今年のプロ野球日本シリーズは、もう一つ盛り上がりにかけていましたが、それでも終わってみれば、今年のプロ野球も全て終わったんだなあという寂寥感のようなものを感じます。
ところで、プロに限らず、野球を見ていると、いや、野球に限らず、多くのスポーツを見ていると、子供たちの勉強にも参考になるところが実に沢山あるものだなあという気がします。
別に、スポーツを見て子供にこれを参考にして頑張れ、などといったお約束事のようなことをいうのではありません。
言いたいことは、「勉強の仕方」、或いは「させ方」です。
野球のことから書きましたので、これを例に書きますが、このスポーツについて、巨人軍の終身名誉監督の長嶋茂雄氏が、「間合いのスポーツ」と表現しています。
ここでいう間合いとは、局面に応じて選手個人、或いはベンチを含めたチーム全員が、「そのとき自分(達)は何をすべきであるか、を考えてから行動(プレー)に移すということだろうと思います。
私は、これをもっと狭い意味で考えることもあります。
そこでは、監督個人の意志決定或いはその結果下される決断や命令・指示がことのほか重要な鍵になるのではないかということです。
監督は、「今やるべきことは何か」を決定し、その上で選手にそれを実行することを要求します。
そして、その結果が上手くいった時、そこで賞賛される大部分は選手個人の側にあって、これを指示した側は日陰に回っています。
その時々で何をすべきかを考え、指示すること。
子供の勉強の面では、特に、子供が正確な判断力に欠けるときには、大人が責任を持ってその方法を考え、的確に指示を下すことがなにより大事です。
勿論、子ども自身がそれを考え、試行錯誤して正解に至るという過程を辿らせることも大切ですが、野球の例で言えば、技量の備わった一人前の選手であっても、そこにはやはり指示が必要なこともあるのであって、そういうときに的確な指示を出せるだけのものをその立場の人間が備えていることが必要であることはいささかも変わりません。