『量子コンピューターに関する最新の情報・話題を調べて驚いた?』
『「超難解!でも大丈夫!量子コンピューター超徹底解説」に学ぶ‼』
量子コンピューターの出現で時代は変わっている。 スーパーコンピューターは、科学技術計算用途で大規模・高速な計算能力を有するコンピューターですが、これを『古典コンピューター』などという方々もいます。 大幅に出遅れていた日本の量子コンピューター関連の最新情報・話題が、少しですが聞かれようになりました。
- 理研で国産初の量子コンピューターを開発、指揮を執る中村博士が見いだした勝機。 中村泰信氏は2021年4月、理化学研究所内に発足した量子コンピューター研究センター(RQC)の初代センター長に就任した。 RQCは2022年度中に64個の量子ビットを持つゲート型量子コンピューターを稼働させる予定だ。 国産初となる見通しで、中村氏によれば国内外の研究者などにもオンラインでの公開を予定する。 量子ビットの実装に用いるのは、中村氏が自らも長く研究に携わってきた超電導方式だ。
ウェブ情報から引用
- 慶大、NTT、名大、理研の4者は4月1日、複数の論理量子ビットを復号する量子誤り訂正アルゴリズム、慶大などが開発(2022/04/04)
- マックスバリュ東海とグルメデリカで、量子コンピューターを用いたシフト作成サービスの活用を開始(2022/03/29)
- ニッセーデリカは、AIによる注文量予測を実施【グルーヴノーツ×日本惣菜協会】(2022/03/29)
- 損保ジャパン、保険引受業務における擬似量子コンピューターの実務利用を開始(2022/03/29)
- ソフトバンク、“量子コンピューターでも解けない暗号”をVPNに適用へ 米ベンダーと共同で(2022/03/23)
- 東芝が語った量子コンピューター技術「シミュレーテッド分岐マシン」の現在地(2022/03/11)
- IBMとの連携で進む日本の量子コンピューティング――世界初の商用量子コンピューターで共同研究を開始
川崎市に設置されたSystem One(ウェブ情報から引用)
『今後の勉強に備えて『量子コンピューター』の再確認
(ウェブ情報「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」の引用)
「量子」の力を使い、スーパーコンピューターをしのぐ可能性もある次世代計算機の最新情報。 けた違いの性能により、現在の暗号をたちどころに解読したり、新薬の開発を加速させたりする能力が期待される一方で、その原理を理解するのは超難解!量子って何?開発の壁は何?主要な技術の一つ「超伝導量子ビット」の開発者や、「光」を利用する新型マシンを開発した日本の研究者とともに今知るべきことを深掘りしてお伝えする。
量子コンピューターの必要性
「ムーアの法則」が限界を迎えつつあります。 一方で、IoTやAIの普及と共に、データ量は爆発的に増大し、必要とされる演算能力もまた増大しています。 この状況に対応すべく、プロセッサー・コアの並列化やASIC、FPGAなどの特定の処理目的に最適化された半導体、スーパーコンピューターを使うというという解決策が採られていますが、必ずしも十分なものとは言えません。 量子コンピューターは、このような状況に対応する新たな解決策として注目されています。
特に、総当たりで計算しなければならない素因数分解や組み合わせ最適化問題、あるいは検索問題などで、劇的な演算速度の高速化が期待されています。 ただ、現段階では全ての演算問題を解くことができる量子コンピューターにめどが立った訳ではありません。 そのため、一気にこれまでの古典コンピューターを置き換えるとことにはならないでしょう。 ただし範囲の限られた演算問題であっても、実用での適用範囲は広く早期実用化への期待が高まっています。
古典コンピューターで解けない問題
古典コンピューターで解けない演算問題とは、入力されるデータ数に応じて指数関数的に増大してゆく場合です。このような演算問題は、最大規模のスーパーコンピューターでも実用に供しないこともあり、厳密解ではなく近似値を求めるアルゴリズムを使って対処しています。
巡回セールスマン問題(組み合わせ最適化)
「古典コンピューターで解けない問題」の典型的な事例として「巡回セールスマン問題(組み合わせ最適化)」があります。セールスマンの訪問先が複数あるとき、最も短い時間で全てを巡回する手順を見つける問題です。
この問題は、訪問先が増えるたびに指数関数的に巡回経路が増えてゆきます。例えば、8地点では2,520であるのに対し、20地点になると6京8000兆となり、我が国最高速のスーパーコンピューター「京」をもってしても6秒かかります。これかが、30地点になると4.42×10の30乗となり、「京」でも1,401万年かかる計算になります。
そこでこのような問題を解くためには、計算量を減らし「近似解」をもとめるやり方が一般的です。 しかし、量子コンピューターであれば、このような「組み合わせ最適化」問題の「厳密解」を一瞬で計算してしまう可能性があるのです。
量子コンピューターとは何か
コンピューターとは、抽象的な「数字」を物理的な動きを使って演算する機械のことです。例えば、太古の昔は、石や木の棒を並べて数えるといった「演算」方法が疲れていました。算盤を使うといった演算の道具も使われるようになりました。その後、蒸気機関やモーターの動力を利用して演算する道具、あるいは、真空管や半導体素子の電子の動きを利用して演算する道具が登場します。これが、いま我々が使っている(古典)コンピューターです。
量子コンピューターとは、やはり物理的な動きである「量子」の動きや振る舞いを利用して演算するコンピューターです。
量子力学
量子コンピューターの原理を支えているのが「量子力学」です。私たちの世界を創っている物質や光などの様々な物理現象を産み出している最小単位が「量子」です。「量子」の持つ物理的な特徴は「量子効果」とも言われ、我々の直感とはかなり違った動きや振る舞いがあります。例えば、光の量子は「光子」と呼ばれ、粒子と波の2つの異なる状態を同時に併せ持っています。また、物質を通り抜けてしまう「トンネル効果」や、同時に2つの特性、例えば電流の向きが同時に2つの方向に向けて流れているなどの「重ね合わせ」状態を持つなど、我々が見て感じるマクロな世界の直感とは異なる物理的な現象が存在しています。 量子コンピューターは、この「量子」の動きや振る舞いを数字の「演算」に使おうというわけです。
量子コンピューターの適用分野
量子コンピューターは、そんな量子の動きや振る舞いを利用して、古典コンピューターでは時間がかかりすぎてとても解けないと考えられていた問題を高速で解くことができると期待されています。特に、素因数分解や検索、組合せ最適化問題への期待は高く、いま注目の人工知能にも劇的な進展をもたらすものと期待されているのです。
BitとQubit
古典コンピューターで用いられるビット(Bit)は、一時点で1か0のいずれかの値を持ちます。これは、電子回路のスイッチのON/OFFまたは電圧の高/低に対応したものです。一方、量子コンピューターでは量子ビット(Qubit)と呼ばれる単位が用いられます。これは、量子の振る舞いである「重ね合わせ」を利用し、一時点で1と0を同時に示すことができる単位です。
量子コンピューターが高速で計算できる理由
古典コンピューターで4ビットの演算を行う場合、16通りの組合せが存在し、その組合せひとつひとつを逐次計算しなければなりません。しかし、量子コンピューターであれば、1量子ビットは0と1の状態を同時に示します。そのため4量子ビットは、0と1の16通りの組合せを同時に示すこととなり、古典コンピューターでは16回繰り返さなければならなかった演算を1回でできてしまうことになります。これが、量子コンピューターが高速で演算できる理由です。
この量子ビットの数を増やしてゆけば、1回で演算できる組合せ数が増大してゆくため、演算速度は速くなってゆきます。
現在、最大で20量子ビットのコンピューターが利用可能な状態にありますが、50量子ビットを越えるあたりで、現在最も高速な古典コンピューターであるスーパーコンピューターを越える(量子スプレマシー/量子超越性)と言われています。
量子コンピューターの種類
量子コンピューターは、現在2つの方式が実用に向けて開発が進められています。1つは、「量子ゲート」方式で、古典コンピューターでできるあらゆる計算に対応する汎用的なものです。「量子スプレマシー」の可能性が期待されているのは、こちらのコンピューターです。現在、最大で20量子ビットのコンピューターがクラウド・サービスとして利用可能な状態にあります。また、IBMは50量子ビット、Googleは49量子ビットのコンピューターを数年のうちにリリースすると表明しています。
しかし、「量子ゲート」方式で利用できるアルゴリズムが、未だ揃っていない状況にあり、「理論的には汎用計算ができるはず」ではあるのですが、それができる状態にはありません。
もうひとつは「量子イジング・モデル」方式です。こちらは、組み合わせ最適化問題に特化したコンピューターです。組み合わせ最適化問題に特化しているとはいえ、実用面での適用分野は広く、実用化では大きく先行しています。
カナダのD-Waveが2014年に商用製品を発表し、Googleや NASAなどの企業で使われ始めています。また日本のNTTも2017年11月よりクラウド・サービスとしての提供を始めています。
量子コンピューターの現状
「量子イジング・モデル」方式が実用面では先行した状況にありますが、IBMやGoogle、Microsoftが「量子ゲート方式」の開発を熱心に進めています。 ただ、「量子ゲート方式」でのアルゴリズは、まだ未発見の領域も広く、本格的な実用化には、まだしばらくの時間がかかるでしょう。
自然現象を借用したアルゴリズム
ところで、量子コンピューターが登場する以前は、自然現象のメカニズムを古典コンピューターでシミュレートし「組合せ最適化問題」などを効率的に解こうというアプローチが行われてきました。 ただし、演算規模が大きくなるため「近似解」を求めるしかありませんでした。
この自然現象のひとつである「量子アニーリング」を、ソフトウェアによるシミュレーションではなく物理的な現象として再現することで、「近似解」ではなく「厳密解」を求めようと生まれたのが「量子イジング・モデル」方式のD-Waveです。NTTのQNN(量子ニューラルネットワーク)も人間の脳の中で行われている神経活動のメカニズムを使っているようです(現在、確認中)。
量子イジングマシンとスパコン
「量子イジング・モデル」方式は、全ての演算問題を解けるものではありません。しかし、組合せ最適化問題に限れば、既存のスーパーコンピューターを凌ぐ速度と低消費電力、そして「厳密解」が期待されており、実用面での注目が高まっています。
D-Waveの計算原理
「量子イジング・モデル」方式で先行しているD-Waveは、絶対零度に冷やされた超伝導状態の素子が、同時に2つの電流の向きを持つ特性を使い、これを量子ビットの0と1の「重ね合わせ」状態と見立てて、量子計算を行おうというアプローチです。
まず不安定な超伝導素子の重ね合わせ状態を強い磁場で安定させます。そして、その素子同士の相互作用を解くべき問題に合わせて設定します。これは、古典コンピューターのプログラムに相当します。徐々に磁場を弱くして相互作用を強めてゆくと、設定した相互作用に最適化された電流の方法がひとつに決まります。これが、組み合わせ最適化問題の「厳密解(あるいは、厳密解に近い近似解)」になります。つまり、何度も計算しなくても1回の計算で解を求めることができるのです。
誤差が含まれることが考えられるためD-Waveでは複数回、同じ操作を行い、確認しているのだそうです。
なお、ここに紹介したスライドを含め3000ページほどを、ロイヤリティフリーでダウンロード(パワーポイント形式、ワード形式、エクセル形式)できる「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」を公開中です。よろしければご活用下さい。』
とありました。 やはり『量子コンピューター』は、超難解です.
(記事投稿:2022/07/14、#550)