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嵐電の桜&鉄道ウォッチ

2009年04月13日 06時21分19秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ
 前回エントリーで、バイト先の桜の話題を取り上げたら、無性に桜を見に行きたくなりました。しかし、ただ桜を見に行くだけではつまらない。やはり「鉄ちゃん」としては、「鉄道+桜」でなくては物足りない。そこで、インターネットで幾つかピックアップした中で、最終的に京都・嵐電(らんでん)の「桜のトンネル」に行く事にしました。

 嵐電というのは京福電鉄の愛称です。この会社は、元々は嵐山への観光・参詣客輸送を目的に、明治時代に開業した「嵐山電気軌道」という名のチンチン電車が母体で、愛称もそれに由来しています。それが、ほどなく京都電灯という電力会社の傘下に入る事で、電力供給先として福井県にも路線網を広げていく事になりました。「京福」電鉄という社名の由来もそこから来ています。第二次大戦中の戦時統合によって、今の電力会社数社による寡占状態が生まれる前は、こういう全国各地の電力会社によって、都市に電気が供給され、一部には私鉄経営も担われていたのです。

 こうして京福電鉄は、一時期は嵐電以外にも、京都では鞍馬線・叡山(えいざん)本線、福井県内にも越前本線・三国芦原線などの鉄道路線を有していました。しかし、その後は紆余曲折を経て、前者は叡山電鉄として、後者は第三セクターのえちぜん鉄道として、いずれも再び京福の手を離れ、今は昔の嵐電の区間(嵐山本線・北野線)だけで鉄道を運行するに至っています。

 それなら、社名も旧称に復して愛称とのミスマッチを是正したらというのが、誰しも考える事なのでしょうが、さにあらず。鉄道部門こそ、それぞれ独立したものの、叡山ケーブル・福井バスや、果ては三国競艇に至るまで、他部門では依然として京福電鉄が経営を担っているのです。そういう意味では、現社名でも、それなりに実態を反映しているのでは、という事も言えるのでは。

 京福電鉄の鉄道路線図は、記事冒頭写真の「嵐電一日フリー切符」の記載を参照して下さい。四条大宮から嵐山までの路線が嵐山本線で、途中の帷子ノ辻(かたびらのつじ)から分かれて北野白梅町まで走っているのが、支線の北野線です。
 フリー切符にも記載されているように、古都故に歴史由来の地名が多い関係で、難読駅名も多く存在します。中には西院(さいいん:阪急/さい:京福)の様に、同じ漢字の乗換駅でありながら、読み方の違うものもあります。

 ではその路線網に沿って、下記写真の説明をしていきます。今回も各写真に通し番号を添付した上で、当日の足取り順に沿っての説明となります。また、ただ桜を見に行ってきただけでなく、「鉄オタ・プレカリアート」の視点から、感じたままに、色々と批評を加えさせて貰いました。
 
  
  
  
  
  
   
  

(1)西大路三条から蚕ノ社(かいこのやしろ)までの併用区間(道路上を走る)。かつての京都市電も、この様にして走っていたのでしょうか。

(2)北野線、鳴滝・宇多野間にある通称「桜のトンネル」。HPで見る限りでは、恰も桜並木が延々と続いている様に見えますが、実際は僅か200m程の区間でしかない。そこに当日も子供・女性を入れて10人位のパパラッチが、押し合いへし合い写真を撮るものだから、なかなか良いアングルを狙えませんでした。そもそも、携帯なんかで写真を撮っているのは私ぐらいのもので、中には三脚まで持ち込んで本格的に撮っている人もいました。

(3)やっと撮れたワンシーン。当該地点は土手上の緩いカーブの単線区間で、左右交互に電車がやって来ます。電車の接近音に耳をそばだてての撮影となりました。

(4)車両の最後尾から当該区間を撮りました。

(5)「近畿の駅百選」にも選ばれた御室仁和寺(おむろにんなじ)駅。駅名表示は、改称前の御室のままです。世界文化遺産・仁和寺の最寄駅で、多くの観光客が乗降し、臨時改札が設けられていました。

(6)その御室仁和寺駅名で売られていた京福電鉄直営のバーガーショップ。既に昼食は済ませていたのですが、物は試しにと、ここで抹茶入り豚饅もついでに買いました。味はまあまあでしたが、何か、銚子電鉄の濡れ煎餅ブームを上辺だけ真似た感じで、少々インパクトには欠けます。外人観光客も多く、彼の人たちの口にも合うものを、という事で、勢いこの様なメニューになるのも分からなくはないのですが・・・。

(7)嵐山駅のプラットホームに開設されていた足湯。ものすごく賑わっていました。

(8)足湯には売店も併設されており、私はそこで250円の抹茶アイスクリームを買ったのですが。値段の割には量が少な過ぎる!何せカップの大きさがミニスプーン位しか無いのだから。如何にも「ただ売れれば良い」という感じで、一遍に興ざめしてしまいました。

(9)・(10)御室の直営バーガーショップや、足湯で売っていた抹茶アイスの時にも感じたのですが、経営姿勢が何か「中途半端」なのです。
 その一例が、この車両編成にも現れています。折角レトロ電車と銘打っておきながら、実際にレトロなのはニ両目(9)だけで、一両目(10)は通常車両。これではインパクトも半減。そして、会社HPに公開された財務諸表を見ても、決して経営に窮している訳ではないのに、未だにパンタグラフではなく、ピューゲルで電車を走らせているという点も、非常に気になりました。

 これは、以前の阪堺線の取材の時にも感じた事ですが、会社として「進取の気性」に少々欠ける所があるのでは、という気がしてならないのです。
 勿論、嵐山駅の足湯や「はんなり・ほっこりステーション」、レンタサイクルなどの好調に推移している看板事業や、地下鉄東西線延伸に伴う新駅設置(嵐電天神川)、多分に集客を意識した駅名改称(御室→御室仁和寺、太秦→太秦広隆寺)などの、それなりの積極策にも打って出てはいるのですが・・・。それらを支える「百年の大計・ビジョン」が一向に見えて来ないので、折角のそれらの策にも、逆に彌縫策に汲々としているかの印象すら感じてしまいます。

(11)当日午後の、四条大宮発嵐山行き(嵐山本線)電車ニ両目車内の様子。一両目はもっと混雑していた様に思います。

(12)同日午後の、北野白梅町発帷子ノ辻行き(北野線)電車一両目車内の様子。この時はまだこの程度の混雑で収まっていたのですが、この後、御室仁和寺駅からは多くの行楽・観光客が乗り込んできて、一気にラッシュアワー状態に。もはや単線では輸送力に限界があるのでは。

(13)その北野線と比べると、嵐山本線は一応、全線複線なのですが、鉄道設備が全然更新されていないのが、非常に気になります。写真でも明らかな様に、直接吊架式の「ヘロヘロ一本架線」と、木製架線柱というイデタチなのですが、これではまるで、銚子電鉄やかつての野上電鉄と同水準ではないかと。それに、集電装置も未だにピューゲルというのも(70年代の古い雑誌写真を見たら未だポールだった)。今日び、銚子電鉄ですらパンタグラフに更新済だというのに。
 寧ろ北野線の方が、単線で架線の磨耗が激しい分、架線は嵐山線の様な「ヘロヘロ一本架線」ではなく、一応シンプル・カテナリー方式(パンタグラフが接触するトロリー線と吊架線の二重構造)に更新されてはいましたが。

 しかし、行楽多客期と閑散期の乗客変動を考慮に入れても、北野線が未だに単線という所に、そもそも無理があるのではないでしょうか。
 だから、折角の北野白梅町から嵐山まで直通ダイヤを組むなどの融通性のある対応も、GWなどの期間限定で終わってしまい、日常的な取り組みにはなっていないのでは。勿論、その為には、乗換駅である帷子ノ辻駅の配線改良・駅設備のリニューアルや、手狭な西院車庫の拡張にも、早晩着手していかなければいけないと思います。
 何故、それらの設備投資や更新が、今まで放置されていたのか、素朴に疑問に思います。公開財務諸表で見る限り、決して、銚子電鉄の様な青息吐息の経営状態ではなく、内部留保もそれなりに在り、少なくとも、設備投資資金が全く捻出できない様な状態では無いと思うのですが。

(14)この後、嵯峨野トロッコ列車にも乗ろうと行ったのですが、既に2時間後はで切符(指定席)は全て売り切れとなっていました。そこで已む無く撮ってきたのが、トロッコ嵯峨駅で展示していた、縮尺1/20での現物トラック列車の模型。トロッコ列車に乗るには、特に多客期の休日には、絶対に予約が必要だと、身に染みて感じました。 

(参考資料) 
・京福電鉄(嵐電)公式サイト
 京阪電鉄グループの大証二部上場会社です。財務状況を見る限りでは、設備投資の余地も充分にあると思います。
 http://www.keifuku.co.jp/
・京福電気鉄道の駅(全駅)
 「鉄道雑学研究所」サイトの収録ページです。数年前の資料なので、一部の駅名は旧称のままですが、西院車庫の様子や「踏切信号機」の説明をはじめ、沿線施設が詳細に渡って紹介されています。私のつたないルポなぞ、足元にも及びません。
 http://ku-gyou.net/shitetsu/eki-rd.html
コメント (2)
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