豚(A型・新型)インフルエンザ流行のニュースが報じられ始めた頃、職場で仕事の合間に、仲間と冗談半分で、「北朝鮮ミサイル騒動の次にメディアジャックされるのは、多分この話題だろう」と、言い合っていたものでした。確かに、自分の足で取材せず、自分の頭でモノを考える事もせずに、ただひたすら右へ倣えの番記者報道に徹して、楽して視聴率を稼ぐには、打ってつけの話題でしたから。そして、実際にその通りになってしまいました。
・新型インフルエンザ発表、「大臣が“突っ走った”」と横浜市長が桝添批判!(情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊))
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/5e1b6453ec7ddddfa933e12f6fd95c15
・海外メディアがswine(豚)fluと言っているのに、新型インフルエンザと呼び名変更し不安を煽り政局に悪用する自公政権。(雑談日記(徒然なるままに、。))
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2009/05/swineflu-59c9.html
・舛添大臣に各方面から批判が集中(きっこのブログ)
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2009/05/post-6a32.html
・豚インフルエンザ 備えておくこと、忘れてはいけないこと(お玉おばさんでもわかる 政治のお話)
http://potthi.blog107.fc2.com/blog-entry-642.html
その時も確か、「うがいやマスクぐらいなら、まあ我々貧乏人でも用意できる、早期受診もなるべく心がけるとしよう、しかし、それ以上の備蓄やら何やらまで言われても、そんな事まで手が回らない」「病気にかかったからと言っても、簡単には休めない多くのサラリーマンや、保険料の支払いはおろか、日々の食費にすら汲々としている失業者・低所得者にとっては、こんな説教を幾らされても、何の意味も無い」「そもそも、派遣切りや入院・介護制限、生活保護切捨てで、国民をここまで食うや食わずの生活に追い込んでおきながら、何を今頃になって”いい子”ぶっているのか」と、愚痴をこぼしていましたっけ。
「インフルエンザ対策についても、政府やマスコミは、とかく防災・治安の観点でしか物を考えないが、食生活や労働環境の問題を解決しない限り、本当の予防なんて出来ないじゃないか」と、心の中で思っていましたから。
そうしたら、やっはり、こんなニュースが出てきました。
・【新型インフル】発生源は南部養豚場?メキシコ政府は否定(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090428/amr0904282315017-n1.htm
・〔豚インフルエンザ〕発生源?の養豚場は衛生状態が最悪 (低気温のエクスタシーbyはなゆー)
http://alcyone.seesaa.net/article/118329633.html
・豚インフルエンザ、メキシコの社会的危機を深める(マスコミに載らない海外記事)
http://eigokiji.justblog.jp/blog/2009/05/post-125b.html
・世界の流れは食糧主権と家族農業/日本・メキシコ自由貿易協定(農民連)
http://www.nouminren.ne.jp/dat/200310/2003101306.htm#01
・月刊「養豚情報」’08年2月号所収、米国スミスフィールド社と住商フーズの業務提携契約記事
http://www.keiran-niku.co.jp/youton-br08.html
・豚インフルエンザと、より貧しい国へ大規模な養鶏・養豚場が進出していったこと(とむ丸の夢)
http://pokoapokotom.blog79.fc2.com/blog-entry-1093.html
今回の豚インフルエンザ・ウイルスの、最初の発生源と目されている、メキシコ・ベラクルス州の山村ラグロリアにある、米系大手資本スミス・フィールドの子会社が経営する巨大養豚場の実態が、実は糞尿垂れ流し、不衛生な処理、抗生物質・遺伝子組み換え飼料使いまくりの公害企業で、次に病原菌変異による奇病が発生するのは此処ではないかと、現地では以前から問題視されていた、との話です。記事冒頭の写真は、地元メディアが撮影したものの一部ですが、糞尿が何の下水処理もされないまま、池に垂れ流しされているのがよく分かります。
米国の食肉加工業といえば、昔も今も、典型的な3K業種で、食い詰めて流れ込んできた不法移民の足元を見透かして、最低賃金以下の待遇で、「蟹工船」さながらの働かせ方をさせているのでしょう。働く環境も最悪で、糞尿も垂れ流しで。そういう実態が、後にやがて世論の指弾を浴びるようになり、今までの様な大っぴらな形では、本国で操業出来なくなった企業が、今や米国の事実上の経済植民地と化してしまったメキシコに進出し、労働・環境問題を拡大再生産してしまっているというのが、インフルエンザ発生の経済的背景としてあるのでしょう。
だから、本当は豚インフルエンザでもA型インフルエンザでもなく、北米インフルエンザ・NAFTA(注)インフルエンザと呼ぶべきだ、という意見もある位です。
(注)NAFTA:北米自由貿易協定(North American Free Trade Agreement)の略称。米国・カナダ・メキシコの3国で締結され、1994年に発効。域内貿易関税の99%撤廃(金額ベース)などが謳われている。
http://www.weblio.jp/content/NAFTA
しかも、そういう形で作られたミートを、スミス・フィールドと独占販売契約を結んだ住友商事の系列会社が、10年以上も前から米国から日本に輸入し、外食産業やスーパー・コンビニに卸し続けていたと、言うではありませんか。
業界紙では、それをさも画期的事業であるかの様に、自画自賛していますが、何をか況やです。幾らトレーサビリティ(流通履歴確認)やHACCP(ハサップ、重要管理点管理)の手法を導入した所で、当のチェックする側が雪印・不二家や三笠フーズみたいな企業だったら、ザルも同然です。ISO認証という形で、日々のチェックは企業任せになっているので、企業の自浄努力が働かない場合は、逆に、とことんまで暴走してしまう危険性があるのにも関わらず。
日本のマスコミは、こういう問題には一切触れる事無く、楽して視聴率稼ぎに走れる番記者報道に、のめり込んで行っているのです。だから、例えばアフリカのエイズ禍の問題なども、本当はインフルエンザ以上に深刻な問題であるにも関わらず、飛沫感染の心配が殆ど無い(直接関わり合いにならなくても済む=視聴率が稼げない)ので、取り上げようとはしないのでしょう。
エイズ禍の問題も、発端は確かにサル・エイズ・ウイルスの突然変異による感染問題ですが、その裏には、往年の植民地支配に伴う経済・社会構造の歪みや、それを背景に持つ部族紛争・内戦の頻発、それに介入する大国や、暗躍する死の商人、開発に伴う環境破壊の影響が、絶対にある筈です。その結果、当該国民の半数以上がエイズ保菌者となってしまい、地域社会や国家が崩壊の瀬戸際にまで追い詰められているというのに。
豚インフルエンザの脅威が「国家の危機である」と言う以上は、当然エイズ禍の問題も同程度に取り上げなければ、釣り合いが取れません。しかし、そこまで問題を掘り下げて行くと、当然自分たちの国や企業との、それまでの関わり合いも、取り上げざるを得なくなります。
しかし、それでは、下手をすれば「虎の尾を踏む」事にも為りかねません。だから、ひたすら無視するか、若し取り上げる事があっても、「あれはアフリカ・メキシコ・中国・・・の問題で、自分たちとは無関係なのだ」「自分たちは”先進国”の国民として、哀れな”後進国”の体たらくを批判しておれば、それで良いのだ」という報道になるのでしょう。
それで、外国の報道や政府の発表を、そのまま垂れ流すだけの報道が巷にあふれ、政府・与党による点数稼ぎや右往左往に、否応なく巻き込まれる形になってしまっている、国民こそいい迷惑です。
確かに予防は必要です。うがいをし、必要と在らばマスクもしましょう。しかし、それ以上の、心置きなく仕事を休め、お金の心配なぞせずに必要な治療が受けられ、充分な食事や睡眠が取れるようにする事や、どこの国の国民も、低賃金で不衛生な職場で働かなくても良い様に、貧困・格差の問題を解決していくのは、これは政治の責任です。それを抜きにして、やれ「危機管理が為って無い」だの何だのと、偉そうに言う資格が、今の麻生首相や桝添厚労相に在るとは、到底思えません。
・新型インフルエンザ発表、「大臣が“突っ走った”」と横浜市長が桝添批判!(情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊))
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/5e1b6453ec7ddddfa933e12f6fd95c15
・海外メディアがswine(豚)fluと言っているのに、新型インフルエンザと呼び名変更し不安を煽り政局に悪用する自公政権。(雑談日記(徒然なるままに、。))
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2009/05/swineflu-59c9.html
・舛添大臣に各方面から批判が集中(きっこのブログ)
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2009/05/post-6a32.html
・豚インフルエンザ 備えておくこと、忘れてはいけないこと(お玉おばさんでもわかる 政治のお話)
http://potthi.blog107.fc2.com/blog-entry-642.html
その時も確か、「うがいやマスクぐらいなら、まあ我々貧乏人でも用意できる、早期受診もなるべく心がけるとしよう、しかし、それ以上の備蓄やら何やらまで言われても、そんな事まで手が回らない」「病気にかかったからと言っても、簡単には休めない多くのサラリーマンや、保険料の支払いはおろか、日々の食費にすら汲々としている失業者・低所得者にとっては、こんな説教を幾らされても、何の意味も無い」「そもそも、派遣切りや入院・介護制限、生活保護切捨てで、国民をここまで食うや食わずの生活に追い込んでおきながら、何を今頃になって”いい子”ぶっているのか」と、愚痴をこぼしていましたっけ。
「インフルエンザ対策についても、政府やマスコミは、とかく防災・治安の観点でしか物を考えないが、食生活や労働環境の問題を解決しない限り、本当の予防なんて出来ないじゃないか」と、心の中で思っていましたから。
そうしたら、やっはり、こんなニュースが出てきました。
・【新型インフル】発生源は南部養豚場?メキシコ政府は否定(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090428/amr0904282315017-n1.htm
・〔豚インフルエンザ〕発生源?の養豚場は衛生状態が最悪 (低気温のエクスタシーbyはなゆー)
http://alcyone.seesaa.net/article/118329633.html
・豚インフルエンザ、メキシコの社会的危機を深める(マスコミに載らない海外記事)
http://eigokiji.justblog.jp/blog/2009/05/post-125b.html
・世界の流れは食糧主権と家族農業/日本・メキシコ自由貿易協定(農民連)
http://www.nouminren.ne.jp/dat/200310/2003101306.htm#01
・月刊「養豚情報」’08年2月号所収、米国スミスフィールド社と住商フーズの業務提携契約記事
http://www.keiran-niku.co.jp/youton-br08.html
・豚インフルエンザと、より貧しい国へ大規模な養鶏・養豚場が進出していったこと(とむ丸の夢)
http://pokoapokotom.blog79.fc2.com/blog-entry-1093.html
今回の豚インフルエンザ・ウイルスの、最初の発生源と目されている、メキシコ・ベラクルス州の山村ラグロリアにある、米系大手資本スミス・フィールドの子会社が経営する巨大養豚場の実態が、実は糞尿垂れ流し、不衛生な処理、抗生物質・遺伝子組み換え飼料使いまくりの公害企業で、次に病原菌変異による奇病が発生するのは此処ではないかと、現地では以前から問題視されていた、との話です。記事冒頭の写真は、地元メディアが撮影したものの一部ですが、糞尿が何の下水処理もされないまま、池に垂れ流しされているのがよく分かります。
米国の食肉加工業といえば、昔も今も、典型的な3K業種で、食い詰めて流れ込んできた不法移民の足元を見透かして、最低賃金以下の待遇で、「蟹工船」さながらの働かせ方をさせているのでしょう。働く環境も最悪で、糞尿も垂れ流しで。そういう実態が、後にやがて世論の指弾を浴びるようになり、今までの様な大っぴらな形では、本国で操業出来なくなった企業が、今や米国の事実上の経済植民地と化してしまったメキシコに進出し、労働・環境問題を拡大再生産してしまっているというのが、インフルエンザ発生の経済的背景としてあるのでしょう。
だから、本当は豚インフルエンザでもA型インフルエンザでもなく、北米インフルエンザ・NAFTA(注)インフルエンザと呼ぶべきだ、という意見もある位です。
(注)NAFTA:北米自由貿易協定(North American Free Trade Agreement)の略称。米国・カナダ・メキシコの3国で締結され、1994年に発効。域内貿易関税の99%撤廃(金額ベース)などが謳われている。
http://www.weblio.jp/content/NAFTA
しかも、そういう形で作られたミートを、スミス・フィールドと独占販売契約を結んだ住友商事の系列会社が、10年以上も前から米国から日本に輸入し、外食産業やスーパー・コンビニに卸し続けていたと、言うではありませんか。
業界紙では、それをさも画期的事業であるかの様に、自画自賛していますが、何をか況やです。幾らトレーサビリティ(流通履歴確認)やHACCP(ハサップ、重要管理点管理)の手法を導入した所で、当のチェックする側が雪印・不二家や三笠フーズみたいな企業だったら、ザルも同然です。ISO認証という形で、日々のチェックは企業任せになっているので、企業の自浄努力が働かない場合は、逆に、とことんまで暴走してしまう危険性があるのにも関わらず。
日本のマスコミは、こういう問題には一切触れる事無く、楽して視聴率稼ぎに走れる番記者報道に、のめり込んで行っているのです。だから、例えばアフリカのエイズ禍の問題なども、本当はインフルエンザ以上に深刻な問題であるにも関わらず、飛沫感染の心配が殆ど無い(直接関わり合いにならなくても済む=視聴率が稼げない)ので、取り上げようとはしないのでしょう。
エイズ禍の問題も、発端は確かにサル・エイズ・ウイルスの突然変異による感染問題ですが、その裏には、往年の植民地支配に伴う経済・社会構造の歪みや、それを背景に持つ部族紛争・内戦の頻発、それに介入する大国や、暗躍する死の商人、開発に伴う環境破壊の影響が、絶対にある筈です。その結果、当該国民の半数以上がエイズ保菌者となってしまい、地域社会や国家が崩壊の瀬戸際にまで追い詰められているというのに。
豚インフルエンザの脅威が「国家の危機である」と言う以上は、当然エイズ禍の問題も同程度に取り上げなければ、釣り合いが取れません。しかし、そこまで問題を掘り下げて行くと、当然自分たちの国や企業との、それまでの関わり合いも、取り上げざるを得なくなります。
しかし、それでは、下手をすれば「虎の尾を踏む」事にも為りかねません。だから、ひたすら無視するか、若し取り上げる事があっても、「あれはアフリカ・メキシコ・中国・・・の問題で、自分たちとは無関係なのだ」「自分たちは”先進国”の国民として、哀れな”後進国”の体たらくを批判しておれば、それで良いのだ」という報道になるのでしょう。
それで、外国の報道や政府の発表を、そのまま垂れ流すだけの報道が巷にあふれ、政府・与党による点数稼ぎや右往左往に、否応なく巻き込まれる形になってしまっている、国民こそいい迷惑です。
確かに予防は必要です。うがいをし、必要と在らばマスクもしましょう。しかし、それ以上の、心置きなく仕事を休め、お金の心配なぞせずに必要な治療が受けられ、充分な食事や睡眠が取れるようにする事や、どこの国の国民も、低賃金で不衛生な職場で働かなくても良い様に、貧困・格差の問題を解決していくのは、これは政治の責任です。それを抜きにして、やれ「危機管理が為って無い」だの何だのと、偉そうに言う資格が、今の麻生首相や桝添厚労相に在るとは、到底思えません。