は、現役時代の政界の田中角栄氏をそれ程、評価はしてなかったように見えましたが、最近は変わってきています。 石原慎太郎著『英雄』を読んで解ったことです。
この本を読んでみたいと思ったのは昔、香港に駐在時に、田中角栄氏が首相になったニュースを聞いた見ず知らずの英国人に、香港と九龍を結ぶ、スターフェリーの船中で、突然、尋ねられました『今度の日本の首相は、Secondary School卒ですね』と、何故か、この後、会話はなくフェリーは九龍埠頭に到着という苦い経験もありました。
石原氏は、この本の中で、こう言っています。 『実名で書いていますが、フィクションです』と。 さらに、役人天国を支えている、およそ不合理きわまる単式簿記などと言う会計制度は、国家全体として是正し、一般の企業並みに、発生主義複式簿記に直して、大改革が成し遂げられたのではないかと、田中氏の行動から感じていたようです。
繰り返しになりますが、逼塞感蔓延の世界情勢の中で最悪の逼塞感の日本には、立花隆氏のような『知の巨人』の登場を渇望しています。 同時に政治には、作家や一般の人々の声は届きませんので、マスメデイア・マスコミには『傾向・推移を示したデータを付けて』行政に改善・チェンジを挑戦して欲しいと願っています。
(記事投稿日:20210624、#350)