礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

国際人権団体HRWの日本政府への質問は?

2020-01-17 03:54:49 | コラムと名言

◎国際人権団体HRWの日本政府への質問は?

 昨日のコラムに対し、inaka4848さんとkyusan2さんから「いいね」のボタンをもらった。inaka4848さんからは、「続き希望」のボタンももらった。
 そこで、昨日の話の続編。
 本日の東京新聞二面に、「国際人権団体に弾圧批判され/中国外交官が乱入 NY」という記事が載った。引用してみよう。

国際人権団体に弾圧批判され
  中国外交官が乱入 NY
 【ニューヨーク=赤川肇】国際人権非政府組織(NGO)ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は十四日、米ニューヨークで人権問題の年次報告を公表した。中国政府による少数民族ウイグル族の強制収容や言論弾圧を例に「世界の人権が中国の攻撃に脅かされている」と中国脅威論を展開。会見には中国国連代表部の外交官が突然現れ、「偏見と虚偽に満ちている」と反論を繰り広げた。
 約六百五十ページに及ぶ年次報告では国別の人権状況に加え、中国に関しては、巻頭特集を含め約三十ページにわたり詳報した。習近平国家主席らが体制を維持する上で人権を「脅威」と見なし、国内外で抑圧や監視を強めていると指摘。「中国は単なる新興大国ではなく、国際人権制度を脅かす存在だ」と国際社会として対処する必要性を説いている。
 会見では、HRWのケネス・ロス代表らの報告の概要説明の後、中国国営メディアの記者が、報告は香港の反政府デモについて警察の「過度の鎮圧」を批判する一方、暴動やデモを擁護していると批判。中国の外交官は「中国政府提供の事実情報を無視している。全く受け入れられない」などと加勢した。
 ロス氏は「誤りがあると言うなら具体的に示して」と応対。HRWの中国担当者は「十四年間担当しているが、中国政府から質問の回答をもらったことは一度もない」と切り返した。
 報告は、日産自動車前会長カルロス・ゴーン被告の事件で注目された日本のいわゆる「人質司法」についても問題視した。

 これで、全文である。
 この記事を読んで、いくつか気づいたこと、疑問に思ったことがある。箇条で述べる。

1 このヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)の記者会見に、「中国外交官が乱入」したという。中国政府は、それだけ、この記者会見を重視しているということである。HRWという国際人権団体の影響力を認めているということである。
2 この記者会見に、日本の外交官が出席する予定はなかったのか。日本の外交官を出席させ、その場で、日本のいわゆる「人質司法」について、年次報告の内容を批判する用意はなかったのか。日本政府は、HRWの影響力を認めていないのか。
3 この記者会見の際、中国国営メディアの記者が、年次報告は、香港の「暴動やデモを擁護していると批判」したという。この記者会見の際、日本のメディアの記者で、年次報告の内容を批判する立場から質問をおこなった者はいなかったのか。
4 HRWの中国担当者は、「乱入」した中国外交官に対して、「十四年間担当しているが、中国政府から質問の回答をもらったことは一度もない」と切り返したという。ということであれば、HRWの日本担当者が、過去に、日本政府に対し、何らかの質問をおこなってきたと考えるのが自然である。
5 HRWの日本担当者は、日本政府に対して、過去にどのような「質問」をおこなってきたのか。ゴーン被告の件でも、当然、質問があったと思うが、それは、どういう質問だったのか。それらの質問に対して、日本政府は、これまで、どのように回答してきたのか。

 特に、5番が知りたい。東京新聞の赤川肇記者には、この点について、是非、報道していただきたいと思う。

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コメント
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