メディアジャックによる情報操作とか世論操作というのは、斯くの如く行われるのでしょうか。「今更そんな事は言わずもがな」と、頭では分かったつもりでいたものの、それでも現物を目の当たりにすると、改めてその恐ろしさを身に染みて感じています。何の事かと言うと、この間の一連の北朝鮮ミサイル騒動についてです。
私は、4月5日に同騒動についてのエントリーを書き上げた時点では、まだ「世論は逆に意外な程冷めている」という評価に止まっていました。それが、5日に北朝鮮が「飛翔体」を発射した後の、翌6日付全国紙4紙の朝刊第1面が、下記の如く「横並び」状態を呈するとは、私の想像を遥かに超えるものがあります(左上から右下に、順に朝日・毎日・産経・読売)。
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取り上げているニュースの扱いや視点が、4紙とも「似たり寄ったり」であるのみならず、記事のレイアウト・見出し・構図までが、似通っています。朝日・毎日の記事が他の2紙と比べて「衛星打ち上げ失敗」を強調しているきらいはあるものの、それ以外は殆ど同じです。
確かに、北朝鮮は日本の周辺国で、過去には日本が植民地支配した地域でもあり、また拉致問題などについても未解決なので、4紙とも取り上げても、何ら不思議ではないかも知れません。また、時事通信あたりの配信記事を、4紙とも、そのまま載せているのかも知れません。しかし、こうも「似たり寄ったり」の紙面になるものでしょうか。
しかも面白いのは、6日にこれだけ大きく取り上げたニュースを、翌7日には早速、下記の如く、京都・舞鶴での女子高生殺害事件の容疑者逮捕のニュースに切り替えて、こちらも判で押したように、「似たり寄ったり」の紙面構成で取り上げている事です(記事の並び順は、先の北朝鮮ミサイルの場合と同じ)。
あれだけ大騒ぎしておきながら、ミサイルを発射した途端に、もう別の記事に差し替えて、同じニュースを同じ様に取り上げて。北朝鮮の問題は、決して拉致やミサイルだけではないのにも関わらず。
この中の、毎日については、実は朝刊ではなく夕刊の第1面なのですが、それでも「容疑者逮捕か」という予測記事から「逮捕」確定の記事に代わっただけで、「横並び」の報道姿勢については、何ら変わりありません。
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この様に、恰も「世論はこうあるべきだ」といった想定の下に、権力にとって都合の良い、判で押したように加工・編集された情報ばかり、一方的に流されて。次の日には、また別の、同じ様に編集された情報を流されて。
そうして、北朝鮮の問題について言えば、脱北者支援関係者の間ですら麻生内閣の今回の「強硬姿勢」については異論がある事や、ミサイル防衛システムによる軍需利権や税負担の問題、11人の政府認定拉致被害者以外の特定失踪者の存在や、帰国事業の暗部などの、権力にとっては必ずしも都合の良いとは言えない情報は、きっちり人の目に付かない所に隠蔽されるのです。
そもそも、それ以前の問題として、今回の「飛翔体」がミサイルか人工衛星かすら分かっていない段階で、幾ら制裁だの何だのと声を張り上げても、傍から見れば「裸の王様」にしか映りません。
それは、その翌日の、舞鶴の女子高生殺害事件容疑者逮捕のニュースにしても、同じ事が言えます。未だ容疑者の段階であるにも関わらず、逮捕情報が事前に警察からマスコミにリークされる事の妥当性や、現代よりも戦前や戦後一時期の方が遥かに凶悪犯罪の発生率も高く検挙率も低かった事は、ことさら無視されて、徒に治安不安を煽るかの様な情報ばかりが流されています。こんな報道を幾ら流されても、世論は煽られるばかりで、真摯な議論が深まる筈がないのです。
「朝日・毎日は左寄りで、産経・読売は右寄り」という事が、よく引き合いに出されます。確かに、細かい点については、色々と違いがあるのは事実です。例えば、個別事例では、田母神・元幕僚長の書いた論文に対する取り上げ方で、産経と他の3紙とでは、明らかに立場の違いが認められる、などの場合もあります。しかし、それ以外のケースについては、取り上げられているニュースの内容も取り上げられ方も、殆ど同じだと、私は思います。
先にも書いた様に、「そういう事ぐらい、一々言われなくても知っている」と、私も今まで思っていましたが、こうして実際に見比べて見ると、改めてそれがよく分かりました。
そりゃあ、これだけ画一的な情報の流され方をされたら、麻生内閣の姿勢が全然変わっていないにも関わらず、先の小沢献金問題や今回のミサイル騒動だけで、内閣支持率が10ポイント近く上昇するのも、無理ないですわ。それでも、依然として7割以上の世論が不支持を決め込んでいる、という点も、決して過小評価されるべきではないとは思いますが。
私は、4月5日に同騒動についてのエントリーを書き上げた時点では、まだ「世論は逆に意外な程冷めている」という評価に止まっていました。それが、5日に北朝鮮が「飛翔体」を発射した後の、翌6日付全国紙4紙の朝刊第1面が、下記の如く「横並び」状態を呈するとは、私の想像を遥かに超えるものがあります(左上から右下に、順に朝日・毎日・産経・読売)。
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取り上げているニュースの扱いや視点が、4紙とも「似たり寄ったり」であるのみならず、記事のレイアウト・見出し・構図までが、似通っています。朝日・毎日の記事が他の2紙と比べて「衛星打ち上げ失敗」を強調しているきらいはあるものの、それ以外は殆ど同じです。
確かに、北朝鮮は日本の周辺国で、過去には日本が植民地支配した地域でもあり、また拉致問題などについても未解決なので、4紙とも取り上げても、何ら不思議ではないかも知れません。また、時事通信あたりの配信記事を、4紙とも、そのまま載せているのかも知れません。しかし、こうも「似たり寄ったり」の紙面になるものでしょうか。
しかも面白いのは、6日にこれだけ大きく取り上げたニュースを、翌7日には早速、下記の如く、京都・舞鶴での女子高生殺害事件の容疑者逮捕のニュースに切り替えて、こちらも判で押したように、「似たり寄ったり」の紙面構成で取り上げている事です(記事の並び順は、先の北朝鮮ミサイルの場合と同じ)。
あれだけ大騒ぎしておきながら、ミサイルを発射した途端に、もう別の記事に差し替えて、同じニュースを同じ様に取り上げて。北朝鮮の問題は、決して拉致やミサイルだけではないのにも関わらず。
この中の、毎日については、実は朝刊ではなく夕刊の第1面なのですが、それでも「容疑者逮捕か」という予測記事から「逮捕」確定の記事に代わっただけで、「横並び」の報道姿勢については、何ら変わりありません。
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この様に、恰も「世論はこうあるべきだ」といった想定の下に、権力にとって都合の良い、判で押したように加工・編集された情報ばかり、一方的に流されて。次の日には、また別の、同じ様に編集された情報を流されて。
そうして、北朝鮮の問題について言えば、脱北者支援関係者の間ですら麻生内閣の今回の「強硬姿勢」については異論がある事や、ミサイル防衛システムによる軍需利権や税負担の問題、11人の政府認定拉致被害者以外の特定失踪者の存在や、帰国事業の暗部などの、権力にとっては必ずしも都合の良いとは言えない情報は、きっちり人の目に付かない所に隠蔽されるのです。
そもそも、それ以前の問題として、今回の「飛翔体」がミサイルか人工衛星かすら分かっていない段階で、幾ら制裁だの何だのと声を張り上げても、傍から見れば「裸の王様」にしか映りません。
それは、その翌日の、舞鶴の女子高生殺害事件容疑者逮捕のニュースにしても、同じ事が言えます。未だ容疑者の段階であるにも関わらず、逮捕情報が事前に警察からマスコミにリークされる事の妥当性や、現代よりも戦前や戦後一時期の方が遥かに凶悪犯罪の発生率も高く検挙率も低かった事は、ことさら無視されて、徒に治安不安を煽るかの様な情報ばかりが流されています。こんな報道を幾ら流されても、世論は煽られるばかりで、真摯な議論が深まる筈がないのです。
「朝日・毎日は左寄りで、産経・読売は右寄り」という事が、よく引き合いに出されます。確かに、細かい点については、色々と違いがあるのは事実です。例えば、個別事例では、田母神・元幕僚長の書いた論文に対する取り上げ方で、産経と他の3紙とでは、明らかに立場の違いが認められる、などの場合もあります。しかし、それ以外のケースについては、取り上げられているニュースの内容も取り上げられ方も、殆ど同じだと、私は思います。
先にも書いた様に、「そういう事ぐらい、一々言われなくても知っている」と、私も今まで思っていましたが、こうして実際に見比べて見ると、改めてそれがよく分かりました。
そりゃあ、これだけ画一的な情報の流され方をされたら、麻生内閣の姿勢が全然変わっていないにも関わらず、先の小沢献金問題や今回のミサイル騒動だけで、内閣支持率が10ポイント近く上昇するのも、無理ないですわ。それでも、依然として7割以上の世論が不支持を決め込んでいる、という点も、決して過小評価されるべきではないとは思いますが。