イジメの問題

2012-08-11 08:51:06 | 学習塾・勉強の仕方

この欄を用いてあれこれと情報を発信していると、それに対してメールでお問い合わせしてこられる方があり、そこで当会が「個別指導塾」であり事ゆえでしょうか、かなり個別具体的なご相談が折り込まれていることがあります。

それらは必ずしも学習に直接関わるものばかりではなく、今各方面で色々と話題になっているイジメの問題や不登校のことなどについて、現在その真っ只中に子供がいるのですが、どのように対処したらよいでしょうか、などの緊急性を帯びたものも少なくありません。

それらの中で特に気になることが幾つかあって、一つには、イジメなどが実際に行われている学校現場で必ずし関係者や当事者間の意志の疎通ができていないなと感じること、そしてもう一つは、たとえそういうことが機能していても、例えばイジメを受けている側なりの原因追求のようなものがなおざりになっているのではないかという気がすることです。

特に後者については、最近こんなことがありました。

ある中学生の保護者(母親)からのメール相談で、子供が学校でいじめに遭っているらしいという訴えをされました。

予断を挟まないよう慎重に話を聞いていましたが、保護者の方の話からは、子供の周囲のほぼ全員から同じような扱いを受けているのだという、そんな様子が分かりました。

普通、全ての人間が肩を並べてイジメに加担することは珍しく、そこにはたとえ少数であっても味方或いはせめて「無関心派」はいるものです。

しかし、このケースではそういった人は一人もおらず、全てが敵であるとさえ言う。

ですから、この場合考えられることは、イジメを受けている子供の側に余程そうされる何かがあるのではないかという疑いと、もうひとつは、保護者の方が状況を過敏に受け止めていしまっているのではないかということです。

結論から言いますと、このケースはこれら両方の要素がミックスされたものでした。

これは、「イジメを受ける側にも責任がある」というのではありません。

そうではなくて、人間関係の中においては、一方だけに全てが架かることは実は極めて稀なことであって、大抵は相互に関連しながら物事が進んでいくのだという現実があるということです。

この場合では、子供の個性として「何につけても独断先行」、「他人に対して無用なまでに攻撃的或いは批判的」であることに加え、子供の世界においてさえ最低限度必要な言葉遣いやマナーなどが著しく欠けた態度などが日常繰り返されているらしいことが挙げられます。

これをする子供がそうした姿勢を貫きたいならそうすればよいのであって、しかしそういう接し方をされる相手側にも(イジメで仕返しするのはもってのほかですが)、最低限これを不快に思う権利はあるのではないでしょうか。

そして、より深い問題は、そうした現状を認めていまがら、その子供も保護者の方も、「そうさせたのは全て周りの人間」「自分には一切省みるべきことはない」という、いわば唯我独尊的姿勢が言葉のあちこちから滲み出ていることです。

イジメはたしかにこれをする側に大きな責任がありますが、しかしそれはそのままこれをされる側の全ての自省を免除するものではない思います。

この件で言えば、このあたりを頭の隅においた上で次の具体的なアクションを起すべきであって、それ抜きに、或いはそれをしないでただ一方的に「ウチは被害者。何から何まで周りが悪い」と言い張ることからは多分何も生まれないのではないだろうかと思い、そのような趣旨のことを申し上げました。

皆さんはどうお感じになるでしょうか?

 


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