◎足尾線、神土駅―沢入駅間にあった急カーブ
交通協力会編『国鉄クイズ 1950年版』(交通協力会、一九五〇)を紹介している。本日は、第42問、第43問、第44問、および、それぞれの解答を紹介してみたい。
42 国鉄線で最も急カーブはどこにありますか。
構内の側線を除く全線路のうち、最も急な曲線は、横浜・表高島〈オモテタカシマ〉間の臨港線で曲線半径は90米〈メートル〉です。旅客を扱う線のうちでは、足尾線の神土〈ゴウド〉・沢入〈ソオリ〉間にある半径120米の曲線です。構内側線のうちでは、東京の隅田川構内にある半径60米の曲線が最も急だといわれています。
43 国鉄で最も長い直線区間はどこにあリますか。
国鉄全線路のうち最も長い直線区間は室蘭線の白老〈シラオイ〉・沼ノ端〈ヌマノハタ〉間の28.7粁〈キロメートル〉です。中央線の東中野・国立〈クニタチ〉間も次に長い区間で23.3粁あります。
44 国鉄の全線路のうち直線部分と曲線部分はどんな割合になつていますか。
国鉄全線について直線区間は66.5%、曲線区間は33.5%となつています。
第42問にある「臨港線」(東海道本線貨物支線)は、一九八二年(昭和五七)一一月に廃止されたという。したがって、この「急カーブ」は、今はない。
足尾線の神土(ごうど)駅は、一九八九年三月に、神戸(ごうど)駅に改称。沢入(そおり)駅は、同じ一九八九年三月に、沢入(そうり)駅に改称した。
足尾線、神土駅・沢入駅間は、草木ダムの建設にともなって、一九七三年(昭和四八)六月に、新線に付け替えられた。したがって、この「急カーブ」は、今はない。