風吹く豆腐屋

内容はいろいろ。不定期更新中。

自己犠牲

2008-02-12 20:28:04 | Weblog
昼、弁当を学館で帰って講義室へ帰る途中、
午前中に特別講義講で話された先生と教室の先生3人とすれ違いました。

無意識のうちにどこか隠れる場所を探している自分に気がつきました。

・・・さすがにこれは酷いなぁ。


昨日の係り会引継ぎコンパの二次会が始まってから
翌日…つまり今日の1限に小テストがあることに気づきました。

今更帰る気にもならなかったので、解散するまで普通に過ごし、
帰ってから頑張りました。

幸いにして範囲も少なく、何とかなった…とは思うんですが、
ただでさえ手強いスイマがさらに強力に変貌し―・・・。




午後、実習の待ち時間にNHKスペシャルのビデオを見ました。
いち早く新型ウィルス(SARSウィルス)の存在に気づき、
命を懸けてそれに対処したイタリア人医師、カルロ・ウルバニ氏のドキュメンタリー。

ベトナムで世界で始めてSARSを新興感染症と特定し、
感染防止体制の強化に努めた人です。


その人の存在はテレビで見て知ってはいましたが、
結構前の話だし、当時は何の知識もなかったので、
新鮮でもあり興味深くもありました。


ウルバニ医師は「患者に寄り添うこと」をポリシーとする医者でした。

それは行動にも表れ、
致死的な肺炎が病院内でも蔓延して
感染を恐れて逃げ出す医療従事者まで出る中、
彼は重度の肺炎に苦しむ患者のそばにずっとついていたそうです。

妻やWHOの職員がそんなリスクを冒すな、と忠告したにも関わらず。

そして、皮肉にも、そうして患者に近づきすぎたがために自らも感染し、亡くなります。


成し遂げたことは本当に素晴らしいと思います。
彼が命を賭したおかげで、
感染が世界に広がることなく収束を見たのだと思います。



だけど、どうしてもすっきりしないことがひとつだけあります。

SARSに感染した最初の患者は、
より高度な医療が期待できる香港の病院への搬送を希望しました。
それに対し、彼は感染の拡大を恐れて大反対しています。
(結局、その患者は香港に行きましたが…)

一方、後に彼は自分の感染を疑いつつもタイへ渡っています。
理由は、wikiでは「会議出席のため」となっていましたが、
患者の隔離を行っているときに、
感染しているかもしれない自分が海外へ渡る、というのはどうも解せません。

その番組を見た感じだと、治療の場を求めていたんじゃないかと思わざるを得ませんでした。
つまり、最初のSARS患者と同じように―。
実際、「会議目的で」行ったのに、タイの空港に着くや否やすぐに病院へ搬送されています。


そのことについて、彼は後悔していたみたいです。

「私はタイの医療従事者に感染させるためにここへ来たのか…」と
治療に当たっていた医師に言ったのだとか。


真相は分からないけれど、少なくとも公衆衛生学的に間違った行いなのは確実です。
だけど僕には、それを間違いと言い切ってしまうことは出来ません。


自己犠牲。


それは、将来悩み続けるテーマじゃないかと思っています。