◎満洲国ノ用語ハ支那語デアル
昨日に続き、『速習 軍用日満支会話』(尚兵館、一九二九)という本について紹介する。本日は、その「凡例」を紹介してみる。要するに、「日満支会話」と言っても、実質的には、「支那語会話」ということらしい。
本書の紹介は、このあとも続けるが、たぶん断続的な形になるかと思う。
凡 例
一、満洲国ノ用語ノ主ナルモノハ支那語デアルコトハ申スマデモナイガ支那語ノ中デモ北方系即チ北平語ガ最モ多ク移入サレ之ニ次グモノハ山東省、上海広東南京等デアルガ各地方カラノ移入者ガ多イ丈ケニ言葉モ種々雑多デアル
二、茲ニ本書ガ特ニ日満語ト称フルモ特別ノ満洲語ナルヲ意味スルノデハナイ、矢張リ北京語ニ基礎ヲ置キ語法モ専ラ之ニ依リ発音ニ於テ異ナルモノヲ右方ニ北京音、左方ニ満洲音ノ仮名ヲ附シテアル
三、又満洲ハ地方ニ依テモ言葉ヤ音ヲ異ニシテ居ル、殊ニ日本人ノ多ク居住シテ居ル地方ノ如キハ日本化サレテ居ル語モ少ナクナイ、将来ハ益々其傾向ガ甚ダシクナルコトモ想像セラレル、要ハ基本的ニ北平語法ヲ覚エ之ヲ大胆ニ活用スルコトガ必要デアル
四、満洲語(支那語)中日本ノ仮名デ発音ノ出来ナイモノニハ之二近イ仮名ヲ附シテアル、実際ト相俟ツテ研究セラレ度シ
五、本書ハ軍用ニ重キヲ置テアルカラ単語ヤ会話ハ勿論、軍隊ノ駐屯地軍事行動ノ起ルベキ方面等ノ重要地名ヲ附録トナシタル点等多ノ同類ノ書ニ此シ著意周到デアル