『宇宙船地球号・奇跡の星・水の惑星が「人新世」時代へ 7』
『自然を大事にまもって、自然に行こう「森林の多様性に活路」』
20211128日経サイエンスに、タイトル『温暖化と生物、森林の多様性に活路』が載っていました。 様々な特徴を持つ生物が集まると環境変化に強くなる。この森林の多様性がイコール、天然林・自然林であることが必須であれば『自然に・自然体で』の難しさが分かりだけに、厄介ではあります。
この記事の抜粋と引用です。
『森林は光合成によって大気中の二酸化炭素・CO2を取り込むが、温暖化で絶滅する種が増えると吸収力は下がる。 人の手でCO2を回収する技術もあるが、森林にはかなわない。
横浜大の森章教授らは生物多様性が地球を守ると指摘する。 「乾燥に強い」など様々な特徴を持つ生物が集まると乾燥や豪雨などがあってもCO2を吸収する能力を維持できる。 解析によると生物多様性が失われるのを防ぐと森林がCO2を吸収する能力の大幅な低下を避けられるという。
生物の多様性が温暖化の進行にどうかかわるのかの議論は少なくなかった。 「とりあえず木を植えればいいと思われてきた。 生物の多様性も対策の中に組み入れてほしい」』と。
東南アジアで、行われている木材輸出のための伐採は『抜切りする「択伐」』が一般的です。
伐採の方法
東南アジアの熱帯林における商業伐採は,有用木を選択的に抜切りする「択伐」方式が主流です。 したがって森林伐採そのものでは森林面積は減少しませんが,伐採路の建設や施業の際の下層植生へのダメージや土壌撹乱,大径木が欠損することによる森林構造の変化,伐採後の維持管理の不備などにより生物相や多様性への影響は少なからずあります。 マレーシア・パソ保護林の一部は1950年代の後半に一度択伐を受けた二次林です。
森林構造
天然林・自然林の林冠の高さは二次林よりも有意に高い(林冠ギャップ)。 林冠ギャップ下では林床へ十分な光量が供給されるため稚樹がよく成長します。また局所的な光環境や温湿度、土壌など微環境の変化により、それらに対応したさまざまな生物種が短い期間ですが共存できる環境ができます。
野生生物の種多様性
『抜切りする「択伐」』された後の、野生生物の種多様性は、種類の多少の変化はありますが、維持されます。 ただし秩序ある『抜切りする「択伐」』されたかが、重要な課題になります。
木材輸出のための伐採『抜切りする「択伐」』の結果でしょうか。 森林の多様性を、云々する前に為政者・関係者はやるべきことが山積です。 この森林破壊が世界中で起きています。
ウエブ情報から引用
世界24カ所の森林破壊の「最前線」。 森林減少の大半は、ラテンアメリカ、サハラ以南のアフリカ、東南アジア、オセアニアに集中しています。
森林の多様性も重要ですが、伐採『抜切りする「択伐」』ができているかどうかも、本当に心配です。
ウエブ情報から引用
(記事投稿日:2021/12/10、#441)