礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

石原莞爾『国防政治論』の目次から見えてくるもの

2018-01-21 05:19:32 | コラムと名言

◎石原莞爾『国防政治論』の目次から見えてくるもの

 今月一四日のコラム「石原莞爾の話術について」において、石原莞爾著『国防政治論』(聖紀書房、一九四二年一〇月)には、三つの講演が収録されていると述べた。
 正確に言えば、三つの講演の記録と、過去に起草した文章の結論部が収録されている。
 次に、同書の目次を掲げてみる。

  国 防 政 治 論  目 次
第一章 戦争指導機関………………………………四
 第一節 政戦両略の関係…………………………四
 第二節 大本営…………………………………一四
第二章 国防国策…………………………………一九
 第一節 最終戦争………………………………二〇
 第二節 昭和維新の方針………………………二五
 第三節 大東亜戦争……………………………三二
  一、大東亜戦争の性格………………………三二
  二、国民の責務………………………………四四
  三、大東亜戦争と最終戦争…………………四九
第三章 国防国家の政治…………………………五六
 第一節 政治組織………………………………五七
  一、指導者原理………………………………五七
  二、統制批判…………………………………六四
  三、人体との比較……………………………八〇
   1. 大本営……………………………………八一
   2. 政 党……………………………………八一
   3. 軍と政治………………………………一〇二
   4. 官 憲…………………………………一一七
   5. 自治組織………………………………一二二
  四、綜合的観察………………………………一二三
  五、満洲国の政治組織………………………一三一
 第二節 人…………………………………………一五〇
  一、世界観………………………………………一五五
  二、生 活………………………………………一七一
  三、教 育………………………………………一八三
  四、動 員………………………………………一九〇
 第三節 物(生産)………………………………一九二
  一、農村の改新…………………………………一九二
  二、経済建設……………………………………一九四
   1. 政治と経済…………………………………一九四
   2. 資源と技術…………………………………一九六
   3. 発明の奨励…………………………………二一〇
補 日本の国防…………………………………………二一九
補 支那事変の解決……………………………………二五三
補 ナポレオンの対英戦争に就いて…………………二八五
  編輯後記……………………………………………三二四

 この目次は、「国防政治論 目次」となっている。「目次」とあって、そのあと「第一部 国防政治論」となっているわけではない。この本は、『国防政治論』と題し、「国防政治論」という講演記録のみを紹介する本として、企画されたのであろう。
 ところが、急遽、それに三本の文章を補う必要が生じた。なぜか。この講演記録の重要部分が、「日本の客観的諸情勢に規制されて」、削除されたからである。これでは、書物としての価値も下がるし、ページ数も減ってしまう。そこで、編輯者は、削除された部分を補いうる文章を探し、それを、「補」という形で補ったのではないだろうか。
 削除された「第一章第三節」において石原は、「日本の国防」について語っていたはずである。だからこそ編輯者は、「日本の国防」を加えたのある。
 同じく削除された「第二章第三節の一と二の間」においては、「支那事変の解決」について語っていたはずである。だからこそ編輯者は、「支那事変の解決」を加えたのである。
 では、なぜ、「ナポレオンの対英戦争に就いて」が加えられたのか。これは、一見すると、純然たる戦史研究のように見えるが、石原は、実はここで、「支那事変」についても論じている。「支那事変」について論じたいがために、「ナポレオンの対英戦争」を引き合いに出しているようなところがある。つまり、この文章もまた、削除された部分を補うために選ばれた可能性が高い。
 以上は、あくまでも仮説であるが、同書の本文および「補」を、そういう仮説に立って読んでゆくと、石原莞爾の時局批判、その時局批判に対する当局の姿勢、この本を編輯したのは山本勝之助の意図といったものが、かなりよく見えてくるような気がする。
 なお、同書所収の各文章について、簡単な紹介をおこなっておく。

「国防政治論」 本書『国防政治論』の中心を占める。中扉に、〝昭和十七年一月三日~五日/千葉県小湊に於ける東亜連盟講習会講演〟とある。「であります」調。講演速記を起こしたものか。
「日本の国防」 「補」のひとつ。中扉に、〝昭和二年十二月三十日起草/「欧州古戦史」の結論なり〟とある。「なり」調(文語体)。陸軍大学における講義用として書かれたものか。
「支那事変の解決」 「補」のひとつ。中扉に、〝昭和十六年七月十八日講演〟とある。
「である」体。講演用にあたって準備された原稿か。
「ナポレオンの対英戦争」 「補」のひとつ。中扉に、〝昭和十四年九月一日〟とある。「であります」調。講演速記を起こしたものか。

*このブログの人気記事 2018・1・21(10位に極めて珍しいものが入っています)

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『国防政治論』を編輯したのは山本勝之助

2018-01-20 04:04:19 | コラムと名言

◎『国防政治論』を編輯したのは山本勝之助

 今月の一四日から一六日まで、石原莞爾の『国防政治論』(聖紀書房、一九四二)を紹介した。本日は、同書の「編輯後記」を紹介してみたい。

   編 輯 後 記
 この数年来、日本の東亜の「在り方」に対する出版物は汗牛充棟の感がある。然しその「在り方」が世界史的な雄渾な規模をもち、烈々たる理想と確固たる現実性の綜合統一をなしたる内容をもちたるものは五指を数へるに過ぎないと思ふ。
 この時石原莞爾閣下の「国防政治論」を剞劂〈キケツ〉に附する〔出版する〕の機会を恵まれたることは右の要請に応ずるものとして欣快〈キンカイ〉の情禁じ得ざるものがある。
 但し日本の客観的諸情勢に規制されて第一章第三節全部、第二章第三節の一と二の間に挿入さるべきもの全部と所々多数削除の止むなきに到りたることは甚だ残念と思ふが致し方のない次第である。
 この点出版の事務的処理者として閣下及び読者諸氏に深くお詫びする次第である。
 終りに一々の御姓名は省略するがこの出版について陰ながら御尽力御支援を賜はつた諸氏に感謝の意を捧げる。
 昭和十七年九月末日   東亜連盟協会会員  山本勝之助

 短い「編輯後記」だが、この本を編輯し、出版にかかわる実務をおこなったのは、東亜連盟協会の山本勝之助であること、講演「国防政治論」の内容は、同書への収録にあたって、かなり削られていること、などの事実がわかる。
 山本勝之助という人物については詳しくないが、もとはアナーキストで、その後、石原莞爾に心酔するにいたったらしい。
 山本によれば、講演内容のうち、同書への収録にあたって削除された部分があるという。推察するに、削除された「第一章第三節」において石原は、「日本の国防」について語っていたのではないか。また、同じく削除された「第二章第三節の一と二の間」においては、「支那事変の解決」について語っていたのではないか。そう考えた理由については次回。

*このブログの人気記事 2018・1・20(2位になぜかフランクリン)

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河出書房「河出新書写真篇」のリスト

2018-01-19 01:51:07 | コラムと名言

◎河出書房「河出新書写真篇」のリスト

 ◎河出書房から出ていた「河出新書」には、「写真篇」というバージョンがあった。国立国会図書館オンラインの検索機能に、「河出新書写真篇」と入力すると、四十六件がヒットするが、実際に、何冊まで出たのかはハッキリしない。
 いま机上に、制作社編『戦後10年――日本人の辿った道』〔河出新書写真篇17〕がある。同書のカバーには、既刊十六冊、新刊一冊、近刊四冊のリストが挙げられている。本日は、このリストを紹介してみよう。

  河 出 書 房
   写 真 篇
   ―既 刊―
1 皇 太 子
2 現代のいけばな
3 ソ連うらおもて
4 美術にあらわれた女体美
5 高峰秀子
6 夏山への招待
7 浮 世 絵
8 新劇50年
9 現代イギリス映画
10 マンボへの誘い
11 茶 道
12 撮影所拝見
13 現代の絵画
14 国 宝
15 虫の四季
16 現代フランス映画
   ―新 刊―
17 戦後10年
   ―近 刊―
動 物 園〔18〕
護 身 術
現代日本映画〔20〕
峠と高原
  新書判 80ページ 定価100
  装幀  井出 尚

 国会図書館のデータを見ると、上記の近刊四冊のうち、『動物園』と『現代日本映画』は、それぞれ、第18、第20として刊行されていることがわかる。しかし、『護身術』と『峠と高原』は、未刊に終ったもようだ。
 なお、一九五六年(昭和三一)に刊行された『歌舞伎俳優』は、「河出新書写真篇:第48」となっている。ただし、国会図書館のデータは、番号が示されていないものも多いので、「第48」にいたる刊行順、「第48」以降の刊行があったかどうか、架蔵されていないものの番号は何番か、などの情報を得ることはできない。
 明日は、石原莞爾著『国防政治論』の紹介に戻る。

*このブログの人気記事 2018・1・19

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河出書房「河出新書」のリスト91~180

2018-01-18 06:59:57 | コラムと名言

◎河出書房「河出新書」のリスト91~180

 昨日の続きである。河出新書『職場の歴史』〔教養176〕(一九五六年五月)の巻末から、「河出新書」の一覧を紹介している。それぞれ、番号・タイトル・編著者・定価の順になっている。
 
91 現代経済学入門(下) 有沢広巳他120
92 民衆の座   思想の科学研究会編100
93 フランスの小説 生島遼一著120
94 読書と人生  金森徳次郎著100
95 山・雪・探検 加納一郎著100
96 学生と思索  桑木 務著100
97   西欧のこころをたずねて 手塚富雄著100
98 光は暗黒を越えて カルティニ著120
99 女の考え方  古谷綱武著100
100 人間尊重のために 猪木正道著100
101 食物の歴史  後藤守一著100
102 暮しから社会から 宮城音彌著100
103 青春論ノート 市原豊太著90
104 女は太陽のごとく 石垣綾子著100
105 歴史をつくるもの 向坂逸郎著110
106 人生と真実  野田又夫著100
107 人生の四季  武者小路実篤著100
108 自由について H・リード著/万沢・大内訳100
109 正しい日本史 奈良本辰也編120
110 日本経済の内と外 都留重人著100
111 実存主義   松浪信三郎著100
112 社会主義への道 山川 均著100
113 自由と責任  森 有正著100
114 日本民謡名曲集 服部龍太郎編90
115 京都の庭   奈良本辰也著90
116 絵画の見方  嘉門安雄編90
117 レコード読本 大木正興編120
118 現代日本の名作 瀬沼茂樹編100
119 モスクワ・北京・文学の旅 岩上順一著120
120 幻想から現実へ 柳田謙十郎著100
121 心理学的人生論 戸川行男著100
122 女性のため人生論(上) 清水幾太郎著100
123 女性のため人生論(下) 清水幾太郎著100
124 憲法をつくる力とこわす力 鵜飼信成著100
125 名作をいかに読むか 山本健吉編100
126 読書のよろこび 久米井 束著100
127 思 春 期  牛島義友編110
128 青春の生理  宮本 忍著90
129 若き日の芸術家たち 瀬沼茂樹著100
130 青春の足跡  大室貞一郎著90
131 詩人の手帖  春山行夫著120
132 日本言論史  牛島俊作著100
133 新しい女性の教養 羽仁説子著100
134 生活の知恵  堀 秀彦著100
135 歴史を学ぶもののために 上原専禄他90
136 青春の条件  篠原正暎著100 
137 学生の生き方 真下信一著100
138 歴史の人気者 奈良本辰也編80
139 日 本 人   高木正孝著100
140 女性の風俗  吉田謙吉著100
141 劇場の青春  戸板康二著100
142 哲学の誕生  藤井茂夫著120
143 文学の源をたずねて 土方辰三著110
144 衣服の歴史 後藤守一著110
145 青年心理学入門 牛島義友著110
146 ドストエフースキイ読本 神西 清編100
147 資本論小辞典 資本論研究会編100 
148 愛の技術   ルメルル著/川崎竹一訳110
149 女の悲しみ  天野格之助著100
150 世界の歌曲集 中田一次/渡辺暁雄編90
151 眠られぬ夜のために 高見 順編120
152 不安の享楽  石田春夫著100
153 女性の秘密  ローズ著/万沢 遼訳110
154 新聖書物語  河上徹太郎著100
155 結婚教科書  ピカール著/川崎竹一訳120 
156 社会散歩   荒垣秀雄著100
157 人 間    玉岡 忍著130
158 ライバル物語 青地 晨著100
159 芥川龍之介読本 久保田正文編120
160   数学ボ・プーリ 矢野健太郎120
161   若き日の音楽 吉田秀和編100
162 ウィーン物語 津田正夫著110
163 性について  羽仁説子著90
164 十代の心理  南 博著110
165 河上肇随想録 天野敬太郎編120
166 愛と抵抗の遺書 V・M=ブルーン編/田中融二訳90
167 現代用語辞典 荒垣秀雄編100
168 言葉の今昔  新村 出著100
169 映画の中の女性像 真下信一/福田 淳100
170 現代経済学用語辞典 土屋 清編100
171 季節とからだ  杉 靖三郎著100
172 フロイド心理学入門 西川好夫著100
173 現代アメリカの思想 都留重人編
174 現代ソヴェト辞典 ソヴェト研究者協会編訳
175 現代のデザイン 勝見 勝120
176   職場の歴史    職場の歴史をつくる会編
177 志 願 囚   正木 亮著
178 恋愛教科書  ピカール著/川崎竹一訳110
179 街の言語学  大久保忠利著
180 禅と人生   山田霊林著 

 173番以下に、定価の記載がない書目があるが、おそらく、この段階で「近刊」だったものであろう。173番~180番の書目は、174番の『現代ソヴェト辞典』を除いて、国立国会図書館に架蔵されている。174番は、未刊に終わったのではないか。なお、176番『職場の歴史』の定価は、一二〇円である。

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河出書房「河出新書」のリスト1~90

2018-01-17 03:30:22 | コラムと名言

◎河出書房「河出新書」のリスト1~90

 本年元旦のブログで、鶴見俊輔の『大衆芸術』(一九五四年三月)という本を引用した。この本は、当時、河出書房から出ていた「河出新書」の一冊である。一九五七年(昭和三二)五月に発足した河出書房新社は、新書を出していなので、高齢者でない方の多くは、かつて、河出新書というものがあったことを、ご存じないであろう。そこで、本日は、河出新書のリストを紹介してみたい。
 以下は、『職場の歴史』〔教養176〕(一九五六年五月)の巻末にあった既刊「河出新書」の一覧である。それぞれ、番号・タイトル・編著者・定価の順になっている。

  河 出 新 書    B四〇判 一五〇頁~二〇〇頁
             定価各冊  八〇円~一二〇円

1 恋愛について 古谷綱武編100
2 青春の書簡  吉田精一編100
3 若き日の読書 瀬沼茂樹編100
4 若き日の思索 串田孫一著100
5 人生と思想  清水幾太郎著80
6 社会の見方  串田孫一著80
7 平和の探求  亀井勝一郎編100
8 若き日のために 武者小路実篤著80
9 理想的人間像 山本健吉編80
10 青春と革命  野間 宏編100
11 バレエを志す若い人たちへ オリガ・サファイヤ著100
12 音楽の鑑賞  吉田秀和編90
13 人間の生き方 福原麟太郎編90
14 新しい女性の生き方 羽仁説子著90
15 古典の智慧  田中美知太郎著90
16 芸術の教養  福田恆存編100
17 小説の鑑賞  臼井吉見編100
18 芸術への招待 矢内原伊作編100
19 十代の性 S・ロートン/J・アーチャー著100
20 結婚について 古谷綱武編90
21 言葉と心理  宮城音彌編100
22 愛と革命   野間 宏編100
23 青春の季節  野田宇太郎著100
24 暮しのことば 木下順一編100
25 舞台の誘惑  戸板康二著100
26 青春の生き方 古谷綱武著80
27 哲学思想の歩み 宮島 肇著100
28 恋愛・自然・人生 亀井勝一郎著90
29 現代詩読本  村野四郎著100
30 学生・友情・学問 中村 哲編90
31 美しい国語・正しい国字 武藤辰男編90
32 大衆芸術   鶴見俊輔著80
33 幸福の探求  河盛好蔵編90
34 若き女性への手紙 矢内原伊作著90
35 静かな日々  小堀杏奴著100
36 若き日の旅  井伏鱒二編100
37 学生と読書  瀬沼茂樹編100
38 青年と倫理  塩尻公明著90
39 逆立ちの世の中 花森安治著100
40 愛による思索 串田孫一著90
41 日本精神   モラエス著90
42 日本人の娯楽 南 博著100
43 十代の読書  熊谷 孝編100
44 随想百篇 風神帖 亀井勝一郎著100
45 現代詩の鑑賞 金子光晴著100
46 新しい性   平井 潔著90
47 愛と死の思索 亀井勝一郎編90
48 太宰治の手紙 小山 清編100
49 現代哲学読本 思想の科学研究会編100
50 女優への道  遠藤慎吾編100
51 人生の智慧  武者小路実篤著90
52 青春の歌曲集 吉田秀和/入野義郎編100
53 伊藤整氏の生活と意見 伊藤 整著120
54 文章読本   伊藤 整編100
55 国民文学と言語 竹内 好編90
56 若き日の生き方 宮本百合子著90
57 藤村名詩鑑賞 吉田精一著100
58 演劇の魅力  戸板康二著100
59 映画の見方  飯島 正編100
60 働く女性のために 古谷綱武著90  
61 文学的人生論 三島由紀夫著120
62 母の歴史   木下順二/鶴見和子編100
63 現代経済学入門(上) 中山伊智郎他著120
64 聖書入門   北森嘉蔵著80
65 外国拝見   門田 勲著100
66 軍備なき誇り 関口 泰著90
67 歴史家の散歩 高橋磌一著80
68 ことばの技術 大久保忠利著100
69 若き日の山  串田孫一著90
70 新しい感覚    宮城音彌編100
71 実存主義の文学 矢内原伊作著100
72 現代の心理    南 博著100
73 若き療養者への手紙 島村喜久治著90
74 ことばの四季 金田一春彦著100
75 生活の科学    沼畑金四郎著120
76 女性は翼をえた 菊池綾子著100
77 これが社会主義か G・H・コール著100
78 私の履歴書    大内兵衛著110
79 毛沢東  岩村三千夫著100
80 日本資本主義の研究(上) 大内・向坂/土屋・高橋著120
81 日本資本主義の研究(下) 大内・向坂/土屋・高橋著120
82 世界の合唱曲集 吉田秀和/入野義郎編100
83 女の歴史     松島栄一編120
84 現代哲学の流れ 宮島 肇100
85 感傷組曲     串田孫一著100
86 生活の中にある教養 福原麟太郎著120
87 風流奇談     渡辺紳一郎著100
88 ロマン・ロラン読本 ロマン・ロラン協会編100
89 旅の四季   戸塚文子著100
90 永遠の女性  中野好夫編120   【以下、次回】

 リストには、一八〇件の書名が挙げられていたので、以上で、ちょうど半分である。
 見たところ、若い読者を啓蒙するような本が中心のようである。今日、すでに、その使命を終えた本がある一方で、今日なお、読まれてよいような本も見受けられる。鶴見俊輔著『大衆芸術』、モラエス著『日本精神』、北森嘉蔵著『聖書入門』などは、今日なお、読むに値する本と言ってよいだろう。戸板康二著『舞台の誘惑』、村野四郎著『現代詩読本』、花森安治著『逆立ちの世の中』、金子光晴著『現代詩の鑑賞』、伊藤整著『伊藤整氏の生活と意見』、三島由紀夫著『文学的人生論』などは、著者・書名から見た限りではあるが、今日こそ、読み直されるべき本ではないのか。

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