◎ビリー・ヘイズ、看守に変装して刑務所を脱出
作日のコラムに対して、inaka4848さんに「続き希望」のボタンを押していただいたので、若干、補足する。ただし、ゴーン被告の国外脱出についての補足ではなく、映画『ミッドナイト・エクスプレス』についての補足である。
昨日、『ミッドナイト・エクスプレス』のDVD(ソニー・ピクチャーズ エンタテイメント)を引っ張り出して再生した。この映画は一二一分もあり、しかも観ていて疲れる場面が多いので、今回、鑑賞したのは、最後の部分のみ。
映画では、主人公ビリー・ヘイズは、過酷な刑務所生活の中で、なかば発狂状態に陥る。しかし、面会に訪れた恋人スーザンに励まされ、やや正気を取り戻す。スーザンの手配によって、ひそかに米ドルを入手したビリーは、看守長のハミドウに一〇〇ドル札を示し、これを所長に渡して、自分を精神病院に入れてもらえるようにしてほしいと懇願する。しかし、ハミドウは、その金を自分のポケットにしまい、ビリーを別室に拉致する。ハミドウは、ビリーに、「ここでお前は、完全に正気を失うんだ」と告げた上で、性的暴行を加えようとする。身の危険を感じたビリーが反撃すると、ハミドウは壁の洋服掛けに後頭部を強打して、意識不明となる。ビリーは、その部屋で制服制帽を身につけて看守に変装し、刑務所を脱出する。
字幕によれば、これが一九七五年一〇月四日のことである。その後、ビリーは、ギリシャを経由し、三週間後に、ケネディ空港に到着したという。
しかし、この脱獄の経緯は、かなり脚色されている。実際は、マルマラ海に浮かぶ島にある監獄に移されたあと、小舟で使って島を脱出し、バスと徒歩によって、ギリシャに逃れたという(Wikipedia‘Midnight Express (film)’)。
ゴーン被告も、日本を脱出するとき、何らかの「変装」をしたのだろうか。