「うちの子は、口ばっかり達者で、ちっとも親の言う事を聞かない」とこぼす方がいます。
それは困りましたね、しかし、こぼす前に喜んでください。
なぜなら口が達者というのは頭がよい証拠なのですから。
あなたを言い負かすくらい理屈の通った話しができるのですから、おそらく学校でも周囲から一目おかれている存在だと思いますよ。
「ペンは剣よりも強し」というように、言葉の力はとても大きいのです。
話し言葉、書き言葉の違いがあっても作文能力というのは何千、何万という単語の意味を理解し、その単語を使って自分の意思の伝えるという一種の技術力なのです。
一方、聞く力、読む力というのは相手の言わんとする論点を的確に把握し、理解する力です。
そしてこれらが本当の国語力なのです。
「うちの子は、算数が心配です。計算問題は何とかできるのですが、文章題が苦手で・・・」という方がいます。
こういう場合、国語の成績を聞きます。
もし国語の成績がよければ、「ご心配ありません」と答えることにしています。
なぜなら論理的な思考を求められるのは国語も算数も同じだからです。
国語はよくできるのに、算数の成績が悪いのは、先生が嫌いとか、単に勉強時間が足りないとか、きっと他に原因があると思いますよ。
国語のできる子=文系、算数のできる子=理系、という固定観念を持っていませんか。
「縦書き」と「横書き」というイメージの違いがあっても国語も算数も論理的な思考が欠かせません。
ですから頭のよい子は国語も算数も得意の筈です。
むしろ国語の力が算数の力を養うと言えるかも知れません。
国語力がついてくると文章題もできるようになると思いますよ。
もっとも、減らず口を叩いて言う事を聞かない子には、国語の力、算数の力という前に、人間としての「躾け」をしなければなりませんが・・・。